97 / 183
君たちの名は
しおりを挟む
飲んだ後は大人しくテントまで戻り、ピノちゃんを胸の上に乗っけて寝た。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ここまでの生活のお陰で寝相が大変良くなっている俺は、起きるまで微動だにしない寝方をマスターしているので、誤って寝返りをうってしまい下敷きにしてしまう......なんて哀しい事故は絶対に起こさないので安心して一緒に寝られるようになっている。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
翌朝、目が覚めると寝た時そのままの体勢の俺。今日もパーフェクトな寝相でした。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
こっちは寝相が悪かったみたいで、俺の顔面の上で寝ているピノちゃん。一度目が覚めた時に寂しくなったのか、俺の腹の上に顎を乗せて寝ているお嬢様がいた。
ㅤ幸せな気持ちになったのは言うまでもない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
さすがに顔面に乗られていると気を使いすぎるので、そーっと顔の上から胸の上へと移動させる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
起きるまではこのまま幸せを味あわせて貰いますねー。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そこから15分ほど幸せそうにすやすや寝ているあんことピノちゃんを眺めていたら、黒い子が起きてきて俺の顔の横へやってきた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
おはようと挨拶をしてから頭を撫でると、黒い子は俺の顔へ体をスリスリ擦り付けてきた。モコモコな羽毛が気持ちいよかった。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
気持ち良さそうに寝てるよねーと話をしながら朝のひとときを過ごしていると、ようやくお目覚めのピノちゃんとあんこ。
寝起きのあんことピノちゃんに、黒い子も交えてわちゃわちゃと朝のスキンシップタイムへと突入。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
白い子も傍観者を気取ってないで混ざってくればいいのに。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
さて、たっぷりと幸せを貰ったことだしご飯の準備をしてくるから、少しだけお待ちくださいね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ウチの子たちにはいつものメニューを用意、俺用にはホットドッグとコーヒー。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ごはんできたよー朝ごはんですよー!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
呼ぶとすぐに来てくれる。胃袋をガッチリ掴んで離れられなくしてやるぜー☆
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
やっぱり好きな物は美味しそうに食べてくれている。これからも色々作っていくから、好きな物を増やしていってね。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
俺は安定のホットドッグを頬張る。
ㅤうん、ケチャップ、マスタード、パン、ソーセージ......この組み合わせにハズレ無し!どう作ろうが不味くなる要素が見当たらない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ご飯を食べ終わってまったりしている俺の大事な可愛い子どもたち。
食事後にすぐで悪いけど、少しお付き合いをお願いします。
「食べてすぐで悪いけど、ちょっと聞いて欲しい。一応俺の考えを言うけど、言いたい事とかがあったら遠慮なく言ってきてね」
俺がそう言うと、皆しっかり頷いてくれた。ありがとね。
「まず一つ目、あんこは知ってると思うけど、めっちゃ美味しい牛がこの山に生息しているらしくて、それを捕獲してより美味しいお肉に加工したいの。
美味しくするには魔力を増やせばいいらしくて、俺には魔力を増やせる方法がある。色々と試行錯誤しながらになると思うから、何ヶ月かこの山で生活する事になると思うけど、それはいいかな?」
あんこは美味しさを知っているので真っ先に賛成してくれた。
ピノちゃんは俺がそこまで美味しいと言う牛に興味を持ってくれたので、こちらも賛成。
鳥ちゃんズもそれでいいよーと言ってくれた。
「ありがとね。それで、二つ目なんだけど、この山で暮らすのに当たっての問題点。あんことピノちゃんは俺と同じでわからないと思うけど、オウルちゃん達はここの冬がどんなもんか知ってる?」
鳥ちゃんズは知らないって答えた。そして驚きの事実を告げてきた。
元々違う場所でひっそりと住んでいたんだけど、黒い子が俺の魔力に反応して興味を持った。
白い子の能力と黒い子の能力を併せて、俺を観察してみたんだけど、一回見ただけで見れなくなっちゃったから、追いかけて洞窟の中にまで来ちゃったらしい。
なんか惹かれ合うモノがあったんだろうね。そんであの時の覗き魔は君たちだったのかー。
と言う訳で、この子たちもここの冬は知らないと。
「なるほど......了解。結果的に追いかけてきてくれたのは嬉しかったよ。家族になってくれてありがとね。
それで対策なんだけど、冬がそこまで厳しくなかったら遊牧民が使うようなしっかりしたテントで生活。
冬が厳しかったら、トレーラーハウスとかキャンピングカーでの生活......って考えているんだけど、どうかな?移動できるお家って考えて欲しいんだけど」
あんこもピノちゃんもすぐにそれでいいよーと言ってくれた。信頼されてるんだなって嬉しくなる。
鳥ちゃんズは俺の能力とかをまだよくわかっていないので、「???」ってなっている。首を傾げているのがとても愛らしい。
ピノちゃんが「この人に任せておけば大丈夫だよ」って話してくれている。全幅の信頼を寄せてくれているのはわかるけど、俺失敗する事多いからね?
