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第59話 涼夏 2
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オープンキャンパスとは、各大学が受験生やその保護者のために開催している、学校説明会である。
ただ、いわゆるパンフレットを片手に偉い人の難しい話を聞いておしまいみたいなものではなく、在校生が主体となって施設の紹介をしたり、講義の話が聞けたり、進路の悩みを相談できたり、学科やサークルの紹介があるなど、触れ合い型の学園祭のような色が強い。
もちろん、実際の講義を体験できたり、保護者向けの説明会や、研究内容の展示ブースなど、お堅い企画もあるし、大学によっては学食を体験できたりもするらしい。
最近では受験の前にオープンキャンパスに行くのはごく一般的どころか、半ば必須にもなっている。面接のある大学だと、オープンキャンパスの話を聞かれたりもするそうだ。
ユナ高でも、先生から進学したい大学のオープンキャンパスには行くよう勧められており、早い人だと1年生の内に行ったりもしている。
比較的帰宅部的なイベントではあるが、これまでオープンキャンパスの話題がほとんど出なかったのには理由があり、一つは特に行きたい大学が決まっていなかったこと。もう一つは、興味に違いがあることである。
例えば絢音は、漠然と経済学部とか経営学部に進むだろうと考えているが、涼夏はそのジャンルにまったく興味がない。もちろん、本当にカフェを開業するとなると、経営の知識は必要だし、経済も知っているに越したことはないが、現段階では関心がない。
反対に、涼夏が行きたいような学部は、それこそオープンキャンパスで調理実習とかもあるらしいから、軽い気持ちでは参加しづらい。単に座って聞いているだけでいい講義と比べると、だいぶ参加の敷居が高い。
奈都などは、消去法的に文学部かなぁと言っているが、文学に興味があって選択するわけではない。従って、そもそもオープンキャンパスに行くほどの熱意がない。具体的な大学が決まればまた違うだろうし、もちろんそれを決めるために色々行ってみるのも手だとは思うが、今のところまだ実践していない。
私も私で、理工系の方が就職に有利かなぁなどと漠然と考えているだけで、それに興味があるわけではない。そもそも奈都と同じ大学に行くことを第一に考えていて、その奈都が理数系が得意ではないので、文系に進むことになるだろう。そんな話も、涼夏の相談の後、奈都と少しだけした。
そんなわけで、そろそろ動こうという涼夏の宣言の後、中間試験が終わってすぐ、涼夏と二人で出かけることにした。出かけると言っても大抵予約が必要で、あの相談の後すぐ、涼夏に予約してもらった。
そもそも行ってみたいと思っていたが、一人で行くのも寂しいので私たちを巻き込みたかったらしい。一人で行くのはなんとなく抵抗があるのは理解できる。特に私は、一人だと行かないだろう。
今日行くのは、偏差値50ちょっとの総合大学である。理工系、情報系の学部はないが、それ以外は経済、経営、商学部、心理学部、薬学部、文学部、法学部と揃っており、健康科学部もその一つだ。
「大本命ってわけじゃないけど、一番現実的な線だ。もちろん、女子大もいいなぁと思ってるから、今日の感触次第では行ってみたいと思ってる」
制服姿の涼夏が、近隣の女子大の名をいくつか挙げた。3校は偏差値も高い、伝統のある女子大で、恐らく倍率も高いし、学費も高い。他の大学は、正直私は知らない大学で、偏差値は40台。家政や生活、メディアの学部に特化した大学のようだった。
「意外と有名校だからって学費が極端に高いことはないけど、やっぱり入るのは難しいな。下の方の大学だと、倍率が1倍ってところもある。お金さえあれば入れる」
「少子化だねぇ」
「売り手市場って言われてるけど、実際には大学も企業も、人気のところは倍率が高いな」
世知辛い話をしながら正門をくぐると、受付の列が延びていた。今日は健康科学部の他に文学部などのオープンキャンパスも同時に行われているので、男子も結構いる。
受付でパンフレットをもらうと、まずキャンパスツアーが行われた。在校生の案内で、教育棟や学食、図書館などを紹介してもらう。いずれも綺麗で、月並みだが私学の大学という感じがする。
その後は広い講義室で、学校全体の紹介があり、各学科の特徴や進路についての説明があった。
学部ごとに分かれ、栄養に関する講義を受けた後は、調理実習室や大型の調理機器の見学、実際に糖度を測る器具や成分を分析する装置を触ってみるなど、より具体的な学部体験をして解散になった。
この後は、受付でもらったチケットで学食が利用でき、展示ブースを回ったり、相談コーナーで在校生や大学のスタッフに質問することができる。
ささみチーズフライの定食を受け取って食堂の席につくと、涼夏が笑顔で口を開いた。
「実に興味深いイベントだ」
「うん。スクールライフを実感できた」
健康科学部にまったく興味がなかった私ですら、ちょっといいかもと思ったくらいなので、涼夏はもっと具体的に、この中で学んでいる自分の姿を想像していることだろう。
「涼夏が入ろうとしてる大学のオープンキャンパスは、一緒に回りたいって思った」
「楽しんでくれてるなら何より」
「それもあるし、涼夏がどんな大学で学んでるのか知りたいし」
「それは逆も言える。やっぱり帰宅部でオーキャンを共有するのはアリだな」
実際には、文学部や経済学部の講義体験は、想像を超えることはないだろう。健康科学部の講義のように、実際に手を動かして何かをすることは少なそうだ。
そういう意味では、私や絢音が行こうとしている大学のオープンキャンパスは、大学の設備や雰囲気を知ることがメインになりそうだ。退屈でなければ、是非涼夏もついてきてくれたらと思う。その前にまず、私は大学について調べないといけないが。
ささみチーズフライは美味しかった。メインのおかずとご飯と小鉢と味噌汁で400円。もちろん安いが、20日で8千円だと思うと、毎日学食というのもそれなりに大変かもしれない。
おかずだけなら200円くらいなので、例えばご飯だけ持ってきて、安いおかずを2つくらい買うのもいいかもしれない。くだらない内容だが、これから行こうとしている質問ブースで、先輩にお昼はどうしているか聞いてみよう。その点は、他の大学でも大して変わらないはずだ。
「規模の小さい大学だと学食がなかったりもするから、学食があるかとか値段とかも、これからオーキャン巡りをする上で、注目するポイントにしよう。食事は大事だ」
「さすが健康学部生」
「気が早いな。でも、今日はなんだか大学生になった気分だ。卒業後のイメージが具体的に湧くと、卒業への不安も払拭されるな」
「ずっとユナ高の帰宅部員でいたい私と、キラキラ女子大生になりたい私が葛藤してる」
実際、涼夏の言う通り、漠然とした不安はだいぶ薄らいだ。ずっと高校生でいたい気持ちはもちろんあるが、大学は大学できっと楽しいだろう。
そのキャンパスに、涼夏と絢音がいないのは寂しいけれど。
ただ、いわゆるパンフレットを片手に偉い人の難しい話を聞いておしまいみたいなものではなく、在校生が主体となって施設の紹介をしたり、講義の話が聞けたり、進路の悩みを相談できたり、学科やサークルの紹介があるなど、触れ合い型の学園祭のような色が強い。
もちろん、実際の講義を体験できたり、保護者向けの説明会や、研究内容の展示ブースなど、お堅い企画もあるし、大学によっては学食を体験できたりもするらしい。
最近では受験の前にオープンキャンパスに行くのはごく一般的どころか、半ば必須にもなっている。面接のある大学だと、オープンキャンパスの話を聞かれたりもするそうだ。
ユナ高でも、先生から進学したい大学のオープンキャンパスには行くよう勧められており、早い人だと1年生の内に行ったりもしている。
比較的帰宅部的なイベントではあるが、これまでオープンキャンパスの話題がほとんど出なかったのには理由があり、一つは特に行きたい大学が決まっていなかったこと。もう一つは、興味に違いがあることである。
例えば絢音は、漠然と経済学部とか経営学部に進むだろうと考えているが、涼夏はそのジャンルにまったく興味がない。もちろん、本当にカフェを開業するとなると、経営の知識は必要だし、経済も知っているに越したことはないが、現段階では関心がない。
反対に、涼夏が行きたいような学部は、それこそオープンキャンパスで調理実習とかもあるらしいから、軽い気持ちでは参加しづらい。単に座って聞いているだけでいい講義と比べると、だいぶ参加の敷居が高い。
奈都などは、消去法的に文学部かなぁと言っているが、文学に興味があって選択するわけではない。従って、そもそもオープンキャンパスに行くほどの熱意がない。具体的な大学が決まればまた違うだろうし、もちろんそれを決めるために色々行ってみるのも手だとは思うが、今のところまだ実践していない。
私も私で、理工系の方が就職に有利かなぁなどと漠然と考えているだけで、それに興味があるわけではない。そもそも奈都と同じ大学に行くことを第一に考えていて、その奈都が理数系が得意ではないので、文系に進むことになるだろう。そんな話も、涼夏の相談の後、奈都と少しだけした。
