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「取り敢えず、お茶を冷めないうちに、どうぞ」
言いながら、用意されていたお茶を配り、茶菓子の皿を中央に据えた。
心なしか何時もより量が多めで、茶菓子以外の物も盛られている。
「珍しいですね。茶会に軽食まで出すなんて」
「でも、甘味と塩気が両方とれる方が良くないか?」
「そうですね。偶には、こういう趣向も面白いです」
「セイ様、食事を召し上がってないのですか?」
「そういえば、朝に義兄が押しかけ、確か午後は領地だった筈だな。グレン、食事は抜きか?」
勘の良いブランディアが、疑問を投げかけたと思えば、陛下もグレンに確認をとっている。
「はい。アルフは勧めましたが、茶会で食べると仰せでしたので、このような内容に変更したようです」
「陛下、何もグレンに訊かずとも、私に直接確認すれば済むのでは?」
素直に報告するグレンに、文句を言う訳にもいかず、陛下に抗議すれば、渋い顔をされる。
「セイ殿だと、いつの間にか煙に巻かれているのでな。その点、グレンなら間違いなく訊き出せるだろう。聴き飽きただろうが、食事はしっかり取ってくれ。ただでさえ痩せているのに、それ以上痩せてどうする気だ」
そう言いながら、取皿に軽食を盛り付けて渡された。
その世話の焼きっぷりには、アスカルトとリラティスが目を見張る。
アスカルトに至っては、口までもれなく開いていて、唖然とした様子がよく判るほどだ。
「お手数をおかけしますが、これは盛り過ぎですよ。アス、少し要らないか?」
てんこ盛りされた皿を差し出すが、何故か躊躇して手を出さない。
「セイ様、陛下が盛った物には手を出せません」
リラティスが庇うように指摘してくる。
成程とは思うが、どう見ても食べ切れる量ではない。
それならばと、自分の皿からアスカルトの皿に移し替えた。
「悪いけど、その分お願いね。私が直に分けるのは、問題ないでしょう?」
皿の半分以下を押し付けたが、それに対する苦情はなく、妙に嬉しそうに食べている。
「はい。ありがたく頂戴します。やっぱり、ここの料理は美味しいです!」
食べながら、合間に礼を言われる。
ハムスターの様に頰を膨らませていて、微笑ましい光景だ。
「アルフに伝えておく。きっと喜ぶよ、私は作り甲斐がないからね」
「少量でも、お口に合えば満足されるのでは?」
ブランディアが、私に異を称えるが、それも間違いではない。
ただ、私は資料を読みながらや、論議の合間に食べるせいで、味わって食べてない。
取り敢えず、口に入れている状況よりは、純粋に喜んで美味しそうに食べるアスカルトの方が、作り手としては嬉しいだろうと零したのだ。
言いながら、用意されていたお茶を配り、茶菓子の皿を中央に据えた。
心なしか何時もより量が多めで、茶菓子以外の物も盛られている。
「珍しいですね。茶会に軽食まで出すなんて」
「でも、甘味と塩気が両方とれる方が良くないか?」
「そうですね。偶には、こういう趣向も面白いです」
「セイ様、食事を召し上がってないのですか?」
「そういえば、朝に義兄が押しかけ、確か午後は領地だった筈だな。グレン、食事は抜きか?」
勘の良いブランディアが、疑問を投げかけたと思えば、陛下もグレンに確認をとっている。
「はい。アルフは勧めましたが、茶会で食べると仰せでしたので、このような内容に変更したようです」
「陛下、何もグレンに訊かずとも、私に直接確認すれば済むのでは?」
素直に報告するグレンに、文句を言う訳にもいかず、陛下に抗議すれば、渋い顔をされる。
「セイ殿だと、いつの間にか煙に巻かれているのでな。その点、グレンなら間違いなく訊き出せるだろう。聴き飽きただろうが、食事はしっかり取ってくれ。ただでさえ痩せているのに、それ以上痩せてどうする気だ」
そう言いながら、取皿に軽食を盛り付けて渡された。
その世話の焼きっぷりには、アスカルトとリラティスが目を見張る。
アスカルトに至っては、口までもれなく開いていて、唖然とした様子がよく判るほどだ。
「お手数をおかけしますが、これは盛り過ぎですよ。アス、少し要らないか?」
てんこ盛りされた皿を差し出すが、何故か躊躇して手を出さない。
「セイ様、陛下が盛った物には手を出せません」
リラティスが庇うように指摘してくる。
成程とは思うが、どう見ても食べ切れる量ではない。
それならばと、自分の皿からアスカルトの皿に移し替えた。
「悪いけど、その分お願いね。私が直に分けるのは、問題ないでしょう?」
皿の半分以下を押し付けたが、それに対する苦情はなく、妙に嬉しそうに食べている。
「はい。ありがたく頂戴します。やっぱり、ここの料理は美味しいです!」
食べながら、合間に礼を言われる。
ハムスターの様に頰を膨らませていて、微笑ましい光景だ。
「アルフに伝えておく。きっと喜ぶよ、私は作り甲斐がないからね」
「少量でも、お口に合えば満足されるのでは?」
ブランディアが、私に異を称えるが、それも間違いではない。
ただ、私は資料を読みながらや、論議の合間に食べるせいで、味わって食べてない。
取り敢えず、口に入れている状況よりは、純粋に喜んで美味しそうに食べるアスカルトの方が、作り手としては嬉しいだろうと零したのだ。
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