167 / 248
三章
役にたつ
しおりを挟む
冒険者達が戦っている間、僕はネアの背にしがみつきながら、必死になって兄様に助けを求めてた。だけど、兄様を呼ぼうにも、戦っている音や、初めて会った魔物の恐怖で、陣の模様や文字の意味なんかが、全く思い出せない。
学院が始まる前までは、いざという時のために頑張って覚えていたけれど、学院に入ってからは授業の内容を覚えるのに必死で、忙しい兄様から教えて貰うのも、授業で分からない場所ばかりだった。
それに、外に遊びに行くようにもなったから、最近は本棚に置き放しになっていた。もっと、ちゃんと普段から勉強しておけば良かったと後悔しても、どうにもならない。
祈るように見ていたら、僕達から遠ざかるように移動していた冒険者の一人が、足を滑らせたようにバランスを崩した。そう思ったら、捕まっていたネアの身体が急に横を向いた。驚いて顔を上げると、ネアは魔物がいる方とは逆の森へと、何故か視線を向けていた。
僕がネアの顔を見上げていると、今度は急に前へと動き出して、僕はそれに引っ張られるように前へと転んでしまった。途中で手を離したから、顔から転ぶ事はなかったけど、さっきから変化し続ける今の状況に、全く付いて行けない。
地面に手を付いたままの姿勢で顔だけを上げて見ると、何故かクリスさんが魔物と対峙するようにして立っていた。それに、ネアは羽交い締めにするようにバルドを捕まえていて、今、何が起きてたのか、全く理解出来ない。
混乱している僕の前で、転んだクリスさんに、魔物が前足を振り上げる様子を見て、僕の頭は完全に真っ白になった。そんな時、この場に合わないような可愛らしい声が辺りに響いた。
その声で、辺りに静けさだけが広がった。時間が静止したように誰も動かない世界で、みんなの視線だけが声のする方へと動いていた。
みんなの視線の先には、ネアがさっき見ていた森の茂みの前に、見た事があるような小狐が一匹、ちょこんと立っていた。その小狐は、僕達の視線を気にした様子もなく、こっちの方に駆けて来ると、途中でクリスさんの前で立ち止まって、足元で匂いを嗅ぐ仕草をした後、さっきと同じ声で鳴いていた。
「あれって…」
僕が小さく声を上げると、小さな耳をピクリと動かし、小狐はこちらへと視線を向けた。すると、駆け足でネアの足元まで来ると、今度は甘えたような声で鳴き出した。
「キューン」
動こうとしない僕達に、小狐は催促でもするように、前足でネアの足をカリカリと掻き出した。その様子に、いつの間にかバルドから手を放していたネアが、ポケットから袋を取り出して見せると、子狐の尻尾が大きく揺れる。
「キュン!」
元気な声を上げる子狐の前にそれを置けば、あの時のように夢中になって食べ始めた。
「いったい…どうなって…いるんですか…?」
「さぁ…?」
美味しそうにご飯を食べる音だけが響く中、コンラットが何が起きたのか分からないといった顔で聞いてきたけど、僕にも状況が飲み込めない。でも、魔物も、もう敵意はないのか、さっきとは違って大人しくなって、僕達と小狐の様子を静かに座って見ていた。
「あッ!兄貴!!」
我に返ったバルドが、僕達が止める間もなくクリスさんの元へと駆けて行くけど、側まで近寄られても、魔物に動く様子がない。
バルドの声で動き出したクリスさんが、戸惑った様子で立ち上かると、魔物から距離を取るようにして、バルドと一緒に早足で戻って来た。
「おい!何が起きたんだ!?妙に懐いてるそいつのせいなんだろうが、お前等の知り合いか!?」
こっちに戻って来たクリスさんが、ネアの足元にいる小狐を、驚きと疑問に満ちた目で見ながら、僕達へと聞いてきた。
「た、たぶんだけど、馬車で此処に来る途中に出会った子…かな?」
「ああっ!コイツか!?」
僕の言葉に、驚きながらも何処か納得したように、大きな声を上げた。だけど、小狐は当然の大声に驚いたようで、ビクッと食べていた物から顔を上げた。すると、今まで大人しく座っていた魔物が腰を上げると、ゆっくりと僕達に近付いて来て、緊張が走る。
だけど、近付いて来た魔物に小狐が駆け寄り、まるで親子のように顔を擦り付けながら仲睦まじい様子を見せるだけで、僕達を攻撃して来るような素振りはない。
