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その古書肆は池のほとりに建っていて、このあたりで古本屋と言えば、老若男女が口を揃えて「ああ、あの池のところの」と返すように、その場所で長い時を重ね町の風景に馴染んでいた。
英語だったら――西欧言語なら何語でもかまわないが――定冠詞をもって認識されるような存在だった。
その知名度のわりに、行ったことがあるかと問われて頷く町の人間が少ないのは、流行りの手軽なセカンドハンド的古本屋ではなく、古書肆と厳めしい名前で呼ぶのが相応しい、玄人好みの専門書を扱う店だからだ。
この鄙びた古い町も、最近郊外に大型ショッピングモールが建てられ、突然強心剤を打たれたように急激な変化がもたらされた。駅前には再開発の名の下にマンションが雨後の筍のように建ち始め、都心の通勤圏としては無理があるこの町で、不揃いな高層の建物がその高さを競うようになったのは、この国の土地不足も極まれりといったところだった。
それでもまだ、青息吐息ながら辛うじて駅前の商店街やら、そこで連綿と育まれてきた人情やら地縁やらが生きている中で、老舗であるその古書肆が微妙に浮いているのは、その売り物の特殊さと敷居の高さであると言えた。
町の中心から少し外れている立地、興味のない者にとっては古紙と変わらない専門書ばかりの品揃え、そして見る者を威圧するような堂々と重厚な洋館の佇まい。扉は入る者を拒むような重い木製で、中の様子は扉を挟んで左右対称に並ぶ上ゲ下ゲ窓越しにちらりとしか確認できない。背後には水面静かな池、両脇には鬱蒼とした竹林が控え、その周囲は夏でもひやりと涼しくて、近隣の子供たちはおばけ屋敷と声をひそめて囁き近寄らない。
この町で生まれ育ち、そうした事情を知りつつこの古書肆、虎穴堂を上嶋景が訪れたのは、ゼミでお世話になっている教授に頼まれたからだった。教授がかねてから探していた古書を入手したという連絡が件の古書肆から入り、学会を控え院生たちの指導に忙しい彼に代わり、地元に住む景に白羽の矢が立てられたというわけだ。
景の家は駅から自転車で十分弱。虎穴堂に寄ると回り道になるが、子供の頃から恐れと好奇心をもって眺めていた店に堂々と入る理由ができて、むしろ楽しみな気持ちが強いまま外見に違わぬ重さの扉を開き――圧倒された。
まず目を奪われたのは、吹き抜けの二階から吊り下げられた、その重量を問いたくなるような幾重にもクリスタルのオーナメントが連なるシャンデリア。豪奢というより重厚という形容がぴったりくるそれは、その大きさの割に光量が少なく室内は薄暗い。光による本の劣化を防ぐため、という推測が浮かんだのは、随分経ってからだ。
次に息を呑んだのは、ぐるりと二階部分に渡された回廊と、壁を埋め尽くす書棚。二階の窓は書棚に潰され、三面の壁は本で埋め尽くされている。一階正面の壁から左右に伸びた優美な中央階段が二階へのアプローチを許し、その階段を昇るだけで王侯貴族の気分を味わえそうだった。
そして一階中央、シャンデリアの真下。ガラスの陳列ケースに挟まれた勘定場と思しき木机の奥に、店番と思しき少年が座っていた。
数年前に建て替えられてしまった母校の小学校の木造校舎と同じ木の床の匂い、そして少し黴臭い古書独特の匂い。その中に溶け込むように佇む、白いシャツと黒いスラックスの少年。
そこだけ時間が止まったような空気と自然に馴染んだ姿に、一瞬座敷童子かと思った。
「いらっしゃいませ。高間先生のおつかいの方ですね?」
少年の口にした言葉が、古文や時代劇で見聞きするものではなく現代日本語だったことに、却って違和感を感じる。
「そうだけど……まだ何も言ってないのに、どうしてわかったのかな」
「この店には、お客さんみたいに若い人はあまり来ないんですよ。年配の方ばかりで。高間先生からお弟子の学生さんが取りに行くと連絡をいただいてましたから、ホームズでなくても謎は解けたんです」
よく出来た磁器人形のような少年がそう言って親しげな微笑みをのせると、整いすぎて冷たい印象を与えかねないその顔に、あたたかい人間味がふわりと広がる。
