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第5話『これはデートになるのでしょうか?』
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4月29日、土曜日。
今日からゴールデンウィークがスタートする。
テレビやネットでは最大9連休と言っているけど、俺の通っている高校は暦通りの休みだ。なので、週末である今日と明日、祝日である来週水曜日から日曜日までが休みである。
一昨年や去年のゴールデンウィークはバイトをしたり、友達と遊んだり、真央姉さんと出かけたりした。楽しかったな。
今年のゴールデンウィークは……どうなるだろう。優奈との結婚という人生最大ともいえる出来事が昨日あったし。妻ができた高校最後のゴールデンウィークを楽しみたい。
『次は琴宿。琴宿。お出口は右側です』
午後1時10分。
俺は今、NR東京中央線快速の東京行きの電車に乗っている。これから、優奈と一緒に結婚指輪を買いに行くのだ。
今朝、優奈から、
『和真君。今日ってお時間ありますか? もしあれば、結婚指輪を買いに行きませんか?』
とメッセージが送られてきたのだ。
昨日、突然結婚したのもあり、そのメッセージを見るまで結婚指輪のことを全然考えていなかった。結婚したんだから、その証として結婚指輪を買わなきゃなと思った。
バイトなどの予定が特になかったので、行くと返信した。何度かメッセージして、午後1時半に琴宿駅の南口の改札前で待ち合わせをすることになったのだ。琴宿駅の近くに、優奈を含め有栖川家が何度も行ったことのあるジュエリーショップがあるとのこと。
また、優奈の家が琴宿にあるので、結婚指輪を買った後に家に行くことにもなっている。
「指輪か……」
ネックレスとかブレスレットは買ったことがあるけど、指輪は初めてだ。
2年ほどバイトをしているので、お金はそれなりにある。つい先日には3月分のバイト代も入ったし。
ネットで結婚指輪の平均価格や相場を調べると、2人分でだいたい25万前後らしい。これなら、貯まったバイト代でも難なく支払える。俺達のように学生結婚の場合だと、平均価格は少し下がるらしい。
ただ、あの有栖川家が利用しているジュエリーショップだ。ネットで調べた平均価格よりもかなりお高い可能性もある。覚悟しておこう。値段がどのくらいになるかは分からないけど、優奈と俺がいいなと思える結婚指輪を購入したい。おじいさんが代金を出すと言ってくれそうだけど、結婚指輪は自分のお金で買いたい。
『まもなく、琴宿、琴宿。お出口は右側です』
おっ、もうすぐ琴宿か。快速電車だと高野駅から一駅だからあっという間だ。
電車は定刻通りに琴宿駅に到着する。
俺は電車から降り、駅の案内板を頼りに南口の改札へ向かう。
祝日のお昼であり、NR、私鉄、地下鉄と非常に多くの路線に乗り入れているのもあって、この駅で降車する人は非常に多い。
今は午後1時15分か。待ち合わせの時間まであと15分あるけど、優奈はもう来ているのだろうか。
南口の改札は非常に広く、待ち合わせをしているのか改札の近くで立っている人は結構いるな。この中から優奈を見つけるのは大変かもしれない。そう思いながら改札を通過すると、
「あの女の子、凄く可愛くね?」
「そうだな。スタイルもかなり良さそうだし。芸能人かな」
という男性の声が聞こえてきた。
そういえば、男性中心に多くの人が同じ方向に視線を向けているな。芸能人らしき女性がいるのかな。俺もそちらに視線を向けると――。
「優奈だ」
視線の先には、淡いピンク色のフレアワンピースを着ている優奈の姿があった。凄く似合っている。ピンクだから可愛らしい雰囲気もあって。胸元でキラリと光るシルバーのネックレスも、肩に掛けているベージュの小さなショルダーバッグもいいな。多くの人が優奈に視線を向けているのも納得だ。中には優奈に話しかけたり、ナンパしたりしようとしているのか近づく男性達もいて。彼らよりも先に俺が行かなければ。
「優奈!」
と、大きめの声で優奈の名前を呼ぶ。
俺の声が聞こえたのか、優奈はこちらを向いて、ニッコリとした笑顔になって手を振り、こちらに向かって歩いてくる。そんな優奈の姿を見てか、優奈に近づこうとしていた男達は散っていった。
優奈は俺のすぐ目の前までやってきた。笑顔なのもあってとても可愛い。こんなにも可愛い人が昨日から俺のお嫁さんなんだよな。
「和真君、こんにちは」
「こんにちは、優奈。待ち合わせまであと15分近くあるけど、もう来ていたとは」
「いつも待ち合わせの時間よりも前に来ることが多いのですが、和真君と待ち合わせするのはこれが初めてなので早めに来たんです」