「キュンキュン!」
「とりあえず…大丈夫そうだな」
元気に鳴きながらじゃれつくいている小狐を見て、僕達はようやくほっと胸を撫で下ろした。
でも、さっきまでは毛を逆立てて、牙も剥いて威嚇していたから気付かなかったけど、落ち着いてから改めて見ると、尻尾の数が誓うだけで、2匹の姿はよく似ていた。
「ああっ!そういえば!何であの時止めたんだよ!!」
やっと一息付けた事で、さっきの事を思い出したバルドが、ネアに向かって不満を口にする。
「誰だって、何するか分からない奴の面倒を2人も見たくはないだろ」
「何だよ!それ!」
ネアの言い分に、全く納得出来ないような様子で叫ぶけれど、それを遮るかのように大きな声が響いた。
「グルルルッ!」
「うわッ!何で威嚇すんだよ!もう何もしねぇっての!!」
大人しくしてたはずの魔物が突然、牙を剥きながら唸り出したと思ったら、慌てふためくような声も一緒に聞こえて来た。その視線の先には、転び掛けていた冒険者の姿があった。
「おい!お前等!コイツをどうにかしろ!!」
「どうにかって言われても…どうやって?」
威嚇する魔物をどうにかするように僕達に言って来たけれど、魔物の扱い方なんて、僕達には分からない。
「なぁ?さっきのってもう無いのか?」
「まだあるぞ」
「なら、それ試してみれば良いんじゃねぇ?」
ものは試しと、ネアはポケットから袋を取り出して、魔物の前へと置いてみた。すると、警戒したように唸ってはいても、その袋が気になるのか、仕切りに視線を向いていた。それに、小狐が全く警戒した様子もなく食べている姿を見ていたからか、躊躇いながらも、ゆっくりとだが一口食べたら、威嚇しない程度には大人しくなった。
「ふぅ……ってか…そんなのがあるなら…お前ら…最初から出せよ…」
魔物を刺激しないようになのか、僕達から距離を取ったまま、ため息を付き、恨みがましいような視線を僕達に向けてきた。
「俺達は知らなかったんだから、しょうがねぇだろ!?」
「そうだよ!ネアに言えよ!」
バルド達が、冒険者の言い分に抗議の声を上げる中、僕も思った事をコンラッドが口にする。
「それ…普段から持ってるんですか…?」
「ああ、必需品だからな。持ち運びやすいよう、袋に小分けておいて正解だった」
「あの時も思ったけど…それ…必需品ではないと思うよ…」
「だが、役にたっただろう?」
「そうだな…そんな効果があるなら、俺も持ち歩こうかな…」
「箱の方が、保存性は高い」
「あぁ…覚えておくよ…」
その場に力なく座り込んみながら、もう疲れてどうでも良いような顔をした冒険者に、コンラッドが躊躇いながら声を掛けた。
「あ…あの…あの人は、その…大丈夫何ですか?」
コンラッドの言葉で、もう1人いた事を思い出した僕は、そちらへと視線を向けた。あれから少し時間が立っているはずなのに、地面に横になったまま、一向に起き上がって来る気配がない。
「えっ?ああ、アイツは頑丈さだけが取り柄だからなぁ。前に、あれより重いやつ食らった時があったが、しばらくしたらピンピンしてたし、大丈夫だろ」
荒事に慣れているからなのか、心配する僕達をよそに、特に心配した様子もなく、ただ視線だけをその人へ向けるていた。
僕がもう一度視線を向けると、僕達が話題に出したからなのか、うめき声を上げながらも、もぞもぞと動き出すのが見えた。
「う…っ…んッ!イッ…テー……」
「邪魔よ!」
「ギャっ!」
頭を擦りながらも、せっかく起き上がろうとしていた所だったのに、容赦なく後ろから押し潰されて、また顔から地面に沈んでいた。
学院が始まる前までは、いざという時のために頑張って覚えていたけれど、学院に入ってからは授業の内容を覚えるのに必死で、忙しい兄様から教えて貰うのも、授業で分からない場所ばかりだった。
それに、外に遊びに行くようにもなったから、最近は本棚に置き放しになっていた。もっと、ちゃんと普段から勉強しておけば良かったと後悔しても、どうにもならない。
祈るように見ていたら、僕達から遠ざかるように移動していた冒険者の一人が、足を滑らせたようにバランスを崩した。そう思ったら、捕まっていたネアの身体が急に横を向いた。驚いて顔を上げると、ネアは魔物がいる方とは逆の森へと、何故か視線を向けていた。
