肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

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62:謁見

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「ギルバー侯爵」
「皇太子殿下、ただいま戻りました」

ズンズンと歩いてきたルカは、クライブの呼びかけに応えながらも俺を見据えた。

「ああ。貴殿の活躍は凄まじいものだったと聞き及んでいる」
「は。ありがたきお言葉にございます」
「……まぁ、こうなってしまってはこんな堅苦しい言葉じゃなくてもいいか。同じ妻を持つことになるのだし」

クライブが言った言葉を聞き、俺は頭にはてなを浮かべた。
クライブと同じ妻? クライブの妻は俺だけだと思うがどういうことだろうか。

「それにしても、その様子を見る限り帰国してすぐだろう。バトラルに会いたかったのかもしれないが、湯あみして埃を落としてきてくれ。その後、すぐに陛下に謁見をできるよう取り計らうから」
「承知しました。ではすぐに戻って参ります」

そう言ったのにも関わらずルカは、ジッと俺を見て動かなかった。
その様子を見て、クライブが小さく息を吐いた。

「……バトラル、労いの言葉でもかけてあげて。ギルバー侯爵はこの2週間、言葉通り命がけで戦っただろうから」
「う、うん。ルカ、お疲れ様。ルカが無事に帰ってきてくれて嬉しいよ。それにルカのお願いが叶えてもらえるなんて、僕も嬉しい」
「ありがとうございます、バトラル様」

ルカはふわりと嬉しそうに、穏やかな顔で笑った。

「うん。あ、一応言っておくけど、陛下にお願いするお願いは、僕に気を使わなくて良いからね。これはルカが頑張って手に入れた権利なんだから」

そう言うと、ルカは不思議そうに首を傾げた。

「はあ。気を使わなくて良いですか。はい。もちろん、この件に関してバトラル様に気を使うつもりは一切ありません」
「え、そ、そう」

ジョーダンの罪を無くそうとしているだろうルカに、俺に気を使わなくて良いと言ってみたが何もそこまで断言しなくても良いだろうと少し怯んでしまった。
ジョーダンが今どこで何をしているのか知らないが、俺を誘拐した罪を償っているのだろう。確かにジョーダンはルカほどではなくても優秀だった。それにルカのたった1人の兄なわけだし。ルカが1人で、2週間という短さで戦争を終わらせてくるほどに必死に連れ戻そうと思うのも分かる。

ルカに困惑したままの俺を残し、ルカは湯あみに行ってしまった。

その後、青ざめた顔のまま端の方で存在感をなくしていたキンデルは数名の騎士に連れて行かれた。
顔を真っ青にして、抵抗らしい抵抗はしていなかった。

そして、俺たちはベノンを侍従に任せ、ルカの凱旋のための謁見の間に向かった。
湯あみに向かったルカは、俺たちが謁見の間についてからたったの数分で準備を終え謁見の間に入ってきた。

「ルカ・ギルバー侯爵。此度は、ご苦労であった」
「は。ありがたき幸せにございます」
「して、さっそくであるが、此度の褒賞として何か望みのものがあるとか。それはなんだ」
「は。私の望みは、バトラル様の夫になること。ただ1つでございます」

ルカの言葉に、俺はびっくりしすぎて気絶しそうになった。椅子に座っていなかったら、倒れていたかもしれない。けれど、俺のそんな状態に気づかれることなどもちろんなく、話はすすんでいった。

「ほう。確かルカ・ギルバー侯爵は特級アルファであったな。前侯爵の罪でギルバー公爵家はバトラルのみならずオメガ男性との結婚は禁止されていたが……ふむ。よかろう。此度の活躍は凄まじい。ルカ・ギルバー侯爵がバトラルの夫となることを認める」

皇帝陛下は快く頷いて、ルカの願いを聞き入れた。
え? 俺の許可は?
そんな、本人の許可なく売りに出される家畜やペットのような扱いに、当然俺は内心かなりドキドキした。

「では、せっかくだ。誓いのキスでもしたらどうだ?」
「良いのですか?」

陛下の問いかけに、ルカは聞き返しながらもサッと俺に近寄った。
手慣れた様子で俺の腕を引き、椅子から立ち上がらせたかと思ったら、腰を抱き寄せ顎を掴まれ、あっと声を上げた瞬間、口内に舌を差し込まれ、舌を吸われ、噛まれた。口の端から唾液がこぼれ、顎を伝って下に落ちても、ルカは止まることはなく、俺は息も絶え絶えだった。
しばらくして、解放された後は頭をめぐる空気が少ないのか、ボーとした。そんな俺をルカが上から見下ろし、笑ったのが雰囲気でわかった。

「その腹の……公爵閣下の子が生まれたら、すぐに俺の子を孕ませてやる」
「ぁ……」

耳元で低く囁かれた声に、俺の意識は一気に覚醒し、ギュンとアナルが反応した。
それから、腰砕けになった俺は自室まで運ばれた。

ルカが俺の夫の1人になったのは、それからわずか3日後だった。



ーーーーー

申し訳ありません。
BL大賞に小説をあげたいので、こちらの作品はお休みさせていただきます。
続きも考えていないので、いつ再開するかも未定です。
楽しみに読んでくださっている方には、大変申し訳ありません。
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