「そうだったんだ。待った?」
「いいえ。ついさっき来ましたので」
「そうか。優奈と待ち合わせするのは初めてだから、無事に会えて良かった」
「そうですね。和真君と会えて良かったです」
優奈は柔らかな笑顔でそう言った。
「話は変わるけど、そのワンピース似合っているよ。ピンクなのもあって、とても可愛いな」
「ありがとうございますっ」
えへへっ、と優奈は声に出して笑う。優奈の笑顔は嬉しそうなものに。それもあって、ワンピースがより似合っている気がして。
「和真君も黒いジャケット姿がよく似合っています。素敵です」
「ありがとう」
春や秋を中心に、出かけるときはジャケットを着ることが多い。だから、この姿を優奈に似合っているとか素敵だと言ってもらえて嬉しいな。
「急なことでしたのに、今日はありがとうございます」
「いえいえ。夫婦になったんだし、結婚指輪は大事だもんな。……とは言っても、昨日結婚したから、優奈からメッセージが来るまで指輪のゆの字も頭になかったよ」
「ふふっ、そうでしたか。実は私も今朝、お母さんに『結婚したんだから、結婚指輪を買わないとね』って言われるまで、指輪のことは全然頭にありませんでした」
はにかみながら優奈はそう言う。優奈も同じだったか。そのことにちょっと安心した自分がいる。
「じゃあ、さっそくジュエリーショップに行こうか」
「はいっ。お店までの道順はお任せください」
「お願いするよ」
俺はそう言って、優奈に右手を差し出す。
「……手、繋ぐか? 人がいっぱいいるし、はぐれないためにも。それに……夫婦になったから。どうだろう?」
優奈の目を見つめながら、俺はそう問いかける。
手を繋ぐかと言ったからか、優奈の頬がほんのりと赤くなる。それまで俺に定まっていた視線もちらつき始めて。夫婦になったとはいえ、優奈と2人でどこかに行くのは初めてだし、手を繋ぐと提案したのはまずかっただろうか。
「もちろん、嫌なら繋がなくてもかまわないぞ」
「い、嫌ではありません。ただ、ちょっとドキッとしただけで。いいですよ、和真君」
優奈はそう言うと、左手で俺の右手をそっと掴んだ。
俺は優奈の左手をそっと掴む。こうして手を繋ぐと、優奈の手は俺よりも小さくて柔らかいことが分かる。結婚すると決めたときにも優奈に手を握られたけど、あのときよりも伝わる温もりは強く感じられる。
優奈の案内に従って、ジュエリーショップに向けて琴宿駅を出発する。優奈曰く、5分ほどで着くらしい。
琴宿は東京23区も中心部の一つだし、祝日のお昼過ぎだけあって、人が本当に多いな。俺達のように手を繋いでいる男女も。
「和真君。これまで、琴宿に来たことはありますか?」
「年に何度か来る程度だな。主に映画を観るときに。高野には映画館がないからさ」
「そうなんですね。琴宿には大きな映画館がいくつかありますもんね」
「ああ。いつも、正面に見えるあの映画館に行くよ」
と、左手の人差し指で、映画館が入っている商業ビルを指さす。
「私も映画を観るときはいつもあの映画館です。自宅から行きやすいですから。あとは、上映館数の少ない作品でも、あの映画館なら大抵は上映しますし」
「確かに、ほとんどの作品で上映する映画館を調べると、あの映画館の名前があるもんな。深夜アニメの劇場版とか、OVAの劇場上映とかも観に行くから助かってる」
「ですね。私もアニメを観に行くことが多いので、あの映画館が近所にあって良かったなって思います。いつかは和真君と一緒に映画を観に行きたいですね」
「行きたいな」
優奈もアニメを劇場で観ると分かったし、一緒に映画を観に行ったら楽しめそうな気がする。現在公開しているアニメの劇場版もあるし、近日公開予定のアニメ作品もいくつもある。近いうちに、一緒に観に行くかもしれないな。
「そういえば、今になって思ったのですが……これはデートになるのでしょうか? 休日に2人きりで会って、こうして手を繋いで歩いていますから……」
頬をほんのりと赤くして、俺をチラチラと見ながら優奈はそう言う。
「デートだな。2人で待ち合わせして、手を繋いで歩いているし。立派なデートだ」
「そうですかっ」
「ただ、初めてのデートで結婚指輪を買いに行く夫婦っていうのは珍しいだろうな」
「そうそういないでしょうね」
ふふっ、と楽しそうに優奈は楽しそうに笑う。結婚指輪を買うのはもちろん、初めてのデートが夫婦になってからする人達もそうそういないだろうな。
「ただ、私達らしくていいかもしれませんね」
「そうだな」
そういう方が思い出に残りやすいだろうし。
「今日の初デートを一緒に楽しもう」
「はいっ」
