36 / 40
最後の打開策
しおりを挟む
ミルはその作戦をローグに伝える。
「竜に使役魔法をかけます」
「は、はあ!?竜なんて使役できるのか?」
ローグはなんとか竜の攻撃をよけながら聞いていたが危うく直撃するところだった。
「流石に使役は無理です。でも、術をかければその術に抵抗するために、一瞬でも動けなくなるはず」
「なるほど、そうやって隙を作るってことか」
ローグは使役された時の事は記憶が曖昧だが、なにかで身体を作り変えられたような感覚があった。あの時は身体を動かすなんてことはできなかった。
まあ、怪我をしていたのでどちらにしても動けなかったから、くらべても仕方ないが。
「そうです、そしてその時に。さっきフェイ局長に使ったこの薬を使って……」
そう言ってミルは瓶を取り出す。
脅かす程度の爆発のために作ったものだったが、局長に使った時想像以上の威力が出て驚いた。
しかし、あれだけの威力があれば鱗に傷がつけられるかもしれない。
「一つだけか?」
「いえ、残っているのは五つ。一気に使えば威力はさっきの何倍にもなります。これだけ威力があればあの鱗にも傷がつけられると思います」
ミルはそう言ったものの、あまり自信は無かった。
「本当に上手くいくのか?」
「いかせるしかないです。そうじゃないと、ローグ様また無茶なことしかねないですから……」
ミルはそう言ってローグの手首を見た。ローグもそれに気が付いたのか苦笑する。
「あれは、ああするしか方法がなかっただろ」
ミルが言っているのは、あの手枷をはずした方法だ。
ローグはあの手枷を外すために何をしたのかというと、腕を切り落としたのだ。
すぐに治るとはいえ腕を切り落とすのだ、とうぜん痛いし血も噴き出す。
しかも、使った剣はそんなに切れ味のいい物じゃなかったから、腕の切り口はぐちゃぐちゃだった。
見ているだけでもミルは吐きそうになった。
「あんな事、躊躇もなくするなんて……次はわざと竜に食べられて、身体の中から攻撃しようとか言い出しそうですから」
「……なるほど、その手があったか」
冗談で言ったのに真面目な顔をして、ローグは言う。
「だから!ダメですって」
ミルは流石に怒ったように言う。
「わかってるよ。流石にそんなことしないよ」
「冗談でも止めてください。噛み砕かれてバラバラになったら再生が難しくなるだろうし、時間がかかったらそのまま消化されて、本当に死んでしまいます」
ミルは呆れたように言う。でもそのお陰で、少し気持ちに余裕ができた。
「じゃあ、使役の魔法をかけるにはどうすればいい?」
「必要なのは術者の血。それを飲ませたら呪文を唱えて完了です。使役の呪文は一番短くて早いので、今回のことにはもってつけなんです」
「そっちも、かなり無茶じゃないか?」
ローグは顔を顰めて言った。その時またもや竜の攻撃が二人を襲う。ローグはまたもやそれを躱す。
「血を飲ませるのは……こうすれば……」
ミルはそう言って手をナイフで傷つけてハンカチにしみ込ませる。
「なるほど、それを竜になんとか食べさせるのか」
「難しいとは思いますけど……わざと食べられるよりましです。」
ミルは苦笑しながらも言った。
「そうだな、なんとかやってみよう」
「無理はしないで下さい。まだ血はありますから、チャンスはあります。私は少し後ろで見て竜の動きを伝えます」
使役者と繋がっているから竜の動きがより微細に分かる。そうすれば、避けてチャンスを作りやすい。
そうして二人は作戦を決行する。
ローグは竜の攻撃を避けつつ、竜に近づく。ミルは少し後ろに下がって、いつでも呪文を唱えられるように準備する。
竜は暴れてホールは滅茶苦茶だ。人の死体も転がっている。しかし、竜はこんなに暴れているのに疲れた素振りもない。むしろそこら中にまき散らされた血の匂いに興奮しているように見える。また、竜の尻尾がローグを襲う。
「っく……!」
なんとか避けたがまたダメージをうけてしまった。それでもミルが後ろから竜の情報を送ってくれるから何とか隙がわかる。
そうして、なんとか竜の懐に入り込んだ。
竜は大きいからその分自分の足元まで見えない。
「なんとかいけそうだ。それで……このハンカチを……」
ローグは踏みつけられないように気を付けながら竜が口を開けた瞬間、ハンカチを放り込む。
