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Fragrance 8-タビノカオリ-
第11話『君の名は。-前編-』
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遥香をベッドに寝かせてから10分後、お兄さんが1501号室に戻ってきた。
「ただいま」
「おかえり、隼人」
「おかえりなさい、お兄さん。宮原さんの方はどうでしたか?」
「ベッドの上でぐっすりと眠っているよ。藍沢さんとは連絡先を交換したから、宮原さんが目を覚ましたら彼から連絡が来る。ちなみに、2人が泊まっているのは1010号室で、俺達と同じダブルルームだった」
「そうですか……」
宮原さんの方も今は眠っている、か。大事に至っていなければいいけれど。目を覚ましたら一言謝っておかないと。
「隼人も何か飲む?」
「ああ、温かいコーヒーを淹れてくれるかな」
「うん」
「ありがとう、奈央」
お兄さんはベッドに腰を下ろした。そして、遥香のことを優しい目つきで見ている。
「遥香も今はぐっすりと眠っているか」
そう言って、お兄さんは遥香の頭を優しく撫でる。
「隼人、コーヒーを淹れたよ」
「お兄さん、椅子に座ってください。私は……遥香の側にいたいですから、ベッドに座っています」
「ああ、分かった」
お兄さんは椅子に座ると、奈央さんの淹れたコーヒーを飲んだ。そんな彼のことを見る奈央さんがとても嬉しそうに見える。
「うんっ……」
遥香のそんな声が聞こえた。
遥香の方を向くと、彼女は目を擦りながらもゆっくりと体を起こした。
「遥香! 目を覚ましたんだね。良かった……」
朝から具合が悪くて、宮原さんとぶつかって意識を失って。一時は意識がもう戻らないって思ったから、こうして遥香が目を覚ましたことがとても嬉しかった。
「はるかああっ!」
「えっ?」
私は遥香のことをぎゅっと抱きしめる。遥香が意識を取り戻して、本当に良かった。そんな彼女のことを抱きしめることができることが幸せなのだと改めて思った。
「おっ、遥香が目を覚ましたんだ」
「遥香ちゃん、良かった……」
お兄さんと奈央さんも安堵の笑みを浮かべていた。
遥香が意識を取り戻したことを藍沢さんに伝えないといけないな。それをお兄さんに伝えようとしたときだった。
「あの、直人先輩……藍沢直人はどこにいるんですか? あと、ショートボブの女の子……遥香さんは大丈夫ですか?」
遥香がそんなことを言ったのだ。
遥香のことを見ると、心配そうな表情をして私達のことを見ている。藍沢さんのことはともかく、どうして遥香は自分自身のことを大丈夫なのかって私達に訊くんだ?
「昨日、坂井さんを助けた藍沢さんと、妹さんの遥香さんのことですよ……って、あれ?」
そう言うと、遥香は何を思ったのか、怪訝そうな表情をして喉周辺を触っている。風邪でも引いちゃったのかな。しかも、かなり重症の。
とにかく、遥香は遥香なんだということをちゃんと伝えないと。
「何を言っているんだよ、遥香。藍沢さんってあの青髪の男性だよね。彼は彼と宮原さんが泊まっている10階の部屋にいるよ」
「えっ、じゃあ、ここは違う客室……?」
「それに、遥香はここにいるじゃん」
どうやら、自分が坂井遥香だということが信じられない様子なので、私はバッグの中から手鏡を取り出して、遥香に渡す。
すると、遥香は意識を取り戻してから一番の驚いた表情を見せ、
「ええっ! 何なのこの可愛い子は!」
そう叫んだのだ。遥香って……ナ、ナルシストな性格だったっけ? こういうことは言わないので、まるで別の人物が遥香のことを見たかのように聞こえる。
「どういうこと……」
口だけ笑ってみたり、目つきを細くしたり、髪の毛を引っ張ったり。意識を取り戻してからは、見た目は遥香なのに、どうも反応や言動が遥香とは思えない。
まさか……いや、あり得ない。でも、訊いてみないと真実は分からない。
「ねえ。……君の名は?」
「宮原彩花です」
みやはらあやか? 坂井遥香ではなく、宮原彩花さん?