ニコッと笑いながら返事をすると、優奈は小さく首肯する。そんな優奈を見ると、今日のデートを楽しめそうだと思えるのであった。
今日からゴールデンウィークがスタートする。
テレビやネットでは最大9連休と言っているけど、俺の通っている高校は暦通りの休みだ。なので、週末である今日と明日、祝日である来週水曜日から日曜日までが休みである。
一昨年や去年のゴールデンウィークはバイトをしたり、友達と遊んだり、真央姉さんと出かけたりした。楽しかったな。
今年のゴールデンウィークは……どうなるだろう。優奈との結婚という人生最大ともいえる出来事が昨日あったし。妻ができた高校最後のゴールデンウィークを楽しみたい。
『次は琴宿。琴宿。お出口は右側です』
午後1時10分。
俺は今、NR東京中央線快速の東京行きの電車に乗っている。これから、優奈と一緒に結婚指輪を買いに行くのだ。
今朝、優奈から、
『和真君。今日ってお時間ありますか? もしあれば、結婚指輪を買いに行きませんか?』
とメッセージが送られてきたのだ。
昨日、突然結婚したのもあり、そのメッセージを見るまで結婚指輪のことを全然考えていなかった。結婚したんだから、その証として結婚指輪を買わなきゃなと思った。
バイトなどの予定が特になかったので、行くと返信した。何度かメッセージして、午後1時半に琴宿駅の南口の改札前で待ち合わせをすることになったのだ。琴宿駅の近くに、優奈を含め有栖川家が何度も行ったことのあるジュエリーショップがあるとのこと。
また、優奈の家が琴宿にあるので、結婚指輪を買った後に家に行くことにもなっている。
「指輪か……」
ネックレスとかブレスレットは買ったことがあるけど、指輪は初めてだ。
2年ほどバイトをしているので、お金はそれなりにある。つい先日には3月分のバイト代も入ったし。
ネットで結婚指輪の平均価格や相場を調べると、2人分でだいたい25万前後らしい。これなら、貯まったバイト代でも難なく支払える。俺達のように学生結婚の場合だと、平均価格は少し下がるらしい。
ただ、あの有栖川家が利用しているジュエリーショップだ。ネットで調べた平均価格よりもかなりお高い可能性もある。覚悟しておこう。値段がどのくらいになるかは分からないけど、優奈と俺がいいなと思える結婚指輪を購入したい。おじいさんが代金を出すと言ってくれそうだけど、結婚指輪は自分のお金で買いたい。
『まもなく、琴宿、琴宿。お出口は右側です』
おっ、もうすぐ琴宿か。快速電車だと高野駅から一駅だからあっという間だ。
電車は定刻通りに琴宿駅に到着する。
俺は電車から降り、駅の案内板を頼りに南口の改札へ向かう。
祝日のお昼であり、NR、私鉄、地下鉄と非常に多くの路線に乗り入れているのもあって、この駅で降車する人は非常に多い。
今は午後1時15分か。待ち合わせの時間まであと15分あるけど、優奈はもう来ているのだろうか。
南口の改札は非常に広く、待ち合わせをしているのか改札の近くで立っている人は結構いるな。この中から優奈を見つけるのは大変かもしれない。そう思いながら改札を通過すると、
「あの女の子、凄く可愛くね?」
「そうだな。スタイルもかなり良さそうだし。芸能人かな」
という男性の声が聞こえてきた。
そういえば、男性中心に多くの人が同じ方向に視線を向けているな。芸能人らしき女性がいるのかな。俺もそちらに視線を向けると――。
「優奈だ」
視線の先には、淡いピンク色のフレアワンピースを着ている優奈の姿があった。凄く似合っている。ピンクだから可愛らしい雰囲気もあって。胸元でキラリと光るシルバーのネックレスも、肩に掛けているベージュの小さなショルダーバッグもいいな。多くの人が優奈に視線を向けているのも納得だ。中には優奈に話しかけたり、ナンパしたりしようとしているのか近づく男性達もいて。彼らよりも先に俺が行かなければ。
「優奈!」
と、大きめの声で優奈の名前を呼ぶ。
俺の声が聞こえたのか、優奈はこちらを向いて、ニッコリとした笑顔になって手を振り、こちらに向かって歩いてくる。そんな優奈の姿を見てか、優奈に近づこうとしていた男達は散っていった。
優奈は俺のすぐ目の前までやってきた。笑顔なのもあってとても可愛い。こんなにも可愛い人が昨日から俺のお嫁さんなんだよな。
「和真君、こんにちは」
「こんにちは、優奈。待ち合わせまであと15分近くあるけど、もう来ていたとは」
「いつも待ち合わせの時間よりも前に来ることが多いのですが、和真君と待ち合わせするのはこれが初めてなので早めに来たんです」
「そうだったんだ。待った?」
「いいえ。ついさっき来ましたので」
「そうか。優奈と待ち合わせするのは初めてだから、無事に会えて良かった」
