雪梛の一閃

雪梛

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原初編

作者?何こいつ

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当日となった。
全員技を磨くなり休息を取るなりして万全の状態で迎えることができた。
今現在全員揃った状態で戦場に役者も揃っている。
さて“ゲート”を受け継げるような人材は現れるのかな?
「なんか意味深なこと書いているところ悪いけどこっちはもういつでもいけるよ」
雪梛せつなはいつも通りの感情の薄い表情で言ってきた。
「おっと、これは悪かったね。さあ誰からきてくれるんや?」
「最初はあたしだ!」
元気よく言映ことはが出てきた。
「いい試合にしよーな」
「当たり前だよなぁ」
喋りながら言映は抜刀して構えた。
「あんたも武器だしなよ」
「いやその必要はねえよ」
「「「⁉︎」」」
雪梛と香澄以外急な変わりように驚いているようだ。
「結局言わなかったんだな。まあいいだろ。俺は多重人格を意識的に使っているんだよ。そしてここのダメージとか疲労は一つ一つの人格が受け持っているってわけだ。だからこの間いったろ?ストックは半分正解だってな」
言映は困惑していたが吹っ切ったようだ。
「人格がどうとかわかんないけどようはぶっ飛ばせばいいってことでしょ」
「そういうこった。ちなみに俺の主力武器は拳だ」
そう言うが否やてんちょうは走り出して一気に間合いを詰めて言映に殴りかかった。
「⁉︎」
言映は直感で避けて回避後に刀を振るったがてんちょうは難なく避けて間合いをとった。
「いい動きするねー。AT対決は好きだよ。わかりやすくて」
「でも大丈夫か?パワー、速度負けは重大だぞ?」
「痛いとこつかないでもらえます⁉︎」
両者軽口を叩きながら次の一手を、得意技のタイミングを測っていた。
「来ないなら先に行くぞ。見切りの成果をみしてくれよな」
そういいてんちょうは攻撃を仕掛け始めた。
(拳と行動先の明確化か)
言映は柄でもない事を考えながらてんちょうの攻撃を避けていた。
「おお、いい動きするじゃねえか。でも攻撃に転じないとジリ貧だぞ。隙を見つけて仕掛けるんだ。どうせ俺の気付いてない癖やパターンがあるんだからな」
言映はてんちょうのアドバイスを聞きながら見ていた。
(ここだ)
言映は攻撃のウェーブが複数分かれていることに気づきそのウェーブ間にはほんの少しの隙が生じることを既知にした。
隙をついた攻撃にてんちょうは笑いながら刀が肌に触れた瞬間に同速の同方向で受け流しを発動させた。
「なんて反応速度しているのよ」
後ろに跳躍しながら言映は言った。
「まああいにくの俺もスタイルに合わなくて受け技を覚えなければならなかったからだな。というか得意技使わなくていいのか?無月乱舞」
「何よその技?あたしは初月乱舞しかないわよ?」
それを聞いててんちょうは納得しながら言った。
「そうかまだ名付けをしていなかったのか。まあいいわ。うってこいよ。初月乱舞をよお」
「へっへっへ、期待に応えてやりますよー!」
てんちょうのノリに合わせてながらも言映は集中力を高め始めた。
(久々の高揚感が味わえるな)
てんちょうはそんなことを考えながら時を待った。
バッ
きたようだ。
言映の突進のように鋭い攻撃をかわしてその次の瞬間にくる攻撃も回避。
「勿体ぶらなくていいんだぜ?一段あげな。さもなくば退場させてやんよ」
その発言に冷えたのか言映は先日の朝月にくらわしたものと同等レベルまで引き上げた。
しかしてんちょうは死角から繰り出されている攻撃も全て回避に成功している。
そのくせ緊張感を一切感じないのだ。
「素晴らしい攻撃だ。完全死角からなされる鋭い攻撃の乱発。そして継続力に正確性どれをとってもピカイチと言っても過言ではないだろう。よくぞここまで登ってきた。その努力に免じて俺も技を出してやるよ」
てんちょうは今まで笑っていた笑みを少々ばかり減らして拳を1発出した。
「「「⁉︎」」」
ドーン ザザー
(何が起きたんだ?)
