少女abc

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「ごめんごめん、待たせちゃったわね。でもそんなに心配してくれなくてもいいの
　よ？　ちょっとした雑用を済ませてから来ただけだから。私、ちゃんと今日が
　集まる日だったって事は覚えていたから。それじゃあ始めましょう、さっさと
　始めましょう。オジサマを待たせてはいけないわ」
　
　
　部屋へ入って来て早々、捲し立てたチャランドラにバリギリスはニタニタしなが
　ら何も言わない。そして私はチャランドラにポケットティッシュを渡した。
　
　
「ケチャップが付いているわ」


「そう、どこで付いたのかしら。きっと血しぶきね」


　確実に忘れていたし、確実に何かを食べていた事が分かるチャランドラは
　惚けるがそれはもうどうでもいい。オジサマをこれ以上待たせる訳にもいかない
　のだから。


「何でもいいから早く拭いて。オジサマを呼ぶわよ？　」


「えっ？　ちょっと待って。ちゃんとするから。鏡はないの？　誰か、鏡を持って
　来てちょうだい！　」
　
　
　ここはチャランドラの家ではないので誰も持って来てはくれないし、オジサマの
　言う事しか聞かない人しかここには居ないのだ。
　
　
　私はポチっとボタンを押した。
　
　
　スクリーンがゆっくりと降りてきてそしてそこに映し出されるのは一人の紳士。
　
　
「Wait!　Wait!　ちょっと待つんだ松風。そうだそうだ、よーしよしよし。
　よく出来たな！　よしよしよしよし。　偉いぞ松風」
　
　
　そこにはペットのミニブタを可愛がっている紳士が確かに居た。