「そうですね。和真君と会えて良かったです」
優奈は柔らかな笑顔でそう言った。
「話は変わるけど、そのワンピース似合っているよ。ピンクなのもあって、とても可愛いな」
「ありがとうございますっ」
えへへっ、と優奈は声に出して笑う。優奈の笑顔は嬉しそうなものに。それもあって、ワンピースがより似合っている気がして。
「和真君も黒いジャケット姿がよく似合っています。素敵です」
「ありがとう」
春や秋を中心に、出かけるときはジャケットを着ることが多い。だから、この姿を優奈に似合っているとか素敵だと言ってもらえて嬉しいな。
「急なことでしたのに、今日はありがとうございます」
「いえいえ。夫婦になったんだし、結婚指輪は大事だもんな。……とは言っても、昨日結婚したから、優奈からメッセージが来るまで指輪のゆの字も頭になかったよ」
「ふふっ、そうでしたか。実は私も今朝、お母さんに『結婚したんだから、結婚指輪を買わないとね』って言われるまで、指輪のことは全然頭にありませんでした」
はにかみながら優奈はそう言う。優奈も同じだったか。そのことにちょっと安心した自分がいる。
「じゃあ、さっそくジュエリーショップに行こうか」
「はいっ。お店までの道順はお任せください」
「お願いするよ」
俺はそう言って、優奈に右手を差し出す。
「……手、繋ぐか? 人がいっぱいいるし、はぐれないためにも。それに……夫婦になったから。どうだろう?」
優奈の目を見つめながら、俺はそう問いかける。
手を繋ぐかと言ったからか、優奈の頬がほんのりと赤くなる。それまで俺に定まっていた視線もちらつき始めて。夫婦になったとはいえ、優奈と2人でどこかに行くのは初めてだし、手を繋ぐと提案したのはまずかっただろうか。
「もちろん、嫌なら繋がなくてもかまわないぞ」
「い、嫌ではありません。ただ、ちょっとドキッとしただけで。いいですよ、和真君」
優奈はそう言うと、左手で俺の右手をそっと掴んだ。
俺は優奈の左手をそっと掴む。こうして手を繋ぐと、優奈の手は俺よりも小さくて柔らかいことが分かる。結婚すると決めたときにも優奈に手を握られたけど、あのときよりも伝わる温もりは強く感じられる。
優奈の案内に従って、ジュエリーショップに向けて琴宿駅を出発する。優奈曰く、5分ほどで着くらしい。
琴宿は東京23区も中心部の一つだし、祝日のお昼過ぎだけあって、人が本当に多いな。俺達のように手を繋いでいる男女も。
「和真君。これまで、琴宿に来たことはありますか?」
「年に何度か来る程度だな。主に映画を観るときに。高野には映画館がないからさ」
「そうなんですね。琴宿には大きな映画館がいくつかありますもんね」
「ああ。いつも、正面に見えるあの映画館に行くよ」
と、左手の人差し指で、映画館が入っている商業ビルを指さす。
「私も映画を観るときはいつもあの映画館です。自宅から行きやすいですから。あとは、上映館数の少ない作品でも、あの映画館なら大抵は上映しますし」
「確かに、ほとんどの作品で上映する映画館を調べると、あの映画館の名前があるもんな。深夜アニメの劇場版とか、OVAの劇場上映とかも観に行くから助かってる」
「ですね。私もアニメを観に行くことが多いので、あの映画館が近所にあって良かったなって思います。いつかは和真君と一緒に映画を観に行きたいですね」
「行きたいな」
優奈もアニメを劇場で観ると分かったし、一緒に映画を観に行ったら楽しめそうな気がする。現在公開しているアニメの劇場版もあるし、近日公開予定のアニメ作品もいくつもある。近いうちに、一緒に観に行くかもしれないな。
「そういえば、今になって思ったのですが……これはデートになるのでしょうか? 休日に2人きりで会って、こうして手を繋いで歩いていますから……」
頬をほんのりと赤くして、俺をチラチラと見ながら優奈はそう言う。
「デートだな。2人で待ち合わせして、手を繋いで歩いているし。立派なデートだ」
「そうですかっ」
「ただ、初めてのデートで結婚指輪を買いに行く夫婦っていうのは珍しいだろうな」
「そうそういないでしょうね」
ふふっ、と楽しそうに優奈は楽しそうに笑う。結婚指輪を買うのはもちろん、初めてのデートが夫婦になってからする人達もそうそういないだろうな。
「ただ、私達らしくていいかもしれませんね」
「そうだな」
そういう方が思い出に残りやすいだろうし。
「今日の初デートを一緒に楽しもう」
「はいっ」
ニコッと笑いながら返事をすると、優奈は小さく首肯する。そんな優奈を見ると、今日のデートを楽しめそうだと思えるのであった。
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