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「前置きはそれ位にして、本題に入りませんか?」
ライ達が、報告書を読み終えたのを視界の隅で捉え、陛下に話題の変更を求めた。
陛下にとっても都合が良く、本来の話題の為に居住まいを正している。
「そうだな、それで確認は取れたのか?」
「ええ。先程も申し上げたように、ライが持っています」
目配せすれば、ライが陛下に差し出している。
「妙に分厚いが…。セイ殿?」
パラパラと捲り、目があるページで釘付けになっている。
「その報告を上げた者が、色々と便宜を図ってくれまして、裏も取り易いですよ。但し、詮索は無用でお願いします。そういう約束ですからね?」
訊きたいことは察していたが、先に釘を刺し質問を封じた。
陛下がジトっと睨み据えてくるのを、敢えてにっこり笑って受け流す。
「最初から計算尽くとは。セイ殿、よくも謀ってくれましたな」
「先に保険はかけましたが、こういう報告になる想定はなかったのですよ。お蔭で助かりましたが…」
肩を竦めてみせ、態とではないと弁明はするが、前言を撤回する気もなかった。
「約束は守るが…、分かっている。追求はせぬから、そう棘のある視線を向けるな」
「では、そろそろ内容そのものを検討した方が、いいのでは?私としては、出所よりもそちらの方が問題ではないかと」
なお拘る様子を見せる陛下を半眼で見据えれば、機嫌を取るような真似をするので、話を進めるよう先を促す。
「確かに内容からすれば、瑣事に過ぎないが…。如何やって調べたのだ?」
陛下は、眉を顰め内容だけに疑念が湧くようだった。
宰相殿が、遣り取りを観察しながら、胡乱気な視線を投げてくる。
「陛下、それで一体どのような内容なのですか?」
陛下は煩わしそうに、報告書を渡し説明を省いている。
口にするのも嫌だ、という気持ちはよく分かるのだが、少々宰相殿が不憫に思える対応だ。もっとも、当の本人はさして気にも留めてない。
「呆れ果てる内容ですが、どう手を打ちましょうか?」
宰相殿も、目を通して報告書を嫌そうに見ているが、流石に扱いは丁寧だ。
「如何と言われてもな…。面倒事を増やすのが目的か、と疑いたくならないか?」
考えるのを放棄するような同意を求めてくる。
事を構えるのは得策ではないが、既に起きた案件を不問で済ませる訳にもいかない。
「陛下。公爵家の内紛で片付け、東の方に幽閉されては如何ですか?」
「…内紛か。確かに一理あるが、取り潰して幽閉は行き過ぎだろう」
「見せしめを兼ねてですが、東の片田舎で監視付きでも、自由に過ごさせては駄目でしょうか?」
利用されないように大国の反対側で、楽隠居を提案していると解り、陛下が渋い表情を浮かべた。
「操られていたとはいえ、到底看過できないのだが…セイ殿は恩赦を求めるのか?」
「僭越ながら、私も同意見です。セイ様、お考え直しを」
2人して幽閉案を却下してくるが、利用価値があると踏まれても困るのだ。
だが、同じ事を繰り返さないための善後処置としては、納得して貰えないようで、逆に困って眉尻が下がる。
ライ達が、報告書を読み終えたのを視界の隅で捉え、陛下に話題の変更を求めた。
陛下にとっても都合が良く、本来の話題の為に居住まいを正している。
「そうだな、それで確認は取れたのか?」
「ええ。先程も申し上げたように、ライが持っています」
目配せすれば、ライが陛下に差し出している。
「妙に分厚いが…。セイ殿?」
パラパラと捲り、目があるページで釘付けになっている。
「その報告を上げた者が、色々と便宜を図ってくれまして、裏も取り易いですよ。但し、詮索は無用でお願いします。そういう約束ですからね?」
訊きたいことは察していたが、先に釘を刺し質問を封じた。
陛下がジトっと睨み据えてくるのを、敢えてにっこり笑って受け流す。
「最初から計算尽くとは。セイ殿、よくも謀ってくれましたな」
「先に保険はかけましたが、こういう報告になる想定はなかったのですよ。お蔭で助かりましたが…」
肩を竦めてみせ、態とではないと弁明はするが、前言を撤回する気もなかった。
「約束は守るが…、分かっている。追求はせぬから、そう棘のある視線を向けるな」
「では、そろそろ内容そのものを検討した方が、いいのでは?私としては、出所よりもそちらの方が問題ではないかと」
なお拘る様子を見せる陛下を半眼で見据えれば、機嫌を取るような真似をするので、話を進めるよう先を促す。
「確かに内容からすれば、瑣事に過ぎないが…。如何やって調べたのだ?」
陛下は、眉を顰め内容だけに疑念が湧くようだった。
宰相殿が、遣り取りを観察しながら、胡乱気な視線を投げてくる。
「陛下、それで一体どのような内容なのですか?」
陛下は煩わしそうに、報告書を渡し説明を省いている。
口にするのも嫌だ、という気持ちはよく分かるのだが、少々宰相殿が不憫に思える対応だ。もっとも、当の本人はさして気にも留めてない。
「呆れ果てる内容ですが、どう手を打ちましょうか?」
宰相殿も、目を通して報告書を嫌そうに見ているが、流石に扱いは丁寧だ。
「如何と言われてもな…。面倒事を増やすのが目的か、と疑いたくならないか?」
考えるのを放棄するような同意を求めてくる。
事を構えるのは得策ではないが、既に起きた案件を不問で済ませる訳にもいかない。
「陛下。公爵家の内紛で片付け、東の方に幽閉されては如何ですか?」
「…内紛か。確かに一理あるが、取り潰して幽閉は行き過ぎだろう」
「見せしめを兼ねてですが、東の片田舎で監視付きでも、自由に過ごさせては駄目でしょうか?」
利用されないように大国の反対側で、楽隠居を提案していると解り、陛下が渋い表情を浮かべた。
「操られていたとはいえ、到底看過できないのだが…セイ殿は恩赦を求めるのか?」
「僭越ながら、私も同意見です。セイ様、お考え直しを」
2人して幽閉案を却下してくるが、利用価値があると踏まれても困るのだ。
だが、同じ事を繰り返さないための善後処置としては、納得して貰えないようで、逆に困って眉尻が下がる。
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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