Daruma

ザボン

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Daruma

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周りを見渡すと、小さな島のような感じだ。
船着き場もこじんまりとしている。
乗ってきた船は既に出港していて、港には水野先生と真一、あと俺の檻を運んでいる黒人四人だけだ。
黒人達が俺の檻を見張り、水野と真一は「トラック来るまでちょっと休もう」と建物のなかに入っていった。
俺は水野と真一の手に落ちたのだ、とようやく理解した。
俺を安く買い叩いて、またどこか別の国へ売りさばくつもりなのか?
そのとき水野は「真一くん、私もフィリピンに来たときは寄らせてもらうから」と言った。
真一がフィリピンで俺を飼って、水野は日本に帰るようだ。
二人はそんな話をしながら船着き場の待合所に入っていった。
頭の中がグチャグチャになっていたが、ふと檻の前の黒人の腰に鍵がぶら下がっているのが見えた。
俺は檻の隙間から手を伸ばし、黒人のズボンにぶら下がっている鍵を盗み取った。取られた黒人はそれに気がついていない。
黒人たちも俺の檻から見えないところで座って休み出した。
逃げるなら今しかない。
俺はそうっと鍵を開け、檻をあとにした。

俺は一目散に山のなかに逃げ込んだ。
ここの島はどこなのだ、助けを求めたくても誰もいない。
人がいたとしても全裸で首輪だけ着けている異国人など助けてもらえる可能性は低いが、それでも誰かいないか、探しながら山のなかに入っていった。

どのくらい経っただろうか。
ガサッガサッと、草を踏む音が聞こえ、俺は息を殺した。
しかし、「ガサッ」と繁みを掻き分けて、俺の目の前にあの黒人達が現れた。

俺は暴れたがガッチリした黒人たちの腕で取り押さえられた。
後ろから真一が「残念だったな」と言った。
(何でこんなに早く見つかってしまったんだ?)
俺は「ハッ」としてつけられてている首輪を触った。
「気づいたようだな、そうだよ。その首輪にGPSか仕込まれているんだ」そう言いながら押さえつけられた俺の腕に注射を打ちながら「でも、もう逃げらレなイヨうニシテヤル。アナルトペニスガアレバイイ...」
俺は意識か遠退いていった。
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