【R18】鬼上司は今日も私に甘くない

白波瀬 綾音

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02.鬼上司と歪な関係

06.どこにもいかないで

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「梨沙、一緒に大阪行かないか」

ホテルで、私の首筋にキスしながら言う。

「そんな特別扱いみたいなの、もうやめてください
 私、頑張りますから……」

今はまだ、甘やかされてる私のことを
悪いふうに言う人はいないが、
さすがに大阪まで連れて行かれたら
何を言われるかわからない。

高濱さんと離れるのは怖い。
でもみんなに嫌われるのはもっと怖い。


「…ああ…そうか」

音を立てて首筋に吸い付かれて、
両手をぐっと強くベッドに押さえつけられる。

「っん…ん、あ…ッ」

耳の後ろを舐められて、息がかかる。

私何してるんだろう、と思うより早く
口を塞がれた。

普段の高濱さんなら絶対言わない、それを聞いて
当人も想定外の人事だったのかな、なんて思う。


私の手をそっと撫でながら、
薄暗い中でゆっくりと瞬き。


「東京のみんなと会えなくなるの、寂しいですか?」

人の心なんて無い、仕事だけの人生。
誰がどう見てもそう感じる人間だ、この人は。

「……家族や友達じゃねえんだからよ」

私たちのことを、仲間、とは思ってないだろう。

少なくともそう思っていたら、
何とも思っていない部下と
関係なんて持たないと思う。


私観だが、人の上に立つ人間っていうのは
そういう人じゃないと務まらないと思う。

時に、冷静に、冷酷な判断を下さなければ
ならない時もある。

組織のトップは人に囲まれているが孤独だ。


高濱さんは元DINKsだったので家族もいないし、
ご両親は地方だと聞いているし、向こうに行ったら
こちらに帰ってくる理由もないだろう。

よそ見していると彼の方を向かされて
唇が重なる。
下唇を食むようにされて、頭がふわふわしてくる。

「……なんだよ」

ぼーっと見つめていると、怪訝そうに私の顔を見る。
高濱さんのこと、好きになりかけてるのか
分からないけど、酒のせいだと思いたい。

もっとして欲しくて
腕を軽く引っ張って強請る。

「高濱さん…も……挿れて」
「…まだ早いだろ」
「大丈夫だからッ」

今日はめちゃくちゃにされたい。
半ば無理矢理高濱さんの上に乗る。

奥まで満たされると少しだけ痛い。

息遣いが耳元で伝わってくる。
「そんな焦んなよ…っ」
「ッ、ん…ん」

これは別に好きだからじゃない。
性欲でしか成り立っていない関係。

プライベートでは会ったことがない。
高濱さんのこと、私はどのくらい知ってるんだろう。

会えなくなったら私のことなんて
どうでもよくなっちゃうのかな。
忘れちゃうのかな。

私って何なんだろう。
頭が痛い。


「何泣いてんだよ」

座ってる高濱さんの上でゆっくり揺らされながら
堪えきれなくなって溢れる。

「…酔ってるから、急に寂しくなってッ」

ぎゅっと抱きしめて、顔を見られないように。

「ずっと東京いて……」

「……もうガキじゃねえんだから
 面倒臭えこと言うなよ」

肩に噛みつかれて、じわっと痛みが広がる。

「いっ、た……自分は大阪来いって言ったのに」
「俺がやっぱ行きませんって言うのと、
 お前も行きますって言うのは話違うだろ」

私が、会社に言われてもないのに異動するのも
リスクでしかない。
高濱さんにとっても、私を特別扱いしてるって
足元を掬われる材料になりかねないのは
分かってるはずなのに。


「……いいから集中しろ」
「ひァ、ッ…ん!」

下から突き上げられて身体が仰反る。

「あ、っアあ、ッッ!」

奥まで突かれると何も考えられなくなる。

「高濱さ、んっ…ん」

ズプズプッと膣内ナカを擦られて声が止まらない。
何も考えたくない。

「もっと…してッ、ください…っ」

そのまま私を後ろに向かせて、手をつかされる。

「……後ろからされんの、好きだろ」

「ッアあ、!あ、ッん…!!」

耳元で高濱さんの呼吸音と低い声が響いて、
膣内ナカはいい所に当たって、頭が真っ白になる。

私が声を上げると、満足そうに嘲笑う。

クリも一緒に責められて、
容赦なくガンガン突かれる。

「まっ、て…ッ!あ、っ!イくッ…っいッッく!!」

快感に身体が痙攣する。

「っあア…ッ、はぁ、ア゛あっ!イッてる、っ!
 高濱さ…っんンッ!」

高濱さんの太腿の方に手を伸ばして、
止めて、と意思表示するが、
満足するまでやめてくれない。

「あ゛ア゛ッッ!あ、ッ!!あア、ンッ…!!」

「もっとイけ」

吐息混じりの命令に反応して、また達する。

「も、…っ、頭壊れちゃう…ッッ」

決めるのは俺だと言わんばかりに責め続けられる。
言葉にならない声が漏れて、頭が熱くなる。

前を向かされると、
息をついて、今度は腰を浮かされて
ゆっくり奥を責められる。

「っあ、やだっ…これ、ッ!」

与えられる快楽に顔を逸らすと、
ニヤッと口角を上げた。

「俺は気持ちいいから付き合えよ」

「っア゛ッ!!や、あっ!ん、やっ…!」







今日も高濱さんが満足するまで付き合わされて、
もう1時。


「新しく来る奴も優秀だから、そんな心配すんな」

いつもと違い、タバコも吸わずに
私の髪の指通りを確かめている。

私の気も知らないで、仕事の話だ。


「さっきのはただ……別に言ってみただけです」

高濱さんに背中を向けて言う。
これは決定事項だから、何をしても覆ることはない。

「任期が終わったらすぐ戻るつもりだ
 ……まあ、お前がそれまでずっとここにいるか
 わかんねえけどな」


シーツと肌の擦れる音がする。

珍しく、私に腕を回してくる高濱さん。

「どーしたんすか」

「……別に…早く寝ろよ」

大きい身体に包み込まれて、安心して眠れそうだ。


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