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英雄の帰還?

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「隣国の国王様が……ですか?」
「うむ」

 どうして隣国の王が?俺が守ったのはあくまでこの国。なのに何で……?人類共通の敵を倒したからってことなのか?

「隣国、というとグライアン王国ですか?」
「いや、そちらとは反対側に位置するレイズ王国だ」

 あー噂の勇者を召喚した方とは逆か……。まぁ、態々もてなしたいと言う心遣いを無下にするワケにもいかないし、勇者との対面はまた今度にするか。

「それで、一体どうしてレイズ王国の国王様が私を……?」
「それがだな、なんでもレイズ王国の第二王女がお忍びで今朝までこの国にいたらしくてな。もし其方がこの国を守ってくれなかったら今頃娘の命は無かったので礼を言いたい……と」
「なるほど、そうだったのですね」

 なんでこの国にお忍びで来てたのか気になるが、まぁ納得はいった。

「向こうの国までの交通手段は此方で用意する。どうかお願い出来ないだろうか」
「分かりました」

 というか、これ断れないだろう。実質二カ国の王様からお願いされてるんだぞ……。

「助かる。早速で悪いのだが、明日の朝一に出発したい。なので、今日はこの城で泊まって行くと良い」

 うーん、それはちょっと困るな。

「その……申し訳ないのですが、街に用事があるので城に泊まることは出来ないのですが……」
「そうか、ならば明日の朝5時に東門に馬車を待機させておくから、その時間に来てくれ」
「分かりました」

 朝5時か……起きられるかな。念の為今夜は眠らないでおこうかな。

「さて、これで用事は終わりだ。下がって良いぞ」
「はっ! 失礼します」

 帰宅の許可が出たので、一礼すると背を向けて謁見の間を出る。

「はぁ……緊張した」

 ◇◆◇◆◇

「よぅ、生きてるか?」

 俺の用事の一つは、ギルドに用があった。っと言っても、用って言う程大した事でもないが。

「お、英雄様のご帰還だぞー!」
「流石英雄様! 凛々しいお姿ですね!」
「よっ! 国の英雄様!」
「ほぅ……テメェら元気そうで何よりだ。早速で悪いんだが、俺のサンドバッグになってくれや」

 一応、同じ酒(リンゴジュース)を交わした仲間なので、国を出る前に様子くらい見てるやる。

「悪ぃ悪ぃ。それにしても、お前まさか四天王を倒しちまうなんてな!」
「元気そうで何よりだよ。トドメを刺したのは俺だけど騎士団の皆の協力があってこその勝利だよ」
「おいおい、俺らの奮闘はどうなるんだよ?」
「お前らは瞬殺されてたじゃねぇか」
「そうだっけ? 悪い、頭打ったからか記憶が飛んでてな……確か、俺が華麗に四天王を倒すところまでは覚えてるんだが」

 そう冗談を言って笑う冒険者達。冗談言って笑えるということは、大した怪我では無かったのだろう。

「それで、英雄様は今日もゴブリン狩りか?」
「あーそのことなんだが……」

 隣国のレイズ王国に旅に出ることを話す。因みに、理由は言わずにただ旅立つとしか言ってない。

「おーそうか! 旅に出るのかー!」
「頑張れよー!」
「応援してるぜー!」

 反応薄いな……。まぁ、こんなもんか。所詮1ヶ月くらいの付き合いだしな。

「それで明日には出るんだろ? レイズ王国がここから近いからと言っても、よくそんな金あったな」
「まぁ、四天王討伐の報酬でたんまり金が入ったらからな」
「けっ! 成金野郎が!」
「まっ! これも才能かなー?」
「「「うぜぇ!」」」

 口では悪態ついてるものの、薄らと浮かべた笑みが楽しんでることを裏付けている。

「それで、こっちにはいつ戻って来るんだ?」
「そうだな……一段落ついたら一度この国に戻るつもりだ。まぁすぐに旅立つだろうけど」
「戻ってきてもすぐに旅立つのかよ」
「あぁ、まぁ俺のやるべき事に一段落ついたらしばらくはこの国にいるんじゃないか?」

 もし気に入った国があればそこに住むかもしれないけどな。

「まぁ、頑張れよ!」
「おう、お前らこそ死ぬなよー!」
「それはこっちの台詞だぜ!」

 俺を見送る冒険者達に手を振り、ギルドから出る。

「よし、次は武器屋だな」
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