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7. 陰謀 後編

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 その知らせが辺境に近いミュラー子爵家に届いたのは、アドラスの誕生パーティの3週間後だった。

「5月30日、反乱を企てた第2皇子とマケーロス公爵と公爵一派の貴族派は、第一王子の指揮のもと王国軍第一、第二部隊によって一斉に捕縛されました!!。
なおこの逮捕によって、隣国のサンザー帝国と内通していた書状がマケーロス公爵邸から発見され、反乱を第2皇子が起こすと同時にサンザー帝国の軍が辺境の国境を破りバリアス王国に侵略することが分かりました。
反乱が成功した暁にはサンザー帝国に辺境が割譲される約定でした。
国王陛下は烈火のごとく激怒され、第2王子と母である寵姫のヘレネー様はすでに毒杯を賜り、マケーロス公爵とその家族及び一族郎党は処刑されました。またこの内乱に加担した貴族派と各一族も女子供問わず王宮前の広場で処刑されました。なおこの件に関して事態の詳しい説明のため、全貴族に来る6月15日には臨時貴族議会を開くと国王陛下からご下命でございます。」

 伝令のトーマスは片膝を立てひざまずき子爵と前子爵に報告し、国王の命令書を差し出した。
彼はこの報告をするために王都から馬をすっ飛ばしてきたのである。
そのせいで彼は騎士服のあちこちがまるで水にぬれたように汗でびっしょりぬれていた。

「なんということだ。よくぞ知らせてくれた、疲れたであろう、下がって風呂に入り食事して
ゆっくり休むがよい」

「ははっ、ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます」

伝令が執務室を下がるとミュラー子爵は長椅子に腰を下ろした父親に

「とんでもないことになるところでしたね、よもや敵国サンザー帝国に領土の割譲を約束していたとはまさに奴らは売国奴です。絶対に許せません。おそらくミュラー子爵領も割譲する領土の入っていたやも知れません」

「恐らくそうだろう。それにしてもなんということだ。惜しむらくはこの度の反逆者どもがすでに処刑されているということだ。くそーっつ!!!この手で一太刀なりとも浴びせられないのが口惜しくてたまらん!!!」

「これからも敵国サンザー帝国の動きに警戒したほうがいいでしょう。間諜をミュラー領独自におくったほうがいいのでは?」

「とはいっても我々にできることは商人を装った間諜の派遣ぐらいだが」

「それでもやったほうがいいでしょう。」

「そうだな。」



アドラスは子爵家の図書室で本を読んでいた。すでに絵本は卒業し、ここは誰も見てないからと算数の本を読んでいたが、前世理工科系の大学4年生だったアドラスにとっては小学生の算数レベルの本を読んでも面白いわけがない!だがこの世界ではこのレベルが13歳から入る王立学院レベルなのだ。

「あーつまらん」

それにしても先ほど図書室の窓から伝令らしいものが馬に乗ってやってきたのを見て、いつものように父親の執務室を透視してたらとんでもないことを知ってしまった。

「あぶなかったー!!!」

<下手したら帝国軍に家族もろとも殺されてたかもしれない!!
ひえーこの世界恐ろしい!!
なんまんだぶ、なんまんだぶ、ありがとうございます、国王陛下、並びに第一王子殿下、関係各所の皆様
ありがとうございまーす>

「それにしても俺のんびりしすぎてたな、とはいっても
2歳の幼児ではなー、」

俺にできることって何だろうと真剣に考えるアドラスだった
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