(やたら綺麗な子だな、でも男じゃ意味がない)
勝手なことを思っていると、少年は机の下から丁寧に包装された件の古書と思しき包みを取り出した。
「あいにく店主は所用で出掛けていて留守なんですが、お品の用意はできてます。お帰りの際にお渡ししますから、時間があれば好きなだけ探検していって下さい」
探検という普段あまり使わない単語が耳に引っ掛かった。それとも格の高そうな古書肆の店内を見て回ることを、世間では探検というのだろうか。
浮かんだ疑問が顔に出たのかもしれない。景が何か言う前に、少年は自分の発言を付け足した。
「お客さん、地元の方でしょう? 自転車でいらしたようだし。『池のほとりのおばけ屋敷』、ゆっくり探検するいい機会ですよ」
地元の若い客の来店理由はそれに尽きるといった様子だ。苦笑しながら頷いてみせる。
「仰る通り、実は興味津々で来たんだ。子供の頃からの謎だったしね。でも思ってた以上にすごいよ、ここは。何と言うか――」
「古臭くて時代遅れでしょう。一階は二面だけだけど二階は三面も壁が本で覆われていて、挙句にこのシャンデリアです。大きな地震が起きたら、僕の命は確実にないでしょうね」
書棚は作りつけのようで隙間なく天井まで聳え、地震が起きても倒れることはなさそうだが、中に収められた本は一斉に崩れ落ち、少年を襲うだろう。そんな危険性を冷静に指摘する声は、しかし店への愛情が溢れていてやさしい。
「でも好きなんだろう、ここが? 地震発生時の危険性は間違いなく致死レベルだけど、この懐かしい感じはとてもいいと思う。古いものを好きなわけでもない俺がそう感じるくらいだから」
「懐かしい、ですか」
興味深い意見を聞いたとでも言いたげに、少年は少し考え込む風だ。
年齢を問わないシンプルな服装と落ち着いた接客態度のせいで大人びて見えるが、素直な感情表現は少年を年相応に見せている。おそらく景より三つか四つ年下で、高校生だろう。小学生に毛が生えたような中学生の幼さはない。この時間に授業を終え店番などしているところをみると、もしかしたらこの店から一番近い名門進学校に通っているのかもしれない。
それにしても自分が高校生だった頃は、外見も中味ももっと浮ついていたものだが。
遠い昔ではないが、すでに過去の一部でしかない高校時代を思い出してしまいそうな思考の流れを、耳にすべり込んだ少年の声が元に戻した。
「外と比べれば古いし時代遅れだけど、生まれ育った人間からすると古くも懐かしくもないんですよ。僕にとっては家であり日常ですから」
「君はここの子なんだ」
「はい、ここの子です」
景の言い草が可笑しかったのか、くすりと笑って少年は繰り返した。
「頼りなく見えるでしょうけど、ここの子ですから、本棚の中味は把握しています。質問があればお受けしますよ」
「残念ながら、質問ができるほど博識じゃないんだ。それに今日はそんなに時間もなくて。おまけにもし欲しい本があったとしても、きっと手が出ないと思う。その、高いんだろう? この店で扱う本は」
「物によります、としか言えないのが辛いところですけど」
少年は机の引出しから一枚の紙片を取り出し、景に差し出した。
「じゃあ、これ。五千円以上お買い上げいただいた方に差し上げてるんです」
「珈琲券?」
受け取った紙片には、レトロな字体でそう印刷されていた。
「店の奥にテラスがあって、そこでコーヒーをお出しするサービスをしてるんです。我が家を自慢するわけではないけど、そこからの眺めはなかなかのものなんですよ。正面に池があって、竹林も見えて。贔屓にしてくださるお客さんは、よくそこでコーヒーを飲みながら品定めをなさったりしてます。コーヒーをこぼして責任を取ってお買い上げ、なんてことにならないかと期待してるんですけど、どなたもみんな慎重で」
澄まして言う少年に、景は吹き出してしまった。
「ありがたいんだけど、この本を買ったのは教授であって俺じゃないよ」
「ご足労いただいたのはお客さんだし、高間先生は永久珈琲券をお持ちですから。それに若年層の顧客開拓の一環ということで」
時間がある時にまた寄ってください、とおつかいの包みを差し出しながら、少年はおどけて肩を竦めてみせた。
「必死の営業努力なんです、これでも」
英語だったら――西欧言語なら何語でもかまわないが――定冠詞をもって認識されるような存在だった。
その知名度のわりに、行ったことがあるかと問われて頷く町の人間が少ないのは、流行りの手軽なセカンドハンド的古本屋ではなく、古書肆と厳めしい名前で呼ぶのが相応しい、玄人好みの専門書を扱う店だからだ。
この鄙びた古い町も、最近郊外に大型ショッピングモールが建てられ、突然強心剤を打たれたように急激な変化がもたらされた。駅前には再開発の名の下にマンションが雨後の筍のように建ち始め、都心の通勤圏としては無理があるこの町で、不揃いな高層の建物がその高さを競うようになったのは、この国の土地不足も極まれりといったところだった。
それでもまだ、青息吐息ながら辛うじて駅前の商店街やら、そこで連綿と育まれてきた人情やら地縁やらが生きている中で、老舗であるその古書肆が微妙に浮いているのは、その売り物の特殊さと敷居の高さであると言えた。
町の中心から少し外れている立地、興味のない者にとっては古紙と変わらない専門書ばかりの品揃え、そして見る者を威圧するような堂々と重厚な洋館の佇まい。扉は入る者を拒むような重い木製で、中の様子は扉を挟んで左右対称に並ぶ上ゲ下ゲ窓越しにちらりとしか確認できない。背後には水面静かな池、両脇には鬱蒼とした竹林が控え、その周囲は夏でもひやりと涼しくて、近隣の子供たちはおばけ屋敷と声をひそめて囁き近寄らない。
この町で生まれ育ち、そうした事情を知りつつこの古書肆、虎穴堂を上嶋景が訪れたのは、ゼミでお世話になっている教授に頼まれたからだった。教授がかねてから探していた古書を入手したという連絡が件の古書肆から入り、学会を控え院生たちの指導に忙しい彼に代わり、地元に住む景に白羽の矢が立てられたというわけだ。
景の家は駅から自転車で十分弱。虎穴堂に寄ると回り道になるが、子供の頃から恐れと好奇心をもって眺めていた店に堂々と入る理由ができて、むしろ楽しみな気持ちが強いまま外見に違わぬ重さの扉を開き――圧倒された。
まず目を奪われたのは、吹き抜けの二階から吊り下げられた、その重量を問いたくなるような幾重にもクリスタルのオーナメントが連なるシャンデリア。豪奢というより重厚という形容がぴったりくるそれは、その大きさの割に光量が少なく室内は薄暗い。光による本の劣化を防ぐため、という推測が浮かんだのは、随分経ってからだ。
次に息を呑んだのは、ぐるりと二階部分に渡された回廊と、壁を埋め尽くす書棚。二階の窓は書棚に潰され、三面の壁は本で埋め尽くされている。一階正面の壁から左右に伸びた優美な中央階段が二階へのアプローチを許し、その階段を昇るだけで王侯貴族の気分を味わえそうだった。
そして一階中央、シャンデリアの真下。ガラスの陳列ケースに挟まれた勘定場と思しき木机の奥に、店番と思しき少年が座っていた。
数年前に建て替えられてしまった母校の小学校の木造校舎と同じ木の床の匂い、そして少し黴臭い古書独特の匂い。その中に溶け込むように佇む、白いシャツと黒いスラックスの少年。
そこだけ時間が止まったような空気と自然に馴染んだ姿に、一瞬座敷童子かと思った。
「いらっしゃいませ。高間先生のおつかいの方ですね?」
少年の口にした言葉が、古文や時代劇で見聞きするものではなく現代日本語だったことに、却って違和感を感じる。
「そうだけど……まだ何も言ってないのに、どうしてわかったのかな」
「この店には、お客さんみたいに若い人はあまり来ないんですよ。年配の方ばかりで。高間先生からお弟子の学生さんが取りに行くと連絡をいただいてましたから、ホームズでなくても謎は解けたんです」
よく出来た磁器人形のような少年がそう言って親しげな微笑みをのせると、整いすぎて冷たい印象を与えかねないその顔に、あたたかい人間味がふわりと広がる。
(やたら綺麗な子だな、でも男じゃ意味がない)
勝手なことを思っていると、少年は机の下から丁寧に包装された件の古書と思しき包みを取り出した。
「あいにく店主は所用で出掛けていて留守なんですが、お品の用意はできてます。お帰りの際にお渡ししますから、時間があれば好きなだけ探検していって下さい」
探検という普段あまり使わない単語が耳に引っ掛かった。それとも格の高そうな古書肆の店内を見て回ることを、世間では探検というのだろうか。
浮かんだ疑問が顔に出たのかもしれない。景が何か言う前に、少年は自分の発言を付け足した。
「お客さん、地元の方でしょう? 自転車でいらしたようだし。『池のほとりのおばけ屋敷』、ゆっくり探検するいい機会ですよ」
地元の若い客の来店理由はそれに尽きるといった様子だ。苦笑しながら頷いてみせる。
「仰る通り、実は興味津々で来たんだ。子供の頃からの謎だったしね。でも思ってた以上にすごいよ、ここは。何と言うか――」
「古臭くて時代遅れでしょう。一階は二面だけだけど二階は三面も壁が本で覆われていて、挙句にこのシャンデリアです。大きな地震が起きたら、僕の命は確実にないでしょうね」
書棚は作りつけのようで隙間なく天井まで聳え、地震が起きても倒れることはなさそうだが、中に収められた本は一斉に崩れ落ち、少年を襲うだろう。そんな危険性を冷静に指摘する声は、しかし店への愛情が溢れていてやさしい。
「でも好きなんだろう、ここが? 地震発生時の危険性は間違いなく致死レベルだけど、この懐かしい感じはとてもいいと思う。古いものを好きなわけでもない俺がそう感じるくらいだから」
「懐かしい、ですか」
興味深い意見を聞いたとでも言いたげに、少年は少し考え込む風だ。
年齢を問わないシンプルな服装と落ち着いた接客態度のせいで大人びて見えるが、素直な感情表現は少年を年相応に見せている。おそらく景より三つか四つ年下で、高校生だろう。小学生に毛が生えたような中学生の幼さはない。この時間に授業を終え店番などしているところをみると、もしかしたらこの店から一番近い名門進学校に通っているのかもしれない。
それにしても自分が高校生だった頃は、外見も中味ももっと浮ついていたものだが。
遠い昔ではないが、すでに過去の一部でしかない高校時代を思い出してしまいそうな思考の流れを、耳にすべり込んだ少年の声が元に戻した。
「外と比べれば古いし時代遅れだけど、生まれ育った人間からすると古くも懐かしくもないんですよ。僕にとっては家であり日常ですから」
「君はここの子なんだ」
「はい、ここの子です」
景の言い草が可笑しかったのか、くすりと笑って少年は繰り返した。
「頼りなく見えるでしょうけど、ここの子ですから、本棚の中味は把握しています。質問があればお受けしますよ」
「残念ながら、質問ができるほど博識じゃないんだ。それに今日はそんなに時間もなくて。おまけにもし欲しい本があったとしても、きっと手が出ないと思う。その、高いんだろう? この店で扱う本は」
「物によります、としか言えないのが辛いところですけど」
少年は机の引出しから一枚の紙片を取り出し、景に差し出した。
「じゃあ、これ。五千円以上お買い上げいただいた方に差し上げてるんです」
「珈琲券?」
受け取った紙片には、レトロな字体でそう印刷されていた。
「店の奥にテラスがあって、そこでコーヒーをお出しするサービスをしてるんです。我が家を自慢するわけではないけど、そこからの眺めはなかなかのものなんですよ。正面に池があって、竹林も見えて。贔屓にしてくださるお客さんは、よくそこでコーヒーを飲みながら品定めをなさったりしてます。コーヒーをこぼして責任を取ってお買い上げ、なんてことにならないかと期待してるんですけど、どなたもみんな慎重で」
澄まして言う少年に、景は吹き出してしまった。
「ありがたいんだけど、この本を買ったのは教授であって俺じゃないよ」
「ご足労いただいたのはお客さんだし、高間先生は永久珈琲券をお持ちですから。それに若年層の顧客開拓の一環ということで」
時間がある時にまた寄ってください、とおつかいの包みを差し出しながら、少年はおどけて肩を竦めてみせた。
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