91 / 133
娘と母
しおりを挟む
倫「風歌、この方が風歌の母親の……杉 風音さん」
風音「風歌……さん。今日はお会い出来て嬉しいです」
風歌.るな(……)
都合の良い夢見てるんだ
だって……
るな「良かった……ふうちゃんが悲しむ事の無い……幸せになれる人だ……」
るなちゃん……
私とるなちゃんは 、L 字型に設置したソファのパパの左手側のソファに座って
ママはダイニングの椅子座り、少し離れた場所から 見守ってくれている
ママは……皆もだけどマスクをしているから、表情が分かりにくくて……
風歌「風音さん。ほんの少しだけでいいので、マスクを外してお顔を見せてくれませんか?」
そう言うと風音さんはマスクを外してくれて
いつも優しく、私を見つめてくれている瞳は、涙の粒で光っている
『想いの丈を沢山話しなね』
英士さんが勇気をくれたから……
風歌「風音さん。中学卒業の時に、貴女の話を聞いた時に強く思ったのは『私にはママだけだもん……パパは亡くなったるなちゃんのパパだけって……』事でした」
風音「ええ。分かるわ」
風歌「それと同時に、私を生んでくれた母親に逢いたいという想いもありました。でも『ママに逢いたい』って言ったら、育ててくれたママがどう思うだろう? 『パパが好き』って言ったら、 実のパパがどう思うだろう? とか……沢山悩みました」
風音「ええ」
風歌「その感情は、つい最近まで抱いていた想いでした。貴女に逢ってみないか? って言われた日に。るなちゃんが『パパにね『守ってやる』『パパって呼んでくれ』って言われて嬉しかった。その時に『私にはパパが二人いて、ふうちゃんにはパパとママが二人ずついるなんて! 凄いと思わない?』言ってくれて……『そうか……私にはパパが二人。ママも二人いるんだ』って思ったら、どこか割り切れ無くて心の中に刺さっていた棘が抜けて……なんて幸せなんだろうって……感じたんです」
風音「風歌ちゃん」
倫「風歌……」
パパは、涙がこみ上げて来たのか……天を仰いでいる。ママは両手で顔を覆って泣いていて
風音さんも……泣いてる
るな「ふうちゃん頑張ったね」
るなちゃん……
月乃「ふうちゃん良かったね」
風歌「ママ……風音さんもママって思っても良いの?」
月乃「ええ。ふうちゃんが私の娘なのは永遠に変わる事無いもの。だから……私もふうちゃんのママでいて良いのよね?」
風歌「ママは私のママだもん。ずっとママでいて……」
月乃「ふうちゃんずっと……母と娘よ」
ママぁ……
風音「風歌ちゃん……私をママと呼んでくれてありがとう」
風歌「風音さん……ママっ……」
そこからは、 言葉にならなくて
涙が溢れて来たの
倫「風歌……ありがとう」
パパ……
るな「本当に良かった……」
るなちゃん……
風歌「パパ。私はパパの娘で幸せです。ママ。ママの娘で幸せです。風音ママ……ママの娘に生まれて幸せです。ありがとう……」
風音「風歌……さん。今日はお会い出来て嬉しいです」
風歌.るな(……)
都合の良い夢見てるんだ
だって……
るな「良かった……ふうちゃんが悲しむ事の無い……幸せになれる人だ……」
るなちゃん……
私とるなちゃんは 、L 字型に設置したソファのパパの左手側のソファに座って
ママはダイニングの椅子座り、少し離れた場所から 見守ってくれている
ママは……皆もだけどマスクをしているから、表情が分かりにくくて……
風歌「風音さん。ほんの少しだけでいいので、マスクを外してお顔を見せてくれませんか?」
そう言うと風音さんはマスクを外してくれて
いつも優しく、私を見つめてくれている瞳は、涙の粒で光っている
『想いの丈を沢山話しなね』
英士さんが勇気をくれたから……
風歌「風音さん。中学卒業の時に、貴女の話を聞いた時に強く思ったのは『私にはママだけだもん……パパは亡くなったるなちゃんのパパだけって……』事でした」
風音「ええ。分かるわ」
風歌「それと同時に、私を生んでくれた母親に逢いたいという想いもありました。でも『ママに逢いたい』って言ったら、育ててくれたママがどう思うだろう? 『パパが好き』って言ったら、 実のパパがどう思うだろう? とか……沢山悩みました」
風音「ええ」
風歌「その感情は、つい最近まで抱いていた想いでした。貴女に逢ってみないか? って言われた日に。るなちゃんが『パパにね『守ってやる』『パパって呼んでくれ』って言われて嬉しかった。その時に『私にはパパが二人いて、ふうちゃんにはパパとママが二人ずついるなんて! 凄いと思わない?』言ってくれて……『そうか……私にはパパが二人。ママも二人いるんだ』って思ったら、どこか割り切れ無くて心の中に刺さっていた棘が抜けて……なんて幸せなんだろうって……感じたんです」
風音「風歌ちゃん」
倫「風歌……」
パパは、涙がこみ上げて来たのか……天を仰いでいる。ママは両手で顔を覆って泣いていて
風音さんも……泣いてる
るな「ふうちゃん頑張ったね」
るなちゃん……
月乃「ふうちゃん良かったね」
風歌「ママ……風音さんもママって思っても良いの?」
月乃「ええ。ふうちゃんが私の娘なのは永遠に変わる事無いもの。だから……私もふうちゃんのママでいて良いのよね?」
風歌「ママは私のママだもん。ずっとママでいて……」
月乃「ふうちゃんずっと……母と娘よ」
ママぁ……
風音「風歌ちゃん……私をママと呼んでくれてありがとう」
風歌「風音さん……ママっ……」
そこからは、 言葉にならなくて
涙が溢れて来たの
倫「風歌……ありがとう」
パパ……
るな「本当に良かった……」
るなちゃん……
風歌「パパ。私はパパの娘で幸せです。ママ。ママの娘で幸せです。風音ママ……ママの娘に生まれて幸せです。ありがとう……」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
[完結] 私を嫌いな婚約者は交代します
シマ
恋愛
私、ハリエットには婚約者がいる。初めての顔合わせの時に暴言を吐いた婚約者のクロード様。
両親から叱られていたが、彼は反省なんてしていなかった。
その後の交流には不参加もしくは当日のキャンセル。繰り返される不誠実な態度に、もう我慢の限界です。婚約者を交代させて頂きます。
「好き」の距離
饕餮
恋愛
ずっと貴方に片思いしていた。ただ単に笑ってほしかっただけなのに……。
伯爵令嬢と公爵子息の、勘違いとすれ違い(微妙にすれ違ってない)の恋のお話。
以前、某サイトに載せていたものを大幅に改稿・加筆したお話です。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った
mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。
学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい?
良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。
9話で完結
【完結】初夜の晩からすれ違う夫婦は、ある雨の晩に心を交わす
春風由実
恋愛
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。
所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが──
ある雨の晩に、それが一変する。
※六話で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中です。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています
真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。
【完結】今まで何度裏切ったのか覚えていないのですか?
白草まる
恋愛
家柄だけは立派だが浪費癖があり散財を繰り返すフーベルト。
婚約者であるルイーゼは何度も反省を促してきたが無駄だった。
それどことかフーベルトは新たな問題を引き起こした。
ついに我慢の限界を迎えたルイーゼは婚約破棄を決意した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる