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第17話『半分、苦い。』
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――翼君のことが大好き。恋人としてあたしと付き合ってくれませんか。
鈴音さんは素直な言葉で告白し、僕のことをぎゅっと抱きしめながらキスしてきた。そのことで、鈴音さんの温もりと柔らかさを全身で感じる。彼女の口からミルクの甘い匂いも。そのことにドキドキはするけれど、それだけじゃない。
桜海大学のキャンパスを見学したとき、鈴音さん……松雪先生に好きな人がいるって言っていたけど、あれって僕のことだったんだ。出会った頃からのことを思い出すと、彼女が僕のことが好きそうな素振りを何度も見せていた気がする。
唇を離すと、そこには目を潤ませ、真剣な表情で僕を見つめる鈴音さんの姿があった。
「これ、あたしのファーストキスだから。翼君は?」
「僕も初めてですよ。ファーストキスですよ」
「……そうなんだ。嬉しいな」
そう呟き、鈴音さんは言葉通りの嬉しそうな笑みを浮かべる。それが普段以上に可愛らしく想えるのだ。これもファーストキスの影響なのだろうか。
「バイトが終わって離れることになっちゃうけど、翼君とはこれからもずっと恋人として繋がっていたいの。あたしのわがままはまだあるよ。桜海大学に興味があるんだったら、あたしの後輩になってほしい。もしそうなったら、ここでもいいから同棲してほしい。そんな翼君との未来ばかりを思い描くほど、翼君のことが好きなんだよ」
「鈴音さん……」
「翼君のしたいことなら何だってするよ。本音を言えば、あたしはずっとしたいって思ってきたんだよ。あたしの頭の中ではもう何度もしちゃっているけれど」
頬を真っ赤にしながらそう言って、鈴音さんは着ているノースリープのワイシャツのボタンを外し始める。
「ちょ、ちょっと待ってください! 鈴音さん可愛いですし、告白されたばかりですから……そんなことをされたら僕、どうにかなっちゃいそうです」
僕は鈴音さんの手をぎゅっと握った。
今の時点で、鈴音さんの綺麗な白い肌と黒い下着、そして深い谷間が見えていた。服の中から香ってくる鈴音さんの濃厚な甘い匂いが鼻腔をくすぐらせる。
「嬉しいよ。あたしでどうにかなっちゃいそうだなんて。あたしを意識してくれているってことでしょう? どうにかなっちゃってもいいんだよ、翼君。あたし、そのための準備はできてるから」
鈴音さんは僕に優しげな笑みを見せ続けてくれる。
「ねえ、翼君。……あたしの告白を受け入れてくれる?」
鈴音さんは顔を真っ赤にして視線をちらつかせる。
確かに、彼女はとても可愛くて、明るくて、気さくで……恋人にするにはとてもいい人なんじゃないかと思う。けれど、
「……ごめんなさい。僕は鈴音さんと恋人として付き合うことはできません」
ぼんやりと鈴音さんとの楽しそうな未来は見えた。しかし、悲しげな笑みを浮かべる明日香や咲希の姿がはっきりと見えてしまったのだ。
すると、鈴音さんは一つため息をついて、
「もうちょっとだった気がしたけどな。でも、やっぱり……って思ったよ」
そう呟いて、大きな涙をいくつもこぼす。それでも彼女の笑みが絶えることはなかった。
「きっと、翼君の恋人になるのは明日香ちゃんか咲希ちゃんなんだよね」
「……たぶん、そうだと思います」
「うん、やっぱり。大学を見に行ったときにそう思ったんだ。もちろん、バイトだからっていうのもあると思うけれど、あたしの前じゃ見せない自然の姿を明日香ちゃんや咲希ちゃんに見せていたように思えて。それが悔しくて、嫉妬もして」
「鈴音さん……」
「連絡先も交換したし、きっとバイトを辞めた後も会う機会はあると思う。でも、ここで告白しなかったら、永遠にチャンスは掴めないと思って。だから、こうして自宅で2人きりになって告白したんだ」