言映は困惑しながら先程の出来事を思い出した。
言映の鋭い太刀筋がてんちょうの胴を斜めに切り裂くような軌道を描いていた。
そこにてんちょうは拳を出してきていた。
言映の斬撃の方がリーチ的に先に当たるので不審に思ったが思いっきり言映は振り抜いた。
しかし予想と反しててんちょうは拳の人差し指と中指の隙間を使って白刃どりを行い言映に峰でぶん殴って吹っ飛ばしたということだ。
「あんたはいったいなにものよ?」
てんちょうは笑いながら
「ただの多重人格者や。裏の裏に裏があるっちゅうだけのな」
なぜか口調が戻っていた。
「どうするまだやるんか?やるっちゅうならわたしは全然ええけどな」
言映は少し考えてからいった。
「いやこれはもう完敗だな。あたしの技を完全に受け切るなんてね。やっぱすごいわー。でもこれだけは言わせてもらうよ」
「なんや?」
予想がつきながらもてんちょうは聞いた。
「もっと同等の奴と戦わせろよーー!!!」
そう叫んだ言映はその場から消えた。
「そういえば亜空間から中継って見れるの?」
「心配なく。ちゃんと見れるようになっとるで」
その辺は用意周到のようだ。
「さて次は誰が来るのかな」
「その前にいいかしら?」
香澄かすみは少し不満気に聞いた。
「おおなんや、なんでもきいてみ」
「とぼけないで。回りくどいのは悪口だけでいいのよ」
「なんやつれないな。まあええわ。その通りだよ。わたしは今回多分本気で戦わないだろ」
てんちょうは冗談めかして。
「戦わないじゃなくて戦えないでしょ」
「やけに鋭くついてくるじゃん」
「この中だったわたし、香澄はどうだかわかんないってとこだね。正直わたしはてんちょうの6人格を正しくは理解していないんだよ。それにどの人格を誰にぶつけるかとかもね」
先程から雪梛が妙に知っているのは気のせいかね。
まあそんなことはどうでもいいか。
時期に知ることとなるであろう。
「まあええわ。そんな感じっちゅうことよ。わからんかったら雪梛に聞いてな。そして次はりえかな」
てんちょうに言われて呆れ顔のりえがきた。
「本当にお前はどこまでしっているんだかなー。まあいいよ。お手合わせ願おうじゃないかー」
りえはホルスターから銃を抜きセーフティを外して構えた。
「さーて。わたしには誰が来るのかなー」
「あなたの相手は私よ。全くここで私を使って良かったのかしら本当に。一応第二の相棒なんだから二銃分析とやりたかったわ。あっ、重大なキャラ被りね」
何やら愚痴りながら歩いてきた。
きっちりとハンドガンを構えていてすでに準備万端のようだ。
「すみませんねー。こんなのが相手で」
「いえいえ。どうせなら二重分析とやりたかっただけで別にあなたとでも問題ないわ。それにあなたは奇怪な技を使っていたじゃない。楽しみにしているわ」
予想外の反応にりえは少々驚いた。
てっきりこちらの発言に肯定してくると思っていたのだ。
しかしここはすでに戦場。
それに相手はてんちょう第二の相棒で香澄よりも強いと見た。
勝算は低いが勝機がないわけでない。
(盗んだ技で初手に全てを込める)
「ところであなたのお名前は?」
「面白いわねあなた。いいわ教えてあげる。私の名前はほむよ。あまり気にしちゃいけないからね」
りえはつっこもうとしたがやめた。
「ところでほむさんよー。得意技っていつ決めるもんなんだ?」
「ふふ、きなさい。全て無に返してあげるわ」
(最初からわかっていたな)
しかしほむが動かないおかげで演算が組み終わった。
「ああ、お望み通りやってあげるわー!」
りえはセミからフルに切り替え角度、向き全てが計算されつくされた銃弾を放った。
「フレイクショット」
「結構なユーモアがあるのね。でもパクリ技で決めにきて良かったのかしら」
りえは返答はせずに次の行動を起こした。
銃をホルスターにしまい右手を突き出して半身だけ向けた。
「読みが甘いわ」
ほむはそういうと銃弾の嵐のキーを次々撃ち抜いて早々に脱出した。
そしてりえの右手に1発、ほむからみてりえの左下に時差で撃った。
りえはほむが予定よりもかなり早く抜け出してきて焦ってしまい判断を誤った。
りえは右手に飛んできた銃弾を慌ててタイミングを合わせて衝撃吸収したのだが回転中に着地地点に弾丸が飛んでくるという事実に気づいた。
