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材木問屋・世渡家三男坊の祝言
※元日の足は……。
しおりを挟む足は仰天した。
「え、ええっ、くるみ!?」
くるみは、どこかムキになったみたいに顔を赤らめ、褥の上に座った足のものを握った。
「っ!」
足のものはすぐ元気になった。
◇
足は元日の朝、くるみの寝顔を眺めながらたいそう反省したのだ。
新婚とはいえ、いくら何でもやり過ぎだった、と。
くるみは可愛い。
もう本当に、とんでもなく可愛いのだ。嫁というのはこんなにいとおしいものかと足は思う。
くるみは、寂しがり屋で優しくて、何ごとも一生懸命でけなげだ。いつもにこにこと、足と一緒にいるのが嬉しくてたまらないというように、笑顔でいるのも可愛い。
体目当てなんかじゃない、足はくるみのすべてが好きで好きでしかたがないのである。
ああ、だけど。
くるみが、褥の上でも魅力的過ぎるのがいけない。
はじめて抱いた頃の、閨事をあまり知らずに大胆だったくるみも、ひとの暮らしをじかに知り、恥ずかしがり屋になったくるみも、どちらもいい。
はじめは褥でなんとか声を抑えようとしたり、感じる自分の体を恥じらったりしているくるみが、どんどん睦み合うのに夢中になっていくのがたまらない。
小柄で可愛い体つき、白い肌、少し触れただけでも甘く啼いて濡れるような素直な体。しかも抱けば極楽の極致だ。
潤んだまなざしが自分を愛おしそうに見るのや、好きでたまらないというようにすがりついてくれるのが何より嬉しい。
ひと晩で、花が咲くように甘く乱れていくくるみに、どうしたって足は酔わずにはいられない。
はじめて抱いたあの日から、ほとんど毎晩くるみと睦み合っているのだ。それも一度ならまだしも、ひと晩に二度も三度も、さらにはひと晩中、なんて日もある。体が辛くないどころか、調子がよくなるからと、くるみが嫌がらないのをいいことにやりたい放題である。
これではいけない。
くるみが素直で優しいからと調子にのっていたら、そのうち愛想をつかされる。
すうすうと、いとけない寝顔を見せるくるみを見ながら足は思う。
大晦日は、年神様をお迎えする前だからと閨事を控えた。そのまま続けて正月も、くるみの心と体をゆっくり休めてあげることにしよう―――。
◇
なんて思っていたのに、足の目の前には潤んでひくつく極楽がある。くるみのそこはとろとろだ。
足のものを口にくわえ込むような大胆なことをしておいて、顔をまたがせれば、からげた裾を抱きしめて恥じらう。もう本当にくるみは可愛い。
「ああ、くるみ、いい眺めだねえ……。俺のを舐めて濡れたのかい」
「あんっ」
目の前の極楽を愛でながら、小さな尻をゆっくりなでる。それだけで足の新妻は甘くあえいだ。
「さ、もっと腰を落として……そう。ああ、濡れて、ひくひく動いて……。あかぁいここが、触ってくれと言ってるみたいだよ」
さらに腰を落とさせ、尻や内ももをなでて焦らす。くるみの中から熱い蜜がとろとろあふれ、濃厚な女の香りで足を狂わせる。
「ああ、あっ、んんっ」
ひくつく割れ目を広げ、舌でゆっくりなぞる。くるみは快楽に体を支えきれず、かくん、と足の体の上へ崩れ落ちた。それでもなんとか膝立ちだけはと、足の顔の上震える脚に力を入れている。けなげだ。
「う、くっ」
くるみの小さな手が足のものを再びつかんだ。舌で懸命に舐めてくる。そんなものを、という背徳と、大事にされ愛おしまれている、という嬉しさがないまぜの快楽にうめく。
ぴちゃ、ぴちゃ、ちゅっ、くちゅっ。
濡れた音がふたつ分だ。
「ん……う、あ、あん、あっ、ああッ!」
お返しとばかりにくるみの熱く濡れたそこを、舌でなぞり、舐め、こする。くるみはすぐに他愛なく啼き、足のものを責められなくなる。
「ああ、蜜まで甘いよ。くるみはどこもかしこも甘くて美味しいねえ」
「ああ……っ、あう、うっ」
ゆっくりと指を濡れそぼったそこへ沈めていく。くるみの体がぶるっとふるえ、熱い中が足の指を締めつけた。
「ああ、締まるねえ。ふわふわでとろとろで、あまぁい蜜がたっぷりなのに、俺の指に絡みついて離さない……。くるみ、お前さんはほんとに可愛い。たまらないよ」
「……ああっ」
「何も知らない座敷童を、こんなにいい女にしちまって、俺はバチがあたりそうだ。ねえ? くるみ。ほら、ここだね?」
「あっ、あっ、ああああっ、あんっ」
「中の、ね、腹の方の……指を入れてすぐ。くるみはここが好きなんだ。そうだろう?」
「あっ、あ、あああああっ! ひ、ひうっ、ううっ、あ、あっ」
「あとはね……。ぷっくり膨れた小さなこれは、皮をむいて指で触ると、気持ちよすぎて苦しいんだ。皮ごと吸いついて舐める方がいい。違うかい?」
「ひっ、あ、あ、あう、うううっ!」
ぐちゅぐちゅと音を立てて中をかき回しながら、赤く腫れた小さな突起を皮ごと親指でおしつぶす。
くるみはなんとか足を気持ちよくしようと、手を動かし何度も足のそこへ口づけていたが、身をよじり、体を震わせ、あえぐことしかできない。腰が悩ましく揺れ、あふれ出る蜜で内ももまで濡れてしまっている。足の指もふやけそうだ。足は小さな突起に吸いついた。
「あ、ひ、ひいっ! ああああああっ!」
ひときわ強く足の指をしめつけて、くるみは体を反らして啼いた。そのまま固まると、ぶるっと体を震わせて、足の横に崩れ落ちる。
「果てたかい。本当に、くるみの体は素直だねえ……」
絶頂の名残にぴくん、ぴくんと体を震わせ、くるみは焦点の合わないとろけたまなざしを足に向けた。震える小さな唇は、意味をなさないつぶやきのような声をもらす。
ああ、もう、これだから、足はくるみを抱かずにいられない。
足は起き上がると、くるみの帯をほどいて寝巻を脱がせた。露わになった肌を胸元からつうっとなでていく。
「ああ……」
手の感触に恋女房はうっとりと声をあげた。足はその膝へ手をやり脚を開かせる。
「くるみ……。俺の可愛い、可愛い奥さん。お前さんの極楽が恋しいよ」
「あ……」
先ほどまでくるみの可愛らしい責めに固くなったものを、濡れて潤み熱い場所へ押しつける。くるみが高く儚い声をあげ、その変わらぬ初々しさがなおさら夫を煽る。
「好きだよ、くるみ。お前さんの、心も体も、全部まるごと大好きだ……ッ」
「あ、あ、あ、ああっ」
足はゆっくりくるみの中へ入っていく。途中まで入ったらまた時間をかけて引き抜く。
「あ……ううっ」
どうして、と切なげにこちらを見るくるみに、足は、額に汗をにじませながら微笑んだ。
「さ、あ……。くるみの、好きなところを、たくさん、可愛がってあげようね」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ。
濡れた音を立てながら、ごく浅い場所を小刻みに責める。
「あっ、あっ、ああっ、あん、ああんっ」
「可愛いねえ、くるみ……! 大事な、大事な、俺の可愛いっ、お嫁さん。俺がどれだけ、お前さんが、いとしいか。く、うっ。どうやったら、伝わるか、ねえ?」
行灯に照らされた元日の褥で、淫靡な音と悩ましい女の声がする。
熱く濡れたくるみの中は、ふわふわと柔らかいのに足のそこへ絡みついて離さない。好きだ、好きだとしがみつかれているようだ。
いじらしく、可愛らしく、どこまでもいとしい。
足はただただ、くるみを気持ちよくしてやりたくて夢中になる。
「あ、ああっ、あっ、あん、ああっ!」
「浅い、ところも、好きだけど。奥もっ、好きだね、くるみ」
ぐうっと深く入り込み、おのれ以外誰も触れたことのない一番奥をこじる。
「!!」
くるみは声にならない叫びをあげて、大きくのけぞった。足はさらにゆっくりと身を前に倒し体の重みをかけながら、くるみを組み敷き腰を動かす。
ゆるゆるとねちっこく、けれど重く。
「ううっ、あ、あん、あううっ、あんっ!!」
「ああ、くるみ、気持ちいいかい? お前さんの奥が吸いついて、きて、離さないよ。たまらない……」
「あ、ひ、ひいんっ、うう、ひ、ああっ」
「本当に、どうして、こんなに、いい女なんだい。俺の、可愛い、奥さんは……ッ」
「あ、ああっ、あっ、あん、あああああっ!」
首にぎゅっと抱きつかれ、くるみがそろそろ果てそうなのを察し、足は一気にくるみを責め立てた。
いとしくていとしくてどうにかなってしまいそうな思いそのままに、褥に蜜が散るほど激しく、おのれを動かす。
「好きだ、好きだよ、くるみ、くるみ、ああ、お前さんが、誰よりッ!」
「ひっう、あっ、うっ、ああっ、ああああう、うううっ!」
細い脚をさらに大きく開かせ、ひときわ深く突き込んだとき、うねり絡みつくくるみのそこがぎゅうっと強く足を締めつけた。
「くるみ……ッ!!」
一番奥で熱がはじける。
「!!」
足はくるみに想いのたけを注ぎ込みながら、絶頂のさなかにいるいとしい妻をひしと抱きしめた。
◇
「あのね、くるみ」
身繕いを終わらせてふたり、並んで布団に入りながら、足はくるみの髪をなでて言う。
「新年はじめての床入りを、姫はじめって言うらしいんだ」
うん、と、まだ情事の名残の残る、とろけた顔で若妻が頷く。
「でね、姫はじめは、どうも、新年の二日らしいんだよ」
くるみはぱちくりとまばたきをした。
「そうなんだ、明日だよ」
可愛い小さな顔へ、行灯の明かりでも分かるほどの赤みがさす。
「今日じゃないんだ。それもね、あるんだけど。ずうっとね、お前さんがいとしくて、毎日ゆっくり寝かせる間もないくらいだったからね? 正月三が日くらいは、ふたりで眠るだけに、しようって……、ねえ、聞いておくれよ」
姫はじめまで待てず焦れたのを恥じたか、くるみは布団を顔までかぶってかくれてしまった。
「おーい、ねえ、くるみ。可愛い、可愛い、大事なくるみ」
布団をぽんぽん、と優しく叩く、足の顔に笑みが浮かぶ。
これほどに、いとしいのだ。
神様も、きっと、一日くらいは大目に見てくれるに違いない。
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