僕がネアの顔を見上げていると、今度は急に前へと動き出して、僕はそれに引っ張られるように前へと転んでしまった。途中で手を離したから、顔から転ぶ事はなかったけど、さっきから変化し続ける今の状況に、全く付いて行けない。
地面に手を付いたままの姿勢で顔だけを上げて見ると、何故かクリスさんが魔物と対峙するようにして立っていた。それに、ネアは羽交い締めにするようにバルドを捕まえていて、今、何が起きてたのか、全く理解出来ない。
混乱している僕の前で、転んだクリスさんに、魔物が前足を振り上げる様子を見て、僕の頭は完全に真っ白になった。そんな時、この場に合わないような可愛らしい声が辺りに響いた。
その声で、辺りに静けさだけが広がった。時間が静止したように誰も動かない世界で、みんなの視線だけが声のする方へと動いていた。
みんなの視線の先には、ネアがさっき見ていた森の茂みの前に、見た事があるような小狐が一匹、ちょこんと立っていた。その小狐は、僕達の視線を気にした様子もなく、こっちの方に駆けて来ると、途中でクリスさんの前で立ち止まって、足元で匂いを嗅ぐ仕草をした後、さっきと同じ声で鳴いていた。
「あれって…」
僕が小さく声を上げると、小さな耳をピクリと動かし、小狐はこちらへと視線を向けた。すると、駆け足でネアの足元まで来ると、今度は甘えたような声で鳴き出した。
「キューン」
動こうとしない僕達に、小狐は催促でもするように、前足でネアの足をカリカリと掻き出した。その様子に、いつの間にかバルドから手を放していたネアが、ポケットから袋を取り出して見せると、子狐の尻尾が大きく揺れる。
「キュン!」
元気な声を上げる子狐の前にそれを置けば、あの時のように夢中になって食べ始めた。
「いったい…どうなって…いるんですか…?」
「さぁ…?」
美味しそうにご飯を食べる音だけが響く中、コンラットが何が起きたのか分からないといった顔で聞いてきたけど、僕にも状況が飲み込めない。でも、魔物も、もう敵意はないのか、さっきとは違って大人しくなって、僕達と小狐の様子を静かに座って見ていた。
「あッ!兄貴!!」
我に返ったバルドが、僕達が止める間もなくクリスさんの元へと駆けて行くけど、側まで近寄られても、魔物に動く様子がない。
バルドの声で動き出したクリスさんが、戸惑った様子で立ち上かると、魔物から距離を取るようにして、バルドと一緒に早足で戻って来た。
「おい!何が起きたんだ!?妙に懐いてるそいつのせいなんだろうが、お前等の知り合いか!?」
こっちに戻って来たクリスさんが、ネアの足元にいる小狐を、驚きと疑問に満ちた目で見ながら、僕達へと聞いてきた。
「た、たぶんだけど、馬車で此処に来る途中に出会った子…かな?」
「ああっ!コイツか!?」
僕の言葉に、驚きながらも何処か納得したように、大きな声を上げた。だけど、小狐は当然の大声に驚いたようで、ビクッと食べていた物から顔を上げた。すると、今まで大人しく座っていた魔物が腰を上げると、ゆっくりと僕達に近付いて来て、緊張が走る。
だけど、近付いて来た魔物に小狐が駆け寄り、まるで親子のように顔を擦り付けながら仲睦まじい様子を見せるだけで、僕達を攻撃して来るような素振りはない。
「キュンキュン!」
「とりあえず…大丈夫そうだな」
元気に鳴きながらじゃれつくいている小狐を見て、僕達はようやくほっと胸を撫で下ろした。
でも、さっきまでは毛を逆立てて、牙も剥いて威嚇していたから気付かなかったけど、落ち着いてから改めて見ると、尻尾の数が誓うだけで、2匹の姿はよく似ていた。
「ああっ!そういえば!何であの時止めたんだよ!!」
やっと一息付けた事で、さっきの事を思い出したバルドが、ネアに向かって不満を口にする。
「誰だって、何するか分からない奴の面倒を2人も見たくはないだろ」
「何だよ!それ!」
ネアの言い分に、全く納得出来ないような様子で叫ぶけれど、それを遮るかのように大きな声が響いた。
「グルルルッ!」
「うわッ!何で威嚇すんだよ!もう何もしねぇっての!!」
大人しくしてたはずの魔物が突然、牙を剥きながら唸り出したと思ったら、慌てふためくような声も一緒に聞こえて来た。その視線の先には、転び掛けていた冒険者の姿があった。
