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二人の男
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「ここ・・・?先輩!ありました!!」
「お!あったか!?大塚の部屋!」
スーツを着た男が二人。一人は長身で眼鏡をかけている。
もう一人は若い男で、眼鏡の後輩のようだ。
「んにしてもここ、臭いっすね!不気味だし。」
「本当だなあ。俺たちは、日記探さなきゃいけねんだよな?」
「そうっす。時間かかりそうですね。広いし!」
だだっ広くて、昼間なのに薄暗い廃虚は、かつての大塚貴美男の屋敷だったという。
そこの地下につながる階段を降りて右に曲がった部屋。大塚の研究室。
書類やら道具やらが全て荒らされたかのように散乱しっぱなしで、歩く場所もない。
「なんだこの荒れようは・・・泥棒でも入ったのか?」
「いやぁこんなところに盗むもんなんんてないっすよ。あの日記ぐらいしか。」
「おい。マスクと軍手、持ってきてただろ。」
「あっはい。 どうぞ。」
「やっぱりここくせえな。とっととみつけるぞ。」
「はい・・・。」
「あの先輩!どっかに隠してあるんすかね。」
後輩が探しながら聞く。
「たぶん、机の引き出しとかだろ。」
「え、そんなすぐ見つかりますかね。だって国家機密みたいなやつって。」
「もっとも、本当にあるかもわかんねえもんな。俺たちの上の上の、もーっと上の指示だぜ?」
「あっそうなんですね。上の上の、もーっと上か・・・。
でも、なんで俺たちなんでしょうね!」
「それに日記の中も絶対見るなって・・・不思議すぎやしねえか?」
「まあまあ先輩!考えるのは後にして、探しましょう。」
目を皿にして探すも、見つからない。そもそも、どんな形なのか、日記帳なのか普通のノートなのかすらわからないのだ。薄暗い部屋が、時間が経つにつれどんどん暗くなってゆく。
「おい・・・懐中電灯あったか。」
「あります。」
何時間も経つが、見つからない。
「先輩。もう帰っていいんじゃないですか?もう限界すよ・・・怖いし。」
「バーロー撤収の連絡が来ねえんだよ。さっきから連絡してんのに返信が来ない。」
もう気が参っていた。不安と苛立ちが二人を襲う。
「まじお腹すいてしにそr・・・あ・・・」
「どうした!?あったか!?」
「いやわかんねっす。表紙なんも書いてないっすね。」
「ほんとじゃん・・・でも使い古してるな。」
「あ、もうひとつ。ピンクの日記帳みたいなのでできました!」
「これだ・・・よっしゃあ!!」
「あああ。死ぬかと思った。」
「おい・・・。」
「なんすか先輩。」
「ちょっとぐらい・・・いいよな?」
「は・・・?え!?ダメっすよ!上の上のもーっと上ですよ?」
「こんなにこき使わされたんだ。連絡来ねえし、いいでしょうよ!」
「まあ・・・僕も少し、すこーしだけ気になてたんで・・・」
「「みちゃいますか」」
真っ暗な廃虚。懐中電灯片手に、二人でみた日記帳。
後に二人は、過去の真実を知る。
「ここ・・・?先輩!ありました!!」
「お!あったか!?大塚の部屋!」
スーツを着た男が二人。一人は長身で眼鏡をかけている。
もう一人は若い男で、眼鏡の後輩のようだ。
「んにしてもここ、臭いっすね!不気味だし。」
「本当だなあ。俺たちは、日記探さなきゃいけねんだよな?」
「そうっす。時間かかりそうですね。広いし!」
だだっ広くて、昼間なのに薄暗い廃虚は、かつての大塚貴美男の屋敷だったという。
そこの地下につながる階段を降りて右に曲がった部屋。大塚の研究室。
書類やら道具やらが全て荒らされたかのように散乱しっぱなしで、歩く場所もない。
「なんだこの荒れようは・・・泥棒でも入ったのか?」
「いやぁこんなところに盗むもんなんんてないっすよ。あの日記ぐらいしか。」
「おい。マスクと軍手、持ってきてただろ。」
「あっはい。 どうぞ。」
「やっぱりここくせえな。とっととみつけるぞ。」
「はい・・・。」
「あの先輩!どっかに隠してあるんすかね。」
後輩が探しながら聞く。
「たぶん、机の引き出しとかだろ。」
「え、そんなすぐ見つかりますかね。だって国家機密みたいなやつって。」
「もっとも、本当にあるかもわかんねえもんな。俺たちの上の上の、もーっと上の指示だぜ?」
「あっそうなんですね。上の上の、もーっと上か・・・。
でも、なんで俺たちなんでしょうね!」
「それに日記の中も絶対見るなって・・・不思議すぎやしねえか?」
「まあまあ先輩!考えるのは後にして、探しましょう。」
目を皿にして探すも、見つからない。そもそも、どんな形なのか、日記帳なのか普通のノートなのかすらわからないのだ。薄暗い部屋が、時間が経つにつれどんどん暗くなってゆく。
「おい・・・懐中電灯あったか。」
「あります。」
何時間も経つが、見つからない。
「先輩。もう帰っていいんじゃないですか?もう限界すよ・・・怖いし。」
「バーロー撤収の連絡が来ねえんだよ。さっきから連絡してんのに返信が来ない。」
もう気が参っていた。不安と苛立ちが二人を襲う。
「まじお腹すいてしにそr・・・あ・・・」
「どうした!?あったか!?」
「いやわかんねっす。表紙なんも書いてないっすね。」
「ほんとじゃん・・・でも使い古してるな。」
「あ、もうひとつ。ピンクの日記帳みたいなのでできました!」
「これだ・・・よっしゃあ!!」
「あああ。死ぬかと思った。」
「おい・・・。」
「なんすか先輩。」
「ちょっとぐらい・・・いいよな?」
「は・・・?え!?ダメっすよ!上の上のもーっと上ですよ?」
「こんなにこき使わされたんだ。連絡来ねえし、いいでしょうよ!」
「まあ・・・僕も少し、すこーしだけ気になてたんで・・・」
「「みちゃいますか」」
真っ暗な廃虚。懐中電灯片手に、二人でみた日記帳。
後に二人は、過去の真実を知る。
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