上 下
24 / 80

第17話 河原に着いたら森林浴とキャンプをして(前編)

しおりを挟む

前書き

まったくタイトルを回収できていない・・・汗



第17話 河原に着いたら森林浴とキャンプをして(前編)

良い夢を見ている。皆で空を飛んでいて頭上の万年樹の頂上を目指している。彼女達の風に靡く髪と桜の花びらが美しく視界に映り一人一人が優しく微笑む。緩やかな朝の陽射しが僕達に降り注ぐ中、遥か上から見えた巨大な空洞の中へ探検しに行く。閉ざされた壁が音を立てて開くと視界は急に光り輝いて………

僕は目を覚ます。空は白け始めているが曇っている。厚着で出掛けるのが良いだろう。視線を下に向けると僕は目が釘付けになる。サオリはスヤスヤ眠っているが山頂の桜色の小苺ごと胸元があらわになっている。浴衣に戻すついでに冷えてないか手で確認したところ、とても温かくて柔らかかった。風邪や冷え性の心配は無さそうだ。体調には常に気を配らなければならない。

僕はくるりと向きを変えると、愛らしい微笑みで眠っている天使が映る。なんて可愛いんだ…。頭を撫でてじっと見つめる。今の状態が幸せだと改めて実感する。寝てる間にそっと唇にキスした。本当は起きてからのほうが良いのだろうが…。
さて、朝食と昼食用の調理をしに行くかな。僕は起き上がる。まだ早朝なのでミドリやリノアもスヤスヤ眠っている。起こさないようにそっと動いて寝室を出る。

まずは研いで置いたお米に水を入れて早炊きでスイッチを押す。銀紙におにぎりを包んで川原で食べるのも良いだろう。そうと決まればおにぎりの具を用意しておかないとな。焼きたらこや玉ねぎと焼いたカルビや梅の切り身などを手際よく準備していく。お昼はバーベキューをしようと思っているので焼き野菜やお肉を車に積んで置いた。冷蔵庫から銀紙に玉ねぎやみりんやダンジョンの林檎のすりおろしや甘めの焼肉のタレを混ぜて漬け込んで包み込んでおいた銀鮭やハンバーグやスパゲティやミスジの和牛肉や野菜炒めも取り出し、これも車に積んでおく。バーベキューを始める頃には味が染み込んで美味しく食べられるに違いない。皆が美味しく食べている風景が目に浮かぶ。冷蔵庫の残りの食材を見てチャーハンを作る事にした。ご飯は多めに炊いているからおにぎりの分も残せるので何も問題は無い。さっそく鍋を温めて少量の油を敷く。エビキムチ卵玉葱長葱豆腐ミスジ肉などのチャーハンの具を焼いて炒める。清水仕込みの美味しいごはんが炊けたのでごはんも鍋に入れる。研いでる段階でも清水を惜しみなく使ったのできっと美味しいに違いない。少しチャーハン全体に色と焦げ目が付いたら塩胡椒で味を調えて完成だ。
後は色とりどりの食材をおにぎりの具にして握っていく。塩も海苔も高めの高級なものを厳選したのできっと美味しいに違いない。僕はまたお昼の食材を車に積んでから残りの分を朝食としてキッチンに運んでいく。豚汁も作る予定なので、芋や人参や玉ねぎやブランド物の豚肉などを切り刻んでタッパに詰めておいた。現地でみりんや味噌や清水やカツオ出汁などで美味しく煮込んで作る予定だ。キッチンに朝食を運ぶと良い匂いが立ち込めてきた。皆そろそろ起きる頃かな・・・?寝室に戻り様子を伺う。一通りやる事を終えて油断したのか、足元がふらついて布団の中に転んでしまう。

咲桜里「んにゃ~・・・わっお兄ちゃん♪咲桜里が可愛いからって寝てるうちに忍び込んで来ちゃうなんて・・・おにいちゃんはえっちだねっ♪」

特に足元に躓くようなものは置いていなかったので言い訳のしようがない。らっきーすけべ・・・とでも言うのだろうか?(心霊番組のナレーター風

真樹「う、うん・・・朝食の用意が済んだから、目が覚めてきたら起きて来てね♪」

咲桜里「ありがとーお兄ちゃん♪もう少し寝てから起きるね♪」

わざとかわからないが抱きしめられた際にはだけた浴衣の胸元の中へ僕の顔は埋まっていく。僕はこの視界と感触を心のスクリーンショットに保存する。

真樹「うん、ごゆっくり♪」

頭が胸元に埋まったままの姿勢のままでサオリはまた眠り始めてしまった。動くのがもったいないけど、どうしようかな・・・。すると僕の肩がぐいぐいと引っ張られスポッと頭が抜ける。

