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三年生 二次試験までの、普通の日
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「おはようございます」
「おはよ」
「おはよー」
寒い寒い、朝。 私たち、女子高に通う高校生は、駅から十五分間、歩く。
一月下旬、とっても寒いけど、コートを着ている子はあんまりいない。 コートは重くて膨れるし、セーラー服にダウンは合わないし。 みんな、下に着込んで、マフラーなんかで頑張ってる(私もそう)。
「夕陽、おはよ」
「おはよ。 ケイに朝会うの、珍しいね」
ケイが、後ろから声をかけてくれた。
「今日は、早く来ちった」
「いつもは、ギリギリだもんね」
まあね、と言ってケイが笑う。 ぴったり横にくっ付いて、一緒に信号待ち。
「あのね、試験、来てくれてありがとう。 すっごく元気出た」
昨日と一昨日の事、お礼を言う。 共通テスト、先生たちと一緒に朝、お見送りに来てくれた。 自分は、受けないのに。 すっごく嬉しかった。
「いやいや。 それほどでも」
それほどでも、あるよ。
「ケイ、大好き。 先生の次に好き」
「へへ。 好きすぎて、おもらしするなよ」
「えと……。 ケイの前ではちょっと、まだ、できないかも……」
「まだって何だよ……。 いいよ、しなくて」
並んで、校門へ向かう。 先生、門のところで立っている。
私は、腰のあたりでちっちゃく手を振る。 先生も、私に気付く。
「大好きだからって、抱きつくなよ」
「しないもん……。 我慢」
私、ちょっとニヤニヤしてるかも。 昨夜は遅くまで、いっぱいえっちした。 めちゃめちゃ、いった……。
「おはよう。 二人、くっ付きすぎよ。 寒い?」
先生は微笑みながら、私たちに声をかける。
「あ……おはよございます……」
私はとっても照れくさくて、小さい小さい声になる。 先生、今日も、きれい。
「別に、くっ付きすぎてないし。 寒いから、手も繋ごうかな」
ケイが、私の手を取ろうとする。 先生はその手を掴んで、ポケットの中の何かを渡す。
「はい、貼らないカイロ。 そんなに寒いなら、あげます」
「ふん。 だってさ。 夕陽、もらったら」
「あ、あの、私? もらおうかな? えと、でも、先生が寒くなっちゃうかも……」
「優しいのね。 先生は、大丈夫よ。 行ってらっしゃい」
「先生、あからさま過ぎ」
「なにが?」
昇降口、上履きに履き替えながら、小さい声でケイが言う。
「夕陽にだけ、構いすぎだよ。 付き合ってんの、バレちゃうじゃん」
「そ……、そうかな? ごめん、気を付ける」
「夕陽が気を付けても、しょうがないよ。 先生だよ、気を付けるのは」
そんなに、構われてるかな。 自分では、分かんない……。
お昼休みの直前、先生から「保健室、来られる?」ってメールが来てたから、パンを持って走る。 どうかしたのかな。
コン、コン、コン。 ノックすると、どうぞ、と声がする。 私は、扉を開ける。
「あの……。 こんにちは」
「いらっしゃい。 鍵、閉めてね」
入口の鍵、かちゃんとかける。 いつもの白衣の先生。 ベッドに腰掛けて、両手を広げる。
「きて」
私はきゅんとして、胸に飛び込む。
胸に、すりすりする。 いい匂いがする。 昨日もいっぱい嗅いだ、先生の匂い。
「先生、先生。 どうしたの?」
先生は、私のほっぺたに両手を添えて、キスをする。 ちゅ、ちゅ、と、音がする。
「会いたくて」
唇を少し離して、先生が言う。
「夕陽に、会いたくて。 呼んじゃったの」
「えっ」
「用、ないの。 会いたくて……。 だめだった?」
私は、首をぶんぶん横に振る。 だめなわけ、ない。 胸が、ぎゅんぎゅんにときめく。
「せ、先生。 キスしよ。 もっとしよ」
「ええ、しましょ」
今度は、私からキスをする。 上手じゃないけど、舌を入れる。
「触っても、いい? スカートの中」
「ん。 いいよ」
先生の膝の上に、座り直す。 先生は、後ろから私の首にキスをする。 息が首にかかって、くすぐったい。
首、ちゅうっと強く吸われる。
「あんっ……。 先生、跡、ついちゃうよ」
「いいじゃない。 ついたって」
そこを今度は、舌が這う。 気持ちいい。
首で感じてると、パンツの中、指が挿し込まれた。 そこはもう濡れていて、二本の指をすぐに飲み込む。
「あ、いいよぅ……」
「ふふ。 ぐちゅぐちゅ、してあげる」
わざと下品にそう言って、指をぐっ、ぐっと出し入れする。
久し振りに、学校でして。 すっごくすっごく、気持ちいい。 二人、いけない事してる……。
「う、ふうっ、い、いいっ。 すっごい、きもちい」
「私もよ。 夕陽、かわいい、大好き」
何度か出し入れされると、もう、あそこがぎゅ、ぎゅっとなって、先生の指を締めつけて、奥がとっても気持ち良くなるのが分かった。
「このまま五時間目、休んじゃおっかな」
「ふふ。 だめよ。 呼び出して、ごめんなさいね」
ぎゅっと抱き合いながら、お喋り。 髪を撫でられながら。
「昨夜、たくさんしたのにね。 してもしても、もっとしたくなってしまうの……」
先生。
「夕陽が卒業しちゃうの、寂しい。 同じ時間に、同じ建物にいなくなるの……。 寂しいわ」
ほっぺたをくっ付けて、すりすりされる。
私は、寂しがる先生に教えてあげる。
「大丈夫。 毎日、お家に帰ったら、会えるもん。 一緒に住むんだよ。 今よりもっと、仲良しになるよ」
だから、そんな悲しい顔、しないで……。
私、楽しみだよ。 大学生になったら、毎日一緒。 朝は一緒に起きて、夜は一緒に寝るの。 一緒の時は、ずーっとくっ付く。 お出掛けだって、できるんだ。
今はまだ……内緒だけど。 二人、恋人同士なことは。
「おはよ」
「おはよー」
寒い寒い、朝。 私たち、女子高に通う高校生は、駅から十五分間、歩く。
一月下旬、とっても寒いけど、コートを着ている子はあんまりいない。 コートは重くて膨れるし、セーラー服にダウンは合わないし。 みんな、下に着込んで、マフラーなんかで頑張ってる(私もそう)。
「夕陽、おはよ」
「おはよ。 ケイに朝会うの、珍しいね」
ケイが、後ろから声をかけてくれた。
「今日は、早く来ちった」
「いつもは、ギリギリだもんね」
まあね、と言ってケイが笑う。 ぴったり横にくっ付いて、一緒に信号待ち。
「あのね、試験、来てくれてありがとう。 すっごく元気出た」
昨日と一昨日の事、お礼を言う。 共通テスト、先生たちと一緒に朝、お見送りに来てくれた。 自分は、受けないのに。 すっごく嬉しかった。
「いやいや。 それほどでも」
それほどでも、あるよ。
「ケイ、大好き。 先生の次に好き」
「へへ。 好きすぎて、おもらしするなよ」
「えと……。 ケイの前ではちょっと、まだ、できないかも……」
「まだって何だよ……。 いいよ、しなくて」
並んで、校門へ向かう。 先生、門のところで立っている。
私は、腰のあたりでちっちゃく手を振る。 先生も、私に気付く。
「大好きだからって、抱きつくなよ」
「しないもん……。 我慢」
私、ちょっとニヤニヤしてるかも。 昨夜は遅くまで、いっぱいえっちした。 めちゃめちゃ、いった……。
「おはよう。 二人、くっ付きすぎよ。 寒い?」
先生は微笑みながら、私たちに声をかける。
「あ……おはよございます……」
私はとっても照れくさくて、小さい小さい声になる。 先生、今日も、きれい。
「別に、くっ付きすぎてないし。 寒いから、手も繋ごうかな」
ケイが、私の手を取ろうとする。 先生はその手を掴んで、ポケットの中の何かを渡す。
「はい、貼らないカイロ。 そんなに寒いなら、あげます」
「ふん。 だってさ。 夕陽、もらったら」
「あ、あの、私? もらおうかな? えと、でも、先生が寒くなっちゃうかも……」
「優しいのね。 先生は、大丈夫よ。 行ってらっしゃい」
「先生、あからさま過ぎ」
「なにが?」
昇降口、上履きに履き替えながら、小さい声でケイが言う。
「夕陽にだけ、構いすぎだよ。 付き合ってんの、バレちゃうじゃん」
「そ……、そうかな? ごめん、気を付ける」
「夕陽が気を付けても、しょうがないよ。 先生だよ、気を付けるのは」
そんなに、構われてるかな。 自分では、分かんない……。
お昼休みの直前、先生から「保健室、来られる?」ってメールが来てたから、パンを持って走る。 どうかしたのかな。
コン、コン、コン。 ノックすると、どうぞ、と声がする。 私は、扉を開ける。
「あの……。 こんにちは」
「いらっしゃい。 鍵、閉めてね」
入口の鍵、かちゃんとかける。 いつもの白衣の先生。 ベッドに腰掛けて、両手を広げる。
「きて」
私はきゅんとして、胸に飛び込む。
胸に、すりすりする。 いい匂いがする。 昨日もいっぱい嗅いだ、先生の匂い。
「先生、先生。 どうしたの?」
先生は、私のほっぺたに両手を添えて、キスをする。 ちゅ、ちゅ、と、音がする。
「会いたくて」
唇を少し離して、先生が言う。
「夕陽に、会いたくて。 呼んじゃったの」
「えっ」
「用、ないの。 会いたくて……。 だめだった?」
私は、首をぶんぶん横に振る。 だめなわけ、ない。 胸が、ぎゅんぎゅんにときめく。
「せ、先生。 キスしよ。 もっとしよ」
「ええ、しましょ」
今度は、私からキスをする。 上手じゃないけど、舌を入れる。
「触っても、いい? スカートの中」
「ん。 いいよ」
先生の膝の上に、座り直す。 先生は、後ろから私の首にキスをする。 息が首にかかって、くすぐったい。
首、ちゅうっと強く吸われる。
「あんっ……。 先生、跡、ついちゃうよ」
「いいじゃない。 ついたって」
そこを今度は、舌が這う。 気持ちいい。
首で感じてると、パンツの中、指が挿し込まれた。 そこはもう濡れていて、二本の指をすぐに飲み込む。
「あ、いいよぅ……」
「ふふ。 ぐちゅぐちゅ、してあげる」
わざと下品にそう言って、指をぐっ、ぐっと出し入れする。
久し振りに、学校でして。 すっごくすっごく、気持ちいい。 二人、いけない事してる……。
「う、ふうっ、い、いいっ。 すっごい、きもちい」
「私もよ。 夕陽、かわいい、大好き」
何度か出し入れされると、もう、あそこがぎゅ、ぎゅっとなって、先生の指を締めつけて、奥がとっても気持ち良くなるのが分かった。
「このまま五時間目、休んじゃおっかな」
「ふふ。 だめよ。 呼び出して、ごめんなさいね」
ぎゅっと抱き合いながら、お喋り。 髪を撫でられながら。
「昨夜、たくさんしたのにね。 してもしても、もっとしたくなってしまうの……」
先生。
「夕陽が卒業しちゃうの、寂しい。 同じ時間に、同じ建物にいなくなるの……。 寂しいわ」
ほっぺたをくっ付けて、すりすりされる。
私は、寂しがる先生に教えてあげる。
「大丈夫。 毎日、お家に帰ったら、会えるもん。 一緒に住むんだよ。 今よりもっと、仲良しになるよ」
だから、そんな悲しい顔、しないで……。
私、楽しみだよ。 大学生になったら、毎日一緒。 朝は一緒に起きて、夜は一緒に寝るの。 一緒の時は、ずーっとくっ付く。 お出掛けだって、できるんだ。
今はまだ……内緒だけど。 二人、恋人同士なことは。
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