「ミル!今だ!」
「わかりました!」
ローグは攻撃を避けながら言った。
ミルは呪文を唱える。
慣れてきたとはいえ、体力がいつまでもつかわからない。それに攻撃されても死なないだろうが、あまりにもぐちゃぐちゃにされれば死ぬし、もし復活できたとしてもその間にミルが襲われでもしたら最悪だ。
「っく……しまった!」
その時、地面に落ちていた血だまりに足を取られて足が滑ったのだ。竜はここぞとばかりに大きな口を開けてローグに噛みつこうとした。
もうダメだと思った瞬間、竜の動きがとまった。
「かかった!ローグ様さがって下さい!」
魔法は効いたようだ。俺は急いで立ち上がりミルの近くに控える。後は爆弾を投げるだけだ。
「ミルいいぞ」
「はい!ローグ様衝撃に備えて下さい」
ミルはそう言って瓶を竜に投げつける。竜は動かないので、瓶はすべて当たった。
そうしてミルはまた呪文を唱えた。
その途端、凄い爆発が起こる。
「っぐ!!」
ミルが言ったとおりさっきの数倍の威力だった。
吹き飛ばされそうになったのでミルを庇う。覚悟はしていたが凄い勢いで壁に激突した。
酷い痛みが身体を走る。何本か骨が折れた感覚がした。あまりの痛みに一瞬きを失った。
「ローグ様!大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ」
床に倒れこんだ衝撃で意識が戻った。しかし、まだ頭がクラクラする。よく見ると爆発の影響か壁の一部が激しく壊れ、外から丸見えになっている。相当な威力だったようだ。
「それより。竜は?」
そう言ってローグは竜の方を振り返った。爆発のせいか辺りは濃い煙に包まれていた。
ローグは剣を持ち直し備える。爆発でダメージを与えられれていればいいし、ミルが言っていたように鱗に傷がつけれていれば、なんとかそこが突破口になるはずだ。
ぶつかった時の痛みは徐々に引いてきている。なんとか戦えるはず。
「煙が晴れてきた」
「ミルは下がっていろ」
ローグはミルを背中に庇いつつ一歩前に出た。
煙が晴れて黒い影が浮かび上がる。やはり大きくて威圧感が凄い。
打てる手は全て取った。これがダメだったら、本当に竜の口の中に突っ込むくらいしか手がない。
その時、黒い影が動き煙が晴れた。
「そ、そんな……」
ローグの背後にいたミルが絶望的な声で言った。ローグの顔も暗い。
それもそのはず、そこにいた竜は先ほどとなにも変わっていない姿だったのだ。
「傷一つ付いてないなんて……」
本当に絶望的な状況だ。人を吹き飛ばし、分厚い壁を破壊するほどの爆発だったのに何のダメージも与えられなかったなんて。
「ミル……こうなったら無茶な作戦をするしかないかもしれない」
「ロ、ローグ様それは……」
「倒すのは諦めよう。生きていればどうにかなる、取り敢えずミルだけでも逃げてくれ」
王城は滅茶苦茶になるだろう。それでも生きていれば機会を伺えるしチャンスもあるだろう。
「で、でも」
「ダメだ。なんとか時間を稼ぐからここから逃げろ」
ローグはそう言って剣を構えて一歩踏み出す。
ミルは
煙が晴れた事で竜はこちらに気が付くギロリを狙いを定めるように睨むと、ひと際大きな声で唸り声を上げた。
その声に思わず怯む。
ジワリと汗がにじんできた。息を吐きだし覚悟をきめる。しかし、竜はこちらを睨んだままだ。
「うん?なんだ?」
攻撃されると構えていたが、何故か竜はまだ動かない。
「……ローグ様?何かあったんですか?」
「いや、分からない……」
ミルも不思議そうに聞いてくる。ミルから見てもなにかおかしいようだ。しかし、原因はわからない。
「急に大人しくなった?」
こそこそ、二人で話していたがそれでも動かない。
竜は相変わらず動かずこちらを見ている。そうかと思ったらゆっくり動き出した。
「ミル、油断はするな」
ローグがそう言って身構えた。
何かされるのかと思ったが竜はゆっくりと首を下げると、クンクンと匂いを嗅ぐ。さっきの興奮した姿と全く違って大人しい。しかも殺気を全く感じられないのだ。
「もしかして、ミルに興味があるのか?」
竜は匂いを嗅ぎながらローグの後ろにいるミルの方に向かっている。
「え?私?どうして……」
