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ハザード/本気出す
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◆◇原初ノ迷宮第七十四層◇◆
―――嫌な予感しかしない。
階段を降りて直ぐ目に飛び込んできたのは、何かしらが眠っている墓地だった。もちろん墓石に刻まれている文字は俺には読める訳がなかった。
日本式の墓地ではなく、洋風の、それも共同墓地みたいな墓の群れが、五つ......
「......やっぱりアンデッドかなぁ」
いかにも傘の会社の所為で感染爆発を起こしたゾンビのアレの墓地エリアのように、踏み込んだら這い出てくるか墓石をぶち壊して出てくる......よね? コレ。かゆうま。
「うーん......臭いのも汚いのも嫌だからね、コレは仕方ないよね。うん。これは仕方ない仕方ない。よし! MPが全回復するまで寝よう」
うろ覚えになるくらい前に戦ったゾンビを思い出した匠は寝た。街を出る時に破壊する為に使ったのを、ちょっと後悔した。
◆◆◆◆◆
暫く寝て、目を覚ました匠は寝ぼけ眼のままステータスチェックを使ってMP欄を確認する。無事に全回復していたのを見て即座にヒヨコを打ち出した。
「デカい墓地を歩き回って何か出て来たら十分間くらい逃げ回ってから爆発。何も出てこなかったらあの五個あるお墓の中心で下方向に向かって爆発して。OK? うん、よろしくね」
了承とピィッと甲高い鳴き声を出して敬礼したヒヨコはヨチヨチ歩きでピヨピヨ言いながら墓地に歩いていく。匠はその後ろ姿を見ながら溜め息を吐いて再び寝転がって目を閉じた。
「魔法覚えておいてよかった......」
暫くしてうつらうつらと船を漕ぎだした所で鳴り響いた爆発音にイラッとしたが、MPを強引に使い切って意識を強制シャットダウンした。
◆◆◆◆◆
「うおぁぁぁぁぁぁっ!!?」
深夜、ダンジョンで拉致って持ち帰ってきた女を抱き潰して動かなくなったのを確認してから気持ちよく寝ていた俺は、悪夢によって叩き起された。
「はぁっ......はぁっ......チッ、何だよアレは......」
もう両手の指では足りない程人を殺してきた。最初に殺った時から罪悪感も何も湧いてこないのに。
なのに、何故、今更あのクズを思い出す......もう野垂れ死んでいるはずのあのクズが......何故今更......
「......クソがぁっ!!」
寝る時に床に転がしておいた女の死体を蹴り飛ばして鬱憤を晴らそうとするも全然落ち着かず、拠点としている廃ビルの一室を破壊していく匠パパ。
大槌片手に肩で息をする匠パパの怒りが漸く収まった頃にはもう、ベッド以外原型を留めていない状態になっていた。
「クソっ!! なんで今更アイツを思い出させるんだ......野垂れ死んで居るはずだろ? まさかアレが生きているというのかっ!!」
思い出すだけで不快になる息子とも呼びたくないモノが夢に出てきた。
手には血塗れの金棒を持ち、怨嗟の言葉を吐きながら周囲の人をゴミのように殺し、俺に迫ってきていた。あと数分起きるのが遅れていたら......俺はアレに殴り殺されていた。仮に夢でも、それは許されない。
「............嫌な予感がする。こういう所だけは昔からヤケに当たるから信用していいだろう。
だが、あのクズが生きているなんて聞いた事はないぞ......何処へ行ってもあのクズはクズだからすぐわかるはずだ......なのに何故聞かないんだ?」
クズならば居るだけで噂になる。昔から俺はアレが生存している所為で迷惑を被り続けてきたからわかる。なのに、今はそれが全く無いのにあのクズが生きているのを確信しているのが問題だ。どうなっているんだ、本当に......
考え続けて、一つの可能性が頭を過る――
「......まさか、アレは......ダンジョンの中で生き続けているというのか!?」
普段なら、冷静なら、聞いた瞬間鼻で笑って流してしまうような、とても莫迦莫迦しい可能性。
しかし、これまでの人生、数は少ないがとても重要なポイントになる場面で役に立ってきた嫌な予感が、背筋に氷を這わせて忠告してくる。
「......確定、だな」
嫌な予感が真実だと認識した瞬間、暴力的な悪寒が襲ってきた。これまで生きてきた中でこれほど強烈な悪寒は初めてだ。
コレのお陰で人生の決定的な失敗はして来なかった俺だけど、何故今、あのクズの事でコレがキたのか。
「あのクズが、これまで嫌々だったが育ててやった恩を忘れて殺しに来る......か」
大槌を持つ手に力が入る。
「......あのクソゴミがぁっ!!! 俺がこの手で叩き潰してやるよォォ!!!」
叫びながら元拉致された女だったモノに大槌を力いっぱい振り下ろす。
部屋中に飛び散ったミンチを一瞥して満足そうに微笑むと荷物を纏めて廃ビルを出ていった。匠パパの向かう先は、ダンジョン。
彼はこの日から一層、レベルアップに力を入れる事となる。父と息子の戦力差をちょっとやそっとの努力では埋められない差まで広げようと―――
◆◆◆◆◆
「チッ......クソッ、最悪だ......」
顔はもう朧気にしか覚えていないが、あの耳にこびり付くような不快な声と尊大な態度は忘れはしない。
父親だったモノの夢を、見てしまった。
母親だったモノではない女を、犯して殺して、最後にはデカいハンマーみたいので潰して、そうして悦に浸っていた畜生にも劣る畜生なゴミカス。
「警察何してんの? 仕事しろよ......あんなサイコパス早く捕まえろよ。俺を見た途端に職質するあの機敏さと勤勉さを出せよ......使えねぇな」
何となく、今見たあの夢が現実なんだと理解しているけど、違ってたら違ってたでもいい。本当なら殺す時に楽しめそうだし、違ってても殺すのには変わらないからね。それにしても......
「母親だったモノとかと別行動してるのか? あれだけ仲睦まじく俺を迫害してたのに......何かあった? 一緒に行動しててくんないと、殺す時に手間が掛かるから面倒なんだけど......」
複数回やるのは面倒だから一回で全て終わらせたい。その分その一回は長ーくなる予定なんだけど。
「まぁいいや......どうせどっちかが浮気したとか、攻撃出来るモンが居なくなってストレス溜まって喧嘩別れとかだろうし。あーあ......あんなクズが世に解き放たれたとか迷惑千万じゃないか。何やってんのあのクソゴミカス共」
両親と思しき物体への盛大な呆れと、もう既に失墜しきっていた信用が更に落ちてめり込む勢いだった。同時にアレらを野放しにしている公的な機関への信用も同じく。残るのは激しい殺意だけ......アレらを惨たらしく惨めに悲惨に後腐れなくぶち殺すのが、俺の出来る唯一の親孝行。
「育ててもらった恩はしっかり利子をつけて還すよ......アハハハハ」
多分ゾンビエリアな為に落ちていたモチベーションは戻った。ステータスを見たけどレベルアップはしていないから、敵は居る。
「よし、行こう」
金砕棒は肩に掛けて墓地エリアへと進んでいく。
その目にはバッキバキの殺意が宿っており、この階層を初めて見た時とは全くの別人に仕上がっていた。
一歩入ってみると既に熱は引いていたので、寝落ちてからかなり時間が経ったと思える。墓場は死ぬほど荒れていて、最早墓地だった橋とは思えないちょっと陰鬱な荒れ地となっている。
「何が出てくるのかなぁ......」
出来れば臭くないのがいい。
そんな俺の願いは届かず、墓石が有った場所に近付いた瞬間、ボコッボコッと音を立てて地面から腐った死体が這い出してきた。
人型、犬、鴉、猫の頭とパッと見でわかるのはこんなもん。その全てがグズグズに腐敗していて独特の死臭を周囲に撒き散らしている。
「......ナイフは動物型の、特に鴉を先にぶち殺してくれ」
出てくるスピードは遅いので、未だに全身が出てきていない隙にナイフを動物タイプの死体が出て来ている箇所にぶん投げて指示を出した。
俺はその後、人型の元に駆け寄ってモグラ叩きのように無防備な頭へ金砕棒を振り下ろし続けた。
飛び散る腐った体液や肉片、臭いが身体に付着しないよう注意しながら、只管金砕棒を振るう。
ナイフもゾンビが出てきた側からスパスパ首を落としているのが見える。切るのが間に合わずに飛び立ちそうになっている鴉にも触手を伸ばして対応していたのでまぁ安心していいだろう。多少は撃ち漏らしがあっても、あの数を一辺に相手にしないでいいのであれば特に問題は無いので構わない。
それにしてもこのエリアは臭い事以外は楽でいい。それに無抵抗で無防備なゾンビの頭を叩き潰すのは結構爽快だし......ダンジョン作ったヤツは何を考えていたんだろうね。
でも流石にテンションは上がらない。というか必死に湧き出てくる衝動を抑え込んでいた。こんな所でいつものように笑ったてしまったら悲惨な事になるのは目に見えているから。
「オェッ......後ちょっと......」
潰して、潰して、潰して......漸く湧き出てくるゾンビが湧かなくなった。ナイフの方も終わっていたらしくドロドロになった触手をブンブン振っていた。
そのまま動くな、近寄ってくるなよと命令してから金砕棒とナイフに炎をぶち込んで熱殺菌を施し、街で貰ってきた布でナイフと金砕棒を綺麗になるまで拭いてからフロアを出―――
「うわぁっ!?」
出られず。しかも驚いて変な声を出してしまった。
フロアを出ようとしていた俺の足首をガッシリ掴むゴッツい腐った手があった。
―――嫌な予感しかしない。
階段を降りて直ぐ目に飛び込んできたのは、何かしらが眠っている墓地だった。もちろん墓石に刻まれている文字は俺には読める訳がなかった。
日本式の墓地ではなく、洋風の、それも共同墓地みたいな墓の群れが、五つ......
「......やっぱりアンデッドかなぁ」
いかにも傘の会社の所為で感染爆発を起こしたゾンビのアレの墓地エリアのように、踏み込んだら這い出てくるか墓石をぶち壊して出てくる......よね? コレ。かゆうま。
「うーん......臭いのも汚いのも嫌だからね、コレは仕方ないよね。うん。これは仕方ない仕方ない。よし! MPが全回復するまで寝よう」
うろ覚えになるくらい前に戦ったゾンビを思い出した匠は寝た。街を出る時に破壊する為に使ったのを、ちょっと後悔した。
◆◆◆◆◆
暫く寝て、目を覚ました匠は寝ぼけ眼のままステータスチェックを使ってMP欄を確認する。無事に全回復していたのを見て即座にヒヨコを打ち出した。
「デカい墓地を歩き回って何か出て来たら十分間くらい逃げ回ってから爆発。何も出てこなかったらあの五個あるお墓の中心で下方向に向かって爆発して。OK? うん、よろしくね」
了承とピィッと甲高い鳴き声を出して敬礼したヒヨコはヨチヨチ歩きでピヨピヨ言いながら墓地に歩いていく。匠はその後ろ姿を見ながら溜め息を吐いて再び寝転がって目を閉じた。
「魔法覚えておいてよかった......」
暫くしてうつらうつらと船を漕ぎだした所で鳴り響いた爆発音にイラッとしたが、MPを強引に使い切って意識を強制シャットダウンした。
◆◆◆◆◆
「うおぁぁぁぁぁぁっ!!?」
深夜、ダンジョンで拉致って持ち帰ってきた女を抱き潰して動かなくなったのを確認してから気持ちよく寝ていた俺は、悪夢によって叩き起された。
「はぁっ......はぁっ......チッ、何だよアレは......」
もう両手の指では足りない程人を殺してきた。最初に殺った時から罪悪感も何も湧いてこないのに。
なのに、何故、今更あのクズを思い出す......もう野垂れ死んでいるはずのあのクズが......何故今更......
