ありがとうのお話

古式亜矢

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ひなちゃんの探しもの

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 それからひなちゃんは毎日朝にお友達のみらいちゃんに会いに行き
 かびんのお花をかえました。
 そしてあちこちに虹をさがしに行きました。

 桜の木の葉っぱが青々としていた日も
 大きなひまわりをみらいちゃんのお家に届けた日も
 もみじの葉っぱが赤くそまった日も
 木の枝に真っ白な雪が積もって森のみんながたくさんねるようになった日も
 ひなちゃんは毎日毎日一生懸命虹をさがしました。


 桜の花が寂しい茶色からきれいなピンクに色づいた頃
 いつものようにひなちゃんはみらいちゃんにお花を届けた帰り道に
 森の小川のその奥で、ちいさなちいさな虹をみつけました。
 虹のきれはしがチラチラと光をあびて小川の土をてらしています。
 ひなちゃんはおおきな目がさらにおおきく開きとてもびっくりしました。

「虹だ…!やっと、やっと見つけた!」

 そう言って、ひなちゃんは急いでかけだしました。
 そこにはずっとずっとさがしていた
 みらいちゃんの目をなおすお薬があるのです。

 いそいで虹のもとまでくると
 虹はキラキラとひなちゃんににっこりほほえんだようにみえました。
 そうしてすうっと消えてしまいました。
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