ミルも困惑気味だ。しかし、相変わらず竜は大人しい。ローグはふと変な考えがよぎる。
「……もしかして……使役が成功した?」
ミルは驚いた表情になる。
「ま、まさか……こんな大きくて力のある竜を使役なんて、前例がないですあり得ません」
ミルは疑わしそうに言う。ローグもそう思ったが状況的にそれ以外に説明できることがない。
「試してみればいいんじゃないか?」
「試す?」
「ロウの時みたいに、命令してみるとか?」
二人は困惑しつつも、こそこそと話す。その間も竜はじっと大人しくこちらを見ている。明らかにこの状況はおかしい。
しかし、試してみる価値はあると思ったのかミルは竜に小さく命令した。
「伏せ!」
その途端、竜は待っていたとばかりに伏せをした。ミルは唖然として言った。
「ほ、本当に使役できたの?」
「竜に使役魔法をかけます」
「は、はあ!?竜なんて使役できるのか?」
ローグはなんとか竜の攻撃をよけながら聞いていたが危うく直撃するところだった。
「流石に使役は無理です。でも、術をかければその術に抵抗するために、一瞬でも動けなくなるはず」
「なるほど、そうやって隙を作るってことか」
ローグは使役された時の事は記憶が曖昧だが、なにかで身体を作り変えられたような感覚があった。あの時は身体を動かすなんてことはできなかった。
まあ、怪我をしていたのでどちらにしても動けなかったから、くらべても仕方ないが。
「そうです、そしてその時に。さっきフェイ局長に使ったこの薬を使って……」
そう言ってミルは瓶を取り出す。
脅かす程度の爆発のために作ったものだったが、局長に使った時想像以上の威力が出て驚いた。
しかし、あれだけの威力があれば鱗に傷がつけられるかもしれない。
「一つだけか?」
「いえ、残っているのは五つ。一気に使えば威力はさっきの何倍にもなります。これだけ威力があればあの鱗にも傷がつけられると思います」
ミルはそう言ったものの、あまり自信は無かった。
「本当に上手くいくのか?」
「いかせるしかないです。そうじゃないと、ローグ様また無茶なことしかねないですから……」
ミルはそう言ってローグの手首を見た。ローグもそれに気が付いたのか苦笑する。
「あれは、ああするしか方法がなかっただろ」
ミルが言っているのは、あの手枷をはずした方法だ。
ローグはあの手枷を外すために何をしたのかというと、腕を切り落としたのだ。
すぐに治るとはいえ腕を切り落とすのだ、とうぜん痛いし血も噴き出す。
しかも、使った剣はそんなに切れ味のいい物じゃなかったから、腕の切り口はぐちゃぐちゃだった。
見ているだけでもミルは吐きそうになった。
「あんな事、躊躇もなくするなんて……次はわざと竜に食べられて、身体の中から攻撃しようとか言い出しそうですから」
「……なるほど、その手があったか」
冗談で言ったのに真面目な顔をして、ローグは言う。
「だから!ダメですって」
ミルは流石に怒ったように言う。
「わかってるよ。流石にそんなことしないよ」
「冗談でも止めてください。噛み砕かれてバラバラになったら再生が難しくなるだろうし、時間がかかったらそのまま消化されて、本当に死んでしまいます」
ミルは呆れたように言う。でもそのお陰で、少し気持ちに余裕ができた。
「じゃあ、使役の魔法をかけるにはどうすればいい?」
「必要なのは術者の血。それを飲ませたら呪文を唱えて完了です。使役の呪文は一番短くて早いので、今回のことにはもってつけなんです」
「そっちも、かなり無茶じゃないか?」
ローグは顔を顰めて言った。その時またもや竜の攻撃が二人を襲う。ローグはまたもやそれを躱す。
「血を飲ませるのは……こうすれば……」
ミルはそう言って手をナイフで傷つけてハンカチにしみ込ませる。
「なるほど、それを竜になんとか食べさせるのか」
「難しいとは思いますけど……わざと食べられるよりましです。」
ミルは苦笑しながらも言った。
「そうだな、なんとかやってみよう」
「無理はしないで下さい。まだ血はありますから、チャンスはあります。私は少し後ろで見て竜の動きを伝えます」
使役者と繋がっているから竜の動きがより微細に分かる。そうすれば、避けてチャンスを作りやすい。
そうして二人は作戦を決行する。
ローグは竜の攻撃を避けつつ、竜に近づく。ミルは少し後ろに下がって、いつでも呪文を唱えられるように準備する。