「......クソがぁっ!!」
寝る時に床に転がしておいた女の死体を蹴り飛ばして鬱憤を晴らそうとするも全然落ち着かず、拠点としている廃ビルの一室を破壊していく匠パパ。
大槌片手に肩で息をする匠パパの怒りが漸く収まった頃にはもう、ベッド以外原型を留めていない状態になっていた。
「クソっ!! なんで今更アイツを思い出させるんだ......野垂れ死んで居るはずだろ? まさかアレが生きているというのかっ!!」
思い出すだけで不快になる息子とも呼びたくないモノが夢に出てきた。
手には血塗れの金棒を持ち、怨嗟の言葉を吐きながら周囲の人をゴミのように殺し、俺に迫ってきていた。あと数分起きるのが遅れていたら......俺はアレに殴り殺されていた。仮に夢でも、それは許されない。
「............嫌な予感がする。こういう所だけは昔からヤケに当たるから信用していいだろう。
だが、あのクズが生きているなんて聞いた事はないぞ......何処へ行ってもあのクズはクズだからすぐわかるはずだ......なのに何故聞かないんだ?」
クズならば居るだけで噂になる。昔から俺はアレが生存している所為で迷惑を被り続けてきたからわかる。なのに、今はそれが全く無いのにあのクズが生きているのを確信しているのが問題だ。どうなっているんだ、本当に......
考え続けて、一つの可能性が頭を過る――
「......まさか、アレは......ダンジョンの中で生き続けているというのか!?」
普段なら、冷静なら、聞いた瞬間鼻で笑って流してしまうような、とても莫迦莫迦しい可能性。
しかし、これまでの人生、数は少ないがとても重要なポイントになる場面で役に立ってきた嫌な予感が、背筋に氷を這わせて忠告してくる。
「......確定、だな」
嫌な予感が真実だと認識した瞬間、暴力的な悪寒が襲ってきた。これまで生きてきた中でこれほど強烈な悪寒は初めてだ。
コレのお陰で人生の決定的な失敗はして来なかった俺だけど、何故今、あのクズの事でコレがキたのか。
「あのクズが、これまで嫌々だったが育ててやった恩を忘れて殺しに来る......か」
大槌を持つ手に力が入る。
「......あのクソゴミがぁっ!!! 俺がこの手で叩き潰してやるよォォ!!!」
叫びながら元拉致された女だったモノに大槌を力いっぱい振り下ろす。
部屋中に飛び散ったミンチを一瞥して満足そうに微笑むと荷物を纏めて廃ビルを出ていった。匠パパの向かう先は、ダンジョン。
彼はこの日から一層、レベルアップに力を入れる事となる。父と息子の戦力差をちょっとやそっとの努力では埋められない差まで広げようと―――
◆◆◆◆◆
「チッ......クソッ、最悪だ......」
顔はもう朧気にしか覚えていないが、あの耳にこびり付くような不快な声と尊大な態度は忘れはしない。
父親だったモノの夢を、見てしまった。
母親だったモノではない女を、犯して殺して、最後にはデカいハンマーみたいので潰して、そうして悦に浸っていた畜生にも劣る畜生なゴミカス。
「警察何してんの? 仕事しろよ......あんなサイコパス早く捕まえろよ。俺を見た途端に職質するあの機敏さと勤勉さを出せよ......使えねぇな」
何となく、今見たあの夢が現実なんだと理解しているけど、違ってたら違ってたでもいい。本当なら殺す時に楽しめそうだし、違ってても殺すのには変わらないからね。それにしても......
