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騎士の宣言と共に、荷台が揺れ出す。どうやら動き出したようだな。
「それにしても、日が暮れるまで……か。12時間近くありそうだな」
暇だな。
スマホとかゲーム機とかあれば良かったのに。まぁ、仕方ない、か。
「そう言えば、ウィングを倒したんだし……レベル上がってないかな」
ふとそんなことを思い、ステータスカードを取り出す。
===
名前 ヤマニシ シュウ
性別 男性
年齢 16
職業 盗賊
レベル 27
HP 112/112
MP 56/56
攻撃力 85
物理防御 84
魔法防御 56
素早さ 113
知力 1008
【スキル】
隠密Lv.3
思考加速Lv.3
敵感知Lv.1
危険感知Lv.2
千里眼Lv.1
身体強化Lv.1
氷魔法Lv.5
===
「10近くレベルが上がってる……。スキルポイントは……94……?」
ちょっと待て、おかしくないか?俺が一度のレベルアップで貰えるポイントは7ポイント。そして、今回のウィング戦では9レベル上がった。
なら獲得ポイントは63。残っていたポイントを考慮しても64にしかならないハズだ……。
ということは、この30ポイントはなんだ?
自分よりも遥かに強い敵。倒すとボーナスポイントが貰えるとかか?
「……考えても分からないな、こりゃ。また一つ調べることができたな、と考えるか」
ラッキーとでも思っておこう。
「モンスターだけじゃなくて、魔王軍の……魔族だっけ? 魔族たちを殺してもレベルが上がるのか
さて、それではスキルポイントを振り分けていこう。
===
スキルポイント 94pt
特殊スキル 20pt ◆
隠密スキル 10pt
感知スキル 10pt ◆
強化スキル 5pt
盗賊スキル 5pt ◆
風属性魔法 3pt
闇属性魔法 3pt
回復魔法 3pt
===
「あれ、氷魔法の欄が消えてる……」
最大レベルまで上げたからなのだろうか?
今回のウィング戦で、魔法の有用性は十分に分かった。最大レベルを上げても消費ポイントは15。
だったら、真っ先に取るべきは魔法だろうか。
「闇魔法はやっぱ効かなそうだし、風魔法でも習得しておこうか」
風魔法で15ポイント。残りは79ポイントか。
なら20ポイント消費して『隠密』を最大レベルまで上げる。3レベルの『隠密』では、四天王には通用しなかった。
今回の件で、四天王の強さが別格なのがハッキリと分かった。だったらこれからは逃げる、ということも視野に入れなければならない。
だが、四天王相手にそもそも『隠密』というスキルが通用するのかも怪しい。そこら辺は期待しないでおこうかな。
残りは59……。
「……やっぱこれかな」
序列二位を倒した俺だ。もし他の四天王が襲撃してくるのであれば、序列一位……最悪の場合は他の四天王全員でもおかしくない。
だとすれば、魔法攻撃と剣撃以外の攻撃方法も身につけなければならない。より早く、より強力な……。
「特殊スキルの『属性付与』」
見た感じ、対象の物質に魔法の属性を付与するスキルだろうか。
例えば今回の場合、氷属性魔法の絶対零度を刀に付与してウィングを斬りつければ、不意打ちで倒せたかもしれない。
まぁ、勿論攻撃を当てられたらの話だが。
20ポイントと少々お高めだが、ポイントはまだまだあるんだし。お試し程度には考えておこうかな。
「さて、残り39ポイントか」
折角盗賊になったんだし、盗賊スキルでも習得しておくか。
===
【盗賊スキル】 5pt
チェンジ
ロープ
スピードダウン
アタックダウン
ガードダウン
ポイズン
パラライズ
===
下から五つは状態異常だろうか。上から、速度ダウン、攻撃力ダウン、防御力ダウン、毒状態付与、麻痺状態付与ってとこだろうか。
「上二つが何か気になるな……」
二つ習得しても10ポイントで、比較的安く済むこうなったら二つまとめて習得してしまおう。
「これで残りは29ポイント」
ふと思ったのだが、習得したスキルの効果は能力は見ることは出来ないのだろうか。