竜は暴れてホールは滅茶苦茶だ。人の死体も転がっている。しかし、竜はこんなに暴れているのに疲れた素振りもない。むしろそこら中にまき散らされた血の匂いに興奮しているように見える。また、竜の尻尾がローグを襲う。
「っく……!」
なんとか避けたがまたダメージをうけてしまった。それでもミルが後ろから竜の情報を送ってくれるから何とか隙がわかる。
そうして、なんとか竜の懐に入り込んだ。
竜は大きいからその分自分の足元まで見えない。
「なんとかいけそうだ。それで……このハンカチを……」
ローグは踏みつけられないように気を付けながら竜が口を開けた瞬間、ハンカチを放り込む。
「ミル!今だ!」
「わかりました!」
ローグは攻撃を避けながら言った。
ミルは呪文を唱える。
慣れてきたとはいえ、体力がいつまでもつかわからない。それに攻撃されても死なないだろうが、あまりにもぐちゃぐちゃにされれば死ぬし、もし復活できたとしてもその間にミルが襲われでもしたら最悪だ。
「っく……しまった!」
その時、地面に落ちていた血だまりに足を取られて足が滑ったのだ。竜はここぞとばかりに大きな口を開けてローグに噛みつこうとした。
もうダメだと思った瞬間、竜の動きがとまった。
「かかった!ローグ様さがって下さい!」
魔法は効いたようだ。俺は急いで立ち上がりミルの近くに控える。後は爆弾を投げるだけだ。
「ミルいいぞ」
「はい!ローグ様衝撃に備えて下さい」
ミルはそう言って瓶を竜に投げつける。竜は動かないので、瓶はすべて当たった。
そうしてミルはまた呪文を唱えた。
その途端、凄い爆発が起こる。
「っぐ!!」
ミルが言ったとおりさっきの数倍の威力だった。
吹き飛ばされそうになったのでミルを庇う。覚悟はしていたが凄い勢いで壁に激突した。
酷い痛みが身体を走る。何本か骨が折れた感覚がした。あまりの痛みに一瞬きを失った。
「ローグ様!大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ」
床に倒れこんだ衝撃で意識が戻った。しかし、まだ頭がクラクラする。よく見ると爆発の影響か壁の一部が激しく壊れ、外から丸見えになっている。相当な威力だったようだ。
「それより。竜は?」
そう言ってローグは竜の方を振り返った。爆発のせいか辺りは濃い煙に包まれていた。
ローグは剣を持ち直し備える。爆発でダメージを与えられれていればいいし、ミルが言っていたように鱗に傷がつけれていれば、なんとかそこが突破口になるはずだ。
ぶつかった時の痛みは徐々に引いてきている。なんとか戦えるはず。
「煙が晴れてきた」
「ミルは下がっていろ」
ローグはミルを背中に庇いつつ一歩前に出た。
煙が晴れて黒い影が浮かび上がる。やはり大きくて威圧感が凄い。
打てる手は全て取った。これがダメだったら、本当に竜の口の中に突っ込むくらいしか手がない。
その時、黒い影が動き煙が晴れた。
「そ、そんな……」
ローグの背後にいたミルが絶望的な声で言った。ローグの顔も暗い。
それもそのはず、そこにいた竜は先ほどとなにも変わっていない姿だったのだ。
「傷一つ付いてないなんて……」
本当に絶望的な状況だ。人を吹き飛ばし、分厚い壁を破壊するほどの爆発だったのに何のダメージも与えられなかったなんて。
「ミル……こうなったら無茶な作戦をするしかないかもしれない」
「ロ、ローグ様それは……」
「倒すのは諦めよう。生きていればどうにかなる、取り敢えずミルだけでも逃げてくれ」
王城は滅茶苦茶になるだろう。それでも生きていれば機会を伺えるしチャンスもあるだろう。
「で、でも」
「ダメだ。なんとか時間を稼ぐからここから逃げろ」
ローグはそう言って剣を構えて一歩踏み出す。
ミルは
煙が晴れた事で竜はこちらに気が付くギロリを狙いを定めるように睨むと、ひと際大きな声で唸り声を上げた。
その声に思わず怯む。
ジワリと汗がにじんできた。息を吐きだし覚悟をきめる。しかし、竜はこちらを睨んだままだ。
「うん?なんだ?」
攻撃されると構えていたが、何故か竜はまだ動かない。
「……ローグ様?何かあったんですか?」
「いや、分からない……」
