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初めての依頼『ミーストフラワーの採取』➁

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 俺達はミーストフラワーの咲いていると言われている森に行くため、森まで続く街道を歩いていた。
「クレハ、本当に今から行く森にミーストフラワーは生えているのか?」
「なに?疑っているの?大丈夫だよ!前にも似たような依頼を受けた時に、今から行く森〈ミルフォレスト〉で見つけたんだから!」
「いや、どうなんだろうなと思ってさ。そういえば、この道にはあまりモンスターは出ないのか?」
 街を出てから、今までにモンスターには出会っていない。
「うん。ここは人が良く通るから。モンスターもあんまり近寄らないんだよ!」
 なるほど、確かに人の多いところに行けばすぐに倒されちゃうかもしれないもんな。
「そういえば、そのミルフォレストには強いモンスターが出たりするんですか?俺、まだキバノシとか倒せる気がしないんだけど……」
 この世界に来たばっかりでキバノシに追いかけられた記憶がよみがえる。
 あのモンスターのランクがどれくらいかはわからないけれど、武器を持ったからってすぐに勝てる気はしない。
「ううん。キバノシはDランクモンスターなんだけど、今から行く森には1種類しかモンスターはいないんだよ!そのモンスターはEランクの〈ブルル〉っていうんだけど、ブルルならリョウトでも倒せると思うから、大丈夫だよ!」
「そっか!大丈夫ならいいんだけどな」
「あ!そうだ!リョウトはちゃんと冒険者カードは持ってきてる?」
 冒険者カード…昨日ギルドの受付でもらったやつだ。マジックバックに入れて持ってきたのでそれを取り出す。
 今日の朝試したのだが、マジックバックの中には日用品のようなものも入れることが出来て、出したいものを思い浮かべながら手を入れるとその中に入れていれば取り出せるという、すごく便利なものだ。前いた世界でこれが市場に出回っていればすごい需要があっただろうなと思う。
「これだよね。この冒険者カードがどうしたの?」
「うん。これから一緒に依頼をしていくわけだし、お互いに冒険者カードで情報を確認し合うのはどうかなって。なんとなくだけど」
「俺はいいけど、クレハはいいの?」
「うん、いいよ。じゃあ、はいこれ」
 
 クレハの冒険者カード
 名前 クレハ
 種族 %&$
 職業 冒険者
 武器 大剣
 スキル $#&
     ヘビースマッシュ
 達成依頼数 94

「ねぇ、クレハ?なんか初夏文字化けしてるんだけど……」
 種族とスキルに文字化けがあった。この世界にも文字化けってあるんだなぁ。
「文字化け……?あぁ。それはね、この間モンスターと戦っているときに思いっきり踏まれちゃって、それから調子が悪いんだよね。冒険者カードにかかっている魔法が変になってるのかも!」
「へー、そんなことが、あっ!そんなことより、スキルって何?俺の冒険者カードにはなかったと思うんだけど」
「あー、スキルっていうのはね。同じ種類の武器を何回も使っていると使えるようになったり、いろんな条件で使えるようになったりするものなんだよ。例えば私の冒険者カードに書いてあるスキルの一つ、〈ヘビースマッシュ〉はちょうど昨日キバノシを追い払ったときに使えるようになったんだけど、キバノシを打ち払った時よりも強力な払い切りが出来るんだと思うんだ!まだ使ってないから分からないけど。だから、リョウトも何かのスキルをそのうち覚えられると思うよ!」
「そうなんだ。楽しみだ」
 スキル……この長剣で出来るスキルなのか、それとも別のスキルなのか……何か覚えてないか冒険者カードを見て定期的に確認することにしよう。
「あ!そういえばリョウトはなんでこのミーストフラワーの採取の依頼を受けようと思ったの?そういえばなんでなんだろうなって思っててさ!」
「あぁ、それはこの依頼の報酬が他の依頼に比べて安かったからだよ。他の依頼はどれも10,000ドゴムを超えていたのに、この依頼だけ報酬金が5,000ドゴムと〈キャプリング〉っていうアイテム?だったから気になって。二人で分けたら俺は1泊することしかできないお金ではあるけど、どうしてもアイテムが気になって」
「なるほどね!アイテムは報酬で出ることがあまりないから、アイテムがあるから依頼を受けるのも冒険者としては全然有りだと思うよ!でもキャプリング……私は知らないなぁ…。あ、それと、報奨金は私の取り分は1/5でいいよ!私はあくまでサポートだし。そこまですごくお金に困ってるわけでもないからね。えへへ」
 報奨金を半分以上俺にくれるっていうのは、すごく助かる。けど、何か悪い気がするなぁ…。
「あ、じゃあ!アイテムはクレハにあげるよ!俺じゃあちゃんと使える自信ないし」
「リョウトはそれでいいの?……じゃあ、そうさせてもらおうかな」
 そんなこんなしていたら、ようやく森の入り口までたどり着いた。
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