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溢れる愛におちる~部長の甘くて過保護な溺愛~
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「そんな俺と専務だから、その奥さんになった村山ともちょこちょこ話したりするんだ。会社で無表情と言われる表情をしていても、長い事付き合いのある二人にはその表情でも読まれてな……」
そう言った時の和臣さんはちょっと不服そう。
拗ねてる弟みたいだ。
「それで、千波を良く見ていた俺に気付いた二人にはよくからかわれていた。告白しないのか?とかまだ片想いのままなのか?とかな……」
クスッと漏れた苦笑い。
「そんな二人だから最近の俺にも気付いてな。お付き合いするようになったなら、従兄弟夫妻にも紹介してくれって言われてな。まだ付き合ってはいないがそろそろだと思うと言っていた時だろうな、千波が見たのは」
そうだったのか。
「じゃあ、和臣さんが微笑んで話してたのって……」
「間違いなく千波の事を考えて話してる時だ。俺の表情が会社で変わるのなんて千波の事以外ではそうある事じゃない」
そう断言する言葉に、自然と顔に熱が集まってきて私は和臣さんの胸元に顔を埋めた。
恥ずかしすぎる。
勘違いして、落ち込んで逃げるなんて……。
私どれだけ痛い程に想ってるんだろう。
こんなのもう完璧に落ちてる。
彼に恋してるも同然。
恋してるなんてもんじゃなくて、愛してるの方が近い。
いや、足りないかも。
あの勘違いで起きた絶望感と悲しみのショックはとても強かったんだから……。
「それで、千波が、話したかった事はなんだ?」
そう、問われて意を決して話すことにした。
「あの、びっくりすると思うんだけれど……」
そう、前置きをすると
「うん?」
優しい笑みとその瞳に私はグッと手を握ったあと、しっかりと和臣さんを見つめて告げた。
「妊娠したの……。和臣さんとの赤ちゃんが居るの……。私、産みたい!」
そう、思いの丈を込めて告げる。
すると、抱きしめてくれていた腕にギュッと力がこもり、私の肩に和臣さんの頭が乗っかる。
「千波、嬉しい。産みたいって思ってくれて、そう伝えてくれてありがとう……」
そう言うと顔を上げて、私の頬にも手を添えて目線を合わせる。
「千波、ありがとう。ごめんな、妊娠に気づいた時びっくりしたんじゃないか?でも、俺どうしても千波が欲しくてあの時避妊しなかった。どうなるか分からなくても、こうなって欲しいって想いがあった。卑怯で千波の意思を聞かなかった事は謝る。でも、俺は望んでたんだ。俺と千波を繋ぐ生命が宿る奇跡を……」
そう言う和臣さんの顔は真剣で、それは和臣さんの本心である事が窺えた。
「同意の上での事で和臣さんだけのせいじゃないでしょ?私、病院でこの子の心音を聞いた時にすんなり決められたの、絶対に産むって。たとえ一人でも産むって。でも、出来れば和臣さんと一緒がいいし、喜んでくれたら良いなとは思ってた……」
そう、私も感じた事を素直に伝えた。
そう言った時の和臣さんはちょっと不服そう。
拗ねてる弟みたいだ。
「それで、千波を良く見ていた俺に気付いた二人にはよくからかわれていた。告白しないのか?とかまだ片想いのままなのか?とかな……」
クスッと漏れた苦笑い。
「そんな二人だから最近の俺にも気付いてな。お付き合いするようになったなら、従兄弟夫妻にも紹介してくれって言われてな。まだ付き合ってはいないがそろそろだと思うと言っていた時だろうな、千波が見たのは」
そうだったのか。
「じゃあ、和臣さんが微笑んで話してたのって……」
「間違いなく千波の事を考えて話してる時だ。俺の表情が会社で変わるのなんて千波の事以外ではそうある事じゃない」
そう断言する言葉に、自然と顔に熱が集まってきて私は和臣さんの胸元に顔を埋めた。
恥ずかしすぎる。
勘違いして、落ち込んで逃げるなんて……。
私どれだけ痛い程に想ってるんだろう。
こんなのもう完璧に落ちてる。
彼に恋してるも同然。
恋してるなんてもんじゃなくて、愛してるの方が近い。
いや、足りないかも。
あの勘違いで起きた絶望感と悲しみのショックはとても強かったんだから……。
「それで、千波が、話したかった事はなんだ?」
そう、問われて意を決して話すことにした。
「あの、びっくりすると思うんだけれど……」
そう、前置きをすると
「うん?」
優しい笑みとその瞳に私はグッと手を握ったあと、しっかりと和臣さんを見つめて告げた。
「妊娠したの……。和臣さんとの赤ちゃんが居るの……。私、産みたい!」
そう、思いの丈を込めて告げる。
すると、抱きしめてくれていた腕にギュッと力がこもり、私の肩に和臣さんの頭が乗っかる。
「千波、嬉しい。産みたいって思ってくれて、そう伝えてくれてありがとう……」
そう言うと顔を上げて、私の頬にも手を添えて目線を合わせる。
「千波、ありがとう。ごめんな、妊娠に気づいた時びっくりしたんじゃないか?でも、俺どうしても千波が欲しくてあの時避妊しなかった。どうなるか分からなくても、こうなって欲しいって想いがあった。卑怯で千波の意思を聞かなかった事は謝る。でも、俺は望んでたんだ。俺と千波を繋ぐ生命が宿る奇跡を……」
そう言う和臣さんの顔は真剣で、それは和臣さんの本心である事が窺えた。
「同意の上での事で和臣さんだけのせいじゃないでしょ?私、病院でこの子の心音を聞いた時にすんなり決められたの、絶対に産むって。たとえ一人でも産むって。でも、出来れば和臣さんと一緒がいいし、喜んでくれたら良いなとは思ってた……」
そう、私も感じた事を素直に伝えた。
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