ミルも不思議そうに聞いてくる。ミルから見てもなにかおかしいようだ。しかし、原因はわからない。
「急に大人しくなった?」
こそこそ、二人で話していたがそれでも動かない。
竜は相変わらず動かずこちらを見ている。そうかと思ったらゆっくり動き出した。
「ミル、油断はするな」
ローグがそう言って身構えた。
何かされるのかと思ったが竜はゆっくりと首を下げると、クンクンと匂いを嗅ぐ。さっきの興奮した姿と全く違って大人しい。しかも殺気を全く感じられないのだ。
「もしかして、ミルに興味があるのか?」
竜は匂いを嗅ぎながらローグの後ろにいるミルの方に向かっている。
「え?私?どうして……」
ミルも困惑気味だ。しかし、相変わらず竜は大人しい。ローグはふと変な考えがよぎる。
「……もしかして……使役が成功した?」
ミルは驚いた表情になる。
「ま、まさか……こんな大きくて力のある竜を使役なんて、前例がないですあり得ません」
ミルは疑わしそうに言う。ローグもそう思ったが状況的にそれ以外に説明できることがない。
「試してみればいいんじゃないか?」
「試す?」
「ロウの時みたいに、命令してみるとか?」
二人は困惑しつつも、こそこそと話す。その間も竜はじっと大人しくこちらを見ている。明らかにこの状況はおかしい。
しかし、試してみる価値はあると思ったのかミルは竜に小さく命令した。
「伏せ!」
その途端、竜は待っていたとばかりに伏せをした。ミルは唖然として言った。
「ほ、本当に使役できたの?」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
もしも、いちどだけ猫になれるなら~神様が何度も転生させてくれるけど、私はあの人の側にいられるだけで幸せなんです。……幸せなんですってば!~
汐の音
ファンタジー
もしも、生まれ変わるときに神さまから一つだけ、なにか特別な力をもらえるなら?
女の子は「なにもいりません」と、答えましたがーー
なぜか猫になったり、また転生して猫になったり。(作中でもさらっと割愛)
やがて、“ヨルナ”という公爵令嬢に生まれ変わった女の子が、ちゃんと人としての幸せを掴みとるまでのお話。
◎プロローグは童話風。〈つづく〉以降、転生ほんわかファンタジーで本人も回り(神様含む)も納得のハッピーエンドをめざします。全77話で完結します。
第一章「今生の出会い」
第二章「動き出す歯車」
第三章「運命の人」
エピローグ
(タイトルがほぼあらすじです)
(小説家になろう、エブリスタでも掲載しています)
姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……
踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです
(カクヨム、小説家になろうでも公開中です)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
神の種《レイズアレイク》 〜 剣聖と5人の超人 〜
南祥太郎
ファンタジー
生まれながらに2つの特性を備え、幼少の頃に出会った「神さま」から2つの能力を授かり、努力に努力を重ねて、剣と魔法の超絶技能『修羅剣技』を習得し、『剣聖』の称号を得た、ちょっと女好きな青年マッツ・オーウェン。
ランディア王国の守備隊長である彼は、片田舎のラシカ地区で起きた『モンスター発生』という小さな事件に取り組んでいた。
やがてその事件をきっかけに、彼を密かに慕う高位魔術師リディア・ベルネット、彼を公に慕う大弓使いアデリナ・ズーハーなどの仲間達と共に数多の国を旅する事になる。
ランディア国王直々の任務を遂行するため、個人、家族、集団、時には国家レベルの問題を解決し、更に心身共に強く成長していく。
何故か老化が止まった美女や美少年、東方の凄腕暗殺者達、未知のモンスター、伝説の魔神、そして全ての次元を超越する『超人』達と出会い、助け合い、戦い、笑い、そして、鼻の下を伸ばしながら ―――
※「小説家になろう」で掲載したものを全話加筆、修正、時々《おまけ》話を追加していきます。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる