保健室 三年生

下野 みかも

文字の大きさ
上 下
21 / 105

三年生 春の連休 三日目、旅行のおわりに

しおりを挟む


 ふふ。 くすぐったい。 いやだ。 うそ、いやじゃないよ。
 こちょ、こちょ。 誰? 私のお腹、くすぐるのは…


「おはよう、お寝坊さん」
「先生」
 先生は私のおへそに、キスをする。 くすぐったい。 かわいい、先生。
「可愛かったから、つい。 眠りながら、笑うんですもの」
「夢かと思った。 くすぐったい、夢かなって」
 おへその周りを、爪でこしょこしょ、くすぐられる。
「えへへ、くすぐったい。 やだあ」
「ふふ。 可愛い。 いい子、いい子」
 そう言って、今度は腰骨の上を、軽く噛む。 薄い噛み跡を、長い舌で、舐める。
「あっ……。 先生、ってば……」


 どきどきしたまま、朝ご飯を食べた。 お腹のまわりにキスしたり、こちょこちょ触ったり、されて。 何だか、お腹の奥、中まで、くすぐられるような感じが、気持ちよくて。
「もう、終わりかあ」
 連休はまだ、あと二日あるけど。 楽しい旅行は、今日でおしまい。
「まだ、終わってませんよ」
 私たち二人、また、部屋のベッドで、抱き合う。 朝ご飯から帰ってきて、館内着の作務衣を脱いで、下着姿で。
 先生は、私の髪を撫でてくれる。
「あなたをちゃんとお家に届けるまでが、旅行ですから」
「家に帰るまでが遠足、みたい」
 目を合わせて、ふふっ、と先生も笑う。
「家、帰りたくないなぁ」
 腕に力を入れて、ぎゅうってする。 離れたくない気持ち、伝わるかな……。
 先生は、おでこにちゅ、とキスしてくれる。
「お母様、待ってるから。 楽しかったかな、まだかな、って。 温泉やご飯のお話、して差し上げて」
「いっぱいえっちした話、しちゃおかな。 なんちて」
「まぁ。 びっくりさせてしまうわ。 そういうお話は、あなたが卒業してからよ」
 卒業しても、えっちの話は、ママにはできないよ!


「先生、帰る前に、もう一回、したい……」
 お化粧終わって、着替えて。 部屋もあらかたきれいにしたけど、チェックアウトまで、まだあるから。 離れる前に、くっ付きたい。
「ふふ。 可愛い子」
 大きなソファに腰掛けて、キスをする。 
 先生の首に、腕を回す。 お互い、最初から、舌を絡ませて。 私は、ん、ん、と喉が鳴ってしまう。
「キス、気持ちいい?」
「大好き……。 ひとりでしてる時も、キスのこと、考えてる」
 家ではキス、できないから。 二人の時に、いっぱいもらうんだ。
「先生、あのね」
「なあに?」
「昨夜してくれたやつ……。  してほしい……。  あそこ、くっ付けるやつ……だめ?」
 昨夜の、女の子どうしの、セックス……。
 あんなの、忘れられない。 今まで生きてきた中で、一番、最高だった。 思い出すだけで、お腹の下の方、もじもじして、きゅんとしてしまう。
「だめなわけ、ないわ。 気持ち良かったの?」
 私は、こくこく頷く。
「どんな風に良かったか、教えて」
 先生は、私をくるっと回して、背中から抱く。 私のショートパンツだけ脱がして、お腹、おへその周りを、指でさわさわする。
「せ、先生のあれと、私のあれが、こすれて。 普通に指で触っても、気持ちいいのに。 すごく、よかった」
 こんなこと、言わされて。 絶対、パンツの中、濡れている。
「それだけ?」
 意地悪。
「あと、い、いつもは、先生がぎゅってしたり、抱きしめてくれたりして、指、もらってたけど。 昨夜した時は、あの……」
 これ、言うの、恥ずかしい。 言い淀んでいると、おへその下を、とんとん、と指先でノックされた。 先生、それも、えっちなんですけど……。
「昨夜は、先生に見下ろされて、あの、それが、すごく、興奮したの……」
 ああー。 言っちゃったよ。 恥ずかしい。 私は両手で、顔を覆う。
「どうして、お顔隠すの」
「恥ずかしいからだよ……」
 お腹も、ずっとさわさわされてるし。 お腹触るの、完全に、えっちだよ。
「じゃあ、昨夜みたいに、しましょうか」
 また、くるっとさせられて、向かい合わせに。 そして、覆い被さって、押し倒される。 パンツ、脱がされる。
 先生も下を全部脱いで、自分のそこを、触ってる。 先生の指が、濡れる。
「先生の指、なめたい」
 先生は、指を私の口に差し込んでくれる。 私はわざと音を立てて、唾をいっぱい付けて、舐める。
「いい子ね」
 そう言って、私の脚を、ぐいっと開かせる。
「こんなに濡らして、かたくして」
「先生が、そうしたんじゃん……」
 指が口に入ったまま、答える。 めちゃめちゃ、興奮する。
 私、意地悪されるの、好きみたい。 先生、意地悪なこと、言って。 ちょっとだけ、痛くして。 私のこと、見下ろして……。
 先生は私の口から指を抜いて、その指をぺちゃぺちゃ、舐めてくれる。 舐めてるお顔、きれい。
 そして、私のそこと、先生のそこを、ぴったりくっ付けてくれる。
 あれとあれが、くっ付き合う。 かたくなって、存在を主張する、気持ち良いだけの、あれが。
「あ、あぁ……。 先生のと、くっ付いてる……」
「気持ちいい?」
 そう言って、両手の指を、絡めてくれる。 指を絡めたまま、お互いが擦れるように、動いて。
「いい……。  さいこう……」
 二人とも、濡れてるから。 にゅるにゅる、潤滑油にして、気持ち良いのが増幅される。
「先生、すき、すきなの。 先生も、すき……?」
 知りたい。 先生のこと、もっと。 他の人には絶対見せないところ、くっ付け合えば、先生の気持ち、分かる気がして。
「大好きよ。 気持ち良いこと、嫌いな人、いないわ」
 いつもより、少しだけ息を荒くして、答えてくれる。 それでも、私より、ぜんぜん余裕。
 でも、聞きたいのは、気持ちいいことの、ことじゃない……。
「ちがうよぅ、わたし……。 ゆうひのこと……  すき?」
 好きって、言って。 先生。
 先生はふふっと笑って、でも私が大好きな意地悪な顔で見下ろして、言った。
「当たり前でしょ。 夕陽。 この世で一番、好きよ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】いじめから守ってくれた先輩への恩返しのためにTSした僕は

Tonks
ファンタジー
サッカー部でいじめを受けていた僕は、いじめから守ってくれた先輩への恩返しのため、怪しげな店で魔女を称するお婆さんと取引をする。 一日でいいから可愛い女の子とデートしたいとボヤく先輩の夢を叶えてあげようと、先輩が好きなグラビアアイドルそっくりの姿にしてもらう契約をお婆さんと結んだ僕は、その代償として『断りの言葉』を奪われ、女の子になってから一日の間に先輩の心を奪うことができなければ二度と男には戻れなくなる呪いをかけられる。 翌朝、目が覚めたら本当に女の子になっていた僕は、偶然を装って先輩にコンタクトをとるべく、女の子の姿で町に繰り出す。そこで、僕を待っていたものは……。 * * * BL寄りの18禁エロ描写中心。女性化した主人公のディープな心理描写を含みます。ふたなり、TS百合の要素は含まれておりません。エロ描写はすべて「女になった元男が、男とセックスする」ものです。 麗chaelさんに作品の雰囲気ぴったりの官能的な表紙絵を描いていただきました。物語中盤のクライマックスへ向かうシーンを描いたものです。

【R18】授業中のオナニー

ねんごろ
恋愛
私は中学生になってから、オナニーという快感を知った。 それからというもの、私の頭の中にあるのは、エロ、エロ、エロ、エロ…… 気持ち良いが止まらない日々の断片がここには書かれてる。

ランク外の最弱職スマホマスターが実は最強だった話。

飛燕 つばさ
ファンタジー
この世界では、成人を迎えるとジョブを授かる。戦士や魔法使い。上位ジョブでは、剣聖や賢者も存在する。 主人公のヒビキは、これまで聞いたことのないジョブである『スマホマスター』のジョブを手にする。スマホマスターは謎が多いため、ランク外の最弱職と呼ばれていた。希望を持って王都までやって来たヒビキは、この事実に絶望する。 しかし、このスマホマスターは謎に包まれていただけで、実際には強力な能力を秘めていたのであった。ヒビキは、スマホマスターの能力で戦姫と呼ばれる強力なゲームキャラクターを顕現させて戦わせたり、それ以外の素晴らしい能力に目覚めていく…。

【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました

ユユ
恋愛
毎夜天使が私を犯す。 それは王家から婚約の打診があったときから 始まった。 体の弱い父を領地で支えながら暮らす母。 2人は私の異変に気付くこともない。 こんなこと誰にも言えない。 彼の支配から逃れなくてはならないのに 侯爵家のキングは私を放さない。 * 作り話です

【R-18】触手婚~触手に襲われていたら憧れの侯爵様に求婚されました!?~

臣桜
恋愛
『絵画を愛する会』の会員エメラインは、写生のために湖畔にいくたび、体を這い回る何かに悩まされていた。想いを寄せる侯爵ハロルドに相談するが……。 ※表紙はニジジャーニーで生成しました

【完結】愛されなかった私が幸せになるまで 〜旦那様には大切な幼馴染がいる〜

高瀬船
恋愛
2年前に婚約し、婚姻式を終えた夜。 フィファナはドキドキと逸る鼓動を落ち着かせるため、夫婦の寝室で夫を待っていた。 湯上りで温まった体が夜の冷たい空気に冷えて来た頃やってきた夫、ヨードはベッドにぽつりと所在なさげに座り、待っていたフィファナを嫌悪感の籠った瞳で一瞥し呆れたように「まだ起きていたのか」と吐き捨てた。 夫婦になるつもりはないと冷たく告げて寝室を去っていくヨードの後ろ姿を見ながら、フィファナは悲しげに唇を噛み締めたのだった。

【完結】何度時(とき)が戻っても、私を殺し続けた家族へ贈る言葉「みんな死んでください」

リオール
恋愛
「リリア、お前は要らない子だ」 「リリア、可愛いミリスの為に死んでくれ」 「リリア、お前が死んでも誰も悲しまないさ」  リリア  リリア  リリア  何度も名前を呼ばれた。  何度呼ばれても、けして目が合うことは無かった。  何度話しかけられても、彼らが見つめる視線の先はただ一人。  血の繋がらない、義理の妹ミリス。  父も母も兄も弟も。  誰も彼もが彼女を愛した。  実の娘である、妹である私ではなく。  真っ赤な他人のミリスを。  そして私は彼女の身代わりに死ぬのだ。  何度も何度も何度だって。苦しめられて殺されて。  そして、何度死んでも過去に戻る。繰り返される苦しみ、死の恐怖。私はけしてそこから逃れられない。  だけど、もういい、と思うの。  どうせ繰り返すならば、同じように生きなくて良いと思うの。  どうして貴方達だけ好き勝手生きてるの? どうして幸せになることが許されるの?  そんなこと、許さない。私が許さない。  もう何度目か数える事もしなかった時間の戻りを経て──私はようやく家族に告げる事が出来た。  最初で最後の贈り物。私から贈る、大切な言葉。 「お父様、お母様、兄弟にミリス」  みんなみんな 「死んでください」  どうぞ受け取ってくださいませ。 ※ダークシリアス基本に途中明るかったりもします ※他サイトにも掲載してます

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

処理中です...