「おい!お前等!コイツをどうにかしろ!!」
「どうにかって言われても…どうやって?」
威嚇する魔物をどうにかするように僕達に言って来たけれど、魔物の扱い方なんて、僕達には分からない。
「なぁ?さっきのってもう無いのか?」
「まだあるぞ」
「なら、それ試してみれば良いんじゃねぇ?」
ものは試しと、ネアはポケットから袋を取り出して、魔物の前へと置いてみた。すると、警戒したように唸ってはいても、その袋が気になるのか、仕切りに視線を向いていた。それに、小狐が全く警戒した様子もなく食べている姿を見ていたからか、躊躇いながらも、ゆっくりとだが一口食べたら、威嚇しない程度には大人しくなった。
「ふぅ……ってか…そんなのがあるなら…お前ら…最初から出せよ…」
魔物を刺激しないようになのか、僕達から距離を取ったまま、ため息を付き、恨みがましいような視線を僕達に向けてきた。
「俺達は知らなかったんだから、しょうがねぇだろ!?」
「そうだよ!ネアに言えよ!」
バルド達が、冒険者の言い分に抗議の声を上げる中、僕も思った事をコンラッドが口にする。
「それ…普段から持ってるんですか…?」
「ああ、必需品だからな。持ち運びやすいよう、袋に小分けておいて正解だった」
「あの時も思ったけど…それ…必需品ではないと思うよ…」
「だが、役にたっただろう?」
「そうだな…そんな効果があるなら、俺も持ち歩こうかな…」
「箱の方が、保存性は高い」
「あぁ…覚えておくよ…」
その場に力なく座り込んみながら、もう疲れてどうでも良いような顔をした冒険者に、コンラッドが躊躇いながら声を掛けた。
「あ…あの…あの人は、その…大丈夫何ですか?」
コンラッドの言葉で、もう1人いた事を思い出した僕は、そちらへと視線を向けた。あれから少し時間が立っているはずなのに、地面に横になったまま、一向に起き上がって来る気配がない。
「えっ?ああ、アイツは頑丈さだけが取り柄だからなぁ。前に、あれより重いやつ食らった時があったが、しばらくしたらピンピンしてたし、大丈夫だろ」
荒事に慣れているからなのか、心配する僕達をよそに、特に心配した様子もなく、ただ視線だけをその人へ向けるていた。
僕がもう一度視線を向けると、僕達が話題に出したからなのか、うめき声を上げながらも、もぞもぞと動き出すのが見えた。
「う…っ…んッ!イッ…テー……」
「邪魔よ!」
「ギャっ!」
頭を擦りながらも、せっかく起き上がろうとしていた所だったのに、容赦なく後ろから押し潰されて、また顔から地面に沈んでいた。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説


召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。

隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい
司真 緋水銀
ファンタジー
【あらすじ】
一級の警備資格を持つ不思議系マイペース主人公、石原鳴月維(いしはらなつい)は仕事中トラックに轢かれ死亡する。
目を覚ました先は勇者と魔王の争う異世界。
『職業』の『天職』『適職』などにより『資格(センス)』や『技術(スキル)』が決まる世界。
勇者の力になるべく喚ばれた石原の職業は……【天職の警備兵】
周囲に笑いとばされ勇者達にもつま弾きにされた石原だったが…彼はあくまでマイペースに徐々に力を発揮し、周囲を驚嘆させながら自由に生き抜いていく。
--------------------------------------------------------
※基本主人公視点ですが別の人視点も入ります。
改修した改訂版でセリフや分かりにくい部分など変更しました。
小説家になろうさんで先行配信していますのでこちらも応援していただくと嬉しいですっ!
https://ncode.syosetu.com/n7300fi/
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる