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プロローグ
しおりを挟む僕はその時、13歳で中学一年生だった。中学にも馴染み始め、楽しい日々を送っていた。ある時、突然父方の祖父が倒れた。余命わずからしい。でも、僕は悲しくなんかなかった。爺ちゃんは、僕ん家に来た時も、僕に興味が無いんで競馬に行くような人だった。僕も爺ちゃんに興味無かったし、彼がなんて名前なのかも後で知った。
友達から、プールに行こうよと誘われたけど、流石に断った。爺ちゃんが死にかけてるから。でも、親父は俺を気の毒に思ったのか、遊びに行きなさいと言ってくれた。複雑な気持ちだけど、僕はやはりプールに行くことを決めた。だけど、プールに行く当日、爺ちゃんが亡くなった。プールの代わりに病院へと僕は向かう。爺ちゃんが死んだことを友人に伝えたが、友人は信じなかった。そりゃそうだろう。遊ぼうと決めた日に、ちょうど爺ちゃんが亡くなるなんて、そんな偶然信じないだろう。僕は爺ちゃんがちょっと恨めしかった。
病院に着くと、親父が缶コーヒー片手に持ち、片方の腕で手すりにもたれかかり、項垂れていた。泣いてはなかった。葬式中、彼が泣くことは一度もなかった。別に悲しくなかったわけではないと思う。明らかに誰よりも憔悴していたから。でも、泣かなかった。そんな親父が少しカッコよかった。この物語では、僕の目線を通して、葬式であったことを描こうと思っている。僕が感じたこと、親父の姿、葬式にやってきた参列者。これは、僕によるちょっと不謹慎で皮肉的で、でも愛に満ちた新鮮なお葬式のお話だ。
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