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しおりを挟む私は自分が思うよりも強い人間なのかもしれないと思った。
貴方が居なくなってしまってもこうして笑っていられるのなら、
きっと強い人間なのだ。
だから、どうか心配はしないで欲しい。
貴方は私の事をいつも心配してくれる優しい人だったけど、
もう私は大丈夫だから。
*****
貴方と初めて言葉を交わしたのは帰り道だった。
「これ、読んで下さい」
そう言って突然渡された手紙に私は驚き、なかなか受け取る事が出来なくて。
「本当に私でいいの? 」
なんて、どうしていいか分からなかった私はそう聞き返してしまった。
でも貴方はそんな私をただ見つめるだけで……
だから私は受け取ったのだ手紙を。
今時手紙なんてと思ったけど、でも結局それが決めてだったように思う、
今となっては。貴方のそういう所に私は惹かれていったのだ。
私にとってこの恋は何となくから始まった。
でも貴方に会う度に私は貴方の事が好きになっていく。
結局最後は私の方が貴方よりもずっと好きだったって言い切れるくらいには
貴方の事が好きだったのだ。
なのに突然の別れ。
私にはそれを受け入れることが難しくて、
ずっと泣いていた。
でもそんな事を続けていたら貴方を心配させてしまうから、
私は泣く事を止めたのだ。
「君の笑顔を見ているだけで僕は幸せになれるんだ」
貴方が私に言ったその言葉は今でもちゃんと覚えているから、
こうして今も涙が早く乾くように笑っている。
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