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酒に呑まれた末に……~朝から慌てふためく~
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もぐもぐと、食べ終わると紅茶が出てきた。
なんていう、至れり尽くせり…
って、違う!なにをお世話されて流されてるの私!
一刻も早く逃げだずつもりだったんじゃないのか?
なんで、ここで和んじゃってるの!
って、怠すぎて歩けないし、動くのもしんどいんでした。
すべて、このサイボーグと思いきや肉食男子だった課長のせいで。
とりあえず、出された紅茶を飲む。
お茶って落ち着くよね。ってダメダメ私!
しっかりしろ、私!
すると、隣からまたも笑い声がする。
ジロっと目を向けると
「千波は仕事以外だと考えてることが顔によく出るな」
クスクスしながらも私を囲いこんでニコニコしている。
そういう課長こそ、よく笑ってませんか?
普段の無表情はなんなの?ってくらいの勢いですけど?とまじまじと見つめると
「ん?俺も会社ではそこそこ気を張ってるだけだぞ?」
いや、あなたのは仕事の鬼のサイボーグ状態もそこそこ仕様でしょうよ。
ジト目を向けると
「まぁ、笑顔やらなんやらは千波が居ればこそだな。俺は千波に夢中だから。彼氏が居る間は動けなかった。でも別れたなら問題ないだろう?」
さらっと言い切った課長に
「やけ酒して、迂闊にも着いて来た私にも問題はあるけれど。流されたけれども!抱き潰して動けないようにするのはやり過ぎでしょう?!」
私、多分間違ってない、と思う。
「やり方がずるいのは自覚してるが、逃がしたくなかったし。千波、動けたら即逃げ帰って、俺との事は無かったことみたいにしてくるなと思ってな」
うん、間違いなくそうする。
「それじゃ、俺の気持ちはどうなる?俺の告白も無かったことにするのか?」
はて?告白とは?
私の顔にはしっかり、分からないと浮かんだのだろう。
それを見て
「俺、最中とはいえ、好きだ、愛してるって言ったよな?ん?聞こえなかったか?」
えぇっと…、うん、言ってたね。
聞いたね、ガッツリ繋がった時にね!
思い出してぶわっと顔が一気に熱くなる。
きっと私いま赤い。
顔を隠そうと手で隠しつつ俯く。
しかし、そんなこと許すタイプじゃない課長は私の頬に手を当てて顔を合わせた。
「こら、ちゃんとこっち向け。聞こえてたんだろ?別に返事はすぐじゃなくてもいい。ただ、俺が千波に振り向いてもらうために頑張るだけだから。だから、せめて無かったことにはしないでくれ」
こと、その声が真剣で切実だったから。
私は、頷いた。
「分かったりました。無かったことにはしないです。というか逃げ出せないし、現状出来ないし。でもそろそろ私は帰りたいんですけど?」
そう言うと
「家に帰って一人で動けるの?」
うん、無理。
ソロっと顔を横にずらすと
「無理だろ?そうなるようにってのもあるけど、片思い長かったからな。我慢が効かなかった。今日もこのままここに居ろ。流石にもう今日は手を出さないから」
その言葉に仕方なしに頷いて、私は再びソファーにゴロんと横になったのだった。
そして、つかす離れずの距離に座って持ってきたタブレットで仕事を始めた課長。
それを眺めつつ、疲れとお腹が満たされたことにより私はウトウトとまた眠ってしまったのだった。
次に目覚めたら、外は再び綺麗な夜景に彩られていた。
やっぱり、綺麗。
都会の光がキラキラと輝いている。
ソファーから起き上がると、私が起きたのが見えたのかキッチンから課長が声をかけてきた。
「よく寝たな。夕飯作ったぞ。食べるだろう?」
そう聞かれて
「はい、いただきます。その前にお手洗いお借りしますね?」
そう言って、少しふらついたものの立って歩き出した私に
「トイレは出て右の壁沿いのすぐのドアだから」
「分かりました」
そうして、トイレから戻ると、リビングにあるダイニングテーブルにはご飯が並べられていた。
トマトクリームのパスタにサラダ、コンソメスープ。
どれも美味しそうな匂いがする。
仕事も出来て、部屋も綺麗、料理も出来る。
この人出来ないことあるの?
無さそう。
そう思いつつも席についた。
「飲むか?」
そう聞いてきた課長の手にはワインボトル。
昨日の失態を思い出した私は
「今日はやめておきます」
そう返した
「そうか?飲みすぎなきゃいいと思うが」
飲まない選択をした私を不思議そうに見てくる。
「昨日の今日だから、自主規制します」
と目線を横に流しつつ言えば
「酔うと素直で可愛いんだがな。まぁ、仕方ないか」
とクスッと笑っているのをジト目で睨みつつ
「いただきます!」
作ってくれてるしと、きちんと言葉にしてご飯を食べ始めた。
ご飯の味?
悔しいくらいに美味しかったよ!と言っておく。
なんていう、至れり尽くせり…
って、違う!なにをお世話されて流されてるの私!
一刻も早く逃げだずつもりだったんじゃないのか?
なんで、ここで和んじゃってるの!
って、怠すぎて歩けないし、動くのもしんどいんでした。
すべて、このサイボーグと思いきや肉食男子だった課長のせいで。
とりあえず、出された紅茶を飲む。
お茶って落ち着くよね。ってダメダメ私!
しっかりしろ、私!
すると、隣からまたも笑い声がする。
ジロっと目を向けると
「千波は仕事以外だと考えてることが顔によく出るな」
クスクスしながらも私を囲いこんでニコニコしている。
そういう課長こそ、よく笑ってませんか?
普段の無表情はなんなの?ってくらいの勢いですけど?とまじまじと見つめると
「ん?俺も会社ではそこそこ気を張ってるだけだぞ?」
いや、あなたのは仕事の鬼のサイボーグ状態もそこそこ仕様でしょうよ。
ジト目を向けると
「まぁ、笑顔やらなんやらは千波が居ればこそだな。俺は千波に夢中だから。彼氏が居る間は動けなかった。でも別れたなら問題ないだろう?」
さらっと言い切った課長に
「やけ酒して、迂闊にも着いて来た私にも問題はあるけれど。流されたけれども!抱き潰して動けないようにするのはやり過ぎでしょう?!」
私、多分間違ってない、と思う。
「やり方がずるいのは自覚してるが、逃がしたくなかったし。千波、動けたら即逃げ帰って、俺との事は無かったことみたいにしてくるなと思ってな」
うん、間違いなくそうする。
「それじゃ、俺の気持ちはどうなる?俺の告白も無かったことにするのか?」
はて?告白とは?
私の顔にはしっかり、分からないと浮かんだのだろう。
それを見て
「俺、最中とはいえ、好きだ、愛してるって言ったよな?ん?聞こえなかったか?」
えぇっと…、うん、言ってたね。
聞いたね、ガッツリ繋がった時にね!
思い出してぶわっと顔が一気に熱くなる。
きっと私いま赤い。
顔を隠そうと手で隠しつつ俯く。
しかし、そんなこと許すタイプじゃない課長は私の頬に手を当てて顔を合わせた。
「こら、ちゃんとこっち向け。聞こえてたんだろ?別に返事はすぐじゃなくてもいい。ただ、俺が千波に振り向いてもらうために頑張るだけだから。だから、せめて無かったことにはしないでくれ」
こと、その声が真剣で切実だったから。
私は、頷いた。
「分かったりました。無かったことにはしないです。というか逃げ出せないし、現状出来ないし。でもそろそろ私は帰りたいんですけど?」
そう言うと
「家に帰って一人で動けるの?」
うん、無理。
ソロっと顔を横にずらすと
「無理だろ?そうなるようにってのもあるけど、片思い長かったからな。我慢が効かなかった。今日もこのままここに居ろ。流石にもう今日は手を出さないから」
その言葉に仕方なしに頷いて、私は再びソファーにゴロんと横になったのだった。
そして、つかす離れずの距離に座って持ってきたタブレットで仕事を始めた課長。
それを眺めつつ、疲れとお腹が満たされたことにより私はウトウトとまた眠ってしまったのだった。
次に目覚めたら、外は再び綺麗な夜景に彩られていた。
やっぱり、綺麗。
都会の光がキラキラと輝いている。
ソファーから起き上がると、私が起きたのが見えたのかキッチンから課長が声をかけてきた。
「よく寝たな。夕飯作ったぞ。食べるだろう?」
そう聞かれて
「はい、いただきます。その前にお手洗いお借りしますね?」
そう言って、少しふらついたものの立って歩き出した私に
「トイレは出て右の壁沿いのすぐのドアだから」
「分かりました」
そうして、トイレから戻ると、リビングにあるダイニングテーブルにはご飯が並べられていた。
トマトクリームのパスタにサラダ、コンソメスープ。
どれも美味しそうな匂いがする。
仕事も出来て、部屋も綺麗、料理も出来る。
この人出来ないことあるの?
無さそう。
そう思いつつも席についた。
「飲むか?」
そう聞いてきた課長の手にはワインボトル。
昨日の失態を思い出した私は
「今日はやめておきます」
そう返した
「そうか?飲みすぎなきゃいいと思うが」
飲まない選択をした私を不思議そうに見てくる。
「昨日の今日だから、自主規制します」
と目線を横に流しつつ言えば
「酔うと素直で可愛いんだがな。まぁ、仕方ないか」
とクスッと笑っているのをジト目で睨みつつ
「いただきます!」
作ってくれてるしと、きちんと言葉にしてご飯を食べ始めた。
ご飯の味?
悔しいくらいに美味しかったよ!と言っておく。
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