上 下
1 / 1

ちゃぼ茶のショートショート 「独身最後の飲み会」

しおりを挟む
ゆっくり煙を出す

20歳で初めて吸った時はむせたし、涙が少し出た。それも昔

今ではタバコがないと生活できない歳になってしまった

明日は俺の結婚式。今日は独身最後ということで学生の頃からの友人達と飲み会がある。

「よー新郎様じゃん!」
飲み会の場所を提供してくれた漁師の友人から声をかけられる。

「あれまだみんな来てないの?」

「今から駅まで迎えに行くところ。しばらく1人で留守番していてくれ」
そう言うと軽トラに乗って行ってしまった。

今日の飲み会はあいつがいつも自分の船を止めている倉庫ですることになった

なので網、ドラム缶、タイヤなど色々落ちている

中央にある机には沢山の海産物と酒が積まれていた

「待ってる時間も暇だし先飲んじゃお」

暇だった俺は酒を飲みながら昔を思い出していた

みんな馬鹿で、でも毎日楽しい学生時代だった

さっきの友人は特に馬鹿でテストはいつも赤点

よく俺らは漢字と数学は小学生レベルだったことを馬鹿にしていた

そんなことを考えながら缶を潰して2本目に手を伸ばしたところで彼女の言葉を思い出す

「絶対明日は寝坊しないでよね!明日式場に遅れたら結婚やめにするから」

あの目はマジだった…まだみんな来てないし酒はやめておこう

そう思いタバコをポケットから探しながらお腹を満たすものを探していると

「おっと…こんなことで明日式に行けないのはまずい」

俺は苦笑いしながらタバコを吸うのをやめた





結婚は無くなった…結婚式に行けなかったのだ

俺は今病院にいる

なんでこんなことに…これも全部あいつのせいだ

そんなことを考えているとその友人が見舞いに来た

「お前のせいだぞ!結婚できなかったのは!」

俺が怒鳴ると友人は

「だから紙に書いて置いといただろ…」

だからってひらがなで書く奴がいるか

昨日俺はタバコを吸うのをやめて机にあった生牡蠣を食べ、見事にあたった

机にはあいつが書いた文字が

(牡蠣厳禁)』

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

声の響く洋館

葉羽
ミステリー
神藤葉羽と望月彩由美は、友人の失踪をきっかけに不気味な洋館を訪れる。そこで彼らは、過去の住人たちの声を聞き、その悲劇に導かれる。失踪した友人たちの影を追い、葉羽と彩由美は声の正体を探りながら、過去の未練に囚われた人々の思いを解放するための儀式を行うことを決意する。 彼らは古びた日記を手掛かりに、恐れや不安を乗り越えながら、解放の儀式を成功させる。過去の住人たちが解放される中で、葉羽と彩由美は自らの成長を実感し、新たな未来へと歩み出す。物語は、過去の悲劇を乗り越え、希望に満ちた未来を切り開く二人の姿を描く。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

ちゃぼ茶のショートショート 「ゾンビの生きる道」推理してみて!

ちゃぼ茶
ミステリー
ゾンビになってしまった元人間、期限までに人間を捕まえないと自分が他の化け物のエサに?やっと見つけたのは……

密室島の輪舞曲

葉羽
ミステリー
夏休み、天才高校生の神藤葉羽は幼なじみの望月彩由美とともに、離島にある古い洋館「月影館」を訪れる。その洋館で連続して起きる不可解な密室殺人事件。被害者たちは、内側から完全に施錠された部屋で首吊り死体として発見される。しかし、葉羽は死体の状況に違和感を覚えていた。 洋館には、著名な実業家や学者たち12名が宿泊しており、彼らは謎めいた「月影会」というグループに所属していた。彼らの間で次々と起こる密室殺人。不可解な現象と怪奇的な出来事が重なり、洋館は恐怖の渦に包まれていく。

思いつき犯罪の極み

つっちーfrom千葉
ミステリー
 自分の周囲にいる人間の些細なミスや不祥事を強く非難し、社会全体の動向を日々傍観している自分だけが正義なのだと、のたまう男の起こす奇妙な事件。ダイエットのための日課の散歩途中に、たまたま巡り合わせた豪邸に、まだ見ぬ凶悪な窃盗団が今まさに触手を伸ばしていると夢想して、本当に存在するかも分からぬ老夫婦を救うために、男はこの邸宅の内部に乗り込んでいく。

1分完結 ちゃぼ茶のショートショート 「泥棒体質」

ちゃぼ茶
大衆娯楽
私ちゃぼ茶は遺伝って怖いと思うのです…なぜなら両親の悪いところは遺伝で自分に似てしまうのでは…?という考えがあるからです。 そういえば私の父髪の毛が…まぁ考えるのはやめにしましょう

処理中です...