「母親だったモノとかと別行動してるのか? あれだけ仲睦まじく俺を迫害してたのに......何かあった? 一緒に行動しててくんないと、殺す時に手間が掛かるから面倒なんだけど......」
複数回やるのは面倒だから一回で全て終わらせたい。その分その一回は長ーくなる予定なんだけど。
「まぁいいや......どうせどっちかが浮気したとか、攻撃出来るモンが居なくなってストレス溜まって喧嘩別れとかだろうし。あーあ......あんなクズが世に解き放たれたとか迷惑千万じゃないか。何やってんのあのクソゴミカス共」
両親と思しき物体への盛大な呆れと、もう既に失墜しきっていた信用が更に落ちてめり込む勢いだった。同時にアレらを野放しにしている公的な機関への信用も同じく。残るのは激しい殺意だけ......アレらを惨たらしく惨めに悲惨に後腐れなくぶち殺すのが、俺の出来る唯一の親孝行。
「育ててもらった恩はしっかり利子をつけて還すよ......アハハハハ」
多分ゾンビエリアな為に落ちていたモチベーションは戻った。ステータスを見たけどレベルアップはしていないから、敵は居る。
「よし、行こう」
金砕棒は肩に掛けて墓地エリアへと進んでいく。
その目にはバッキバキの殺意が宿っており、この階層を初めて見た時とは全くの別人に仕上がっていた。
一歩入ってみると既に熱は引いていたので、寝落ちてからかなり時間が経ったと思える。墓場は死ぬほど荒れていて、最早墓地だった橋とは思えないちょっと陰鬱な荒れ地となっている。
「何が出てくるのかなぁ......」
出来れば臭くないのがいい。
そんな俺の願いは届かず、墓石が有った場所に近付いた瞬間、ボコッボコッと音を立てて地面から腐った死体が這い出してきた。
人型、犬、鴉、猫の頭とパッと見でわかるのはこんなもん。その全てがグズグズに腐敗していて独特の死臭を周囲に撒き散らしている。
「......ナイフは動物型の、特に鴉を先にぶち殺してくれ」
出てくるスピードは遅いので、未だに全身が出てきていない隙にナイフを動物タイプの死体が出て来ている箇所にぶん投げて指示を出した。
俺はその後、人型の元に駆け寄ってモグラ叩きのように無防備な頭へ金砕棒を振り下ろし続けた。
飛び散る腐った体液や肉片、臭いが身体に付着しないよう注意しながら、只管金砕棒を振るう。
ナイフもゾンビが出てきた側からスパスパ首を落としているのが見える。切るのが間に合わずに飛び立ちそうになっている鴉にも触手を伸ばして対応していたのでまぁ安心していいだろう。多少は撃ち漏らしがあっても、あの数を一辺に相手にしないでいいのであれば特に問題は無いので構わない。
それにしてもこのエリアは臭い事以外は楽でいい。それに無抵抗で無防備なゾンビの頭を叩き潰すのは結構爽快だし......ダンジョン作ったヤツは何を考えていたんだろうね。
でも流石にテンションは上がらない。というか必死に湧き出てくる衝動を抑え込んでいた。こんな所でいつものように笑ったてしまったら悲惨な事になるのは目に見えているから。
「オェッ......後ちょっと......」
潰して、潰して、潰して......漸く湧き出てくるゾンビが湧かなくなった。ナイフの方も終わっていたらしくドロドロになった触手をブンブン振っていた。
そのまま動くな、近寄ってくるなよと命令してから金砕棒とナイフに炎をぶち込んで熱殺菌を施し、街で貰ってきた布でナイフと金砕棒を綺麗になるまで拭いてからフロアを出―――
「うわぁっ!?」
出られず。しかも驚いて変な声を出してしまった。
フロアを出ようとしていた俺の足首をガッシリ掴むゴッツい腐った手があった。
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