(どうするかなー)
回転中の体感時間を非常に遅くして脳をフルで回した。
仮に衝撃吸収をしようとしても衝撃移行の時間が足りないのでかなりのダメージを受けてしまう。
(あれだな)
りえは予定を決めて体感時間を戻した。
急速に時間の進みが早まった。
りえは足目掛けて飛んできている弾を足を曲げて銃弾を踏んで踏んだ瞬間にかかった力をさらに吸収して上に飛んだことにより衝撃移行から衝撃保留も終了させて着地して技を放った。
「パワードライブ」
りえはかつてないほどの速度を叩き出しながら特攻した。
「ふーん。なかなかいいじゃない」
ほむは感心しながらどこか緊張感なく脱力して立っている。
ドーーン
ほむは超高速で吹っ飛んで行った。
「手応えがねぇだ…と…」
りえはそんなことを言いながら倒れた。
「かなり吹っ飛ばしたわね。あいつにも頑張れば届きそうなポテンシャルしているわね」
信じられないことに30秒程でほむは帰ってきた。
「最後に一つだけ聞かせてくれ」
「何かしら?」
「どうやって戻ってきた?」
ほむは納得したように頷いた。
「あら、それならあなたも答えが出ているんじゃないのかしら」
「やっぱり自損ブーストかー」
りえはその言葉を最後に亜空間に消えていった。
「次々と倒されていくね」
霊斬れいきが人ごとのように呟いた。
「まあ予想通りじゃない?言映戦の後にてんちょうが言っていたじゃん。本気で戦えないって」
雪梛はてんちょうを観察しながら言った。
「話とるところ悪いが次は誰が相手になる?」
「次はあたしがいくわ」
朝月さつきが立ち上がって言った。
「そういやまともな戦闘シーンを一度も描写しとらんかったな。いい試合にしようぜ」
てんちょうは間合いをとって朝月と向かいあった。
「さあ、あたしの対戦人格は何かしら?」
「わたしだ。基本スペックはてんちょうと変わらないけどいい試合になると思うぞ」
てんちょうは雰囲気が一気に変わって集中力が格段にましていた。
「ふーん、どうやら集中力特化の人格コンセントレイトとでも言ったところかしらね」
「見事な考察だ。その通りだよ。じゃあ早速行こうじゃないか」
そう言った途端てんちょうは体重を前へとずらして一気にトップスピードに乗せて殴りかかった。
「凄い速度ね見切りを経験しといて良かったわ」
朝月は抜刀せずに相手の行動パターンを見切りを使いながら観察しているようだ。
「観察眼か。なかなか珍しいものを使ってくるな。わたしはてっきり速攻で試合を終わらせにくるのかと思ったよ」
「冗談きついわよ。わたしの戦闘スタイルは知らなくても雪梛が観察眼を使っている時点でわかるでしょ?」
両者笑いながら攻撃と回避を続けている。
「よっと」
てんちょうは不意に朝月と距離をとって一息ついた。
「いいわよ。ぜひ撃ってきなさい」
「朝月も大概察しが良すぎるな」
そんなことをぼやきながらてんちょうは片手でを突き出してりえの2+殴りのような姿勢になった。
「この速度を見切れるかな」
「⁉︎」
いつぞやの雪梛のセリフみたいなことを言いながらてんちょうは超速で朝月に飛んで行って殴り飛ばした。
朝月はかなりの速度で吹っ飛んでいったがギリギリ受け身をとってまだ一応の継続は可能なようだ。
「その技は何かしら?りえの2+より速かったけど」
「こりゃ驚いた。わたしの本気の一撃をくらえるとはな。この技についての質問か。この技の構造としてはりえの反射と変わらないよ。ただ反射させる場所が多いだけだ。りえは2つが限界だったけどわたしは四つだ。まあこの技は速撃って名付けているんだけどな」
てんちょうは感心したように朝月を見ながら言った。
「なるほど。あなたの人格変更は肉体強度をあげたりできる技を増やしたりしているのね」
「その通りだ。非常に回転速度の速い頭をしているじゃないか。本当はもう少しゆっくりやっていきたいがまあ致し方ない。傷が痛む前に終わらせようじゃないか」
てんちょうは気合いを入れて集中しながら身体を脱力させた。
「あたしもここいらで凄いってところをみせないとね」
朝月はようやく抜刀して思考を回し始めた。
急に思いっきり地面に向けて刀を振り下ろした。
しかしてんちょうも地面を思いっきり踏みつけた。
「小細工はなしや。まともにこいや」
「そこまで言うならいいわ。やってやろうじゃない」
どこか振り切ったような顔をしながら朝月は地面を蹴っててんちょうに接近し、思いっきし刀を振り下ろした。
非常に速く基本に忠実な良い太刀筋となっていた。
てんちょうは体の半分が刀と触れると同時に同速でほぼ同角度に回転を始めて流しきると同時に反射をかけて朝月の背中に蹴りを入れた。
骨が折れる音がしながら朝月は吹っ飛んでいき地面に着く前に亜空間に飛ばされた。
「いやあ良かったな。基本ってやつは極めればいずれ最強の技となり得るしな」
最初の人格に戻りながらてんちょうは言った。
「なかなか良かったんじゃないかしら。結局良い結果とは言えなかったけど」
香澄はどこか呆れながら言った。
「まあしょうがないでしょ。今のわたしたちじゃ太刀打ちできるような相手じゃないでしょ」
雪梛は冗談か本気かわからない顔でいった。
「さあ第四ラウンドと行こうじゃないか。霊斬やろ次の相手は」
「まあそうなるよね」
霊斬は準備万端で抜刀した。
「なんで私なんだかな。まあいいやとりあえずまともに戦えば良いんだろ。まあ私的には鮮血さえ見れれば良いんだけれどな」
何やらめんどくさそうに物騒なことを言いながらてんちょうが歩いてきた。
「あなたも拳?」
「ああ、そうだよ。流石にここでピストルじゃあまだこの身体に馴染んでないからな」
少々きにかかる物言いだが霊斬は思考を止めた。
「じゃあ早速始めよう」
「そうこなくっちゃな」
てんちょうは一気に間合いを詰めて連撃を開始した。
「やっぱり凄い軽そうな身のこなしでありながらの重い拳、今までで一番の強敵だね」
「随分と余裕そうじゃねえか。まあこの程度でへばるようならここにいないか」
両者準備運動程度に思っているのか緊張感が全く見受けられない。
「そろそろカウンター狙ってきて良いんだぜ?もう大体はわかってきたんだろ?」
「じゃあそろそろ決めていこうかな」
そう言うと霊斬は集中力を高めて右肩狙いの拳を避けた瞬間に胴払いを放った。
「よっと」
「⁉︎」
てんちょうは霊斬の放った胴払いを刀の平に手を乗せて側転のように回転しながら回避したようだ。
てんちょうは着地と同時に霊斬に突撃して腹部に1発拳を入れ込んだ。
霊斬は食らうと同時に後ろに跳躍してダメージを減らしながら距離をとった。
「腹に入ったのは不味かったんじゃないか?腹には臓器がたくさんあるし何より鈍痛がくるからな」
「こんなもんはそんなだよ。それより名前を聞いてなかったね」
「私の名前はまりだ。つっこみは受け付けんぞ」
霊斬は納刀しながら聞いていた。
「お?しまっちゃうのか。まあいいや。それよりも撃ってこいよ。主人公の技をよー」
「全く。どこまでわかっているんだかね」
文句みたいに言いつつ霊斬はあの居合いの準備を始めた。
「さあ、良い技を見せてくれよな。中途半端だと刀へし折っちゃうんだからね///」
ツンデレ風に言いながらまりは考え事をして時を待っていた。
バッ
不意に霊斬が動き出し目にも止まらない超速でまりにきりかかった。
「いやぁ。こればっかしは相手が悪かったな。まああいつから技を借りた私も大概だが」
「!?」
霊斬は驚愕のあまり動きが止まった。
「わたしの刹那モードに似た動きだったね」
「ええ。動いた瞬間にわかる的なやつじゃないわね。もっとこう進行方向があらかじめある程度わかっているみたいな感じね」
考察を口にしながらの2人は思考を回した。
「あんたらすごいな。もうこのセコ技のカラクリに気づき始めるなんてよ」
まりは心底感心したように言った。
2人とももうカラクリに気づいているようだったが。
「まあそれは置いといてだ。すまなかったな。正直言って受け切れる自信がなかったんだ。だからって避けるなっちゅう話なんだけどな。まあ私は危険な橋は渡らない主義なもんなんでな。というわけで続き始めようぜ」
「そうこなくっちゃ」
霊斬は集中力を高めて技の準備をしてきりかかった。
まりは少々驚きながらも的確に避けて隙あらば拳を放っている。
しかし放たれた拳は霊斬のカウンターによって全部返されて詰められている。
「ちょっとまずいかもな。まあいけるだろうけど」
「軽口もそろそろ叩きづらくなってきたんじゃないの?」
「へへ、死にかけなんていつものことだ」