『えええっ!』
私と奈央さんの驚きの声が重なる。目の前にいるのは遥香じゃなくて、宮原彩花さん? ど、どういうことなんだ? 実はこれまでのことは私の夢の中で起こっているとか?
「つまり、妹の遥香は宮原さんと入れ替わってしまったのか。まさか、現実にそういうことが起こるなんて。入れ替わるとしたら、さっき、食事会場の近くにあったお手洗いでぶつかったときだろうね」
「そう……だと思います」
坂井さんと、当の本人である宮原さんは落ち着いた様子を見せる。何でそんなに落ち着いていられるの?
「意外と落ち着いているんだね、遥香……じゃなくて宮原さん」
「可愛い女の子ですからね。直人先輩や坂井さんと入れ替わってしまった方が慌ててしまうと思います」
「確かにそうだね。女の子同士なのがまだ良かったのかな。まあ、本人が落ち着いているのが何よりだよ。ほら、絢さんと奈央も落ち着いて」
「だって、超常現象が起きたんですよ! お兄さん!」
「入れ替わるなんてアニメだよ、アニメ!」
そう、入れ替わるなんて現実離れしているというか、二次元の世界にしか起こらないと思っていた。事実は小説より奇なりとも言うけれど、世の中、何が起こるか分からないものだな。
「ということは、藍沢さんと一緒にいる宮原さんの体の中に遥香の魂が入っているってことなのかな」
「そうだと思います」
あの天使のような宮原さんの体の中に、遥香の魂がいるのか。遥香が入れ替わりの事実を知ったとき、どんなことを想うんだろう。入れ替わったことのショックなのか、宮原さんの体の中にいる幸福なのか。
「……そっか。やっと落ち着いてきた。ええと……宮原さんだっけ。私、坂井遥香と付き合っている原田絢といいます」
「原田絢さんですね。素敵なお名前ですね、絢さん」
「……さん付けで呼ばれるとキュンする。遥香の声だからかな。彩花さん」
遥香は私のことをちゃん付けだからなぁ。遥香の声でさん付けされると距離感があるけれど、彩花さんだと思えばそんな感覚もなくなっていく。
――プルルッ。
誰かのスマートフォンが鳴っている。
「おっ、藍沢さんからだ。向こうの方も意識を取り戻したんだろうね」
そう言って、お兄さんは藍沢さんからの通話に出る。
『藍沢ですが』
通話に出るときに、お兄さんがスピーカーホンにしてくれたのか、藍沢さんの声が聞こえる。
「坂井です」
『あの……こちらの方は意識を取り戻しました。体調の方は大丈夫なんですが、その……彩花の体の中に入っている人格といいますか、魂といいますか。一言で言うと、遥香さんと彩花が入れ替わってしまったようなんです』
やっぱり、今の宮原さんの体に入っているのは遥香の魂なんだ。
「……やはりそうでしたか。こっちの方も体調は良くなったんですが、遥香の様子がどうもおかしいと思ってよく話してみたら、どうやら遥香の姿をした宮原さんのようで……」
『すみません。これからそちらに行ってもよろしいでしょうか。実際に2人を合わせて入れ替わっていることを確認したいので。部屋は15階の1501号室と1502号室ですよね』
「そうです。では、部屋でお待ちしています」
『分かりました。今すぐそちらに向かいます。失礼します』
お兄さんがそう言うと、通話の切れる音が聞こえた。
藍沢さん、落ち着いている様子だったな。遥香と宮原さんの体が入れ替わったのに。どちらとも意識を取り戻したからひと安心しているのかな。
「予想通り、宮原さんは遥香と入れ替わったようだ。今から藍沢さんと宮原さんの体に入っている遥香がこっちに来ることになった。現状の確認のためにも、お互いに入れ替わっていることを自分達の目で確認して欲しい」
「分かり……ました」
遥香の魂が入っている自分の姿を見るのって、きっと複雑な気持ちだろうな。
