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かわずの城
井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る
しおりを挟む井戸の中の蛙たちは広い世界を知らないのだろうか?
私たち社員のように。
井戸は深く暗く、頭上に見える月明かりは果たして外なのかも分からない。ただ自分たちは井戸で産まれ、朽ち果てていく。
一つの会社に長年生きるというのは決して悪いことでは無い。突き詰めれば、必ず光明が見えてくる。その汚染された環境をきっと打開できるはずだ。
ある日、井戸に一匹の蛙が落ちてきた。その蛙は外の世界の当たり前の、幸せな生活を井戸の蛙に説いた。
だが新参者の蛙の話を聞かない蛙もいる。知らない世界を恐れ、変化を望まないのかもしれない。躰の大きく共食いをする大きな蛙たちは特に現状に不満はないのだ。
考えの柔軟な産まれたばかりの小さな子蛙たちは、皆その話を聞きたがった。
外の世界を夢見る者、居心地の悪い井戸を変えようとする者。
そこで古くからいるボス格の大きい蛙は、目に付く小さな蛙たちを丸呑みにした。
ボス蛙も心の底では、その新参者の落ちてきたあの頭上の明かりは出口であり、空なのだと知ったのだ。
その時同時に、今までの自分の井戸の生活は何んだったのかと自問自答するだろう。
そして、その井戸………と言う会社の呪縛の深さに絶望感を味わうのだ。
だが、諦めてはいけない。
蛙は絶壁を登れる生態だからだ。
決して不可能じゃない。
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