Daruma

ザボン

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Daruma

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大学の前期試験が終わり、夏やすみ突入だ。「海にでも行こうぜ」俺は光一を誘った。
「おう、じゃ、明日Zで迎えに来てくれよ」
Zは俺が乗っているスポーツタイプの車だ。
「Zでもいいが、後ろ狭くね?お前のBMの方が良くねーか?」俺たちは男二人で海水浴に行く計画をたてていた。
俺は光一と遊びに行くのが好きだ。いつも一緒にいる。
しかし、俺たちはゲイではない。俺たちの目的は「ナンパ」だ。
アプリで相手を探したこともあるが、だいたい写真と実物が違いすぎる。
俺らのモットーは実物をこの目で見てから声をかけること。だ!
そして、二人組のお姉さんに声をかけると、かなりの確率で成功する。そのため車には4人で乗ることになるのでスポーツカータイプより車内が広いセダンタイプが快適なのだ。
もしかしたら車のなかで“こと”をする可能性もある!
「わかったよ、じゃあ俺のBMで明日迎えに行く」と光一が言った。
BMもナンパアイテムとしては十分すぎる車種だ。
その話を聞いていた講師の水野先生が「二人とも、追試にはならない点数取ったんだろうな」と声をかけてきた。
「バッチリですよ、特に先生の地理は得意な方ですから」と俺は笑って答えた。
水野先生は「他の年配の教授たちと話すより学生との方が話が合う」といつもいっている。
たしか30才と聞いたことがある。俺らから見ると「おじさん」だが、確かにおじいさんが多い教授達よりは(学生の方が)年齢が近いのだろう。
大学の長い休みを利用して世界中を旅するのが趣味らしい。
俺たちは「なんなら、一緒にナンパしに行きますか?」と冗談で誘うと、笑いながら水野先生は教室を出ていった。

俺と中田光一は中学校から一緒だ。
この「目白台学園」でエスカレーター式に大学まで進んできた。二人とも一人っ子で、親に安くない車を買い与えられていて、世間では「ボンボン」と言われる類いだ。
たまたま親が金持ちで、しかもルックス良く産んでくれた事には感謝して、それを最大限に有効活用しないと!と二人では話している。
なので決まった彼女も作らずに、光一と青春を謳歌している!

その日も海パンに着替えてビーチで二人、音楽を聴いていると、「お兄さんたち、なに聴いてるの?」と、二人組の女子から声をかけられた。
俺たちは目で合図をして、その二人に決めた。しばらく他愛のない話で盛り上がり、4人でレストランで食事をして(ここも予約をしておいた!)光一の家のマンション(別荘として持っている)で、4人で一夜を過ごした。いつも光一の相手をする女性は「光一さんのは太すぎて大変」とニコニコしながら文句を言う。
どうせ声をかけてついてくる(今回は向こうから声をかけてきた!)ような女はアソコもガバガバだから、始めチョッと苦労しても、入れてしまえば超興奮し感じてるんだろう。隣の部屋でやってても女のあえぎ声がいつも響いてくる。
今夜もいつもと変わらない夜だった。

翌朝、俺たちが目を覚ました時には、その二人はすでにいなかった。
「なんだよ、あの二人もったいなかったな」光一は俺に言った。
連絡先を聞いていないのだ。
「あの子達ならもう一回くらい会って、ヤってやっても良かったよな」俺も少し残念に思った。
それだけ二人とも可愛いかった!
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