私も遥香とどう向き合えばいいんだろう。こんなこと、想像もしていなかったし。実際に遥香と会ってみないと分からないのかもしれない。そんなことを考えながら、藍沢さんと遥香が来るのを静かに待つのであった。
「ただいま」
「おかえり、隼人」
「おかえりなさい、お兄さん。宮原さんの方はどうでしたか?」
「ベッドの上でぐっすりと眠っているよ。藍沢さんとは連絡先を交換したから、宮原さんが目を覚ましたら彼から連絡が来る。ちなみに、2人が泊まっているのは1010号室で、俺達と同じダブルルームだった」
「そうですか……」
宮原さんの方も今は眠っている、か。大事に至っていなければいいけれど。目を覚ましたら一言謝っておかないと。
「隼人も何か飲む?」
「ああ、温かいコーヒーを淹れてくれるかな」
「うん」
「ありがとう、奈央」
お兄さんはベッドに腰を下ろした。そして、遥香のことを優しい目つきで見ている。
「遥香も今はぐっすりと眠っているか」
そう言って、お兄さんは遥香の頭を優しく撫でる。
「隼人、コーヒーを淹れたよ」
「お兄さん、椅子に座ってください。私は……遥香の側にいたいですから、ベッドに座っています」
「ああ、分かった」
お兄さんは椅子に座ると、奈央さんの淹れたコーヒーを飲んだ。そんな彼のことを見る奈央さんがとても嬉しそうに見える。
「うんっ……」
遥香のそんな声が聞こえた。
遥香の方を向くと、彼女は目を擦りながらもゆっくりと体を起こした。
「遥香! 目を覚ましたんだね。良かった……」
朝から具合が悪くて、宮原さんとぶつかって意識を失って。一時は意識がもう戻らないって思ったから、こうして遥香が目を覚ましたことがとても嬉しかった。
「はるかああっ!」
「えっ?」
私は遥香のことをぎゅっと抱きしめる。遥香が意識を取り戻して、本当に良かった。そんな彼女のことを抱きしめることができることが幸せなのだと改めて思った。
「おっ、遥香が目を覚ましたんだ」
「遥香ちゃん、良かった……」
お兄さんと奈央さんも安堵の笑みを浮かべていた。
遥香が意識を取り戻したことを藍沢さんに伝えないといけないな。それをお兄さんに伝えようとしたときだった。
「あの、直人先輩……藍沢直人はどこにいるんですか? あと、ショートボブの女の子……遥香さんは大丈夫ですか?」
遥香がそんなことを言ったのだ。
遥香のことを見ると、心配そうな表情をして私達のことを見ている。藍沢さんのことはともかく、どうして遥香は自分自身のことを大丈夫なのかって私達に訊くんだ?
「昨日、坂井さんを助けた藍沢さんと、妹さんの遥香さんのことですよ……って、あれ?」
そう言うと、遥香は何を思ったのか、怪訝そうな表情をして喉周辺を触っている。風邪でも引いちゃったのかな。しかも、かなり重症の。
とにかく、遥香は遥香なんだということをちゃんと伝えないと。
「何を言っているんだよ、遥香。藍沢さんってあの青髪の男性だよね。彼は彼と宮原さんが泊まっている10階の部屋にいるよ」
「えっ、じゃあ、ここは違う客室……?」
「それに、遥香はここにいるじゃん」
どうやら、自分が坂井遥香だということが信じられない様子なので、私はバッグの中から手鏡を取り出して、遥香に渡す。
すると、遥香は意識を取り戻してから一番の驚いた表情を見せ、
「ええっ! 何なのこの可愛い子は!」
そう叫んだのだ。遥香って……ナ、ナルシストな性格だったっけ? こういうことは言わないので、まるで別の人物が遥香のことを見たかのように聞こえる。
「どういうこと……」
口だけ笑ってみたり、目つきを細くしたり、髪の毛を引っ張ったり。意識を取り戻してからは、見た目は遥香なのに、どうも反応や言動が遥香とは思えない。
まさか……いや、あり得ない。でも、訊いてみないと真実は分からない。
「ねえ。……君の名は?」
「宮原彩花です」
みやはらあやか? 坂井遥香ではなく、宮原彩花さん?