そんなわけで、そろそろ動こうという涼夏の宣言の後、中間試験が終わってすぐ、涼夏と二人で出かけることにした。出かけると言っても大抵予約が必要で、あの相談の後すぐ、涼夏に予約してもらった。
そもそも行ってみたいと思っていたが、一人で行くのも寂しいので私たちを巻き込みたかったらしい。一人で行くのはなんとなく抵抗があるのは理解できる。特に私は、一人だと行かないだろう。
今日行くのは、偏差値50ちょっとの総合大学である。理工系、情報系の学部はないが、それ以外は経済、経営、商学部、心理学部、薬学部、文学部、法学部と揃っており、健康科学部もその一つだ。
「大本命ってわけじゃないけど、一番現実的な線だ。もちろん、女子大もいいなぁと思ってるから、今日の感触次第では行ってみたいと思ってる」
制服姿の涼夏が、近隣の女子大の名をいくつか挙げた。3校は偏差値も高い、伝統のある女子大で、恐らく倍率も高いし、学費も高い。他の大学は、正直私は知らない大学で、偏差値は40台。家政や生活、メディアの学部に特化した大学のようだった。
「意外と有名校だからって学費が極端に高いことはないけど、やっぱり入るのは難しいな。下の方の大学だと、倍率が1倍ってところもある。お金さえあれば入れる」
「少子化だねぇ」
「売り手市場って言われてるけど、実際には大学も企業も、人気のところは倍率が高いな」
世知辛い話をしながら正門をくぐると、受付の列が延びていた。今日は健康科学部の他に文学部などのオープンキャンパスも同時に行われているので、男子も結構いる。
受付でパンフレットをもらうと、まずキャンパスツアーが行われた。在校生の案内で、教育棟や学食、図書館などを紹介してもらう。いずれも綺麗で、月並みだが私学の大学という感じがする。
その後は広い講義室で、学校全体の紹介があり、各学科の特徴や進路についての説明があった。
学部ごとに分かれ、栄養に関する講義を受けた後は、調理実習室や大型の調理機器の見学、実際に糖度を測る器具や成分を分析する装置を触ってみるなど、より具体的な学部体験をして解散になった。
この後は、受付でもらったチケットで学食が利用でき、展示ブースを回ったり、相談コーナーで在校生や大学のスタッフに質問することができる。
ささみチーズフライの定食を受け取って食堂の席につくと、涼夏が笑顔で口を開いた。
「実に興味深いイベントだ」
「うん。スクールライフを実感できた」
健康科学部にまったく興味がなかった私ですら、ちょっといいかもと思ったくらいなので、涼夏はもっと具体的に、この中で学んでいる自分の姿を想像していることだろう。
「涼夏が入ろうとしてる大学のオープンキャンパスは、一緒に回りたいって思った」
「楽しんでくれてるなら何より」
「それもあるし、涼夏がどんな大学で学んでるのか知りたいし」
「それは逆も言える。やっぱり帰宅部でオーキャンを共有するのはアリだな」
実際には、文学部や経済学部の講義体験は、想像を超えることはないだろう。健康科学部の講義のように、実際に手を動かして何かをすることは少なそうだ。
そういう意味では、私や絢音が行こうとしている大学のオープンキャンパスは、大学の設備や雰囲気を知ることがメインになりそうだ。退屈でなければ、是非涼夏もついてきてくれたらと思う。その前にまず、私は大学について調べないといけないが。
ささみチーズフライは美味しかった。メインのおかずとご飯と小鉢と味噌汁で400円。もちろん安いが、20日で8千円だと思うと、毎日学食というのもそれなりに大変かもしれない。
おかずだけなら200円くらいなので、例えばご飯だけ持ってきて、安いおかずを2つくらい買うのもいいかもしれない。くだらない内容だが、これから行こうとしている質問ブースで、先輩にお昼はどうしているか聞いてみよう。その点は、他の大学でも大して変わらないはずだ。
「規模の小さい大学だと学食がなかったりもするから、学食があるかとか値段とかも、これからオーキャン巡りをする上で、注目するポイントにしよう。食事は大事だ」
「さすが健康学部生」
「気が早いな。でも、今日はなんだか大学生になった気分だ。卒業後のイメージが具体的に湧くと、卒業への不安も払拭されるな」
「ずっとユナ高の帰宅部員でいたい私と、キラキラ女子大生になりたい私が葛藤してる」
実際、涼夏の言う通り、漠然とした不安はだいぶ薄らいだ。ずっと高校生でいたい気持ちはもちろんあるが、大学は大学できっと楽しいだろう。
そのキャンパスに、涼夏と絢音がいないのは寂しいけれど。
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