サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
9 / 194
本編-春休み編-

第8話『シスター-前編-』

しおりを挟む
 3月26日、木曜日。
 今日もお昼前からマスバーガーでバイトがあり、ホールの仕事をしている。百花さんがシフトに入っていないことにちょっと寂しさを覚えたけど、仕事が始まるとそんな思いはすぐに吹っ飛んだ。今日もお客様がたくさん来店される。
 お昼にまかないを食べた後、屋外にあるテラス席を掃除する。そのとき、常連客の金髪の子が、数人ほどの女子達と楽しそうに喋っている光景を見かけた。そのことに心が温まり、金髪の子の笑顔が俺に向けられた気もして元気がもらえた。

「頑張ろう」

 今日は文香が夕ご飯にチキンカレーを作ってくれる。大好物だから楽しみだ。あと、和奏姉さんが帰省してくるのも楽しみではあるかな。
 午後になっても、お客様がたくさん来店するので、接客するとあっという間に時間が過ぎていく。
 一段落したところで時計を見ると、時計の針は午後3時45分を指していた。今日のバイトもあと15分で終わりか。

「バイトお疲れ様、大輝」
「……おっ!」

 目の前には、デニムパンツに縦セーター。ベージュのトレンチコートを羽織った和奏姉さんの姿が。こちらに2泊3日で滞在するからか、大きめのバッグを左肩に掛けている。俺と目が合うと、姉さんは爽やかな笑みを浮かべながら小さく手を振ってきた。
 今はカウンターにお客様があまりいないから、多少話しても大丈夫かな。

「いらっしゃいませ。夕方までバイトだし、和奏姉さんが来るかもしれないとは思っていたけど、実際に来ると驚くなぁ。大きな声が出ちゃったよ」
「ふふっ。ちょっとの間、大輝の仕事ぶりを見させてもらったよ。ちゃんとやっているじゃない」

 満足そうに言う和奏姉さん。
 ちなみに、今のようなことを去年の夏休みと年末年始に帰省したときにも言ってくれた。褒め言葉は何度言われても嬉しいものである。

「萩原店長や百花さん達のおかげで、担当しているホールの仕事は自分一人で一通りできるようになったよ。キッチンの助っ人をすることも稀にあるけど」
「そうなんだ。実際にバイトをちゃんとしている姿を見て、お姉ちゃんは安心したよ」
「そりゃどうも」
「今日は百花ちゃん……シフトに入っていないのかな」
「ああ」

 去年の夏に帰省した際、和奏姉さんは百花さんとここで出会った。同い年なのもあって、すぐに仲良くなっていた。連絡先を交換したからか、姉さんはたまに俺のバイト中の様子を訊いているそうだ。

「俺がバイトしているかもしれないと思ってここに寄ったのか?」
「ううん、違うよ。行くときにお母さんに連絡したら、大輝が夕方までバイトしているって聞いたから。それに、高校時代までにたくさん来たお店の売上に貢献したいからね。バイト代も入ったし」
「そうか」

 一人暮らしを始めてから、和奏姉さんは大学の近くにある人気の喫茶チェーン店でバイトをしている。俺と同じく、普段はホール担当で、たまにキッチンを手伝っているらしい。ちなみに、高校時代はバドミントン部に所属しており、バイトはしていなかった。
 中学や高校時代は部活帰りや試験勉強などで、友達とマスバーガーに何度も来ていたそうだ。

「おっ、和奏君。久しぶりだね」

 スタッフ専用エリアから、萩原店長が姿を現し、和奏姉さんに微笑みかける。そんな店長に姉さんは軽く頭を下げる。

「お久しぶりです、店長さん。弟がお世話になっております」
「いえいえ、こちらこそ。大輝君はとてもよく働いてくれているよ。初めて会ったときはとても小さかったのに、本当に頼もしくなった。それに、大輝君がバイトを始めてから、特に若い女性のリピーターが増えてね。嬉しい限りだよ」

 ははっ、と店長は上品に笑う。だからか、何人かの女性のお客さんから黄色い声が聞こえてくる。すげぇな、ダンディズム。

「春休みだから帰省してきたのかい?」
「はい、2泊3日で。お花見もしたいですし。あと、大輝から聞いているかもしれませんが、フミちゃんが家に引っ越してきましたからね。自分の住んでいた部屋がどんな感じか実際に見てみたくて。あとは、御両親と挨拶もしたくて」
「なるほど、そういうことだったのか。楽しい帰省になるといいね。……大輝君、今日はもう上がっていいよ。残り15分だし、久々に和奏君が帰ってきたからね」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
「じゃあ、大輝。今日最後の注文。アイスコーヒーのSサイズを一つ。持ち帰りで。シロップとミルクを一つずつください」
「かしこまりました。230円になります」
「……はい」
「230円ちょうどになります。少々お待ちください」