「そういうことだったんですね。……僕のことが好きだというお気持ちはとても嬉しいです。ありがとうございます」
こんなにも心が揺さぶられる告白も初めてで、それを断るのも初めてだった。鈴音さんにかける言葉がこれで合っているのかは分からない。
「こちらこそありがとう、翼君。フラれてショックだけど、想いを伝えることができてスッキリとできているのも確かだし。あと、今までの感謝を込めたプレゼントはちゃんとあるんだよ。翼君、コーヒーが大好きだから、スティックのインスタントコーヒーの詰め合わせ!」
鈴音さんは勉強机の上にあった黒い紙袋を僕に渡してくれた。中を見てみると、僕でも知っているほど有名なブランドのインスタントコーヒーだった。
「ありがとうございます。受験勉強のときや、ゆっくりとした時間を過ごすときなどに飲ませていただきます」
プレゼントを家に忘れたというのは、家に連れてくるためだけの言葉だと思っていたので、まさか本当にプレゼントをもらえるとは思わなかった。
「何か、あたしが告白したときも嬉しそうに見えるけど」
「告白は、嬉しい気持ちもあったんですけど、驚きもありまして」
「……そっか。初めて出たバイト代で買ったんだ。楽しんでくれると嬉しいな」
僕のプレゼントのために使っていただけるとは何とも有り難いことだ。一杯ずつ大切に飲むことにしよう。
「でも、そうだよなぁ。明日香ちゃんも咲希ちゃんも10年以上前に出会っているし、明日香ちゃんの方はずっと翼君と一緒にいるんだもんね。4月に、あのお店に来たときに気になり始めたあたしとは時間の長さが全然違うよね」
「バイトを始める前にお客様として来店されていたんですか」
「うん。紅茶も料理も美味しかったし、翼君がバイトをしていたからあたしもここでバイトしようって決めたんだよ」
「そうだったんですね」
もしかして、マスターはそんな鈴音さんの想いを見抜いて、僕に仕事を教えるように頼んだのかな。あのマスターならあり得そうだ。
「翼君。告白とかしちゃったけれど、これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろんですよ。喫茶店にもお客さんとして行きますから」
「うん、分かった。あと、もし……誰かと付き合うようになったら、あたしにも教えてくれるかな」
「分かりました、いいですよ」
「うん、約束ね」
すると、鈴音さんは右手で涙を拭い、僕から離れて正座する。さっき外したワイシャツのボタンを元にはめ直す。そして、
「翼君。今日まで2年以上、シー・ブロッサムでのバイトお疲れ様でした! あたしにお仕事について面倒を見ていただきありがとうございました! これからは……友人としてよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします、鈴音さん」
僕は鈴音さんと固く握手を交わした。
「……良かった。これからずっと翼君と友達として付き合えて。それに、よく考えると……あたし、凄く恥ずかしいことをしたり、色々なことを言ったりしちゃったね……」
鈴音さんは今日の中で一番顔が赤くなり、両手で顔を覆った。
「まあ、その……好きという気持ちからでしょうから、全然気にしていませんよ。むしろ可愛いと思ったくらいですし」
何かフォローする言葉をかけなければいけないと思ってそう言ったけど、それが果たして正解だったのかどうか。
「翼君がそう言ってくれるのがせめてもの救いだよ。告白やキスされたことは明日香ちゃんや咲希ちゃんに言ってもいいけど、その……それよりも先のことをされようとしたことは言っちゃダメだからね! 恥ずかしすぎるから……」
「分かりました。約束します」
僕としても気持ち的に言えるのはキスされたことくらいまでだ。
バイトの先輩と後輩という今までの関係はなくなった。その代わりに、年も性別も違うけど信頼し合える友人同士となった。それは寂しくもあり、温かくもあることで。そして、今回と似たようなことがいずれ訪れるのだろうと思った。
