二軍バスケ部寮性活

楽しいはずの秋まつり１

84 GAKU

僕は動画を見入ってしまった。
面白い映画を夢中で見ているときのようだった。見終えて
ハタと気付いて田辺を見ると、顔が涙でグチャグチャだ。
一緒に見ているのを忘れていた！
俺は慌てて田辺の頭を抱き締めて撫でてやった。
田辺は「どーしよう、どーしよう」と仕切りに言っていた。
「大丈夫、大丈夫」と僕は言うしかなかった。
だけどこれは大丈夫じゃない！
南條がお茶をとりに食堂に入ってきた。
僕は「南條が昨年の祭りで行ったのは、どこの町内会だっけ？」と聞くと、思い出したくもなかったのか、ちょっと怒ったように「宮下町内会だけど、何でだ」と教えてくれた。
僕は動画のなかに何度か映り込んでいた町内会名を思いだした。なるほど、映ってるおじさんは派手な肌の人ばかりだ！
しばらくそうしていて、「今日はこのくらいにして寝た方がよいな」と田辺に言ったが、首を振り「もう一本の方も見ます。付き合ってもらえますか？」と聞かれた。
「大丈夫か？」と聞くと、顔を歪めながらうなずいた。
まあ、自分に何があったか知る必要はある。
俺はお茶をとってやり、一口飲ませてから、２本目を見る準備をした。