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46.夢の続き
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優しく髪を撫でられる感覚に、ゆるやかに意識が浮上する。
目を開ければ、もう随分見慣れてしまった天井が見える。
引き攣ったように開きにくい瞼を、ゆっくりと数度瞬かせると溜まっていた涙が一筋頬を流れ、それを掬う感覚が頬に伝わる。
その感覚を追って顔を向ければ、そこには優しい顔で私を見つめるジェイクの姿があった。
「…ジェイク…?」
状況把握に頭が追いつかなくて、彼の名を呼び、体を起こそうと手に力を込める。
そこで自分が握り締めていた存在にようやく気がついた。
「…あ。ごめんなさい」
言って、私は握り込んでいた彼の手から慌てて手を放した。
けれど手を放し体を起こすと、今度は彼の手が私の手を取り、掬い上げた手を、反対の手で優しく撫でられる。
「ルイーズ、どこも痛いところはないか?」
優しく問いかけてくれる声に、私はこくりと頷いてみせる。
すると彼は私の髪を撫で「良かった」と安堵の声を漏らした。
私はそんな彼を見つめながら、頭の中を整理する。
意識を手放す前までのことを思い返し、彼の言葉を思い出す。
『誰が必要ないと言っても、俺にはルイーズが必要だ』
『絶対に失いたくない。…誰にも渡したくない。俺は。ルイーズが好きだ』
『愛してる』
あれは夢じゃないわよね…?
そうは思うものの意識の境目がハッキリせず、自分に都合の良い夢だったのだろうかと不安になる。
その気持ちが表情に出てしまったのか、ジェイクが心配そうに覗き込んでくる。
「どうした?まだ何か不安があるのか?」
じっと見つめ続ける私に、彼は優しく問いかけてくる。
「俺は絶対にお前を失いたくない。ルイーズが嫌でない限り、ずっと傍にいる。だから頼って欲しい」
彼の言葉に、取られていた手に力がこもる。
「…夢じゃ…ない…?」
心の中で零したつもりの声が、唇から零れ落ちる。
とても小さな声だったのに、顔を覗き込んでいた彼の耳にも届いたようで、彼は「夢?」と言って、一瞬首を傾げた。
けれど、すぐに理解したように「ああ…」と口元を緩めると優しい顔で噛んで含めるように語りかけてきた。
「夢ではないよ。俺はルイーズが好きだ。愛してる。絶対に失いたくないんだ。ルイーズが誰を想っていてもいい。少しでもお前の支えになれるなら、嫌でない限り傍にいさせて欲しい」
彼の言葉は渇いた土に染み込むように、私の心を潤していく。
「ルイーズに俺の気持ちを押し付けるつもりはない。ただ、ルイーズのことを必要としている人間がいることだけ知っていてくれればそれでいいから」
トクリ。トクリ。
心臓が大きく音を立てる。
夢ではなかったという歓びに、体が小さく震える。
私は大きく鳴る心臓を宥めるように、取られている手と反対の手を胸元で軽く握り、一つ大きく息を吸った。
微かに震える手を彼の手が優しく撫でてくれる。
私は一度ゆっくりと瞬きをして、真っ直ぐに彼を見つめ返した。
「ありがとう。ジェイク」
なんとか紡ぎ出した言葉も震えを帯びる。
けれど、どうしてもちゃんと伝えたくて、大きく深呼吸を繰り返しながら、私は言葉を続けた。
「すごく…嬉しい」
途切れ途切れになっても、彼は黙って私の言葉を待ってくれていた。
「貴方に出逢えて良かった…。ジェイク、私も──」
コンコン
伝えようとした言葉をノックの音が遮る。
ジェイクが私の手を放し立ち上がり、扉を開けると、扉の向こうからエマが心配そうに顔を覗かせた。
「起きてるからどうぞ」
ジェイクがそう声をかけると、エマは勢いよく部屋へと駆け込んできた。
「ルイーズ様!良かった!ご無事で…本当によかった…」
最後は涙声になりながら、私の手を取り、縋り付く。
エマは、自分が私を1人残して帰ったせいで…と何度も何度も謝ってくる。
そうしている間に、高級な宿には珍しく、廊下を賑やかく走る音が響き、ノックの音が再び響いた。
既に扉の前に移動していたジェイクが扉を開けると、そこにはリアム様が息を切らせて立っていた。
「…リアム…さま?」
驚きに思わず声を漏らすと「失礼する」と言って、リアム様が部屋へと入ってくる。
その後ろには隊長服を身に纏った騎士が1人ついてきていた。
「お怪我はありませんかルイーズ嬢」
ベッドの傍に膝をつき、リアム様が私へと問いかける。
リアム様が部屋へ見えられた時点で、エマは立ち上がり、横へと控えていた。
「ぁ、はい。ご心配いただきありがとうございます。どこも怪我はしておりません」
息を切らせて現れた意外な人物に呆気に取られて、返事は返したものの一瞬硬直してしまった。
なぜこの人がこんな所に来るのか…。
そんなことを考えてから、ハタと気付いて私は自分の体へ視線を落とす。
そして自分の服装が宿を出た時と同じ、外出着であることを確認して安堵の息を漏らした。
ジェイクやエマなら多少部屋着ぽい服でもいいけれど、流石にリアム様の前で部屋着はナイ。
そんなことを考えている私とは対照的に、リアム様は服装など気にも留めていないという程、心配そうな表情で私を見つめている。
「私がこんな仕事を頼んだせいで、危険な目に遭わせて本当に申し訳ありません」
言ってリアム様は目を伏せる。
それに慌てて私は言葉を返した。
「いえ、あの。大丈夫です。怪我もしていませんし。…今はもう落ち着きましたから」
何と言えばいいのか…。
少し言葉を考えてから口を開き、私はまだ扉の側に控えているジェイクへ視線を向けた。
彼は私の視線を受け止め、優しく微笑んでくれる。
それだけで心が温かくなって、私も思わず口元が綻んだ。
そんな私の前でリアム様は少し目を見開き、遠慮がちに私に問いかけを投じる。
「あの…。手を取っても…?」
以前拒否するように手を引いてしまったことを気にしておられるのか、おずおずと訊ねられる様子に何だか少し申し訳なくなる。
「はい」と私が短く答えると、リアム様は壊れものでも扱うように丁寧に私の両手を掬う。
「貴方が無事で本当に良かった」
そう言ってほっと息を吐く姿は、本当に私のことを心配していてくれたということが伺えるものだった。
部屋へ駆け込んでこられた時には血の気が引いたような顔だったのが、今は少し落ち着いている。
本当に心配をかけてしまったのだと、少し申し訳ない気持ちになりながら、もう一度「本当にご心配いただいてありがとうございます」とお礼の言葉を伝えた。
そんなやり取りをずっと黙って見つめていた護衛の騎士が、遠慮がちに「リアム様、そろそろ」と声をかける。
どうやら時間的にはまだ深夜という程ではないけれど、今回の件でリアム様もお忙しいのだろう。
帰りを促されたリアム様は騎士の方を振り向き頷き返される。
「そうだな。メイソン、付き合わせて悪かった」
リアム様は私へと向き直ると、名残惜しそうに私の手をそっと放し立ち上がる。
「お疲れのところに不躾に押しかけて申し訳ありませんでした。今日はこれで失礼します。どうかゆっくり休んでください」
そう言ってリアム様はメイソンと呼ばれた騎士の方と部屋を出ていかれた。
ようやく訪れた静寂にふぅっと息を吐く。
エマが私の前へと戻り、もう一度私の手を取る。
リアム様の突然の来訪で逆に冷静になったのか、落ち着いた声で私へと語りかけてきた。
「ルイーズ様。お疲れになりましたでしょう。まずはお身体を綺麗にして、それから何か召し上がってください」
促されて私は素直に頷いた。
今更気付いたけれど、酷い顔を皆に見られてしまったと思わずため息が漏れた。
目を開ければ、もう随分見慣れてしまった天井が見える。
引き攣ったように開きにくい瞼を、ゆっくりと数度瞬かせると溜まっていた涙が一筋頬を流れ、それを掬う感覚が頬に伝わる。
その感覚を追って顔を向ければ、そこには優しい顔で私を見つめるジェイクの姿があった。
「…ジェイク…?」
状況把握に頭が追いつかなくて、彼の名を呼び、体を起こそうと手に力を込める。
そこで自分が握り締めていた存在にようやく気がついた。
「…あ。ごめんなさい」
言って、私は握り込んでいた彼の手から慌てて手を放した。
けれど手を放し体を起こすと、今度は彼の手が私の手を取り、掬い上げた手を、反対の手で優しく撫でられる。
「ルイーズ、どこも痛いところはないか?」
優しく問いかけてくれる声に、私はこくりと頷いてみせる。
すると彼は私の髪を撫で「良かった」と安堵の声を漏らした。
私はそんな彼を見つめながら、頭の中を整理する。
意識を手放す前までのことを思い返し、彼の言葉を思い出す。
『誰が必要ないと言っても、俺にはルイーズが必要だ』
『絶対に失いたくない。…誰にも渡したくない。俺は。ルイーズが好きだ』
『愛してる』
あれは夢じゃないわよね…?
そうは思うものの意識の境目がハッキリせず、自分に都合の良い夢だったのだろうかと不安になる。
その気持ちが表情に出てしまったのか、ジェイクが心配そうに覗き込んでくる。
「どうした?まだ何か不安があるのか?」
じっと見つめ続ける私に、彼は優しく問いかけてくる。
「俺は絶対にお前を失いたくない。ルイーズが嫌でない限り、ずっと傍にいる。だから頼って欲しい」
彼の言葉に、取られていた手に力がこもる。
「…夢じゃ…ない…?」
心の中で零したつもりの声が、唇から零れ落ちる。
とても小さな声だったのに、顔を覗き込んでいた彼の耳にも届いたようで、彼は「夢?」と言って、一瞬首を傾げた。
けれど、すぐに理解したように「ああ…」と口元を緩めると優しい顔で噛んで含めるように語りかけてきた。
「夢ではないよ。俺はルイーズが好きだ。愛してる。絶対に失いたくないんだ。ルイーズが誰を想っていてもいい。少しでもお前の支えになれるなら、嫌でない限り傍にいさせて欲しい」
彼の言葉は渇いた土に染み込むように、私の心を潤していく。
「ルイーズに俺の気持ちを押し付けるつもりはない。ただ、ルイーズのことを必要としている人間がいることだけ知っていてくれればそれでいいから」
トクリ。トクリ。
心臓が大きく音を立てる。
夢ではなかったという歓びに、体が小さく震える。
私は大きく鳴る心臓を宥めるように、取られている手と反対の手を胸元で軽く握り、一つ大きく息を吸った。
微かに震える手を彼の手が優しく撫でてくれる。
私は一度ゆっくりと瞬きをして、真っ直ぐに彼を見つめ返した。
「ありがとう。ジェイク」
なんとか紡ぎ出した言葉も震えを帯びる。
けれど、どうしてもちゃんと伝えたくて、大きく深呼吸を繰り返しながら、私は言葉を続けた。
「すごく…嬉しい」
途切れ途切れになっても、彼は黙って私の言葉を待ってくれていた。
「貴方に出逢えて良かった…。ジェイク、私も──」
コンコン
伝えようとした言葉をノックの音が遮る。
ジェイクが私の手を放し立ち上がり、扉を開けると、扉の向こうからエマが心配そうに顔を覗かせた。
「起きてるからどうぞ」
ジェイクがそう声をかけると、エマは勢いよく部屋へと駆け込んできた。
「ルイーズ様!良かった!ご無事で…本当によかった…」
最後は涙声になりながら、私の手を取り、縋り付く。
エマは、自分が私を1人残して帰ったせいで…と何度も何度も謝ってくる。
そうしている間に、高級な宿には珍しく、廊下を賑やかく走る音が響き、ノックの音が再び響いた。
既に扉の前に移動していたジェイクが扉を開けると、そこにはリアム様が息を切らせて立っていた。
「…リアム…さま?」
驚きに思わず声を漏らすと「失礼する」と言って、リアム様が部屋へと入ってくる。
その後ろには隊長服を身に纏った騎士が1人ついてきていた。
「お怪我はありませんかルイーズ嬢」
ベッドの傍に膝をつき、リアム様が私へと問いかける。
リアム様が部屋へ見えられた時点で、エマは立ち上がり、横へと控えていた。
「ぁ、はい。ご心配いただきありがとうございます。どこも怪我はしておりません」
息を切らせて現れた意外な人物に呆気に取られて、返事は返したものの一瞬硬直してしまった。
なぜこの人がこんな所に来るのか…。
そんなことを考えてから、ハタと気付いて私は自分の体へ視線を落とす。
そして自分の服装が宿を出た時と同じ、外出着であることを確認して安堵の息を漏らした。
ジェイクやエマなら多少部屋着ぽい服でもいいけれど、流石にリアム様の前で部屋着はナイ。
そんなことを考えている私とは対照的に、リアム様は服装など気にも留めていないという程、心配そうな表情で私を見つめている。
「私がこんな仕事を頼んだせいで、危険な目に遭わせて本当に申し訳ありません」
言ってリアム様は目を伏せる。
それに慌てて私は言葉を返した。
「いえ、あの。大丈夫です。怪我もしていませんし。…今はもう落ち着きましたから」
何と言えばいいのか…。
少し言葉を考えてから口を開き、私はまだ扉の側に控えているジェイクへ視線を向けた。
彼は私の視線を受け止め、優しく微笑んでくれる。
それだけで心が温かくなって、私も思わず口元が綻んだ。
そんな私の前でリアム様は少し目を見開き、遠慮がちに私に問いかけを投じる。
「あの…。手を取っても…?」
以前拒否するように手を引いてしまったことを気にしておられるのか、おずおずと訊ねられる様子に何だか少し申し訳なくなる。
「はい」と私が短く答えると、リアム様は壊れものでも扱うように丁寧に私の両手を掬う。
「貴方が無事で本当に良かった」
そう言ってほっと息を吐く姿は、本当に私のことを心配していてくれたということが伺えるものだった。
部屋へ駆け込んでこられた時には血の気が引いたような顔だったのが、今は少し落ち着いている。
本当に心配をかけてしまったのだと、少し申し訳ない気持ちになりながら、もう一度「本当にご心配いただいてありがとうございます」とお礼の言葉を伝えた。
そんなやり取りをずっと黙って見つめていた護衛の騎士が、遠慮がちに「リアム様、そろそろ」と声をかける。
どうやら時間的にはまだ深夜という程ではないけれど、今回の件でリアム様もお忙しいのだろう。
帰りを促されたリアム様は騎士の方を振り向き頷き返される。
「そうだな。メイソン、付き合わせて悪かった」
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ようやく訪れた静寂にふぅっと息を吐く。
エマが私の前へと戻り、もう一度私の手を取る。
リアム様の突然の来訪で逆に冷静になったのか、落ち着いた声で私へと語りかけてきた。
「ルイーズ様。お疲れになりましたでしょう。まずはお身体を綺麗にして、それから何か召し上がってください」
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