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2学期編
第8話『女子高生4人あ~んリレー』
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「よし、これで終わりだな」
最後に芹花姉さんの体の前面の汗を拭き取って、汗拭きが終わった。
「どうだ、姉さん。少しはスッキリできたか?」
「うんっ、スッキリできたよ。ユウちゃんに拭いてもらえて幸せな時間でした。ありがとう、ユウちゃん」
芹花姉さんはとても柔らかい笑顔でお礼を言った。その笑顔は健康なときに見せてくれるもので。俺が体を拭いたことで引き出せたのなら嬉しい。
「いえいえ。スッキリできたなら良かったよ」
「拭き終わったので、胡桃ちゃんと一緒に、姫奈ちゃんと千佳先輩が選んだこの紫色の下着と水色の寝間着を着せますね」
「そうだね、結衣ちゃん」
「2人ともよろしくね」
芹花姉さんの服の脱ぎ着は結衣と胡桃の担当だからな。あとは2人に任せよう。
「じゃあ、その間に俺は汗拭きに使ったバスタオルと、これまで姉さんが着ていた下着と寝間着を洗濯カゴに入れてくるよ」
「ありがとう、ユウちゃん」
俺はバスタオルの上に芹花姉さんが今まで付けていた赤い下着と、着ていた桃色の寝間着を乗せた。
「それじゃ、行ってくる。……結衣、胡桃。姉さんの着替えをよろしく」
俺は芹花姉さんの部屋を出て、洗濯カゴが置いてある1階の洗面所に向かう。
1階の洗面所に行き、水色の洗濯カゴにバスタオルと芹花姉さんの下着、寝間着を入れる。
「悠真」
背後から俺の名前を呼ぶ母さんの声が聞こえた。なので、振り返ると……入口のところに母さんが立っていた。
「母さん」
「階段を降りる音や足音が聞こえて。リビングを出たら洗面所の電気が点いてたから」
「そっか。芹花姉さんが汗を掻いたから、タオルで体を拭いて、着替えたんだ。それで、タオルとこれまで姉さんが着ていた寝間着と下着を洗濯カゴに入れに来たんだよ」
「そうだったのね。お疲れ様。芹花の具合はどう?」
「かなり治ってきてる。熱は37度ちょうどまで下がったし。それ以外の症状はほとんどないみたいだから」
「良かったわ……」
母さんは安堵の笑みを浮かべ、ほっと胸を撫で下ろす。今朝の辛そうな芹花姉さんを見ているし、病院に連れて行ったからだろうな。
「結衣達がお見舞いに来て嬉しそうにしてるよ。今は結衣と胡桃に新しい下着と寝間着に着替えさせてもらってる」
「そうなの。昔から、芹花はお友達がお見舞いに来ると嬉しそうにしていたものね」
「そうだな」
昔からそういう場に居合わせることが多かったので、今の母さんの言葉には納得だ。
「ただ、一番の理由は悠真が帰ってきたからだろうね」
「……そうだな」
母さんにこう言わしめるとは。芹花姉さんのブラコンぶりを再認識する。今朝は俺が学校に行くことに不満そうにしていたもんなぁ。お粥も俺が作った玉子粥を俺に食べさせてほしいと言っていたし。
「まあ、いくつになっても、俺で姉さんが元気になるのは嬉しいよ。……姉さんの部屋に戻るよ」
「ええ。何かあったらいつでも言ってきてね。お母さんはリビングかキッチンにいるから」
「ああ、分かった」
俺は2階に上がり、芹花姉さんの部屋に戻る。
芹花姉さんの部屋に入ると、姉さんは結衣達と一緒に談笑していた。姉さんは水色の寝間着姿になっている。
「みんな、ただいま。姉さん、結衣と胡桃に着替えさせてもらったんだな」
「うん。体調もだいぶ良くなってきているから、至れり尽くせりって感じだったよ。結衣ちゃん、胡桃ちゃんありがとう」
「いえいえ!」