 俺は和奏姉さんの注文したSサイズのアイスコーヒーを渡し、スタッフルームへと向かう。その際に、姉さんとはお店の入口近くで待ち合わせることにした。
 お店の制服から私服に着替えて、従業員専用口を後にしたときは午後4時近くになっていた。
 お店の入口に向かうと、入口近くにはアイスコーヒーを飲む和奏姉さんがいた。若い男性を中心に姉さんを見ている人が多い。姉さんは美人でスタイルもいいからなぁ。笑顔も可愛らしいし。中学や高校時代には、駅前で何度か芸能事務所の人にスカウトされたそうだ。本人は興味ないと全て断ったそうだが。

「和奏姉さん、お待たせ」
「大輝、バイトお疲れ様。そんな大輝にアイスコーヒーを一口分けてあげよう」
「どうも」

 和奏姉さんから渡されたアイスコーヒーを一口飲む。マスバーガーのアイスコーヒーは苦味がしっかりしていて俺好みだ。シロップとミルクが入っていても美味しい。

「バイト上がりだから、いつもより美味しいな。ありがとう。荷物持つよ」
「ありがとう」

 和奏姉さんのバッグを持つと、なかなかの重さを感じる。文香の部屋のクローゼットには、姉さんの寝間着や私服の入ったボックスもあるけど、着替えを持ってきたのだろう。
 和奏姉さんと俺は自宅に向かって歩き始める。

「相変わらず、姉さんは周りから注目を集めるよなぁ。向こうでは大丈夫か? 女子大に通っているし、大学の近くでナンパされたりしないか?」
「ナンパされるけど大丈夫だよ。『強烈なブラコンです!』とか『世界一かっこいい男性は弟だと思ってる!』って嘘ついているから。一人暮らしする直前に撮らせてくれた大輝とのツーショット写真を見せることもあるよ」
「……そ、そうか。俺が役立っているようで何よりだよ」

 ただ、帰省すると必ず一度は俺のベッドで一緒に寝るし、年末年始のときなんて、「風呂納め」と「風呂初め」という名目で一緒に2回入浴したからなぁ。あと、今はそれほどじゃないけど、俺が小学生くらいの頃はかっこいいと言うことは多かった。
 強烈かどうかは定かではないが、ブラコンなのは確かだろう。だからこそ、弟を使ってナンパを断り続けられるのだと思う。

「大輝、高校の勉強はちゃんとついていけてる?」
「ああ、1年の勉強は大丈夫だった。学年末の成績は15位だったな」
「おっ、さすがは大輝!」

 よしよし、と和奏姉さんはにっこりと笑顔を浮かべながら俺の頭を撫でてくれる。そういえば、小学生の頃……勉強を教えてもらって、問題が解けたときには今のように頭を撫でてくれたっけ。文香にも同じようにしていたな。

「2年で文理でクラス分けされるけど、大輝はどっちにしたんだっけ?」
「文系にした。ラノベ含めて本は好きだし。日本史や法律にも興味があるから。ちなみに、文香も文系を選択したって」
「そっかぁ。……2年生でもフミちゃんと同じクラスになるといいね」
「……おう」

 文香も文系を選択したと知ったときはほっとした。一緒のクラスになる可能性があるからな。そのときから、2年生では絶対に文香と同じクラスになりたいと思っている。文香と住み始めてからその思いが更に強くなった。

「そういえば、一緒に住み始めてからフミちゃんの様子はどう?」
「今までもたくさん来ていたし、さっそく家に溶け込んでいる感じがするよ。引っ越してすぐにお風呂のこととかを家族で決めたこともあってか、今のところは特に問題はないかな。ちゃんとご飯も食べているし、よく眠れているみたい」
「それなら良かった。……それで、フミちゃんと何か進展はあった?」

 ニヤリと笑みを浮かべながら問いかける和奏姉さん。

「引っ越してきたのは一昨日だぞ。進展があるわけがないだろう。……でも、一緒に住んでいるから、3年前のあの日以降では一番多く話しているかも。そういう意味では、少しは進展しているのかな」