ステータス画面に戻して先程習得したチェンジに項目をタッチしてみる。
===
盗賊スキル『チェンジ』
視界に入る二つの対象の位置を交換する。一度使うと一分間のクールタイムが必要。
===
「おぉ、見れた!」
こんなことならもっと早く試してみれば良かった。
「それにしても……チェンジか。中々使えるスキルだな」
まだまだ実験の余地はあるが……もし俺が思っているスキルなのであれば、戦術の幅がかなり広くなるな。
強いて言うのでなれば、クールタイムの時間が少々長い気がすることだろうか。
「次はロープ」
===
盗賊スキル『ロープ』
縄を生み出す。先端に鉤爪をつけることも可能。最大10メートル。
===
「これまた……中々使えそうなスキルだ」
敵を縛ったり、高いを壁を登ったり……盗賊スキルは本当に役立つスキルが多いな。
「よし、試しに実験してみよう」
右手に刀、左手にスキルカードを握る。
「『チェンジ』」
刀とスキルカードを対象に選択し、スキルを発動する。すると、刀とスキルカードが眩く輝き始める。
だが数秒後、光が収束したと思うと刀とスキルカードの位置が入れ替わっている。
「ふむ。ならばこれならどうだ?」
刀を自分の向かい側の席に置いて『チェンジ』を使用する。
対象は刀……そして、俺自身だ。
この実験は、有機物と無機物の位置交換が可能かどうか。もしこの実験が可能ならば、小石を崖に投げ、その小石の敵を『チェンジ』で位置交換する、なんて戦術も可能だしな。
だが……。
「……無理か」
スキルを発動しても、何の変化も無い。やはり有機物と無機物の位置交換は無理か。
「レベルが上がれば出来るのかな」
これは多少スキルポイントを使ってでもレベルを上げるべきだな。10ポイント使ってレベルを3に上げる。
これならどうだ?
「『チェンジ』」
瞬間的に視界が変わる。
「成功……なのか?」
向かい側の窓に見えたはずの山がいつの間に消えていることに気付く。後ろを振り返り窓を見ると、先程見えた山がある。
「よし、成功みたいだな」
残りのスキルポイントを使って『身体強化』を1だけレベルアップさせる。残る14ポイントは残しておこう。
「さて、時間はたっぷりあるんだ。自分の能力をちゃんと把握しておかないとな」
欠伸をしながら、一人そう呟いた。
「それにしても、日が暮れるまで……か。12時間近くありそうだな」
暇だな。
スマホとかゲーム機とかあれば良かったのに。まぁ、仕方ない、か。
「そう言えば、ウィングを倒したんだし……レベル上がってないかな」
ふとそんなことを思い、ステータスカードを取り出す。
===
名前 ヤマニシ シュウ
性別 男性
年齢 16
職業 盗賊
レベル 27
HP 112/112
MP 56/56
攻撃力 85
物理防御 84
魔法防御 56
素早さ 113
知力 1008
【スキル】
隠密Lv.3
思考加速Lv.3
敵感知Lv.1
危険感知Lv.2
千里眼Lv.1
身体強化Lv.1
氷魔法Lv.5
===
「10近くレベルが上がってる……。スキルポイントは……94……?」
ちょっと待て、おかしくないか?俺が一度のレベルアップで貰えるポイントは7ポイント。そして、今回のウィング戦では9レベル上がった。
なら獲得ポイントは63。残っていたポイントを考慮しても64にしかならないハズだ……。
ということは、この30ポイントはなんだ?
自分よりも遥かに強い敵。倒すとボーナスポイントが貰えるとかか?
「……考えても分からないな、こりゃ。また一つ調べることができたな、と考えるか」
ラッキーとでも思っておこう。
「モンスターだけじゃなくて、魔王軍の……魔族だっけ? 魔族たちを殺してもレベルが上がるのか
さて、それではスキルポイントを振り分けていこう。
===
スキルポイント 94pt
特殊スキル 20pt ◆
隠密スキル 10pt
感知スキル 10pt ◆
強化スキル 5pt
盗賊スキル 5pt ◆
風属性魔法 3pt
闇属性魔法 3pt
回復魔法 3pt
===
「あれ、氷魔法の欄が消えてる……」
最大レベルまで上げたからなのだろうか?
