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第6話『叛逆』
しおりを挟む「……バカな子。逃げ出そうと思わなければ、生きていられたものを」
集団が立ち去った後、彼女の亡骸の傍に少女が現れる。
この神守島から逃亡しようという意思さえ見せなければ殺されることも無い。
彼女たち全員には爆弾の首輪がつけられていると同時に、その首輪にはGPSがつけられているのだ。
「私達の役目は、この島の人口を減らさないため、この島の子供を産んで行くこと」
その役目を理解し、自ら進んでその行為を受け入れる彼女はただの処女受胎ではない。
彼女たちは”監視者”に回るのである。
「でも、私は……そんな生き方は嫌」
彼女は自分の首につけられた首輪を触りながらそう呟いた。
ある結論に辿り着いた時、彼女の瞳に決意が宿る。
それはこの島の脱出。それだけならば今殺された少女と同じ末路を辿ることになる。
それでは意味が無い。ではどうするべきか。
(私の目的、それは、この島そのものを機能させなくすること)
この島の住人は全て扇様を崇拝している。
であれば、その扇様さえなんとかすれば中枢命令系統は混乱する。
勿論、今見た通り厳重に守られているので、容易には行かないだろう。
(ひと先ずはただ男の子に犯されるだけの存在から、”処女受胎”を”監視”する地位にはつけた。でも、まだ処女受胎の域を出ない。監視者から管理者にならないと……)
この神守島の神守東高に通う”処女受胎”にはいくつかの階級が存在する。
西校男子生徒に犯され、子供を孕み産む事を死ぬまで繰り返す”処女受胎”
"処女受胎"が神森島から逃げ出さないように監視、報告する"処女受胎監視者"
"処女受胎"が神森島から逃げ出そうとした際に処女受胎を処刑する"処女受胎処理者"
"処女受胎監視者""処女受胎処理者"の統括で島の統治者である守島扇直属の長老達"処女受胎管理者"
"処女受胎"から上がれる最高階級は処女受胎処理者だが、長老達に気に入られれば長老達から勅令が下されるため、実質管理者にもなる。
但しそれ相応の能力が認められなければ、長老達に犯されるだけで終わってしまうことにもなるのだが。
「とりあえず、監視者から処理者になるのが先決ね」
彼女はそう呟き、神守東高へと戻って行った。
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