3 / 83
王道転入生
しおりを挟む
今日も今日とて授業が始まり、珍しくチャイムの前に席についていた俺は面倒臭そうに教室に入ってきた担任に向かって黄色い歓声を上げていた。
「かっこい~。抱いて~」
ちなみに俺の知っている黄色い歓声というのは今言った言葉のみだ。
後は素敵~とか言い方変えて繰り返してるだけで誰にも気付かれていない。
先生は歓声の声はまるっと無視して教室の入り口を見た。
「あ~、今日から転入してきた生徒がいる。言っておくがこいつに危害を加えたら許さねぇからな」
最後の方はガッツリと俺を見ながらそう言われた。
危害なんてそんな面倒くさいこと俺がするわけないだろ。
まぁ、そんなことは言えないので意味ありげに笑っておいた。
「椿 真宏だ! みんなよろしくなっ」
元気よく挨拶した彼はモサモサ頭の瓶底メガネ。
へぇ。担任はこんな趣味なのか。
他人の趣味をとやかく言うつもりは全くないけど、俺はこの転入生とはおそらく気は合わないだろうな。
「なぁなぁなぁ。お前なんて名前なんだ? 俺、お前と友達になってやるよ! だってお前友達いないだろ!?」
数回の休み時間ののち、昼休みになってから転入生にうざ絡みされた。
「ううん。大丈夫だよぉ。だって僕は生徒会の皆様を追いかけないといけないから忙しいんだぁ。ごめんね」
「気にすんなよ! そんな嘘ついてまで一人になってもいいことないぞっ。俺が友達になってやるって!」
うざすぎワロタ。
ああ、いけない。人を煽ろうと練習していたオタク口調が出るほど我を忘れそうになってしまった。
「なぁなぁなぁ、お前名前なんて言うんだよ! 教えろよ! 俺の名前だけ知ってるの不公平だろ!」
お前の名前など知らん。
さっき自己紹介してたのは知っているが、俺は興味のない人間の名前を覚えるほど暇じゃないんだよ!
「僕はねぇ、みんなから親衛隊長って呼ばれてるからそう呼んでくれたらいいよぉ」
「分かった! でも親衛隊長ってものすごくキモいやつって聞いたけど、お前ってキモいのか!?」
「ん~。どうだろうねぇ」
俺は“悲しんでます”的な表情でそう言っておいた。
「だっ、大丈夫だぞ! お前がキモくても俺友達になってやるから!」
「そっかぁ。ありがとねぇ。じゃあ僕はこれから行くとこあるから行くねぇ~」
「あ! 待てよ! 食堂行くんだろっ。俺も連れてけよ! 友達だろ!!」
俺の腕をぐいぐいと引っ張りながらそう言われてストレスマックスだ。
なかなか諦めない転入生に諦めて一緒に食堂に向かった。
「かっこい~。抱いて~」
ちなみに俺の知っている黄色い歓声というのは今言った言葉のみだ。
後は素敵~とか言い方変えて繰り返してるだけで誰にも気付かれていない。
先生は歓声の声はまるっと無視して教室の入り口を見た。
「あ~、今日から転入してきた生徒がいる。言っておくがこいつに危害を加えたら許さねぇからな」
最後の方はガッツリと俺を見ながらそう言われた。
危害なんてそんな面倒くさいこと俺がするわけないだろ。
まぁ、そんなことは言えないので意味ありげに笑っておいた。
「椿 真宏だ! みんなよろしくなっ」
元気よく挨拶した彼はモサモサ頭の瓶底メガネ。
へぇ。担任はこんな趣味なのか。
他人の趣味をとやかく言うつもりは全くないけど、俺はこの転入生とはおそらく気は合わないだろうな。
「なぁなぁなぁ。お前なんて名前なんだ? 俺、お前と友達になってやるよ! だってお前友達いないだろ!?」
数回の休み時間ののち、昼休みになってから転入生にうざ絡みされた。
「ううん。大丈夫だよぉ。だって僕は生徒会の皆様を追いかけないといけないから忙しいんだぁ。ごめんね」
「気にすんなよ! そんな嘘ついてまで一人になってもいいことないぞっ。俺が友達になってやるって!」
うざすぎワロタ。
ああ、いけない。人を煽ろうと練習していたオタク口調が出るほど我を忘れそうになってしまった。
「なぁなぁなぁ、お前名前なんて言うんだよ! 教えろよ! 俺の名前だけ知ってるの不公平だろ!」
お前の名前など知らん。
さっき自己紹介してたのは知っているが、俺は興味のない人間の名前を覚えるほど暇じゃないんだよ!
「僕はねぇ、みんなから親衛隊長って呼ばれてるからそう呼んでくれたらいいよぉ」
「分かった! でも親衛隊長ってものすごくキモいやつって聞いたけど、お前ってキモいのか!?」
「ん~。どうだろうねぇ」
俺は“悲しんでます”的な表情でそう言っておいた。
「だっ、大丈夫だぞ! お前がキモくても俺友達になってやるから!」
「そっかぁ。ありがとねぇ。じゃあ僕はこれから行くとこあるから行くねぇ~」
「あ! 待てよ! 食堂行くんだろっ。俺も連れてけよ! 友達だろ!!」
俺の腕をぐいぐいと引っ張りながらそう言われてストレスマックスだ。
なかなか諦めない転入生に諦めて一緒に食堂に向かった。
32
お気に入りに追加
1,386
あなたにおすすめの小説
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
掃除中に、公爵様に襲われました。
天災
BL
掃除中の出来事。執事の僕は、いつものように庭の掃除をしていた。
すると、誰かが庭に隠れていることに気が付く。
泥棒かと思い、探していると急に何者かに飛び付かれ、足をかけられて倒れる。
すると、その「何者か」は公爵であったのだ。
噂の補佐君
さっすん
BL
超王道男子校[私立坂坂学園]に通う「佐野晴」は高校二年生ながらも生徒会の補佐。
[私立坂坂学園]は言わずと知れた同性愛者の溢れる中高一貫校。
個性強過ぎな先輩後輩同級生に囲まれ、なんだかんだ楽しい日々。
そんな折、転校生が来て平和が崩れる___!?
無自覚美少年な補佐が総受け
*
この作品はBのLな作品ですので、閲覧にはご注意ください。
とりあえず、まだそれらしい過激表現はありませんが、もしかしたら今後入るかもしれません。
その場合はもちろん年齢制限をかけますが、もし、これは過激表現では?と思った方はぜひ、教えてください。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
全寮制男子高校生活~行方不明になってた族の総長が王道学園に入学してみた~
雨雪
BL
スイマセン、腐男子要素どこいった状態になりそうだったんでタイトル変えました。
元、腐男子が王道学園に入学してみた。腐男子設定は生きてますがあんま出てこないかもです。
書いてみたいと思ったから書いてみただけのお話。駄文です。
自分が平凡だと本気で思っている非凡の腐男子の全寮制男子校での話。
基本思いつきなんでよくわかんなくなります。
ストーリー繋がんなくなったりするかもです。
1話1話短いです。
18禁要素出す気ないです。書けないです。
出てもキスくらいかなぁ
*改稿終わって再投稿も終わったのでとりあえず完結です~
総受けなんか、なりたくない!!
はる
BL
ある日、王道学園に入学することになった柳瀬 晴人(主人公)。
イケメン達のホモ活を見守るべく、目立たないように専念するがー…?
どきどき!ハラハラ!!王道学園のBLが
今ここに!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる