ファンタジー倉庫

諦めないという事

１５

「そこまでだムロ。それ以上やると使えなくなるからな」


　グルコに止められて漸く止まったムロ。
　自分がこんなにも攻撃的な人間だとは知らなかった。
　仕返しをしている間のムロは笑っていた。
　
　
　そしてロコス、シロッコ、モリモリ、ヒューイとムロの仕返しは続き、
　全てを終えたムロは泣きながら笑った。
　
　
「ははははははははははは」




　＊＊＊＊＊
　
　
　
　
「ムロ、準備はいいか？　」


「大丈夫だ」


　ムロは魔法陣の真ん中に立っていた。
　
　
「出せ！　ここから早く！　」「何をする気だ！　」「止めろ、止めてくれ！　」
「助けてくれ！　」「嫌だ、こんなのは嫌だ！　」


　５人が周りでうるさいが、ムロは無視する。
　
　
「じゃあな、ムロ。お前はなかなか見込みがある奴だった。元の世界に戻っても
　お前なら魔王になれるかもな」
　
　
　グルコがめちゃくちゃな事を言う。
　
　
「ああ、じゃあなグルコ」


　そしてムロは光に包まれて元居た世界へと戻る事に成功した。
　
　
　　
　
　＊＊＊＊＊
　
　
　
　
　気が付けばムロはトイレの中に居た。
　見覚えのある、懐かしさすら感じるそのトイレ。
　水を流してからムロはトイレを出ると慣れ親しんだ部屋だ。
　
　
　ムロはすぐにテレビをつけた。
　
　
「ありえないですよこんな事！　」


　テレビの中の人が怒鳴っているのを見て
　
　
「うっせえな！　」


　ムロもテレビに怒鳴りつけた。