6月はこうして終わり、いよいよ2018年も夏本番の7月となるのであった。
鈴音さんは素直な言葉で告白し、僕のことをぎゅっと抱きしめながらキスしてきた。そのことで、鈴音さんの温もりと柔らかさを全身で感じる。彼女の口からミルクの甘い匂いも。そのことにドキドキはするけれど、それだけじゃない。
桜海大学のキャンパスを見学したとき、鈴音さん……松雪先生に好きな人がいるって言っていたけど、あれって僕のことだったんだ。出会った頃からのことを思い出すと、彼女が僕のことが好きそうな素振りを何度も見せていた気がする。
唇を離すと、そこには目を潤ませ、真剣な表情で僕を見つめる鈴音さんの姿があった。
「これ、あたしのファーストキスだから。翼君は?」
「僕も初めてですよ。ファーストキスですよ」
「……そうなんだ。嬉しいな」
そう呟き、鈴音さんは言葉通りの嬉しそうな笑みを浮かべる。それが普段以上に可愛らしく想えるのだ。これもファーストキスの影響なのだろうか。
「バイトが終わって離れることになっちゃうけど、翼君とはこれからもずっと恋人として繋がっていたいの。あたしのわがままはまだあるよ。桜海大学に興味があるんだったら、あたしの後輩になってほしい。もしそうなったら、ここでもいいから同棲してほしい。そんな翼君との未来ばかりを思い描くほど、翼君のことが好きなんだよ」
「鈴音さん……」
「翼君のしたいことなら何だってするよ。本音を言えば、あたしはずっとしたいって思ってきたんだよ。あたしの頭の中ではもう何度もしちゃっているけれど」
頬を真っ赤にしながらそう言って、鈴音さんは着ているノースリープのワイシャツのボタンを外し始める。
「ちょ、ちょっと待ってください! 鈴音さん可愛いですし、告白されたばかりですから……そんなことをされたら僕、どうにかなっちゃいそうです」
僕は鈴音さんの手をぎゅっと握った。
今の時点で、鈴音さんの綺麗な白い肌と黒い下着、そして深い谷間が見えていた。服の中から香ってくる鈴音さんの濃厚な甘い匂いが鼻腔をくすぐらせる。
「嬉しいよ。あたしでどうにかなっちゃいそうだなんて。あたしを意識してくれているってことでしょう? どうにかなっちゃってもいいんだよ、翼君。あたし、そのための準備はできてるから」
鈴音さんは僕に優しげな笑みを見せ続けてくれる。
「ねえ、翼君。……あたしの告白を受け入れてくれる?」
鈴音さんは顔を真っ赤にして視線をちらつかせる。
確かに、彼女はとても可愛くて、明るくて、気さくで……恋人にするにはとてもいい人なんじゃないかと思う。けれど、
「……ごめんなさい。僕は鈴音さんと恋人として付き合うことはできません」
ぼんやりと鈴音さんとの楽しそうな未来は見えた。しかし、悲しげな笑みを浮かべる明日香や咲希の姿がはっきりと見えてしまったのだ。
すると、鈴音さんは一つため息をついて、
「もうちょっとだった気がしたけどな。でも、やっぱり……って思ったよ」
そう呟いて、大きな涙をいくつもこぼす。それでも彼女の笑みが絶えることはなかった。
「きっと、翼君の恋人になるのは明日香ちゃんか咲希ちゃんなんだよね」
「……たぶん、そうだと思います」
「うん、やっぱり。大学を見に行ったときにそう思ったんだ。もちろん、バイトだからっていうのもあると思うけれど、あたしの前じゃ見せない自然の姿を明日香ちゃんや咲希ちゃんに見せていたように思えて。それが悔しくて、嫉妬もして」
「鈴音さん……」
「連絡先も交換したし、きっとバイトを辞めた後も会う機会はあると思う。でも、ここで告白しなかったら、永遠にチャンスは掴めないと思って。だから、こうして自宅で2人きりになって告白したんだ」
「そういうことだったんですね。……僕のことが好きだというお気持ちはとても嬉しいです。ありがとうございます」
こんなにも心が揺さぶられる告白も初めてで、それを断るのも初めてだった。鈴音さんにかける言葉がこれで合っているのかは分からない。
「こちらこそありがとう、翼君。フラれてショックだけど、想いを伝えることができてスッキリとできているのも確かだし。あと、今までの感謝を込めたプレゼントはちゃんとあるんだよ。翼君、コーヒーが大好きだから、スティックのインスタントコーヒーの詰め合わせ!」
鈴音さんは勉強机の上にあった黒い紙袋を僕に渡してくれた。中を見てみると、僕でも知っているほど有名なブランドのインスタントコーヒーだった。
「ありがとうございます。受験勉強のときや、ゆっくりとした時間を過ごすときなどに飲ませていただきます」
プレゼントを家に忘れたというのは、家に連れてくるためだけの言葉だと思っていたので、まさか本当にプレゼントをもらえるとは思わなかった。
「何か、あたしが告白したときも嬉しそうに見えるけど」
「告白は、嬉しい気持ちもあったんですけど、驚きもありまして」
「……そっか。初めて出たバイト代で買ったんだ。楽しんでくれると嬉しいな」
僕のプレゼントのために使っていただけるとは何とも有り難いことだ。一杯ずつ大切に飲むことにしよう。
「でも、そうだよなぁ。明日香ちゃんも咲希ちゃんも10年以上前に出会っているし、明日香ちゃんの方はずっと翼君と一緒にいるんだもんね。4月に、あのお店に来たときに気になり始めたあたしとは時間の長さが全然違うよね」
「バイトを始める前にお客様として来店されていたんですか」
「うん。紅茶も料理も美味しかったし、翼君がバイトをしていたからあたしもここでバイトしようって決めたんだよ」
「そうだったんですね」
もしかして、マスターはそんな鈴音さんの想いを見抜いて、僕に仕事を教えるように頼んだのかな。あのマスターならあり得そうだ。
「翼君。告白とかしちゃったけれど、これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろんですよ。喫茶店にもお客さんとして行きますから」
「うん、分かった。あと、もし……誰かと付き合うようになったら、あたしにも教えてくれるかな」
「分かりました、いいですよ」
「うん、約束ね」
すると、鈴音さんは右手で涙を拭い、僕から離れて正座する。さっき外したワイシャツのボタンを元にはめ直す。そして、
「翼君。今日まで2年以上、シー・ブロッサムでのバイトお疲れ様でした! あたしにお仕事について面倒を見ていただきありがとうございました! これからは……友人としてよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします、鈴音さん」
僕は鈴音さんと固く握手を交わした。
「……良かった。これからずっと翼君と友達として付き合えて。それに、よく考えると……あたし、凄く恥ずかしいことをしたり、色々なことを言ったりしちゃったね……」
鈴音さんは今日の中で一番顔が赤くなり、両手で顔を覆った。
「まあ、その……好きという気持ちからでしょうから、全然気にしていませんよ。むしろ可愛いと思ったくらいですし」
何かフォローする言葉をかけなければいけないと思ってそう言ったけど、それが果たして正解だったのかどうか。
「翼君がそう言ってくれるのがせめてもの救いだよ。告白やキスされたことは明日香ちゃんや咲希ちゃんに言ってもいいけど、その……それよりも先のことをされようとしたことは言っちゃダメだからね! 恥ずかしすぎるから……」
「分かりました。約束します」
僕としても気持ち的に言えるのはキスされたことくらいまでだ。
バイトの先輩と後輩という今までの関係はなくなった。その代わりに、年も性別も違うけど信頼し合える友人同士となった。それは寂しくもあり、温かくもあることで。そして、今回と似たようなことがいずれ訪れるのだろうと思った。
6月はこうして終わり、いよいよ2018年も夏本番の7月となるのであった。
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