よくわかっていないみたいだけど、あんこパイセンとピノパイセンが言うなら大丈夫だろってなったらしくて了承してくれた。
じゃあ、うん。これで一応決まりと言う事で。
「じゃあ一応の方針はこれで決まりという事で。ありがとねー。
やりたい事とかあったら遠慮なく言っていいからね!これからもよろしく」
そう言って皆いっぺんに抱きしめようと両手を広げて向かっていく。
白い子は俺の予備動作を見て即脱出していく。悲しい......
あんこと黒い子はそのまま抱きしめられてくれた。ピノちゃんは俺の胸ポケットに入っていく。抱きしめたかったけど、サイズ的にまだ難しいから仕方ないか......
「んーっ気持ちいい!俺は幸せ者だ」
もふもふの暴力が俺を襲う......もう全てがどうでもよくなってくるわぁ、フヒヒヒヒ。
あ、ごめんなさい。トリップしてしまいました。
ピノちゃんに喉を噛まれて正気に戻る。
今回のメインイベント、それを忘れていたわ。
「はーい!白オウルちゃんちょっとこっちにきてねー!大丈夫、今回は変なことはしないから」
ㅤ疑惑の視線を向けながらも、恐る恐る寄ってきてくれた。好感度と信頼度が低すぎて泣けてきますよ......
ㅤまぁそこはこれから上げていこう。えーっと、よし!二羽とも横並びで待機してくれている。めっちゃイイよソレ!
「名前なんだけど、白いオウルちゃんがダイフク、黒いオウルちゃんがツキミで......どうかな?」
ㅤうん、ノーリアクション。
「意味としてはダイフクが大きな福運、縁起のいい名前かなーって。ツキミは月を見る、まぁ黒オウルちゃんにぴったりかなって」
......まぁ皆さんご存知の通り、今言った事は完全に建前。
白い子はモチモチしてるから、黒い子は多少掛けたのもあるけど......二羽を合わせるとツキミダイフク。そう、月見大福ってなる。
芋餡や栗餡を使った大福でございます。
この事実は俺にしかわからないはずだ。真実は墓場まで持っていくねん。
ピノちゃんの視線がちょっと痛いけど、真実にまでは辿り着けないと思う。うん。
白い子も黒い子も、どちらも名前を気に入ったみたいで、その名前を受け入れてくれた。よかったよかった。
これでこの子たちは完全にウチの子だ。これからしっかりと君たちを守っていくからね!
ツキミちゃんは俺に飛びついてきてくれてかわいい。とてもかわいい。
ダイフクは相変わらずツンツンしているけどかわいい。もっと触らせろや!
あんこはよかったねーって言いながらツキミに対抗して俺に引っ付く。幸せでございます。
ピノちゃんはまだ訝し気。胸ポケットから顔を出して俺をジィッと見ている......他意はないねん。かわいい名前でしょ?ね?
「ダイフクもおいでー!スキンシップしようじゃないか」
あっ、逃げやがった!もっとデレを見せろ!!お前の触り心地はヤバいんだからもっと触らせろぉぉぉ!!
