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「今日は一緒に寝ないか?」
夕飯を食べた後、すっかり寝る準備を終えた先生がそう言った。
「え!!!?? お、俺と!?」
「ああ」
「ぜ、ぜひ! ぜひお願いしみゃす!!」
噛んだことも気にせずに、俺は興奮が抑えられず先生に抱きついた。
「興奮しすぎだ。今日はなんもしねぇよ」
「分かってます! 大丈夫です!」
先生が俺とどうこうしようなんて、考えてないことくらい分かってる。
だけど、一緒のベットで寝ようだなんて言ってもらえたことがとんでもなく嬉しいのだ。
先生の部屋に迎え入れてもらえて、ベットの中で先生に抱き枕のように抱かれた。
ああ、なんて心地いフィット感。
嗅ぐタイプの睡眠導入剤かごとくの先生の香り。
俺が先生のためを思って身を引こうとしたタイミングでの怒涛のご褒美みたいな展開に、こりゃ神様すら俺がここを出ていく事をお祝いしてるみたいだと思った。
俺からも先生に抱きついてみると、先生の腕もそれを返すようにギュッと強くなった。
ああ、包み込まれてる。
今俺、大好きな先生に包み込まれてる。
だめだ、幸せすぎて頭がついていかない。
「先生、好き。大好き」
「ああ」
「先生、幸せになってね」
「なんだよそれ」
「先生が大好きだから、俺、先生には幸せになってもらいたいんだよ」
「……やり直しだな」
頭上からは呆れたような声。
「え?」
「そこは、一緒に幸せになろうか、俺が幸せにしてやるとかだろ?」
「はは、先生ってばロマンチック~」
大丈夫だよ、先生。
俺なんかじゃ先生のこと幸せにできないって、分かってる。
俺じゃ先生を幸せにできないけど、先生を幸せにする為の道なら開けているから。
きっと、収まるべきところに、収まるはずだよ。
先生が、今まで恋人も作らないでずっと一人だったのは、まだ神楽坂先生の事が好きだからなんでしょう?
「……仕方ねぇな、お前は」
「先生……?」
「お前のことは俺が幸せにしてやるよ」
「え……」
その一言に衝撃が走った。
嬉しさで、胸がバクバク鳴る。
なんで。
なんでそんな事を言ってくれるんだよ先生。
なんでか分からないけれど、涙が出た。
俺は先生にバレないように、先生の胸筋に顔を埋める。
嗚咽が漏れないように必死だった。
「先生は……人誑しなんだから、もう」
先生にとって不利益しかないのに、離れたくないって、思っちゃうじゃん。
「なんだよそれ」
胸に顔を埋めているからか、先生の声は低く響いて落ち着いた。
それからここを出る最後の日まで、先生は俺を毎日抱っこして眠った。
最後まで、恋愛におけるABCのBとCはなかったけど、むしろ無くてよかったかもしれない。
体の関係なんかして変に期待が残ってると、めちゃくちゃ未練が残りそうだ。
冷凍庫には、作り置きのおかずが山ほど冷凍してある。
現状でできる洗濯物は全て終わった。
ダイニングのテーブルに、今までの感謝を伝えた手紙と、家の鍵と、それから例の録音データを置いて俺は家を出た。
それからオートロックで閉まった扉を確認して、俺はバイト先に決まったバーに向かった。
夕飯を食べた後、すっかり寝る準備を終えた先生がそう言った。
「え!!!?? お、俺と!?」
「ああ」
「ぜ、ぜひ! ぜひお願いしみゃす!!」
噛んだことも気にせずに、俺は興奮が抑えられず先生に抱きついた。
「興奮しすぎだ。今日はなんもしねぇよ」
「分かってます! 大丈夫です!」
先生が俺とどうこうしようなんて、考えてないことくらい分かってる。
だけど、一緒のベットで寝ようだなんて言ってもらえたことがとんでもなく嬉しいのだ。
先生の部屋に迎え入れてもらえて、ベットの中で先生に抱き枕のように抱かれた。
ああ、なんて心地いフィット感。
嗅ぐタイプの睡眠導入剤かごとくの先生の香り。
俺が先生のためを思って身を引こうとしたタイミングでの怒涛のご褒美みたいな展開に、こりゃ神様すら俺がここを出ていく事をお祝いしてるみたいだと思った。
俺からも先生に抱きついてみると、先生の腕もそれを返すようにギュッと強くなった。
ああ、包み込まれてる。
今俺、大好きな先生に包み込まれてる。
だめだ、幸せすぎて頭がついていかない。
「先生、好き。大好き」
「ああ」
「先生、幸せになってね」
「なんだよそれ」
「先生が大好きだから、俺、先生には幸せになってもらいたいんだよ」
「……やり直しだな」
頭上からは呆れたような声。
「え?」
「そこは、一緒に幸せになろうか、俺が幸せにしてやるとかだろ?」
「はは、先生ってばロマンチック~」
大丈夫だよ、先生。
俺なんかじゃ先生のこと幸せにできないって、分かってる。
俺じゃ先生を幸せにできないけど、先生を幸せにする為の道なら開けているから。
きっと、収まるべきところに、収まるはずだよ。
先生が、今まで恋人も作らないでずっと一人だったのは、まだ神楽坂先生の事が好きだからなんでしょう?
「……仕方ねぇな、お前は」
「先生……?」
「お前のことは俺が幸せにしてやるよ」
「え……」
その一言に衝撃が走った。
嬉しさで、胸がバクバク鳴る。
なんで。
なんでそんな事を言ってくれるんだよ先生。
なんでか分からないけれど、涙が出た。
俺は先生にバレないように、先生の胸筋に顔を埋める。
嗚咽が漏れないように必死だった。
「先生は……人誑しなんだから、もう」
先生にとって不利益しかないのに、離れたくないって、思っちゃうじゃん。
「なんだよそれ」
胸に顔を埋めているからか、先生の声は低く響いて落ち着いた。
それからここを出る最後の日まで、先生は俺を毎日抱っこして眠った。
最後まで、恋愛におけるABCのBとCはなかったけど、むしろ無くてよかったかもしれない。
体の関係なんかして変に期待が残ってると、めちゃくちゃ未練が残りそうだ。
冷凍庫には、作り置きのおかずが山ほど冷凍してある。
現状でできる洗濯物は全て終わった。
ダイニングのテーブルに、今までの感謝を伝えた手紙と、家の鍵と、それから例の録音データを置いて俺は家を出た。
それからオートロックで閉まった扉を確認して、俺はバイト先に決まったバーに向かった。
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