肉便器エンド！？ それって最高じゃん

１３：妄想どおり？

目的地に着いたのか、硬い床にどさりと降ろされた。
倒れた拍子に床についた頬から察するに、土の上のような場所らしい。

「なぁ、このガキ、オメガなんだろう？」
「そうだって本人が言ったらしいが。俺も本物は見たことねぇから、本当かどうか分かんねぇ」
「でも、本当なんじゃね？　だってめっちゃ柔らかいぜ」

床に降ろされてから俺の体を後ろでに拘束し始めた男が、無遠慮に体のあちこちを触りながらそう言った。

「おい、お頭が丁重に扱えって言ってたろ」
「はぁ？　丁重に扱ってんだろ。ちっと触っただけだ」

男の声は３人ほどに聞こえる。どうやら俺の扱い方においての意見の食い違いで、一触即発の雰囲気になっているようだ。こういう場合って、どうせ「俺たちじゃオメガなんて抱ける機会一生ないぜ。なら、お頭に内緒で味見くらいしてみるってのはどうよ」と、俺を凌辱するイベントが始まるわけだ。そんで、「商品になるものだからな。傷つけないように慎重にしろよ」と、なるわけだ。なんだよそれ、なんだよそれ。最高じゃないか。

俺がそんな妄想を楽しんでいると、１人の男が「なぁ」と静かに呟いた。
そして喧嘩していた２人も「なんだよ？」と耳を傾けると１人の男が言った。

「俺たちじゃオメガなんて抱ける機会一生ないぜ。なら、お頭に内緒で味見くらいしてみるってのはどうよ」
「え゛ぇ！！？」

妄想と一言一句違わない男の言葉に、俺はどこから出たかも分からない驚きの声をあげた。

「あ゛？　なんだよ、お前。起きてたのか。静かすぎるから寝ているかと思ってたぜ」
「いや、あの。今おきました、はい」

しどろもどろで答えると、男の１人はククと声を漏らした。

「まぁ、その様子じゃ俺たちの今の話は聞いてたと思うが、今から俺たちからされることに抵抗したり騒いだりしない方が身のためだぜ。この部屋の外には、俺たちの仲間がたーくさんいるんだ。お前が声をあげたら人が集まるぞ。そん中に、お前を助けてくれる人間は当たり前だが１人もいない。なぁ、お前を味見する人数は少ない方が良い。そう思わないか？」

俺は男の言葉を聞いて、体を震わせた。
たくさんの賊に襲われる。最高！
それは俺からしたら最高にハッピーな展開だ。楽しみすぎて震えが止まらない。だが、その俺の心を知る人はいないし、無理やりされるというシチュエーションが好きな俺は、男達の言葉に怯えたような動きを意識しながら、コクコクと頷いた。

「ふん。分かれば良い」

俺の態度に気をよくしたのか、男は笑ったような声でそう言って、俺の服を脱がせ始めた。

「おい、商品になるものだからな。傷つけないように慎重にしろよ」

俺の服を脱がせる男に向かって、他の男が声をかけた。
今のセリフも、俺の妄想のセリフだ！

「分かってるつうの」

応える男は、簡単にそして丁重に俺の服を脱がせ終えた。
男達に犯される準備をされながら俺は興奮した。

前世から願っていた夢がついに叶う時がきたのだと。

けれども、興奮している頭の片隅で、クライブは無事に城に帰れただろうかと心配した。