翠「おはよー真樹!ボクにも朝のちゅ~してよ♪」

真樹「もう、翠は甘えんぼだなぁ♪」

いつかの想里愛との朝のちゅ~を見られていたのだろうか・・・?言い逃れはできなそうなので、大人しく頭をなでなでしてから朝のちゅ~を交わす。仄かに昨日の杏仁豆腐の味がした。

翠「コーヒーゼリーの味がするぅ・・・♪」

妖艶な表情でそう言われると朝から興奮してしまう。

真樹「そうなんだ、どっちも美味しいよね・・・♪」

翠「次食べるときはあ~んして食べさせてね?♪」

真樹「もちろんいいよっ♪」

食事が毎回楽しみだ、うまくいけば朝食か昼食で食べあいっこもできるかもしれない。おら、朝からわくわくしてきたぞっ!

翠「みんな起きてないし、ボクももう少しおやすみしてようかなぁ。」

真樹「そっか~、ゆっくり休んでね♪」

翠は陽射しが少し眩しいのか、近くにあった帽子を顔にかぶって寝始めたようだ。たぶん寝ずらいと思うので遮光カーテンをかけて帽子を取ってあげた。

僕は布団に戻り横になると、想里愛が寝ているはずの位置にリノアちゃんが横になって僕を見つめている。どうやら想里愛を1つ隣に移動させたようだ。

里乃愛「真樹くん、おはよっ♪」

真樹「起きてたのかな?おはよっ♪」

里乃愛「ちょっと前から起きてたよぉ~♪」

ニコニコしながら見つめ続けられる。コミュ障な僕は何を話そうか迷っていると・・・。

里乃愛「実はさっきミドリちゃんとの様子が見えたんだけど・・・」

ふぁっ!?という表情になる僕。思い切り見られていた。

里乃愛「私にもしてくれるよね・・・?」

可愛くおねだりされて、アタフタしていると・・・

里乃愛「私がリードしてあげるっ♪」

ふぁっ!?華奢な腕に抱きこまれ、里乃愛の端正な顔がすごく近くに映る。

里乃愛「ほら、目を閉じて・・・?」

僕はリードされるがままに目を閉じる。この新鮮な気持ちはなんだ・・・?胸がどんどん高鳴っていく。頬に柔らかい感触が伝わる。ゆっくり目を開けると里乃愛の指先が当たっている。

里乃愛「真樹くん、可愛いからいじわるしたくなっちゃった♪」

少し残念そうな顔をしていると、里乃愛は目を閉じてゆっくりと顔を近づけて唇を重ねてくれる。

真樹「あ、ありがとう・・・♪」

里乃愛「ふふっ、今日は旅館に出掛けるんだよね?楽しみだなぁ♪」

頭を撫でているとまだ眠り足りないのか、もうひと眠りし始めた。僕ももうひと眠りしようかな・・・少しウトウトし始めた頃、横からモゾモゾ誰かが寄ってきたようだ。ゆっくりとその方向を向くと愛しい天使が僕を見つめている。

想里愛「真樹さん、おはようございます♪」

真樹「想里愛だっ♪おはよ~♪」

想里愛はゆっくり目を閉じて僕のアクションを待っている。肩を掴みゆっくり抱き寄せて接吻を交わす。どちらともなく舌を絡ませ濃厚な口付けになっていく。僕は強く抱きしめて想里愛を離さない。しっかり抱きしめ返してくれて幸せを感じる。

真樹「体調もすっかり回復してるようで、安心したよっ♪」

想里愛「えへへ♪真樹さんの介抱のおかげです♪」

真樹「いつまでも、一緒に元気に暮らしていこうね♪」

想里愛「もちろん!ずっと真樹さんの傍にいます♪」

ニコニコ微笑む想里愛とデレデレする僕。朝からすごく幸せで濃厚な時間を過ごす。我慢できずにたっぷり唇を重ねながら胸元に手を忍び込ませて揉みほぐすが、想里愛は目を閉じかわいい顔で受け止めてくれた。

想里愛「朝から真樹さんに可愛がってもらえて嬉しいです♪」

真樹「僕もすごく嬉しいよ、ありがとね♪」

愛しいお嫁さんは僕の胸元で安心した寝顔を浮かべてまたスヤスヤと眠る。僕もこのままもう一眠りしよう…。穏やかな朝が過ぎていく。

咲桜里「お兄ちゃん起きてっ?」

真樹「みんな起きるの早いね、おはよ~」

想里愛「真樹さん朝から調理してくれてありがとうございます♪」

翠「さすが真樹だね、良い意味で予想の斜め上を行く!」

里乃愛「うんうん、わぁ豚汁良い匂いしてる~♪」

僕も皆の待つ食卓へ座る。今日は庭の翡翠のテーブルで食べる。里乃愛ちゃんがかけてくれた魔法のおかげで部屋と同じように暖かい。テーブルを囲む形に広がる長方形のヒノキの椅子の上に座布団やイチゴのクッションを載せている。座り心地が良さそうだ。

真樹「家の中の食事も落ち着いて良いけど、庭で食べる食事もまた・・・良いね♪」

想里愛「そうですね!朝なのにお月様が見えて・・・神秘的です♪」

咲桜里「お月様って夜以外にも見れるんだ~♪」

翠「朝食を済ませたら今日はお出掛けするの?」

里乃愛「そうなんだ~、どこにお出掛けするのかな?♪」

真樹「山でキャンプしたいんだけど・・・どうかな?」

皆の快諾を頂けて嬉しくなる。きっとお昼も皆で美味しく食べて過ごせるだろう。
僕は出汁の利いた豚汁を共食い・・・いや、美味しく味わいつつ笑顔の皆と会話を弾ませる。
さすがにキャンプで一泊するのは体力が削られそうなので日帰りが良いのかもしれない。
今その事で悩んでも仕方ないので向こうについてから皆で考えて決めれば良い。
せっかくのキャンプだし倉庫に眠ってる釣り道具も持っていこうかな!山でも鮭って釣れるのかなぁ?(脳内お花畑顔)

咲桜里「お兄ちゃんの豚汁美味しかったぁ~♪(意味深)また食べたいな♪」

真樹「車に豚汁の食材積んだから、お昼にもまた食べられるよ♪」

想里愛「お昼も美味しく温まれますね♪」

里乃愛「お出掛け楽しみだよぉ~♪」

翠「にぎやかでいいね、車の中ちょうど満員だね♪」

食べ終わった食器を皆で仲良く洗い、また翡翠のテーブルに戻りお話する。
これは良い石だと皆褒めるので翠は満足気な顔をしていて微笑ましい。
小鳥がさえずり身近に味わえる森林浴を満喫する。向こうに着いたらもっと本格的に満喫できるに違いない。小一時間経ち出掛ける事になる。浴衣では森では不便そうなので動きやすい服に着替えてもらう。
想里愛はフリルのミニスカートに肩や胸が開放的な上着、咲桜里達にも浴衣やコスプレ以外の服も着て欲しいので先に服屋に行く事にする。とりあえずコスプレ・・・いや、素敵なサンタさんや学生さんやメイドさんに着替えてもらった。いや~目のやり場に困るなぁ(棒読み)

???「だ~れだっ?♪」

不意に柔らかい手で目隠しをされる。う~んこの背中に伝わる感触は・・・僕は神経を背中に研ぎ澄ませて答えを導く。

真樹「想里愛・・・かな?♪」

想里愛「さすが真樹さん♪こんな一瞬で理解っちゃうなんて・・・あたし嬉しい(ハート)」

ふふ、今日も主人公補正炸裂でどんなクイズも大成功だぜ!
目隠しの流れで着替え中の想里愛に笑顔を向けてもらいながら、見放題の景色を僕は堪能する事ができた。
さぁ、皆を車に乗せて素敵な洋服屋さんに出発だ!!



後書き

着替え見放題無料!!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

たいまぶ!

司条 圭
ファンタジー
「私たちが、全人類(みんな)のカルマを守るのよ」  「ハデスゲート」を通じ、異世界より現れる悪魔たち。  悪魔は、生物のあらゆる願いを叶えることが出来るが、  その代償に「カルマ」を汚していく。  それが、自身が望まないような呟くような願いであったとしても……  そうしてカルマを汚された者の末路は、悲惨なものとなってしまう。  数多の生物の「カルマ」を守るため、創設されたのが  「退魔部」だった。  普通の高校1年生だった、朝生一子。  入学式を迎えて間もなく、ひょんなことから退魔部の部員となることに。  人の役に立ちたい。  そう思っていた一子は、退魔部へ入部する。  そんな退魔部を通じ、将来の夢どころか、入部する部活にすら悩んでいた  朝生一子の成長を綴る物語。  学生の貴方はもちろん、社会人の貴方にも……  全ての方々へ送る、青春退魔ファンタジーです!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...