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へっぽこ召喚士の相性探し②
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一人、騎士達の元へと向かったミアは、目の合った騎士の元へと近づいて、深呼吸してから言葉を投げかけた。
「あの!あなたのことが知りたいです!私と一緒に少し、散歩とかどうですか?」
「「はあ?!」」
突然の申し出に声をかけられた騎士だけでなく、周りにいた騎士達も一斉に声を上げてミア達に注目する。
(あれ?私、なんかおかしな事でも言っちゃったかな……?)
相性を探るに当たって、騎士団で務めるようになってから魔獣達にしか時間を費やしていないミアにとっては、騎士達のことは何も知らない。
相手を知るためには、時間を掛けて自分のことを話して知ってもらうことが必要になるとミアは考えたのだ。
だからと言って、騎士達に演説するかのように自分語りしても意味はない。まずは個々での距離を縮めるための行動として、二人きりの時間を過ごすことに決めたのだった。
だが、恋に女に飢えている野獣の騎士達は年頃の少女の取る行動を……つまりは、そう受け止めてしまうのだ。
「えっ?!俺?!そんな会話もしたことのない、俺?!」
「はい、もちろん!」
「なんで俺じゃねえんだよー!」
「ミアちゃーん!俺とも散歩しようよー!」
「え?!あの、順番に皆さんのこと知りたいので、お時間頂けますか?」
よく分からない単語を投げかけられて、てんやわんやしていると、あちこちから声が掛かる。慣れない状況に困惑していると、ユネスまでも参戦してきた。
とりあえず皆と仲良くなりたい純粋な気持ちと、魔獣達のこれからのことについて話すと、快く彼らはミアと接してくれた。
獣人が住む村のことや、家族や大切な人。これまでの騎士としての仕事の話。得意なことや苦手なこと。気さくに話してくれる彼らに、距離感がぐっと近づいた気がした。
そのお陰で、グリフォンと心を通わせようとした騎士は、高いところが苦手ということが分かり、空を飛ぶグリフォンにはそれが伝わって拒絶し合ったのだと紐解いた。
こうして話していくうちに、魔獣達との相性のヒントが次々と見つかっていく。
ミア自身も自分のことをぽつりぽつりと話した。召喚士に憧れた幼き頃の話から、学生時代の話。そして……自分があまり召喚術が上手くないこと。
いつか本当の事を話さなければいけないと、どこか負い目を感じていたのだ。
この機会を逃したら、ずっとこの場に居づらい気持ちを抱えていくことになると。
「……なんか、騙すような感じでここで働いてしまってすみません」
「そんな気にしないでよ。学園を出たばかりの召喚士なんて、経験もなければ術もあまり安定しない子がほとんどなんだから」
震えそうになる声を我慢して事実を話したミアに、ユネスは彼女の背中を撫でるように優しい声音で包み込んだ。
「で、でも……昨日、私が居たらいい魔獣を召喚してくれるって、ユネスさん言ってたじゃないですか」
「あーあれ?それはもちろん。だって召喚殺しの異名を持つ獣人しかいない騎士団だっていうのに、健気なミアちゃんは逃げずに頑張ってるじゃないか。そんな子が成長しないわけないでしょ?」
小さく笑うユネスは、端からミアが召喚術が苦手なことを知っていたのだ。周りの騎士達もユネスの意見に同意だと、首を縦に振ってくれていた。
期待されているという事実に、目頭が微かに熱くなる。
(私……もっと頑張らなきゃ!!)
温かい気持ちに包まれながら、その日の訓練はとりあえずお試しということで、解散になった。
一人、騎士達の元へと向かったミアは、目の合った騎士の元へと近づいて、深呼吸してから言葉を投げかけた。
「あの!あなたのことが知りたいです!私と一緒に少し、散歩とかどうですか?」
「「はあ?!」」
突然の申し出に声をかけられた騎士だけでなく、周りにいた騎士達も一斉に声を上げてミア達に注目する。
(あれ?私、なんかおかしな事でも言っちゃったかな……?)
相性を探るに当たって、騎士団で務めるようになってから魔獣達にしか時間を費やしていないミアにとっては、騎士達のことは何も知らない。
相手を知るためには、時間を掛けて自分のことを話して知ってもらうことが必要になるとミアは考えたのだ。
だからと言って、騎士達に演説するかのように自分語りしても意味はない。まずは個々での距離を縮めるための行動として、二人きりの時間を過ごすことに決めたのだった。
だが、恋に女に飢えている野獣の騎士達は年頃の少女の取る行動を……つまりは、そう受け止めてしまうのだ。
「えっ?!俺?!そんな会話もしたことのない、俺?!」
「はい、もちろん!」
「なんで俺じゃねえんだよー!」
「ミアちゃーん!俺とも散歩しようよー!」
「え?!あの、順番に皆さんのこと知りたいので、お時間頂けますか?」
よく分からない単語を投げかけられて、てんやわんやしていると、あちこちから声が掛かる。慣れない状況に困惑していると、ユネスまでも参戦してきた。
とりあえず皆と仲良くなりたい純粋な気持ちと、魔獣達のこれからのことについて話すと、快く彼らはミアと接してくれた。
獣人が住む村のことや、家族や大切な人。これまでの騎士としての仕事の話。得意なことや苦手なこと。気さくに話してくれる彼らに、距離感がぐっと近づいた気がした。
そのお陰で、グリフォンと心を通わせようとした騎士は、高いところが苦手ということが分かり、空を飛ぶグリフォンにはそれが伝わって拒絶し合ったのだと紐解いた。
こうして話していくうちに、魔獣達との相性のヒントが次々と見つかっていく。
ミア自身も自分のことをぽつりぽつりと話した。召喚士に憧れた幼き頃の話から、学生時代の話。そして……自分があまり召喚術が上手くないこと。
いつか本当の事を話さなければいけないと、どこか負い目を感じていたのだ。
この機会を逃したら、ずっとこの場に居づらい気持ちを抱えていくことになると。
「……なんか、騙すような感じでここで働いてしまってすみません」
「そんな気にしないでよ。学園を出たばかりの召喚士なんて、経験もなければ術もあまり安定しない子がほとんどなんだから」
震えそうになる声を我慢して事実を話したミアに、ユネスは彼女の背中を撫でるように優しい声音で包み込んだ。
「で、でも……昨日、私が居たらいい魔獣を召喚してくれるって、ユネスさん言ってたじゃないですか」
「あーあれ?それはもちろん。だって召喚殺しの異名を持つ獣人しかいない騎士団だっていうのに、健気なミアちゃんは逃げずに頑張ってるじゃないか。そんな子が成長しないわけないでしょ?」
小さく笑うユネスは、端からミアが召喚術が苦手なことを知っていたのだ。周りの騎士達もユネスの意見に同意だと、首を縦に振ってくれていた。
期待されているという事実に、目頭が微かに熱くなる。
(私……もっと頑張らなきゃ!!)
温かい気持ちに包まれながら、その日の訓練はとりあえずお試しということで、解散になった。
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