これからの方針を固められて、家族の絆も深まった。
素晴らしい食生活の為に山を進んでいこうね。
甘えてくるあんことツキミをぶら下げたまま退去の準備を完了させて、いつでも出発できる状態になった。
五分だけ待ってもらって、川にいるサーモンもどきを乱獲する。全部は獲らないけど、ちょっと多めにもらっていきます。
ふふふ、お気に入りの食材は切らさないようにしなきゃね。
「お待たせー!じゃあ進もうか」
そう声をかけると、今日は皆が俺に群がってきた。誰も自力で進もうとしないんだな。
全員を装備して山の方へと進み始めるシアンなのでしたー。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ここまでの生活のお陰で寝相が大変良くなっている俺は、起きるまで微動だにしない寝方をマスターしているので、誤って寝返りをうってしまい下敷きにしてしまう......なんて哀しい事故は絶対に起こさないので安心して一緒に寝られるようになっている。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
翌朝、目が覚めると寝た時そのままの体勢の俺。今日もパーフェクトな寝相でした。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
こっちは寝相が悪かったみたいで、俺の顔面の上で寝ているピノちゃん。一度目が覚めた時に寂しくなったのか、俺の腹の上に顎を乗せて寝ているお嬢様がいた。
ㅤ幸せな気持ちになったのは言うまでもない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
さすがに顔面に乗られていると気を使いすぎるので、そーっと顔の上から胸の上へと移動させる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
起きるまではこのまま幸せを味あわせて貰いますねー。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そこから15分ほど幸せそうにすやすや寝ているあんことピノちゃんを眺めていたら、黒い子が起きてきて俺の顔の横へやってきた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
おはようと挨拶をしてから頭を撫でると、黒い子は俺の顔へ体をスリスリ擦り付けてきた。モコモコな羽毛が気持ちいよかった。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
気持ち良さそうに寝てるよねーと話をしながら朝のひとときを過ごしていると、ようやくお目覚めのピノちゃんとあんこ。
寝起きのあんことピノちゃんに、黒い子も交えてわちゃわちゃと朝のスキンシップタイムへと突入。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
白い子も傍観者を気取ってないで混ざってくればいいのに。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
さて、たっぷりと幸せを貰ったことだしご飯の準備をしてくるから、少しだけお待ちくださいね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ウチの子たちにはいつものメニューを用意、俺用にはホットドッグとコーヒー。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ごはんできたよー朝ごはんですよー!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
呼ぶとすぐに来てくれる。胃袋をガッチリ掴んで離れられなくしてやるぜー☆
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
やっぱり好きな物は美味しそうに食べてくれている。これからも色々作っていくから、好きな物を増やしていってね。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
俺は安定のホットドッグを頬張る。
ㅤうん、ケチャップ、マスタード、パン、ソーセージ......この組み合わせにハズレ無し!どう作ろうが不味くなる要素が見当たらない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ご飯を食べ終わってまったりしている俺の大事な可愛い子どもたち。
食事後にすぐで悪いけど、少しお付き合いをお願いします。
「食べてすぐで悪いけど、ちょっと聞いて欲しい。一応俺の考えを言うけど、言いたい事とかがあったら遠慮なく言ってきてね」
俺がそう言うと、皆しっかり頷いてくれた。ありがとね。
「まず一つ目、あんこは知ってると思うけど、めっちゃ美味しい牛がこの山に生息しているらしくて、それを捕獲してより美味しいお肉に加工したいの。
美味しくするには魔力を増やせばいいらしくて、俺には魔力を増やせる方法がある。色々と試行錯誤しながらになると思うから、何ヶ月かこの山で生活する事になると思うけど、それはいいかな?」
あんこは美味しさを知っているので真っ先に賛成してくれた。
ピノちゃんは俺がそこまで美味しいと言う牛に興味を持ってくれたので、こちらも賛成。
鳥ちゃんズもそれでいいよーと言ってくれた。
「ありがとね。それで、二つ目なんだけど、この山で暮らすのに当たっての問題点。あんことピノちゃんは俺と同じでわからないと思うけど、オウルちゃん達はここの冬がどんなもんか知ってる?」
鳥ちゃんズは知らないって答えた。そして驚きの事実を告げてきた。
元々違う場所でひっそりと住んでいたんだけど、黒い子が俺の魔力に反応して興味を持った。
白い子の能力と黒い子の能力を併せて、俺を観察してみたんだけど、一回見ただけで見れなくなっちゃったから、追いかけて洞窟の中にまで来ちゃったらしい。
なんか惹かれ合うモノがあったんだろうね。そんであの時の覗き魔は君たちだったのかー。
と言う訳で、この子たちもここの冬は知らないと。
「なるほど......了解。結果的に追いかけてきてくれたのは嬉しかったよ。家族になってくれてありがとね。
それで対策なんだけど、冬がそこまで厳しくなかったら遊牧民が使うようなしっかりしたテントで生活。
冬が厳しかったら、トレーラーハウスとかキャンピングカーでの生活......って考えているんだけど、どうかな?移動できるお家って考えて欲しいんだけど」
あんこもピノちゃんもすぐにそれでいいよーと言ってくれた。信頼されてるんだなって嬉しくなる。
鳥ちゃんズは俺の能力とかをまだよくわかっていないので、「???」ってなっている。首を傾げているのがとても愛らしい。
ピノちゃんが「この人に任せておけば大丈夫だよ」って話してくれている。全幅の信頼を寄せてくれているのはわかるけど、俺失敗する事多いからね?
よくわかっていないみたいだけど、あんこパイセンとピノパイセンが言うなら大丈夫だろってなったらしくて了承してくれた。
じゃあ、うん。これで一応決まりと言う事で。
「じゃあ一応の方針はこれで決まりという事で。ありがとねー。
やりたい事とかあったら遠慮なく言っていいからね!これからもよろしく」
そう言って皆いっぺんに抱きしめようと両手を広げて向かっていく。
白い子は俺の予備動作を見て即脱出していく。悲しい......
あんこと黒い子はそのまま抱きしめられてくれた。ピノちゃんは俺の胸ポケットに入っていく。抱きしめたかったけど、サイズ的にまだ難しいから仕方ないか......
「んーっ気持ちいい!俺は幸せ者だ」
もふもふの暴力が俺を襲う......もう全てがどうでもよくなってくるわぁ、フヒヒヒヒ。
あ、ごめんなさい。トリップしてしまいました。
ピノちゃんに喉を噛まれて正気に戻る。
今回のメインイベント、それを忘れていたわ。
「はーい!白オウルちゃんちょっとこっちにきてねー!大丈夫、今回は変なことはしないから」
ㅤ疑惑の視線を向けながらも、恐る恐る寄ってきてくれた。好感度と信頼度が低すぎて泣けてきますよ......
ㅤまぁそこはこれから上げていこう。えーっと、よし!二羽とも横並びで待機してくれている。めっちゃイイよソレ!
「名前なんだけど、白いオウルちゃんがダイフク、黒いオウルちゃんがツキミで......どうかな?」
ㅤうん、ノーリアクション。
「意味としてはダイフクが大きな福運、縁起のいい名前かなーって。ツキミは月を見る、まぁ黒オウルちゃんにぴったりかなって」
......まぁ皆さんご存知の通り、今言った事は完全に建前。
白い子はモチモチしてるから、黒い子は多少掛けたのもあるけど......二羽を合わせるとツキミダイフク。そう、月見大福ってなる。
芋餡や栗餡を使った大福でございます。
この事実は俺にしかわからないはずだ。真実は墓場まで持っていくねん。
ピノちゃんの視線がちょっと痛いけど、真実にまでは辿り着けないと思う。うん。
白い子も黒い子も、どちらも名前を気に入ったみたいで、その名前を受け入れてくれた。よかったよかった。
これでこの子たちは完全にウチの子だ。これからしっかりと君たちを守っていくからね!
ツキミちゃんは俺に飛びついてきてくれてかわいい。とてもかわいい。
ダイフクは相変わらずツンツンしているけどかわいい。もっと触らせろや!
あんこはよかったねーって言いながらツキミに対抗して俺に引っ付く。幸せでございます。
ピノちゃんはまだ訝し気。胸ポケットから顔を出して俺をジィッと見ている......他意はないねん。かわいい名前でしょ?ね?
「ダイフクもおいでー!スキンシップしようじゃないか」
あっ、逃げやがった!もっとデレを見せろ!!お前の触り心地はヤバいんだからもっと触らせろぉぉぉ!!
これからの方針を固められて、家族の絆も深まった。
素晴らしい食生活の為に山を進んでいこうね。
甘えてくるあんことツキミをぶら下げたまま退去の準備を完了させて、いつでも出発できる状態になった。
五分だけ待ってもらって、川にいるサーモンもどきを乱獲する。全部は獲らないけど、ちょっと多めにもらっていきます。
ふふふ、お気に入りの食材は切らさないようにしなきゃね。
「お待たせー!じゃあ進もうか」
そう声をかけると、今日は皆が俺に群がってきた。誰も自力で進もうとしないんだな。
全員を装備して山の方へと進み始めるシアンなのでしたー。
11
お気に入りに追加
2,693
あなたにおすすめの小説
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます
蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜
誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。
スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。
そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。
「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。
スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。
また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
オタクな母娘が異世界転生しちゃいました
yanako
ファンタジー
中学生のオタクな娘とアラフィフオタク母が異世界転生しちゃいました。
二人合わせて読んだ異世界転生小説は一体何冊なのか!転生しちゃった世界は一体どの話なのか!
ごく普通の一般日本人が転生したら、どうなる?どうする?
転生5回目!? こ、今世は楽しく長生きします!
実川えむ
ファンタジー
猫獣人のロジータ、10歳。
冒険者登録して初めての仕事で、ダンジョンのポーターを務めることになったのに、
なぜか同行したパーティーメンバーによって、ダンジョンの中の真っ暗闇の竪穴に落とされてしまった。
「なーんーでーっ!」
落下しながら、ロジータは前世の記憶というのを思い出した。
ただそれが……前世だけではなく、前々々々世……4回前? の記憶までも思い出してしまった。
ここから、ロジータのスローなライフを目指す、波乱万丈な冒険が始まります。
ご都合主義なので、スルーと流して読んで頂ければありがたいです。
セルフレイティングは念のため。
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!
ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち?
突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯?
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。
よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。
*8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる