この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

47家路（改）

「この、大バカ者―！！！」
父のすさまじい雷にアドラスは思わず首をひっこめた。

「アドラス！あなたはなんてことを！お父様とお母様やみんながどんなに心配し、探し回ったかわからないのですか！？」
祖父母は、はぁと大きくため息ついた。
一体いつの間にいなくなったやら、どこに行ってしまったのか、すわ誘拐か？と思って使用人から騎士まで含め探し回ったら、ナントいつの間にか隣の領地に一人で冒険に行っていたというのだ。まだ8歳だというのに・・・・・・・・！！
　
「誰に似たのやら？」
祖父の言葉に「私ではありませんよ」と祖母が言う。

「ごめんなさい」

「当たり前だ！！二度と誰にも何も言わず一人で出かけてはならん！たまたま今回は男爵に保護されたからいいものの、誘拐されて奴隷にされたらどうするというんだ！？
お前のおかげで私は心配で心配で体重が１０キロやせたぞ！」

＜10キロやせた？そうは見えない、いつもどおりの少しこぶとり気味の父様の体系だが？＞
「バツとして１か月は部屋から外に出ることは許さん」

「１か月も～１か月もなに部屋でしろというんですかぁ、体にカビが生えてしまいます、せめて10日、10日でお願い父様！」
孫の言葉に祖父はフーと息を吐き１か月だと父の言葉に賛同する。

「それだけお前は周りに心配をかけたのだ、１か月だ」祖父は重々しくいった。

＜１か月・・・・・・・・・・・・ガーン！＞

「食事はまだだったな、メイドに部屋に運ばせる。あと湯あみをして部屋で過ごしなさい、今日から１か月だ。わかったらもう部屋に行きなさい」

「はい」
アドラスは仕方なく居間から自分の部屋に向かった。そのアドラスの後をメイドのマリアが付き従う。　その姿を少しかわいそうに思う父ヘンリーだったが、ここで甘い顔はできないと思った。

自分の部屋に戻ったアドラスは、マリアに着替えを手伝ってもらい、室内着に着替えると間もなく食事がカートにのって運ばれてくる。

今日の晩御飯はパンにローストチキンのトマト添え、フレッシュチーズがかけられたサラダ、それに豆のスープ、カットされたリンゴ一皿
お腹が空いていたアドラスはそれらをきれいに平らげた。
メイドのマリアがカップに紅茶を注ぎ、食後菓子としてビスケット数枚乗った皿も添える。

＜うーん、こんなことになるなんて、ミスったなぁ大体あの時ホットケーキ屋に入らなければよかったんだ、でもそうしなければ男爵に火事跡が五芒星を描いていることは知らせれなかった、あの後どうなったんだろう、気になるなぁ、あとで知らせてくれるかなぁ、本当にドラゴンの召喚されるのかなぁ、帰りの馬車に乗る時結果を後で知らせて下さいといったけど子供との約束だと無視されるかも、でも本当にドラゴンの召喚かなぁ・・・・・・・
ドラゴンといったのは男爵自身だったかな、いや、ぼくだった、まさかテンペストじゃないよね、
それだったらもっと被害がでかいじゃないか、文字どおりの天災級だよ・・・・今頃どうなっているんだろう、心配だなぁ・・・・・・・・・・・・＞

食事の後休憩を入れてその後風呂に入り、読書をした後やはり疲れていたのかアドラスはベッドに入りおやすみなさいをマリアに言って眠った。

「お休みなさいませ、アドラス様、よい夢を」マリアは一礼をして部屋の魔導シャンデリアの照明を切ってドアを閉め部屋から退出していった。
アドラスの部屋の外では、月が出てフクロウのなく声が夜のしじまにホーホーとなく声が聞こえていた