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婚約破棄した後も友達で居ようなんてどういうつもりなんですかね?
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しおりを挟む「悪いが君とは婚約破棄しようと思うんだ。ごめんね」
彼は突然、終わりを告げました。
私にとっては予想外に始まったこの恋が、こんな形で突然に終わるなんて
思ってもいませんでした。
そう、彼はいつだって突然なんです。
だから私も初めは気付かずにいましたが、さすがにもうそんな事はごめんです。
「でも、これからも友達では居ようと思うんだ。婚約破棄をしたからって別に
仲良くしてはいけないなんて事ないだろ? だからこれからもよろしく」
彼は手を出して来て、私と握手しようとして来ました。
でも私は一瞬、出しかけてすぐに止めました。
だっておかしくない?
「これからもよろしく」
でも彼は強引に私の手を取ろとしたので、払いのけました。
「どういうつもりよ! 」
私の反応に彼は眉を寄せ、まったく理解出来ていない様子です。
「どういうつもりなのかって聞いているのよ! 」
「どういうつもりも何も、これからも友達として仲良くして行こうっていう握手を
しようとしたつもりなのだが? 」
「はあ? 何よそれは! これからも友達として? 仲良く? ふざけてるの?
そんな事出来る訳ないでしょうが! 大体、アンタが私に婚約を申し込んで来た
の忘れたの? 」
「それはそうだが……それと仲良くする事に何か問題でも? 」
何ら悪びれる様子もなく、この男は認めた。
もしかしたら忘れているのかとも思ったが、この男は忘れてなどいなかった。
それは突然の申し出だったのだ。
私にはそんな気などまったく無かったが、この男がどうしても懇願してきた。
男にそんな事を、そもそも誰にもそんな事をされた事など無かった私。
そんなにも私の事を思ってくれるならと、受け入れてしまった私もおかしかった
のだが。それでも自分から言い寄って来て、分かれる時も突然終わりを告げる
なんて事はどう考えたっておかしい!
それに友達だとか無理に決まっているだろうに!
どうして私がこんな奴と友達でいないといけないのだろうか?
仲良く? ふざけないで欲しい。
一体何処に仲良くする要素があるというのか?
こんなに自分勝手な人となど二度と関わり合いになりたくなどない!
「問題しかないわ! アンタにとっては婚約なんて大した事ないかもしれない
けどね、私みたいな平民には大ごとなのよ! もう二度と私の前に現れないで
よね! 虫唾が走るわ! 」
ほんと、婚約破棄した後も友達で居ようなんて言う奴はどうかしている。
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