上 下
25 / 43

21ー3 ※

しおりを挟む
「ふ、んん……ぁあ!! はぁ、ぁっ」
「ほら、千景。少しずつ開いていているね」
「ぁ、んっ……ぁっはぁ」

僕の中の行き止まりのようになっている部分を、フェルレントは優しく、けれど少し強引にこじ開けようと動いた。
たっぷりと時間をかけて僕の体を慣らそうとしてくれる。

そうしているうちに突然、ズプン!!! と今まで入らなかった部分まで入った。

「あ゛っ!!!! うぁ……んんっ!!」

そのまま奥まで挿入されて、フェルレントの腰が僕の腰にピタリとくっついた。

「はぁ……気持ちいい。千景……大丈夫かい?」
「んっ」

背後に迫ったフェルレントの呼気が首筋に当たった。

「千景、愛している」
「あぁっ、僕も、フェルレントを愛してるっ」
「千景……」

そして、フェルレントは甘い声で僕の名を呼び僕のうなじに牙を立てた。
ツプリとうなじの皮膚に突き刺さる感覚がして、痛いはずなのに怖いくらいに気持ちが良いい。フェルレントは僕の傷跡から出てくる血を、嬉々として舐めた。僕の後孔は番ったことで、より潤いを増して抽挿を助ける。

「ぁあぁっ、んんぁ」
「これで、君は私のものだ。他の誰にも邪魔はできない」

僕はもう、フェルレントのもの。嬉しい。
フェルレントももう僕のものだ。
アルファは複数番を持てるけど、フェルレントはそんなことはしないって信じてる。

「んんっ、ぁはぁ……っ」

僕は入ったままの体勢でひっくり返されて、フェルレントと向き合う形にされて、もう体の全てが密着しちゃってるんじゃないかと思うほどに抱き寄せられた。
お腹の中は、フェルレントでいっぱいいっぱいで少し苦しい。
だけど、包み込まれるこの体勢はすごく幸せで、気持ちが良かった。

ともすれば、抜け出すことなど出来ないように押さえつけられているような体勢だけど、とても安心する。

「ぁ、ぁぁ、あっ、ぁ」
「千景、千景……、私の愛しい子」

密着したまま揺さぶられながら、僕の大好きな低くて甘い声で攻められる。
首筋を耳の裏まで舐め尽くされ、ゾワゾワと快感が腰に響いた。
全く、何でこんなに舐めてくるんだか、変態すぎると思っていた僕も、それで感じちゃってるから同じくらい変態だ。

「ぁ、んん、フェルレントっ」

フェルレントの動きが一層早くなり、今の僕の体に内臓があるのかどうか分からないけど、内臓まで持っていかれるんじゃないかと思うほど激しくて、腰が快感でガクガクと震えた。
髪の毛をかきあげられ、額や頬に口付けられ、そのあと口の中も存分に舐め尽くされて犯される。

「……千景、出すよ」
「あぁ!!!」

ビュルル!!

僕の中にフェルレントの熱いそれが吐き出された。
その刺激で僕のそこからもピュルッと飛び出る。

「はぁ……千景、好きだよ」
「僕も」

全体力をかけたようなセックスで、僕はもう疲れ果て、微睡んでいた。
疲労感が心地いい。もうこのまま眠ってしまいたいけど、お風呂に入らないとベタベタしている。

けれど、僕の中に入ったままのフェルレントが、全然小さくなっていないことに気がついて眠気が覚めた。
驚愕の気持ちでフェルレントを見上げると、困ったようにハニカんだフェルレントと目が合う。

「千景。もう1回」
「え、もう今日は」

僕の言葉は、ニコリと微笑んだフェルレントに阻止された。
あ、甘やかしたいと言ってくれたのに。話が違う。
けれど、なんだかんだあの手この手で気分を乗せられて、結局それから3回も揺さぶられ続けた。

さすがに疲れ果てて、ベットに沈み込む僕の体を、フェルレントが艶々の顔で拭っているところを見て、フェルレントが満足なら嬉しいと思っているんだから僕もかなり重症だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

運命の番はいないと診断されたのに、なんですかこの状況は!?

わさび
BL
運命の番はいないはずだった。 なのに、なんでこんなことに...!?

成り行き番の溺愛生活

アオ
BL
タイトルそのままです 成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です 始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください オメガバースで独自の設定があるかもです 27歳×16歳のカップルです この小説の世界では法律上大丈夫です  オメガバの世界だからね それでもよければ読んでくださるとうれしいです

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

ゆい
BL
涙が落ちる。 涙は彼に届くことはない。 彼を想うことは、これでやめよう。 何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。 僕は、その場から音を立てずに立ち去った。 僕はアシェル=オルスト。 侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。 彼には、他に愛する人がいた。 世界観は、【夜空と暁と】と同じです。 アルサス達がでます。 【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。 随時更新です。

転生するにしても、これは無いだろ! ~死ぬ間際に読んでいた小説の悪役に転生しましたが、自分を殺すはずの最強主人公が逃がしてくれません~

槿 資紀
BL
駅のホームでネット小説を読んでいたところ、不慮の事故で電車に撥ねられ、死んでしまった平凡な男子高校生。しかし、二度と目覚めるはずのなかった彼は、死ぬ直前まで読んでいた小説に登場する悪役として再び目覚める。このままでは、自分のことを憎む最強主人公に殺されてしまうため、何とか逃げ出そうとするのだが、当の最強主人公の態度は、小説とはどこか違って――――。 最強スパダリ主人公×薄幸悪役転生者 R‐18展開は今のところ予定しておりません。ご了承ください。

貴方の事を心から愛していました。ありがとう。

天海みつき
BL
 穏やかな晴天のある日の事。僕は最愛の番の後宮で、ぼんやりと紅茶を手に己の生きざまを振り返っていた。ゆったり流れるその時を楽しんだ僕は、そのままカップを傾け、紅茶を喉へと流し込んだ。  ――混じり込んだ××と共に。  オメガバースの世界観です。運命の番でありながら、仮想敵国の王子同士に生まれた二人が辿る数奇な運命。勢いで書いたら真っ暗に。ピリリと主張する苦さをアクセントにどうぞ。  追記。本編完結済み。後程「彼」視点を追加投稿する……かも?

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...