上 下
78 / 86

63:初夜※

しおりを挟む
俺は侍従に丁寧に整えられた体で、ルカが来るのを待っていた。
今日はルカとの初夜だ。
お腹の中にはバイロンとの子がいるので、そうそう無理なプレイは出来ないが、せっかくルカが勝ち取った夫という立場の上、初夜ということで、クライブもバイロンも気を使い、2人きりだ。初夜と言っても、ルカと俺はすでにセックスをしてしまった仲なので、これが初夜というのかは分からないけれど、とにかく、今日はルカが夫になってから初めての共に過ごす夜だ。だから、俺は少し緊張していた。

トントントン

「はい」
「失礼します」

部屋の中に入ってきたルカは、どこからどう見ても普段通りで、緊張している様子はかけらもない。ベッドの淵に座っている俺のところまで真っ直ぐに歩いてくる間も、落ち着いた様子だ。

「バトラル様」
「ルカ、お疲れ様。まさか、褒賞に僕の夫になることを望むなんて、びっくりしたよ」
「そうですか? 私は初めからそのつもりでしたが」
「僕はてっきり、ジョーダンの罪を無くそうとしているのかと」

俺の言葉に、ルカは首を少し首を傾けてから笑った。

「はは。まさか。兄はしてはならないことをした。その罪はご自分で償っていただかないといけません。今現在、兄がどこで何をしているのかすら知りませんし興味もありません。私は、私の望むものを、私自身の手で勝ち取りました」
「そ、そっか」

ルカの真っ直ぐ見つめてくる強い眼差しにたじろいだ。

「緊張しているのですか。強引にことを運びましたが、もしかしてバトラル様は私が夫の1人になることを望んでいらっしゃらなかったとか」
「そんなことないよ。ただ緊張しちゃうから、その口調、この間みたいに普通にしてよ」

そう言うと、ルカは目を見開き、そして体から力を抜くように笑った。

「ああ……、そうだな。俺も緊張していたみたいだ」
「緊張? ルカが? そんな風に見えなかった」
「ずっと諦めていたバトラルの夫という地位を手に入れたんだ。そして、今日は正式にその体を抱くことが出来る。緊張しないわけがないだろう」
「そ、そっか」
「バトラル」
「ん……」

スケスケの寝衣はいとも簡単に脱がされていく。

「良い服を着てるな」

ルカはやたらと楽しそうだ。バイロンと同じく軍人として鍛え上げたルカは、けれど、バイロンとは違い手のゴツさは少ない。繊細な手つきで胸元を触られていると感じていた次の瞬間、ビリリと痛みが走った。

「い゛っ、ん、なに……?」
「小さい乳首だ。少し力を入れたら千切れてしまいそうだな」
「あ゛っ、い゛んんぁっ……んあっ」

ギュッと摘まれた乳首は、どんどんと力を入れられてビリビリと痛みと快感が全身を抜ける。
グリグリと捏ねられたり、押されたり、擦られたり、ドMじゃなければただ痛みを感じるだけだろう責めを受け、幸いなことにドMな俺は、ゾワゾワと腰のあたりに集まる快感に酔いしれた。

「痛そうだな」

そう言いながら俺を見下ろすルカはやはり何とも楽しそうな顔をしている。
その加虐的な表情に興奮し、ギュンとアナルがひくついた。

「ほら、もうぷっくりしている。こんなに赤くなって……うまそうだ」
「あ゛ぁっ!!」

執拗に刺激を与えられ赤くなった乳首に、噛みつかれるように吸いつかれ、脳がショートしそうなほどの快感が走った。そうしている間にも右足をルカの肩にかけさせられ、太腿が胸につくほどにルカの体に上から押さえつけられ、アナルに指を差し込まれた。

「ふぁ、んぁっ……っ!!」
「もうびしょびしょだ。乳首に歯が当たると、中が締まるの、自分で分かるか」
「ぁあっ、ふぁんん!! わか、ないっ」

乳首をギュ、ギュと摘まれ、噛まれ、虐められ俺の小さな突起はピンっと天井を向いている。
ギラついたルカの瞳は、サディスティックさがにじみ出ていて、俺の期待が高まった。

「ふっ……そうか。分からないのか。だが中に指を入れているとすぐわかる。バトラルの体は痛みで喜ぶ変態だということが」
「ああっ……っ、ルカぁ、るか」

ルカの言葉で興奮し体が震え始めた。
声音といい、セリフといい、話し方といい、ルカは高位貴族らしさを感じさせることなく、粗暴で最高だ。

「そろそろ入れるぞ。夜は長い……まぁ、バトラルは妊婦だから、あまり無理はさせないように、努力はするが」
「あっ……んぁあっ、ふぁっ!! ん゛ぁああ」
「あまり努力の結果は期待できないかもな」

冷静な声とは裏腹に、ルカの動きは激しかった。

バチュンゴリュン……ドチュン……バチュンゴリュン……ドチュン……ゴリュン

お腹に赤子が居るからか、奥の奥、結腸まで届かないくらいを責められ、その代わりとでも言うように、前立腺を硬いルカのそれで押しつぶすように揺さぶられた。

「バトラル、舌を出せ」
「んっぁあ……んんぁあっんんむむ」

大人しく舌を出すと、息も出来ないほどに激しい口付けをされた。

「夫は他にも増えるかもしれない。だが、次孕むのは俺の子だ。分かったか」
「ぁっ、んっ……っん……」

激しい責め苦に息も絶え絶えの中、俺はやっとのことで首を何度も縦に振った。

「……いい子だ」

嬉しそうに笑ったルカは動きを止め俺の頭を撫でた。俺はなぜか痛みも快感もないのに褒められた次の瞬間には射精した。そんな俺の痴態を見てルカは一瞬目を見開き、そして笑った。

「はは。嬉ションか。犬みたいだな……、だが、ご主人様がまだイっていないんだ、もう少し我慢できるだろ」
「あっ…んんぁああっ、んぁあっ!!! ひんぁあ!!」

動きを再開させたルカは、結局当然のように朝になるまで離してくれることはなかった。
そして俺は当然のように犬扱いされたことにひどく興奮し、最高の夜を過ごし大満足だった。


ーーーー
長らくお待たせしてすみませんでした。
毎日は投稿できないと思いますが、再開しました。
待っていただいていた方、本当にありがとうございます。
すっかり忘れていたので読み返してから続きを書きましたが、もしもおかしな点がありましたら、教えてくださると助かります。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界で性奴隷として生きてイクことになりました♂

あさきりゆうた
BL
【あらすじ】 ●第一章  性奴隷を軸とした異世界ファンタジーが開幕した! 世界は性奴隷の不遇な扱いを当たり前とするものだった。  ある時、現世の不運な死により転生した少年は助けた戦士の性奴隷となってしまった!? ●第二章  性奴隷を扱う施設、「性奴隷の家」内で、脱退の意思を示した男が監禁されることになった。その友人に課せられた命令は愛と狂気の入り交じった性的な拷問であった! ●第三章  義賊とよばれる盗賊は性奴隷の家から一人の性奴隷候補の子を誘拐した。その子はダークエルフの男の子だった。その子のあまりにも生意気な態度に、盗賊はハードプレイでお仕置きをすることにした。 ※変態度の非常に高い作品となっております   【近況報告】 20.02.21 なんか待たせてしまってすいませんでした(土下座!) 第三章は本編を絡めながら、ショタのダークエルフに変態的なプレイをする作者の欲望を表現するだけのおはなしです。 20.02.22 「大人しくしていれば可愛いな」を投稿します。一応シリアスめな展開になります。 20.02.23 「助けた礼は体で支払ってもらうぞ」を投稿します。引き続きシリアスな展開。そしてR18を書きたい。 20.02.24 試しに出版申請しました。まあ昔やって書籍化せんかったから期待はしていませんが……。 「欲望に任せたら子作りしてしまった」を投稿します。つい鬼畜にR18を書いてしまった。 あと、各章に名称つけました。 ついでに第一章の没シナリオを7話分のボリュームでのっけました。このシナリオ大不評でした(汗) ディープ層向けな内容です。 20.02.25 「束の間の握手だ」を投稿します。本編が進みます。 20.02.26 「妊夫さんですがHしたくなっちゃいました」を投稿します。 久々に第一章のお話書きました。そして妊婦さんならぬ妊夫さんとのHな話が書きたかったです。 20.02.27 「世話の焼けるガキだ」を投稿します。 話書いたのわしですが、酷い設定持たせてすまんなエルトくん。 20.02.28 「死んだなこりゃあ」を投稿します。展開上、まだR18を書けないですが、書きてえ。やらしいことを! 20.02.29 「性欲のまま暴れて犯るか」を投稿します。R18回です。この二人はどうも男よりの性格しているのでラブシーンの表現苦戦しますね・・・。 20.03.01 「お前と一緒に歩む」を投稿しました。第三章、良い最終回だった…としたいところですが、もっとR18なお話を書く予定です。 後、第四章あたりで物語を終結させようかと考えています。 20.03.05 職場がキツくて鬱になりました。しばらくは執筆できないかもしれないです。またいつか再開できたらなと思っています。

特殊な学園でペット扱いされてる男子高校生の話

みき
BL
BL R-18  特殊な学園でペット扱いされてる男子高校生が、無理矢理エロいことされちゃう話。 愛なし鬼畜→微甘 貞操帯 射精管理 無理矢理 SM 口淫 媚薬 ※受けが可哀想でも平気な方向け。 高校生×高校生 ※表紙は「キミの世界メーカー」よりお借りしました。 凪に顎クイされてる奏多イメージ

媚薬盛られました。クラスメイトにやらしく介抱されました。

みき
BL
媚薬盛られた男子高校生が、クラスメイトにえっちなことされる話。 BL R-18 ほぼエロです。感想頂けるととても嬉しいです。 登場キャラクター名 桐島明×東郷廉

虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)

美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!

過労死で異世界転生したのですがサキュバス好きを神様に勘違いされ総受けインキュバスにされてしまいました

ムーン
BL
ブラック企業に勤めていた俺はある日突然死んでしまった。女神様に転生させてもらえたところまでは良かったのだが、その内容が問題だった。 女神はサキュバスもののエロ本を買っていた俺の好みを曲解し、男版のサキュバス……インキュバスに転生させた。しかも女神様の心付けで男にモテるように、 いわゆる総受け体質にされてしまった。 そのせいでモンスターに性的な意味で襲われるようになったけれど、ヤンデレ気味の弟やドSな勇者様、術や道具を使って落とそうとしてくる精霊使いにいきなり求婚してきた優しいオーガ……彼らに前世では経験できなかった愛情と快楽を与えられ、俺は過酷な世界で生きることを決めた。 人間の女性を襲えないから男から精液をもらうしかないと言い訳して、淫乱になっていくのは俺の流されやすい性格ではなくインキュバスの身体のせいだと言い訳して、抱かれる悦びに溺れていく。 ──── ────── ※暴力・流血・凌辱表現注意 ※攻めが複数居る。主人公が嫌がっても痛がっても犯されることがある。などが苦手な方は避けてください。 ※なんでもいいよ! 酷い目に遭う子が好きだよ! という趣味がないなら避けてください。 ※別投稿の作品と同世界の物語ですが、キャラ・ストーリー共にほぼリンクしないので気にしないでください自己満足です。

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

処理中です...