 入浴中の文香の鼻歌をこっそりと聞いたり、昨日の朝に文香から同棲みたいだと言われたりしたことについては黙っておこう。

「そっか。それなら良かった。……さすがに一緒にお風呂に入ったり、同じベッドで寝たりすることはないか。せいぜい、食事のときにあ~んしてもらうとか」
「……さすがに、まだないな」

 ただ、小さい頃には一緒にお風呂に入ったり、同じベッドで寝たり、食事のときにあーんしてもらったりしたことはある。それらは幼いからこそできたことであり、今の俺達には到底できない。いつか、またそういったことができる関係になりたい。

「とりあえず、まずまずの出だしね。一緒に住み始めたんだし、ゆっくりでもいいからフミちゃんとの距離を縮めていけばいいんじゃないかな」
「……そうだな」

 春休みの間に、少しでも文香との距離を縮めたい。

「おぉ、今年も公園の桜は綺麗に咲いてるね!」

 気付けば、四鷹こもれび公園の入口近くまで来ていた。公園内に植えられている桜の花は満開に近く、とても綺麗だ。春休みだからか、若者のグループがお花見をしている。
 和奏姉さんはスマホで桜を撮影し、自撮り写真も撮っているのか途中からピースサインをし始めた。

「大輝も来て。ナンパを断るためにも使うツーショット写真を撮りたいから」
「……まるで魔除け用の写真を撮るような言い方だな」

 まあ、俺との写真が役に立っているなら協力してやるか。
 俺は桜の木の近くにいる和奏姉さんのところへ行く。
 俺が和奏姉さんの側に立つと、姉さんは顔を近づけて俺とのツーショット写真を撮影した。桜も満開だから、背景はほとんど桜色だ。

「よし、いい写真が撮れた。ありがとう」
「いえいえ」
「……桜の花もあまり散っていないし、明日は楽しいお花見になりそう」

 期待した表情でそう言う和奏姉さん。明日は晴れて、風もあまり吹かない予報なので、絶好のお花見日和になるんじゃないだろうか。
 俺達は再び自宅に向かって歩き始めるのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編10が完結しました!(2024.6.21)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2024.8.2)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※特別編8が完結しました!(2024.7.19)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

アリア

桜庭かなめ
恋愛
 10年前、中学生だった氷室智也は遊園地で迷子になっていた朝比奈美来のことを助ける。自分を助けてくれた智也のことが好きになった美来は智也にプロポーズをする。しかし、智也は美来が結婚できる年齢になったらまた考えようと答えた。  それ以来、2人は会っていなかったが、10年経ったある春の日、結婚できる年齢である16歳となった美来が突然現れ、智也は再びプロポーズをされる。そのことをきっかけに智也は週末を中心に美来と一緒の時間を過ごしていく。しかし、会社の1年先輩である月村有紗も智也のことが好きであると告白する。  様々なことが降りかかる中、智也、美来、有紗の三角関係はどうなっていくのか。2度のプロポーズから始まるラブストーリーシリーズ。  ※完結しました!(2020.9.24)

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ
恋愛
 高校1年生の低田悠真のクラスには『高嶺の花』と呼ばれるほどの人気がある高嶺結衣という女子生徒がいる。容姿端麗、頭脳明晰、品行方正な高嶺さんは男女問わずに告白されているが全て振っていた。彼女には好きな人がいるらしい。  ゴールデンウィーク明け。放課後にハンカチを落としたことに気付いた悠真は教室に戻ると、自分のハンカチの匂いを嗅いで悶える高嶺さんを見つける。その場で、悠真は高嶺さんに好きだと告白されるが、付き合いたいと思うほど好きではないという理由で振る。  しかし、高嶺さんも諦めない。悠真に恋人も好きな人もいないと知り、 「絶対、私に惚れさせてみせるからね!」  と高らかに宣言したのだ。この告白をきっかけに、悠真は高嶺さんと友達になり、高校生活が変化し始めていく。  大好きなおかずを作ってきてくれたり、バイト先に来てくれたり、放課後デートをしたり、朝起きたら笑顔で見つめられていたり。高嶺の花の高嶺さんとの甘くてドキドキな青春学園ラブコメディ!  ※2学期編3が完結しました!(2024.11.13)  ※お気に入り登録や感想、いいねなどお待ちしております。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

処理中です...