「下着と寝間着を着させるの楽しかったです。あと、風邪を引いたお姉ちゃんを着替えさせたことを思い出しました」
「私も柚月が風邪を引いたときに着替えをさせたことを思い出したよ」
結衣と胡桃は明るい笑顔でそう言う。結衣は柚月ちゃんという妹が、胡桃は杏さんというお姉さんがいる。2人とも、姉妹が風邪を引いたときに服を着替えさせた経験があるのか。だから、2人は姉さんを着替えさせることを志願したんだな。
「あたし達の選んだ紫の下着姿……良かったよねぇ、伊集院ちゃん」
「ええ。大学生の芹花さんらしい大人っぽい雰囲気に溢れていました」
伊集院さんと中野先輩は満足そうな様子で話している。紫の下着を選んだとき、下着姿を見てみたいって言っていたもんな。2人にとって期待通りの下着姿だったのだろう。
「嬉しいな、2人にそう言ってもらえて。ああいう雰囲気の下着も好きだから」
芹花姉さんは落ち着いた笑顔でそう言う。下着のことでも落ち着いて話せるのは大人っぽいなぁと思った。
「着替え終わったし……他に俺達に何かしてほしいことはあるか?」
「そうだね……みんなが買ってきてくれたプリンを食べさせてほしいな。結衣ちゃん達がお見舞いに来てくれたし、ユウちゃんには今朝、玉子粥を食べさせてもらったから……結衣ちゃん達4人にお願いするよ」
「分かりました!」
4人を代表してか、結衣が元気良く返事をする。
結衣達4人にプリンを食べさせてもらいたい……か。まあ、俺にはいつでも食べさせてもらえるもんな。
「お姉様は私達4人にお願いしているし、一口ずつリレーして食べさせるのはどうかな?」
「面白そうだね、それ」
「いいアイデアなのです」
「賛成だよ、高嶺ちゃん」
「ふふっ。楽しく美味しく食べられそう」
食べさせる結衣達4人はもちろん、食べさせてもらう芹花姉さんも楽しそうだ。
その後、話し合いの結果、結衣、胡桃、伊集院さん、中野先輩の順番で芹花姉さんにプリンを食べさせることになった。
俺はプリンを食べさせることには参加しないので、先ほどと同様に勉強机の椅子に座って様子を見守ることに。
結衣達はベッドの側で、食べさせる順番に並んで膝立ちしている。プリンとスプーンを渡しやすくするためかな。何だか凄い光景だ。
1番目である結衣はプラスチックのスプーンでプリンを一口分掬い、芹花姉さんの口元に運んでいく。
「はい、お姉様。あ~ん」
「あ~ん」
結衣は芹花姉さんにプリンを食べさせる。将来、2人が義理の姉妹になると思うと心が温まるな。
大好きなプリンを食べられたからか、芹花姉さんはプリンが口に入った瞬間から可愛らしい笑顔になる。
「うんっ、美味しい! 甘くて、程良く冷たくて」
「良かったです! じゃあ、次は胡桃ちゃんね」
「うん」
結衣は胡桃にプリンとスプーンを渡し、4番目である中野先輩の後ろに並ぶ。なるほど、こういう形にすれば、芹花姉さんがプリンを食べ終わるまでずっと、スムーズにローテーションできるわけか。
2番目の胡桃はスプーンでプリンを一口分掬い、芹花姉さんの口元までもっていく。
「はい、芹花さん。あ~ん」
「あ~ん」
胡桃は芹花姉さんにプリンを食べさせる。優しい笑顔で食べさせるので、胡桃が姉さんの姉のように見える。
「……あぁ、美味しい」
「このプリン、美味しいですよね。あたしも好きです」
「私も大好きだよ」
「そうなんですね。……じゃあ、次は姫奈ちゃんだね」
「はい」
胡桃は伊集院さんにプリンとスプーンを渡し、結衣の後ろに並ぶ。他の3人も前に動いているし、4人はいい連携を取れているな。
3番目の伊集院さんはスプーンでプリンを一口分掬い、芹花姉さんの口元までもっていく。
「芹花さん。あ~ん」
「あ~ん」
伊集院さんは芹花姉さんにプリンを食べさせる。
「本当に美味しいなぁ」
「プリン美味しいですよね。風邪を引いたときのプリンはより美味しく感じられるのです」
「分かる。今日はずっと熱っぽかったから、冷たいのがたまらないんだよね」
「熱が出たときの冷たいものっていいのですよね。あとはアイスも好きでした」
「アイスもいいよね!」
伊集院さんと芹花姉さんの会話に、結衣達も「そうだね」と頷いている。
そういえば、お腹の調子が悪くないときは、芹花姉さんにアイスを食べさせることもあったな。姉さんはアイスも好きだから、アイスを食べさせると今のようにニッコリとしていたっけ。アイスの話題が出たから、今夜にでも俺にアイス食べさせてほしいとお願いしてきそうだ。
「では、次は千佳先輩なのです」
「はいよー」
伊集院さんは中野先輩にプリンとスプーンを渡して、胡桃の後ろに並ぶ。……この光景、早くも見慣れてきたな。
4番目である中野先輩はプリンを一口分掬って、芹花姉さんの口元まで運ぶ。
「はい、芹花さん。あ~ん」
「あ~ん」
中野先輩は芹花姉さんにプリンを食べさせる。
「……美味しい。食べさせてもらうプリンって本当に美味しい。可愛い女子高生達に食べさせてもらっているし」
「ふふっ。美味しいですよね。お弁当とかの一口交換ですけど、友達に食べさせてもらうと凄く美味しく感じます」
「分かる。私も大学の学食で友達と一口交換したよ。食べさせてもらうのっていいよね」
俺も結衣達と一緒にお昼ご飯を食べるとき、結衣と一口交換することは結構ある。結衣に食べさせてもらうものは凄く美味しく感じられるから、2人の今の会話に俺は何度も頷いた。
「じゃあ、最初に戻って高嶺ちゃんだね」
「ですね、千佳先輩」
「結衣ちゃんに戻るんだね。まさにリレーだ」
芹花姉さんは楽しそうにそう言った。
その後も、結衣→胡桃→伊集院さん→中野先輩の順番を守りつつ、4人は芹花姉さんにプリンを食べさせていくのであった。
最後に芹花姉さんの体の前面の汗を拭き取って、汗拭きが終わった。
「どうだ、姉さん。少しはスッキリできたか?」
「うんっ、スッキリできたよ。ユウちゃんに拭いてもらえて幸せな時間でした。ありがとう、ユウちゃん」
芹花姉さんはとても柔らかい笑顔でお礼を言った。その笑顔は健康なときに見せてくれるもので。俺が体を拭いたことで引き出せたのなら嬉しい。
「いえいえ。スッキリできたなら良かったよ」
「拭き終わったので、胡桃ちゃんと一緒に、姫奈ちゃんと千佳先輩が選んだこの紫色の下着と水色の寝間着を着せますね」
「そうだね、結衣ちゃん」
「2人ともよろしくね」
芹花姉さんの服の脱ぎ着は結衣と胡桃の担当だからな。あとは2人に任せよう。
「じゃあ、その間に俺は汗拭きに使ったバスタオルと、これまで姉さんが着ていた下着と寝間着を洗濯カゴに入れてくるよ」
「ありがとう、ユウちゃん」
俺はバスタオルの上に芹花姉さんが今まで付けていた赤い下着と、着ていた桃色の寝間着を乗せた。
「それじゃ、行ってくる。……結衣、胡桃。姉さんの着替えをよろしく」
俺は芹花姉さんの部屋を出て、洗濯カゴが置いてある1階の洗面所に向かう。
1階の洗面所に行き、水色の洗濯カゴにバスタオルと芹花姉さんの下着、寝間着を入れる。
「悠真」
背後から俺の名前を呼ぶ母さんの声が聞こえた。なので、振り返ると……入口のところに母さんが立っていた。
「母さん」
「階段を降りる音や足音が聞こえて。リビングを出たら洗面所の電気が点いてたから」
「そっか。芹花姉さんが汗を掻いたから、タオルで体を拭いて、着替えたんだ。それで、タオルとこれまで姉さんが着ていた寝間着と下着を洗濯カゴに入れに来たんだよ」
「そうだったのね。お疲れ様。芹花の具合はどう?」
「かなり治ってきてる。熱は37度ちょうどまで下がったし。それ以外の症状はほとんどないみたいだから」
「良かったわ……」
母さんは安堵の笑みを浮かべ、ほっと胸を撫で下ろす。今朝の辛そうな芹花姉さんを見ているし、病院に連れて行ったからだろうな。
「結衣達がお見舞いに来て嬉しそうにしてるよ。今は結衣と胡桃に新しい下着と寝間着に着替えさせてもらってる」
「そうなの。昔から、芹花はお友達がお見舞いに来ると嬉しそうにしていたものね」
「そうだな」
昔からそういう場に居合わせることが多かったので、今の母さんの言葉には納得だ。
「ただ、一番の理由は悠真が帰ってきたからだろうね」
「……そうだな」
母さんにこう言わしめるとは。芹花姉さんのブラコンぶりを再認識する。今朝は俺が学校に行くことに不満そうにしていたもんなぁ。お粥も俺が作った玉子粥を俺に食べさせてほしいと言っていたし。
「まあ、いくつになっても、俺で姉さんが元気になるのは嬉しいよ。……姉さんの部屋に戻るよ」
「ええ。何かあったらいつでも言ってきてね。お母さんはリビングかキッチンにいるから」
「ああ、分かった」
俺は2階に上がり、芹花姉さんの部屋に戻る。
芹花姉さんの部屋に入ると、姉さんは結衣達と一緒に談笑していた。姉さんは水色の寝間着姿になっている。
「みんな、ただいま。姉さん、結衣と胡桃に着替えさせてもらったんだな」
「うん。体調もだいぶ良くなってきているから、至れり尽くせりって感じだったよ。結衣ちゃん、胡桃ちゃんありがとう」
「いえいえ!」
「下着と寝間着を着させるの楽しかったです。あと、風邪を引いたお姉ちゃんを着替えさせたことを思い出しました」
「私も柚月が風邪を引いたときに着替えをさせたことを思い出したよ」
結衣と胡桃は明るい笑顔でそう言う。結衣は柚月ちゃんという妹が、胡桃は杏さんというお姉さんがいる。2人とも、姉妹が風邪を引いたときに服を着替えさせた経験があるのか。だから、2人は姉さんを着替えさせることを志願したんだな。
「あたし達の選んだ紫の下着姿……良かったよねぇ、伊集院ちゃん」
「ええ。大学生の芹花さんらしい大人っぽい雰囲気に溢れていました」
伊集院さんと中野先輩は満足そうな様子で話している。紫の下着を選んだとき、下着姿を見てみたいって言っていたもんな。2人にとって期待通りの下着姿だったのだろう。
「嬉しいな、2人にそう言ってもらえて。ああいう雰囲気の下着も好きだから」
芹花姉さんは落ち着いた笑顔でそう言う。下着のことでも落ち着いて話せるのは大人っぽいなぁと思った。
「着替え終わったし……他に俺達に何かしてほしいことはあるか?」
「そうだね……みんなが買ってきてくれたプリンを食べさせてほしいな。結衣ちゃん達がお見舞いに来てくれたし、ユウちゃんには今朝、玉子粥を食べさせてもらったから……結衣ちゃん達4人にお願いするよ」
「分かりました!」
4人を代表してか、結衣が元気良く返事をする。
結衣達4人にプリンを食べさせてもらいたい……か。まあ、俺にはいつでも食べさせてもらえるもんな。
「お姉様は私達4人にお願いしているし、一口ずつリレーして食べさせるのはどうかな?」
「面白そうだね、それ」
「いいアイデアなのです」
「賛成だよ、高嶺ちゃん」
「ふふっ。楽しく美味しく食べられそう」
食べさせる結衣達4人はもちろん、食べさせてもらう芹花姉さんも楽しそうだ。
その後、話し合いの結果、結衣、胡桃、伊集院さん、中野先輩の順番で芹花姉さんにプリンを食べさせることになった。
俺はプリンを食べさせることには参加しないので、先ほどと同様に勉強机の椅子に座って様子を見守ることに。
結衣達はベッドの側で、食べさせる順番に並んで膝立ちしている。プリンとスプーンを渡しやすくするためかな。何だか凄い光景だ。
1番目である結衣はプラスチックのスプーンでプリンを一口分掬い、芹花姉さんの口元に運んでいく。
「はい、お姉様。あ~ん」
「あ~ん」
結衣は芹花姉さんにプリンを食べさせる。将来、2人が義理の姉妹になると思うと心が温まるな。
大好きなプリンを食べられたからか、芹花姉さんはプリンが口に入った瞬間から可愛らしい笑顔になる。
「うんっ、美味しい! 甘くて、程良く冷たくて」
「良かったです! じゃあ、次は胡桃ちゃんね」
「うん」
結衣は胡桃にプリンとスプーンを渡し、4番目である中野先輩の後ろに並ぶ。なるほど、こういう形にすれば、芹花姉さんがプリンを食べ終わるまでずっと、スムーズにローテーションできるわけか。
2番目の胡桃はスプーンでプリンを一口分掬い、芹花姉さんの口元までもっていく。
「はい、芹花さん。あ~ん」
「あ~ん」
胡桃は芹花姉さんにプリンを食べさせる。優しい笑顔で食べさせるので、胡桃が姉さんの姉のように見える。
「……あぁ、美味しい」
「このプリン、美味しいですよね。あたしも好きです」
「私も大好きだよ」
「そうなんですね。……じゃあ、次は姫奈ちゃんだね」
「はい」
胡桃は伊集院さんにプリンとスプーンを渡し、結衣の後ろに並ぶ。他の3人も前に動いているし、4人はいい連携を取れているな。
3番目の伊集院さんはスプーンでプリンを一口分掬い、芹花姉さんの口元までもっていく。
「芹花さん。あ~ん」
「あ~ん」
伊集院さんは芹花姉さんにプリンを食べさせる。
「本当に美味しいなぁ」
「プリン美味しいですよね。風邪を引いたときのプリンはより美味しく感じられるのです」
「分かる。今日はずっと熱っぽかったから、冷たいのがたまらないんだよね」
「熱が出たときの冷たいものっていいのですよね。あとはアイスも好きでした」
「アイスもいいよね!」
伊集院さんと芹花姉さんの会話に、結衣達も「そうだね」と頷いている。
そういえば、お腹の調子が悪くないときは、芹花姉さんにアイスを食べさせることもあったな。姉さんはアイスも好きだから、アイスを食べさせると今のようにニッコリとしていたっけ。アイスの話題が出たから、今夜にでも俺にアイス食べさせてほしいとお願いしてきそうだ。
「では、次は千佳先輩なのです」
「はいよー」
伊集院さんは中野先輩にプリンとスプーンを渡して、胡桃の後ろに並ぶ。……この光景、早くも見慣れてきたな。
4番目である中野先輩はプリンを一口分掬って、芹花姉さんの口元まで運ぶ。
「はい、芹花さん。あ~ん」
「あ~ん」
中野先輩は芹花姉さんにプリンを食べさせる。
「……美味しい。食べさせてもらうプリンって本当に美味しい。可愛い女子高生達に食べさせてもらっているし」
「ふふっ。美味しいですよね。お弁当とかの一口交換ですけど、友達に食べさせてもらうと凄く美味しく感じます」
「分かる。私も大学の学食で友達と一口交換したよ。食べさせてもらうのっていいよね」
俺も結衣達と一緒にお昼ご飯を食べるとき、結衣と一口交換することは結構ある。結衣に食べさせてもらうものは凄く美味しく感じられるから、2人の今の会話に俺は何度も頷いた。
「じゃあ、最初に戻って高嶺ちゃんだね」
「ですね、千佳先輩」
「結衣ちゃんに戻るんだね。まさにリレーだ」
芹花姉さんは楽しそうにそう言った。
その後も、結衣→胡桃→伊集院さん→中野先輩の順番を守りつつ、4人は芹花姉さんにプリンを食べさせていくのであった。
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