『えええっ!』
私と奈央さんの驚きの声が重なる。目の前にいるのは遥香じゃなくて、宮原彩花さん? ど、どういうことなんだ? 実はこれまでのことは私の夢の中で起こっているとか?
「つまり、妹の遥香は宮原さんと入れ替わってしまったのか。まさか、現実にそういうことが起こるなんて。入れ替わるとしたら、さっき、食事会場の近くにあったお手洗いでぶつかったときだろうね」
「そう……だと思います」
坂井さんと、当の本人である宮原さんは落ち着いた様子を見せる。何でそんなに落ち着いていられるの?
「意外と落ち着いているんだね、遥香……じゃなくて宮原さん」
「可愛い女の子ですからね。直人先輩や坂井さんと入れ替わってしまった方が慌ててしまうと思います」
「確かにそうだね。女の子同士なのがまだ良かったのかな。まあ、本人が落ち着いているのが何よりだよ。ほら、絢さんと奈央も落ち着いて」
「だって、超常現象が起きたんですよ! お兄さん!」
「入れ替わるなんてアニメだよ、アニメ!」
そう、入れ替わるなんて現実離れしているというか、二次元の世界にしか起こらないと思っていた。事実は小説より奇なりとも言うけれど、世の中、何が起こるか分からないものだな。
「ということは、藍沢さんと一緒にいる宮原さんの体の中に遥香の魂が入っているってことなのかな」
「そうだと思います」
あの天使のような宮原さんの体の中に、遥香の魂がいるのか。遥香が入れ替わりの事実を知ったとき、どんなことを想うんだろう。入れ替わったことのショックなのか、宮原さんの体の中にいる幸福なのか。
「……そっか。やっと落ち着いてきた。ええと……宮原さんだっけ。私、坂井遥香と付き合っている原田絢といいます」
「原田絢さんですね。素敵なお名前ですね、絢さん」
「……さん付けで呼ばれるとキュンする。遥香の声だからかな。彩花さん」
遥香は私のことをちゃん付けだからなぁ。遥香の声でさん付けされると距離感があるけれど、彩花さんだと思えばそんな感覚もなくなっていく。
――プルルッ。
誰かのスマートフォンが鳴っている。
「おっ、藍沢さんからだ。向こうの方も意識を取り戻したんだろうね」
そう言って、お兄さんは藍沢さんからの通話に出る。
『藍沢ですが』
通話に出るときに、お兄さんがスピーカーホンにしてくれたのか、藍沢さんの声が聞こえる。
「坂井です」
『あの……こちらの方は意識を取り戻しました。体調の方は大丈夫なんですが、その……彩花の体の中に入っている人格といいますか、魂といいますか。一言で言うと、遥香さんと彩花が入れ替わってしまったようなんです』
やっぱり、今の宮原さんの体に入っているのは遥香の魂なんだ。
「……やはりそうでしたか。こっちの方も体調は良くなったんですが、遥香の様子がどうもおかしいと思ってよく話してみたら、どうやら遥香の姿をした宮原さんのようで……」
『すみません。これからそちらに行ってもよろしいでしょうか。実際に2人を合わせて入れ替わっていることを確認したいので。部屋は15階の1501号室と1502号室ですよね』
「そうです。では、部屋でお待ちしています」
『分かりました。今すぐそちらに向かいます。失礼します』
お兄さんがそう言うと、通話の切れる音が聞こえた。
藍沢さん、落ち着いている様子だったな。遥香と宮原さんの体が入れ替わったのに。どちらとも意識を取り戻したからひと安心しているのかな。
「予想通り、宮原さんは遥香と入れ替わったようだ。今から藍沢さんと宮原さんの体に入っている遥香がこっちに来ることになった。現状の確認のためにも、お互いに入れ替わっていることを自分達の目で確認して欲しい」
「分かり……ました」
遥香の魂が入っている自分の姿を見るのって、きっと複雑な気持ちだろうな。
私も遥香とどう向き合えばいいんだろう。こんなこと、想像もしていなかったし。実際に遥香と会ってみないと分からないのかもしれない。そんなことを考えながら、藍沢さんと遥香が来るのを静かに待つのであった。
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