今回のウィング戦で、魔法の有用性は十分に分かった。最大レベルを上げても消費ポイントは15。
だったら、真っ先に取るべきは魔法だろうか。
「闇魔法はやっぱ効かなそうだし、風魔法でも習得しておこうか」
風魔法で15ポイント。残りは79ポイントか。
なら20ポイント消費して『隠密』を最大レベルまで上げる。3レベルの『隠密』では、四天王には通用しなかった。
今回の件で、四天王の強さが別格なのがハッキリと分かった。だったらこれからは逃げる、ということも視野に入れなければならない。
だが、四天王相手にそもそも『隠密』というスキルが通用するのかも怪しい。そこら辺は期待しないでおこうかな。
残りは59……。
「……やっぱこれかな」
序列二位を倒した俺だ。もし他の四天王が襲撃してくるのであれば、序列一位……最悪の場合は他の四天王全員でもおかしくない。
だとすれば、魔法攻撃と剣撃以外の攻撃方法も身につけなければならない。より早く、より強力な……。
「特殊スキルの『属性付与』」
見た感じ、対象の物質に魔法の属性を付与するスキルだろうか。
例えば今回の場合、氷属性魔法の絶対零度を刀に付与してウィングを斬りつければ、不意打ちで倒せたかもしれない。
まぁ、勿論攻撃を当てられたらの話だが。
20ポイントと少々お高めだが、ポイントはまだまだあるんだし。お試し程度には考えておこうかな。
「さて、残り39ポイントか」
折角盗賊になったんだし、盗賊スキルでも習得しておくか。
===
【盗賊スキル】 5pt
チェンジ
ロープ
スピードダウン
アタックダウン
ガードダウン
ポイズン
パラライズ
===
下から五つは状態異常だろうか。上から、速度ダウン、攻撃力ダウン、防御力ダウン、毒状態付与、麻痺状態付与ってとこだろうか。
「上二つが何か気になるな……」
二つ習得しても10ポイントで、比較的安く済むこうなったら二つまとめて習得してしまおう。
「これで残りは29ポイント」
ふと思ったのだが、習得したスキルの効果は能力は見ることは出来ないのだろうか。
ステータス画面に戻して先程習得したチェンジに項目をタッチしてみる。
===
盗賊スキル『チェンジ』
視界に入る二つの対象の位置を交換する。一度使うと一分間のクールタイムが必要。
===
「おぉ、見れた!」
こんなことならもっと早く試してみれば良かった。
「それにしても……チェンジか。中々使えるスキルだな」
まだまだ実験の余地はあるが……もし俺が思っているスキルなのであれば、戦術の幅がかなり広くなるな。
強いて言うのでなれば、クールタイムの時間が少々長い気がすることだろうか。
「次はロープ」
===
盗賊スキル『ロープ』
縄を生み出す。先端に鉤爪をつけることも可能。最大10メートル。
===
「これまた……中々使えそうなスキルだ」
敵を縛ったり、高いを壁を登ったり……盗賊スキルは本当に役立つスキルが多いな。
「よし、試しに実験してみよう」
右手に刀、左手にスキルカードを握る。
「『チェンジ』」
刀とスキルカードを対象に選択し、スキルを発動する。すると、刀とスキルカードが眩く輝き始める。
だが数秒後、光が収束したと思うと刀とスキルカードの位置が入れ替わっている。
「ふむ。ならばこれならどうだ?」
刀を自分の向かい側の席に置いて『チェンジ』を使用する。
対象は刀……そして、俺自身だ。
この実験は、有機物と無機物の位置交換が可能かどうか。もしこの実験が可能ならば、小石を崖に投げ、その小石の敵を『チェンジ』で位置交換する、なんて戦術も可能だしな。
だが……。
「……無理か」
スキルを発動しても、何の変化も無い。やはり有機物と無機物の位置交換は無理か。
「レベルが上がれば出来るのかな」
これは多少スキルポイントを使ってでもレベルを上げるべきだな。10ポイント使ってレベルを3に上げる。
これならどうだ?
「『チェンジ』」
瞬間的に視界が変わる。
「成功……なのか?」
向かい側の窓に見えたはずの山がいつの間に消えていることに気付く。後ろを振り返り窓を見ると、先程見えた山がある。
「よし、成功みたいだな」
残りのスキルポイントを使って『身体強化』を1だけレベルアップさせる。残る14ポイントは残しておこう。
「さて、時間はたっぷりあるんだ。自分の能力をちゃんと把握しておかないとな」
欠伸をしながら、一人そう呟いた。
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