22の春、そして23の夏 〜どこにでもある個人的な告白〜

虚しさ

必ずしも、人生が思い通りに進むわけではない。

そんなことは、聞き飽きるほど大人から言われた。
だが、そんなことはとうの昔にぼくは理解している。
うまく行った試しなんていままでないからだ。僕はいつも望む道からわずかに逸れた道を歩んできた。
友人、恋人、進路先。人格を形成する要因となるすべてのものが、一番に望んだものではなく、2番目や3番目のものだった。

僕の願望があまりに高すぎたのも原因だ。
自分の頭に思い描く理想が、僕の周辺には存在しなかったのだから、それを手に入れようとしても無理な話ではある。
要するに僕は夢想家だったのだ。

理想を追い求めるがあまりに、現実に失望してしまう。なんだこの世は存外つまらない。そう思っているうちに、僕も実につまらない人間へと成長していった。いや、むしろ退化と言った方が正しいのかもしれない。
子供の頃の僕は今思うと、僕が思い描く完璧な人間だったのかもしれない。

なぜ自分がつまらない人間になったのかと考えたのかというと、それは僕が理想する自分像とはかけ離れていたからであり、そうなってしまった理由とは、僕が出会いたいと思うような出来事や人物があまりに理想的であるがために、周囲には存在しなかったからだ。

ここまで書いてわかったのだが、僕は人生のつまらなさを他人のせいにするようだ。
そしてこれこそが、僕の人生がうまくいかない最大の理由であろう。