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第5章ー秋,再びー
2度目の秋
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洋平と別れて2ヶ月が経った。奏多は洋平への想いが断ち切れていなく、ペアリングを捨てることが出来ずにいた。ある日、唯一洋平との関係を知っている親友と飲みに行った。
「そういえば奏多は最近どう?椿先生…だっけ?とは」
「ん…あぁ別れたよ」
「おぉ、なんかごめんな」
「いや謝るなよ、僕なんか今でも未練タラタラだし…」
「そういえばペアリングどうしたんだよ?」
「あるよ、ほら」
「うわ、すごい綺麗じゃないか…ん?なんかここに彫ってあるけどなんて書いてあるんだ…?」
「Tatarian aster」
「何それ、なんて意味なんだ?」
「そういえば調べたこと無かったな…」
「俺が調べてやるよ、花の名前なのか、花言葉は…『追憶』、『君を忘れない』、『遠方にある人を思う』だって、、、っておい何泣いてんだよ!」
友人に言われて自分が泣いていることに気付いた。
「なぁ、奏多、椿先生に会いたいか?」
「…」
「もし、もし奏多が会いたいと少しでも思うなら、会いに行きな。場所教えるから」
「…え?」
「東京都の…」
「ちょちょちょ待ってってなんで知ってるんだよ!てか僕もう会うとかそんな…」
「グダグダ何言ってる!そんなんだと後悔するぞ!会いたくないのか!?」
「…」
「ほら、紙に書いといたから、会いに行きなよ」
「わかった…」
後日、奏多は友人から渡された紙を手に東京に向かった。紙に書いてある住所に行くと大学に着いた。
「ここは…洋平さんがいる大学…?」
(いや、でもさすがに見知らぬ人が入るのは不審者扱いされるのもな…でもちょっとだけなら…)
奏多は勇気を出して門をくぐった。大学生の人に心理学科の棟を聞き洋平がいると思われる階に向かった。エレベーターに乗ろうとまっていると、後ろから「うわ、」と言う声と同時に紙がなだれ落ちる音が聞こえた。振り返るとそこには眼鏡をかけた不思議な雰囲気の女性がいた。
「大丈夫ですか、手伝いますよ」
「ごめんなさいね、ありがとう」
そう言って散らばった紙を拾って女性に渡した。
「君、名前は?」
「日下部奏多です。」
「聞かない名前だね、どこの学科の生徒さん?」
「あ、いやあの僕ここの生徒じゃなくてですね…ある人に会いに来たんですけど…」
「その会いに来た人はここの科の人って事かな?私もここの心理学科の講師なんだ。」
「そうなんですね、えっと、何階に行きますか?」
「5階を押して貰えるかな」
「分かりました」
「ちなみにどうして会いに来たんだい?」
「僕がお付き合いしていた方なんですけど、別れたんです。振られてしまって、でも僕未練タラタラで…」
「そうだったのか…私に助手がいるんだけどねその人も恋人と別れたんだけど未練タラタラなんだよ、自分から振っといて笑、おまけに紫苑の刻印を掘って相手にプレゼントしたらしいんだよ」
「…それはすごい方ですね、、どうしてその人は振ったんですか?」
「あぁ、心臓の病気にかかったんだよ。早くて2ヶ月、長く持って半年」
「え…」
「恋人にはきっと言えなかったんだろうね…」
奏多は言葉を無くし、そのまま5階に着くのを待った。その後再び女性にお礼をされ歩いて行った。奏多は結局勇気が出ず大学の門をくぐった。重い足取りで駅に向かった。
駅のホームでふと笑い声が聞こえ声のする方に視線を向けるとそこには洋平の姿があった。奏多は無意識のうちに洋平の方へと近づき、洋平の手を引っ張った。
「洋平さん…」
洋平は驚いた顔をして奏多の顔を見た。
「奏多…くん…?」
奏多は感情が込み上げて今にも消えそうな声で言った。
「会いたかったです…」
洋平は奏多の手を引き自分の車の助手席に座らせた。奏多は大粒の涙が溢れ出していた。
先に口を開いたのは洋平だった。
「大丈夫?」
「…はい」
「これ俺の飲みかけだけど…」
「ありがとうございます…」
「どうしたの?」
「僕、ずっと洋平さんの事諦め切れなくて…それで、会いに来たんですけど迷惑だと思って帰ろうとしたら洋平さんを見つけて。身体が勝手に…」
すると洋平はなにか考えたがすぐに視線を奏多の方に向けた
「奏多くん、海、行こっか」
「え…?」
「気分転換しよう」
そう言って洋平はエンジンをかけた。そして、奏多と洋平は海へと向かった。
午後4時30分
夕日が落ちていく中2人は海に着いた。
「うわぁ、綺麗な景色」
「綺麗だね、少し歩こうか」
奏多は洋平の少し前を歩いた。歩いている間、沈黙が続いた。奏多は勇気を出して洋平に言った。
「洋平さん、僕、洋平さんのことまだ好きです。どんな理由があっても僕は洋平さんが…」
「ごめんね、奏多、俺嘘ついた」
「はい…」
「結婚なんてのは嘘。俺はずっと奏多の事しか見えてなかった。」
「はい…」
「俺、ビビリだからさ、本当の事言えないや」
「はい…」
「ごめんね、奏多」
「はい…」
「泣かないで奏多…」
「僕はずっと、どんな洋平さんでも大好きです…」
今にも消えてしまいそうな声で洋平は言った。
「大好きだったよ」
再び車に戻り2人はキスを交わした。奏多は泣き疲れたのか眠りについた。洋平は奏多の頭を撫でながら独り言を呟いた。
「夢から覚めないように」
そう言って洋平も眠りについた。
終わり
「そういえば奏多は最近どう?椿先生…だっけ?とは」
「ん…あぁ別れたよ」
「おぉ、なんかごめんな」
「いや謝るなよ、僕なんか今でも未練タラタラだし…」
「そういえばペアリングどうしたんだよ?」
「あるよ、ほら」
「うわ、すごい綺麗じゃないか…ん?なんかここに彫ってあるけどなんて書いてあるんだ…?」
「Tatarian aster」
「何それ、なんて意味なんだ?」
「そういえば調べたこと無かったな…」
「俺が調べてやるよ、花の名前なのか、花言葉は…『追憶』、『君を忘れない』、『遠方にある人を思う』だって、、、っておい何泣いてんだよ!」
友人に言われて自分が泣いていることに気付いた。
「なぁ、奏多、椿先生に会いたいか?」
「…」
「もし、もし奏多が会いたいと少しでも思うなら、会いに行きな。場所教えるから」
「…え?」
「東京都の…」
「ちょちょちょ待ってってなんで知ってるんだよ!てか僕もう会うとかそんな…」
「グダグダ何言ってる!そんなんだと後悔するぞ!会いたくないのか!?」
「…」
「ほら、紙に書いといたから、会いに行きなよ」
「わかった…」
後日、奏多は友人から渡された紙を手に東京に向かった。紙に書いてある住所に行くと大学に着いた。
「ここは…洋平さんがいる大学…?」
(いや、でもさすがに見知らぬ人が入るのは不審者扱いされるのもな…でもちょっとだけなら…)
奏多は勇気を出して門をくぐった。大学生の人に心理学科の棟を聞き洋平がいると思われる階に向かった。エレベーターに乗ろうとまっていると、後ろから「うわ、」と言う声と同時に紙がなだれ落ちる音が聞こえた。振り返るとそこには眼鏡をかけた不思議な雰囲気の女性がいた。
「大丈夫ですか、手伝いますよ」
「ごめんなさいね、ありがとう」
そう言って散らばった紙を拾って女性に渡した。
「君、名前は?」
「日下部奏多です。」
「聞かない名前だね、どこの学科の生徒さん?」
「あ、いやあの僕ここの生徒じゃなくてですね…ある人に会いに来たんですけど…」
「その会いに来た人はここの科の人って事かな?私もここの心理学科の講師なんだ。」
「そうなんですね、えっと、何階に行きますか?」
「5階を押して貰えるかな」
「分かりました」
「ちなみにどうして会いに来たんだい?」
「僕がお付き合いしていた方なんですけど、別れたんです。振られてしまって、でも僕未練タラタラで…」
「そうだったのか…私に助手がいるんだけどねその人も恋人と別れたんだけど未練タラタラなんだよ、自分から振っといて笑、おまけに紫苑の刻印を掘って相手にプレゼントしたらしいんだよ」
「…それはすごい方ですね、、どうしてその人は振ったんですか?」
「あぁ、心臓の病気にかかったんだよ。早くて2ヶ月、長く持って半年」
「え…」
「恋人にはきっと言えなかったんだろうね…」
奏多は言葉を無くし、そのまま5階に着くのを待った。その後再び女性にお礼をされ歩いて行った。奏多は結局勇気が出ず大学の門をくぐった。重い足取りで駅に向かった。
駅のホームでふと笑い声が聞こえ声のする方に視線を向けるとそこには洋平の姿があった。奏多は無意識のうちに洋平の方へと近づき、洋平の手を引っ張った。
「洋平さん…」
洋平は驚いた顔をして奏多の顔を見た。
「奏多…くん…?」
奏多は感情が込み上げて今にも消えそうな声で言った。
「会いたかったです…」
洋平は奏多の手を引き自分の車の助手席に座らせた。奏多は大粒の涙が溢れ出していた。
先に口を開いたのは洋平だった。
「大丈夫?」
「…はい」
「これ俺の飲みかけだけど…」
「ありがとうございます…」
「どうしたの?」
「僕、ずっと洋平さんの事諦め切れなくて…それで、会いに来たんですけど迷惑だと思って帰ろうとしたら洋平さんを見つけて。身体が勝手に…」
すると洋平はなにか考えたがすぐに視線を奏多の方に向けた
「奏多くん、海、行こっか」
「え…?」
「気分転換しよう」
そう言って洋平はエンジンをかけた。そして、奏多と洋平は海へと向かった。
午後4時30分
夕日が落ちていく中2人は海に着いた。
「うわぁ、綺麗な景色」
「綺麗だね、少し歩こうか」
奏多は洋平の少し前を歩いた。歩いている間、沈黙が続いた。奏多は勇気を出して洋平に言った。
「洋平さん、僕、洋平さんのことまだ好きです。どんな理由があっても僕は洋平さんが…」
「ごめんね、奏多、俺嘘ついた」
「はい…」
「結婚なんてのは嘘。俺はずっと奏多の事しか見えてなかった。」
「はい…」
「俺、ビビリだからさ、本当の事言えないや」
「はい…」
「ごめんね、奏多」
「はい…」
「泣かないで奏多…」
「僕はずっと、どんな洋平さんでも大好きです…」
今にも消えてしまいそうな声で洋平は言った。
「大好きだったよ」
再び車に戻り2人はキスを交わした。奏多は泣き疲れたのか眠りについた。洋平は奏多の頭を撫でながら独り言を呟いた。
「夢から覚めないように」
そう言って洋平も眠りについた。
終わり
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