冗談を言いつつてんちょうは緊張のある顔つきをした。
と思ったら不意に笑い出して反撃に出た。
「ようやっとか」
「ありゃ?気づいていたんか」
「あんな身のこなしできるのに弱すぎると思ったんだよ」
まりは拳の応酬カウンターを白刃どりして隙を強制的につくり距離をとった。
「まあそう言わずにだ。とりあえず戦いを始めようぜ」
そうセリフを放ちながらまりはピストルを出してセーフティを外しセミに切り替えてリロードした。
「ようやっと銃を使ってくれるんだね。まあブラフはそれなりに上手かったと思うよ」
霊斬は納刀して代わりと言わんばかりに手刀を構えた。
「良いのか納刀しちゃって?こっからは手加減無しだぞ?」
「いいよ。こっちの方が取り回しに精度がいいからね。それに大魔王も手刀を使ってたじゃない」
冗談を言いながら霊斬は両手をまりに向けて待っている。
「はは、いいじゃねえか。お望み通り1発くれてやるよ」
そう言うと同時にまりはもうピストルをもう一丁だしてフルに切り替え3発ずつ角度を変えて撃った。
「粋な計らうをしてくれるね」
霊斬はキーを見つけてそのキーが手の平に当たる瞬間に受け流しの応用で衝撃を無くしてそのまま自身も共に回転して投げ返そうとした。
「甘かったな」
「ぐは」
まりの撃った弾は霊斬の掌にそれなりの出血を与えた。
「何が起きたんだ?」
とっさに受け流しを発動させたおかげで致命傷にはならなかったようだ。
「簡単な話だよ。キーに注目しすぎたんだ。まあわかるかなと思って弾数を減らしたんだがな。あー解説が面倒だから雪梛、解説しといてくれ」
「まったく人使いが荒いんだから。まあいいよ。今回のブレイクショットのようなものは霊斬への弾が直線方向、つまりこのままいけば霊斬に当たるっていう状況だね。その時に更に後ろから別の弾で弾いて速度を上げて角度をずらして見切りをずらしたんだね。流石の見切りも再演算までは時間がかかるからそこの時間につけ入った攻撃だね。この技は言うなればブレイクブーストだね。まあ今回はまりの手加減も相まって1発だったけど3発多方向もいけるでしょ?」
「ああ全然いけるな」
まりは雪梛の解説に感心しながら返答した。
「霊斬は覚醒させるの?」
「いやこれ以上はあれだから亜空間編でどうなるかだな」
何やら物語の先について話しているようだ。
「まあその話は後でにしような。ところでまだいけるか?」
「ここにまだ残っている時点でまだいけるってことでしょ」
悪態つきながら霊斬は抜刀して構えた。
「そしたら先手を譲ってやろう。DFだからってウケていると死んじゃうだろ?」
「わざわざありがとうね。じゃあ遠慮なく最終ラウンドと行こうじゃないか」
言うと同時に霊斬は反射?を使って間合いを一気に詰めて切り掛かった。
「ようやっと面白くなってきたな」
楽しそうにいいながらまりは迫り来る霊斬の斬撃を銃弾で逸らしながら避けている。
霊斬は銃弾に刀をへし折られないように細心の注意を払いながら連撃を続けている。
「こんなイレギュラーな試合をしてみたい、そう思っていたんじゃないか。」
「もちろんだよ。こんな至高な試合は滅多にできないからね」
霊斬は刀を弾かれた瞬間に距離を取り納刀して居合いの構えをしている。
「おっ、リベンジか。じゃあこいつで終了だな」
まりはセミに切り替えて2丁構えている。
「銃弾より速い斬撃をみしてあげるよ」
霊斬は反射を使って超高速で間合いを詰めた。
「マイゾーン?」
まりはこの速度でもきっちり見切って反射でサイドに逃げた。
(ここだ)
霊斬はここまでの展開を読み切っていてブレーキを前提にスタートしていた。
なのでマイゾーン?で攻撃先に行った後すぐに方向転換してまりの方に反射で一撃を入れに行った。
「さっきと同じことを言おう。甘かったな」
「くそっ」
まりはここまでを読み切っていた。
そして霊斬の斬撃を銃で弾いて更にゼロ距離で霊斬の腹に銃弾を撃った。
霊斬は血の塊を吐き出して亜空間に飛ばされた。
「結構いい動きしていたんだがな。まあまた後でやろうじゃねえか」
まりは銃をホルスターへとしまいながら言った。
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